2016年7月31日日曜日

電気主任技術者 故障時シーケンス回路点検

前記事で力率改善コンデンサーの説明をしましたが実際に
ジャンパーすると言ってもどうするのか私流を
紹介します。
まず追加説明をすると力率改善コンデンサー設備全体の電気的
流れは6600V⇒DS⇒VCS⇒リアクトル⇒コンデンサーと電流は
流れていくのです。
VCSとは高圧のSW、リアクトルはコンデンサー投入時の突入電流
を制限する物で変圧器に見えますが受電変圧器とは異なります。
通常は中央監視PCでの遠隔操作だから現場で手動で運用する
事はどこの現場でもまずないと思います。

まず制御部分だけどこの回路に電源供給してるのは6600Vを
変性するVTの二次側電圧110Vを電源元とするAC電源です。
受変電設備にあるVTの二次側は必ず110Vと覚えておいてね。
盤電源ランプはこの様にVT二次電圧で直に点灯しています。
(こういう風にヒューズがあるのはVTだけでCTにはなし)
UVR(27)はこの電圧値が85V未満に低下し2秒以上継続したら
外部停電発生と判断して発電機、VCBに指令を出すのです。
当然コンデンサー回路にはUVRはなく受電のVTで行いますが
私が担当する現場では一次側は22000Vだけど二次側は同じ
110Vなのは前述した通りです。

この回路本体電源はVT二次側からのAC110Vですがリアクトル
コンデンサー、PFの各異常時で動作するリレーだけは直流電源で
動作させる設計になっています。
この直流電源元は第1変電室にある蓄電池設備から来ています。
屋外キューブクルではそこまでの配線が難しいので盤内で整流
して直流電源を利用しています。

前記事のシーケンスと上パーツを対比させて見てください。
下回路内の故障なら上部分の場所で修理交換できこの程度まで
なら私でもほとんど対応可能です。

手動ではコンデンサーの投入はできるが遠隔操作ができない場合
2個のリレーで下回路のマーク部分の接点が悪いのです。
青い矢印番号を線番と言いますがこういう回路点検ではこの番号を
間違わない事
が特に重要です。
真実に到達できないし、ジャンパーする場合ではバチと火花が出て
しまうかもしれません。(指先火傷、接点焼損など)

賢明な読者の方ならそこに該当するリレーを交換すればいいのでは?
正解です。これはそのパーツがない場合の処置方法です。
遠方でコンデンサーが投入できないならばCX1とTX1のリレーを交換。
ソケットになってるのでこれで瞬時に修理完了です。
前に記事にしたスターデルタの起動タイマーと同じでパーツさえあるなら
すぐに危機回避できたのに!という話なのです。
ですがこう細かいポイントまで在庫として現場で持ってるのは稀でしょう。

制御部分を拡大するとそこに上の現場での配線が確認できます。
青矢印79と78番の線がTX1のb接点に赤矢印80と79がCX1の
a接点に接続されているのです。
この間を下の様な物でジャンバー(導通)させればいいのです。
その他の故障でも線番で見ていけば該当場所はわかります。
ですがこういう事をする場合は制御電源を一旦切りジャンパー
させてから制御電源を再投入します。

電源を生かしたままではジャンパーさせ様と触れた瞬間に回路は
動作しますが、VCSの投入音はガチャンと意外に大きいために反射的
にすぐ指を離してしまう人もいるはずです。
その場合バチと火花が出る可能性があるので指を焼けどするかも?
だから電源を切り動作しない様にしてクリップ部分で確実に挟んでから
電源を入れてすべきだと私は思います。
通電中の接点を裸の状態で開放してはいけない

VCSはVCBと違いラッチ機能がないので投入状態では常時回路を
生かした状態となります。
TX1をジャンパーさせて強制投入した場合コンデンサーOFF時に
そのジャンパーを生で外すと火花が出るのでその時は制御電源
MCBを手動で切れば安全にコンデンサーをOFFできます。

タイマーTM1接点とパーツとの関係も同じ様に見ればわかります。
故障した場合交換までは74と80の線が接続されるタイマーの端子台接点
をジャンパーすれば遠方投入はできる様にはなります。
ただ次回再度投入がすぐにできてしまいますから、時間制御の場合はそれ
がなくなる事のリスク検証は必要です。

コンデンサー本体、リアクトル本体、PF溶断では回路ロックさせる回路
本当の事故なら修理完了まで絶対に操作してはなりません。
ですが現場検出の異常で事故が確実に発生してないならば下の各間
をジャンパーすれば正常に使用できます。
これはここのリレーを交換してもダメなのはわかりますよね?

以上はこの制御回路内部パーツでの故障の場合ですが制御回路に
つながる外部故障ではこうしたターミル部分の配線が重要です。
たとえば空調機回路である機械とインターロックを組んでいた場合で
その機械が運転すれば130と131間の先にあるその機械内部のa接点
がONになるはず?
そういう場合はここをジャンパーすれば強制的に正常状態にできる。
言葉を変えたらインターロックを解除できる事になります。
それで正常状態ならば相手先のリレーが不良というのがわかります。

配線を外してテスターでa接点の導通を見ても理論的には正論だけど
前に同類の故障でそういう見方をした時に変な挙動をしました。
つまりその相手先までの距離がある場合に電線の絶縁体にテスター
の電圧が吸収されるではないかと思うのです。
同じ室内にある機械同士なら問題ないけど距離のある先にある接点
の状態をテスターで調べるのは私はしません。

接続される機器が電磁弁とかならばその端子間には必要時に規定の
電圧がかかるわけで今度はそこをテスターで電圧CHECKしたりします。
こういう風に調べていけばどこの何が悪いかは必ず見つける事が
できるのです。
通常ターミナル配線が各何を意味するのか一覧表があるのでそれで
確認をすればいいのです。
こんな表なんて職場の人は誰も見るわけないのしあるのも知りませ
んが、どこの現場でもシーケンス回路と一緒にあります。
もちろん解説なんか一切ないので地道に一人で研究が必要だけど
私はこういうのが好きなんです。

扱う以上はその端子が各何を意味してるか知っておきます。
・PF断とは電力ヒューズが切れた場合に連動して動作するa接点。
・R相A/TD出力とは現地CTで変換したR相電流値をDC信号にして
出力される端子で中央監視PCはこれを見てパソコン上にR相の
アンペアを画面表示させます。(電圧、電力でも同じ仕組)
トランスデューサーという変換器が故障なら業者に取替してもらう
しかありませんがもしこの端子が緩んでいたら表示されないので
緩んでないか程度は最初に私が点検します。

・変圧器26警報とはこの現場では油温度が85℃になると接点付
温度計のa接点がONになります。
・漏電とあるのはこの第2電気室には500KVAの変圧器が4台ある
のすがB種接地で地絡が発生した場合のLGRのa接点からです。
・MCCBトリップとはMCBのどれかが1個でもトリップしたら中央監視
PCに知らせるための接点で各変圧器事でグループになっています。
★ここで述べたのは中央監視PCへ情報として送られているのです★

コンセント、照明タンブラSW、蛍光灯安定器等交換、簡単な電気工事
程度は電気主任でなくても同じ設備の何人かの方はされます。
(貴方が名前を聞いた事のある様なビル管理会社の設備員ならば
電気に関してその程度のスキルはあります
)
ビルの電気主任となるからには一応は最低上作業はこなせる様になって
転職しないと"今度の電気主任は駄目だな"と陰口言われから!
だってその現場で電験三種所持者がいないわけで彼らの上を行き
その資格手当てまで別にもらっての入社なんだからいちいち基本
作業なんて教えてなんてくれません。
入社した段階では見方なんていないんだからとにかく自分が頼り!
当時の私と同じ意気込みで電気主任技術者は目指してください。

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2016年7月28日木曜日

電気主任技術者 力率改善用コンデンサー

自家用電気工作物の現場に必ずある物、それは力率改善用
コンデンサー
で今日はその制御回路について説明します。
受電力率を100%前後にするのが一番効率が良くこういう設備を
使用して操作する代わりに電力料金の割引をしてもらってるの
でどこの現場(工場やビル)でもしています。
(各需要家が適正に受電力率を管理する事で電力会社も配給
負担を減らせます。)

たとえば下は現在50Kvarほどコンデンサーの投入が必要と
いうのを意味しています。
(本当は反対に+50Kvar多いと見れた方が自然なのですが
この中央監視はそういう組み方をしているだけ)

そこで115Kvarのコンデンサーを切り、172Kvarを投入すると
受電無効電力は0kvarとなりました。こういう操作を力率改善
と言うのです。
コンデンサーは変圧器二次側6600V側ですがここを力率改善
すれば22000V受電側も改善されるのです。
遅れ無効電力量計はMOFのとこで積算されてるのでコンデンサー
投入をあまり怠ると当月の基本料金が高くなる
ため会社から
なぜか理由を問われるはめになります。
受電力率が電力量計積算値で99%となると100%の時より請求
基本料金は該当月のみ高くなる(割引率が下がるため)。

ではコンデンサーが中央監視室の遠隔操作で入らないとします。
電気主任技術者の貴方はどうされますか?
これは私が管理してる現場の実際の製品のシーケンス回路です。
故障部品がわかったならそれを注文してこの程度の物なら私が
取替していつも修理をしています。

手動投入入りを押すとTM1タイマー接点がONならばSR1X、SC1X
LS2XのB接点を経由してMC1がONする事でコンデンサーが投入
されます。
一方自動回路は遠隔投入接点CX1のa接点がONする事でTM1タイマー
接点がONならば同じくSR1X、SC1X、LS2XのB接点を経由してMC1が
ONする、MC1がONすると赤矢印が示すMC1のa接点がONする事で
自己保持回路となる。

まずコンデンサーが投入されないのはMC1がONしないからに気
がつく事です。

テスターで電圧を追う方法以外で今日は調査してみましょう。
まず手動投入ボタンでコンデンサーが投入できるか、できるならば
SR1X、SC1X、LS2Xのリレーは正常、そうなると線番74より上の
自動回路に異常があり。

自動回路②下の自動切り接点TX1を短絡(ジャンパー)した上で
遠隔投入してみます。
これでも一瞬でも入る気配がなければ遠隔投入接点CX1をジャンパー
してみましょう。
最後にTM1タイマー接点をジャンパーします、必ずどこかで入るはず
で上のどれかが不良。

一瞬でもと言ったのはMC1の自己保持回路があるからで一旦
投入されるのにすぐに切れる場合は自己保持回路MC1のa接点
が不良です。
シーケンス図で接点のとこにある番号はその部品の接点番号
で配線に書いてあるのを線番と言います。


コンデンサーを切ると真ん中上のVCS-1のb接点がONになる事
で線番81より電圧がかかり切りランプのGL1が点等します。
同時にTM1のタイマーに電圧がかかり一定時間後に左上にある
TM1タイマー接点がONします。
そうこのタイマーはコンデンサーの連続投入を防止するために
あるんです。

電力コンデンサーは電荷を充電しますが前の投入した時の電荷
が残っていると過電流になるために内部に電荷消費用の抵抗か
放電コイルを内蔵しているのです。

図面右のB、C、Dは遠隔盤に故障信号を送る接点でE、Fは遠隔盤
より信号を受けて現場のコンデンサーを入切するリレーです。
コンデンサー異常とはコンデンサーの箱内部の圧力が異常上昇
した時に動作する圧力SWCX1とTX1リレーのとこにパラでダイオード
の記号があるけどあれは何だと思われます?
あれはこのリレーが切れた時に発生する逆起電力を外回路に出さ
ないための物でこの先に電子回路が絡む場合時々見ます。
たしかフリーホイルダイオードという名前だったと思います。

上で述べたコンデンサー投入用MC1が動作すると下の様な流れ
で投入信号が投入用の高圧SWであるVCSに来るのです。
VCS2-1番間にAC100Vがかかり内部で整流されDCとなる。
それが投入コイルCCに印加されてVCSは投入されます。
VCSが投入されるとVCS7-8番a接点がONとなり中央監視に
投入を知らせるのはわかると思います。

このVCSはラッチ式ではないので投入後も保持電流が必要なタイプ。
つまトリップコイルを内蔵してなくてもVCS2-1番間が無電圧に
なれば切れます。
受電VCBの様に基本停電作業以外では365日投入を維持する場合
はラッチ式で投入後は機械的に状態を保持して、必要時にトリップ
コイルで切らせるのです。
そうでないと数年で投入コイルが熱で断線する可能性があります。

業者と話をするのでもただ"SWを入れた何かが入る"だけでは相手
は電験資格があるだけで実務は素人と絶対に思っています。
ですがこういう流れで話をすると相手もガチな目でこちらの話や
要望を聞いてくれるのです。
"この人にはごまかしは通用しない"と思わせてこそプロフェショナル
だと思いませんか?

2016年7月27日水曜日

電気主任技術者 停電時対応

父が若い事は夏場の雷で停電というのが時々あったそうです。
昼間受電状態における全館停電というのは私は経験ありません。
電柱からではなく地中より給電されてるので今はその可能性もない
かもしれませんが受電停電はいつ発生しても対応できる様に
しておかないと利用者全員に多大な迷惑をかけてしまいます。

同時に★所内事故による区分停電時の見極め意識も必要。

私が管理してる現場では受電停電が発生すると受電UVR動作
により自家発電が自動起動、VCBは発電機回路を除きその他
のVCBは自動遮断します。
夏場ですと2500KW程度の電力は必要だけど発電機は最大
で1000KW分しかないので消防負荷やその建物にとって
停電が許されない設備のみに給電するために余計な負荷は
停止させる必要があるのです。


停電時は正常な営業活動はできなくなる事をテナント会議で伝え
ていてもテナントで働く一般の方は発電機が運転すれば停電前
と何ら変わる事なく業務ができる
と思い苦情電話をされてきます。
イザそういう事態になればその気持もわかります。
ですがテナント店舗では原則非常灯とGAC回路で点灯する非常
照明にしか給電されません。

ただ大型冷蔵庫などは入居時に発電機で運転再開できる様に
テナント費用で接続工事されています。
(非常用なのに1000KWの発電機分があるのは消防設備以外
もある程度考慮してるため)
発電機さえ正常起動するならば電気主任も相応に言い分も
ありますが問題はそれが起動せず館内が完全に照明がない
真っ暗な状態そして前述した大型冷蔵庫が稼働できない!
大昔そんな事があり食品損害が100万円発生してオーナーが
弁償されたそうです。
これが病院や工場で電気を止めれない重要施設があるなら
ば同様な被害が発生するでしょう。


私が管理してる現場では52BというVCBが切れてないと絶対に
発電機で送電してはいけません。
後どこの現場でも電力への逆送電防止のため受電VCBが投入
状態では発電機VCBは投入できないインターロック仕様です。

受電停電でない事故、所内OCRやDGR動作によるVCBトリップでは
受電VCBの一次側のVTが生きてるためにUVRが動作しないので
発電機は自動起動しません。


全体停電か区分停電か?瞬時に判断して電気主任は適切なテナント
対応が必要となります。
これは電気保安教育で設備の皆さんに配布するために私が作成
した資料です。
停電故障時はせめて何が必要かは知っておいてほしいのです。

下図ではPCですが変圧器の上はLBSが通常なのでそう見てね。
たとえば青点短絡事故でLBSのPFが動作した場合はその変圧器
から電力配給されるされるテナントは全停電です。
ですが受電点は何も動作してないのでその他は停電しません。
下位事故が上に波及しない様に設計、設定(保護協調)される。
焼損等よる事故修理が完了したらPFを交換して充電開始です。
こういうケースを区分停電と言いますが速やかにオーナー、テナント
関係者に状況説明をしなければなりません。

ですが赤点短絡では受電がトリップするので全館停電となります。
ただ需要家のOCRは配電用変電所のより早く動作しますから受電CB
で即時遮断しただけでCBの一次側には電気があるので発電機は
起動せずいきなりでは一瞬何が発生したかわからないかもしれません?
(図ではUVRがありませんがVTの電圧をそれが常時監視します)
この場合では事故ケーブルを本線から早急に切り離さないと受電
を生かす事ができません。

又完全に電力会社送電が停電してるのに発電機が起動しない
場合は最初に受電27のターゲット表示を確認しましょう。
受電電圧計が0Vなのに27が動作してないなら27の完全故障。
そう強制的に発電機回路を動作させるしかありません!
停電でON経由の1番端子にDC100Vをかければ発電機に起動
信号を送る27-R22リレーをONできます。

つまり強制的に27動作による発電機起動回路を動作させます。
ただVCBなどが停電動作してるならば27-R22単体の故障となる
のでそのa接点間をジャンパーします。
なぜこんな事をするかと言うと27が動作しないと発電機VCB
が手動でも投入できない
二重安全回路があるからです。

逆に27が動作してるなら一旦発電機は自動起動して何かの原因
で重故障が発生してしまい緊急停止に至る場合だと思います。
軽故障では発電機は停止せず重故障は必ず緊急停止です。
重大なシステム異常のため即業者に連絡してください。
発電機の重故障では速やかな業者対応しかありません。
これが一番最悪のケースでどこの現場でも非常用発電機
試運転を月に数回行うのは異常を迅速に見つけるためです。

オーナーから現状どうなっているのか催促がきますから
何もわからずただ業者待ちなんて返答では激怒されます。
結果としてまだ復旧できなくても可能な限りの対策行動を
電気主任は行う必要があるのです。

極端に言えば金銭被害はお金で解決できますが信用を失うと
大変なので何かあればその時どういう対応をしていたのか?
相応の対応を現場もしたがこういう事態となったのなら顧客
も一定の理解もし信用低下も最小限にできます。
オーナーが事故発生時に考えるのはまずそれでしょう?
だから電気主任にもそれを要求されてくるのです。

非常灯は通常電気室のバッテリーと共用電源のため発電機が
稼働せず充電ができないでそのまま非常灯を点灯させてると
バッテーリー電圧が下がり最悪は受電操作ができなくなります。
受変電設備の保護継電器やVCBなどはDC電源で動作する。
このバッテリーも車と同じで触媒により水が減る事はありません
が触媒も有効期限があります。
ただ車のバッテリーは内部で2Vのセルを6個直列にして12Vを
出力していますが、これはこの1個の単体が2Vのバッテリーで
それを50個程度直列接続してDC100Vとして利用しているのです。

通常は浮動充電といい充電しながら負荷に給電しています。
負荷電流計の値はほぼ0に近くたぶん受電設備の待機電力
程度なのでしょう。
ここで大切なのは直流電圧の指示が常にDC100Vある事!
これがダメになると受変電設備の制御はDeadですからね。
一応は電圧低下警報設定を90Vにしてはいます。

比重にばらつきが発生したら均等充電を行います。
(2V/個より若干高い電圧をかけて全体充電する事をいう)
又起電力を求める公式は、比重+0.85です。
下の場合は比重1.24なので起電力は計算上2.09Vとなり実測
は2.1Vですから正常な状態と判断できます!
年に1回はすべて月に1回は代表する数点にてこの関係の点検
を私はしています。
上の公式は父が建築設備点検資格者の講習で教本にあった物
で適当な事を言ってるわけではありません。
電気室の蓄電池設備は受変電設備電源で最重要設備です

非常灯送りのMCB、ただこれは非難誘導のための電源で原則
OFFすべき物ではなく各現場でどういうタイミングでそうするのか
決めておきましょう。
とにかく1時間以上ビル全体の非常灯を充電なしで点灯させると
相当バッテリーは状態が悪くなると思います。
(発電機が正常なら充電されますから大丈夫です。)

中央監視UPSは停電が発生して5分以内に復電しないと自動
シャットダウンになる設定にしていますがその辺の確認し
そういう機能がないなら忘れずにシステムを落としてください。
尚、受変電制御は現場の回路で動作しているので中央監視
PCをシャットダウンしたままでも復電動作には影響ありません!

エレベーターは停電が発生すると非常用しか使用できなくなります。
それには発電機回路と連動した自家発管制というのがあり客用
は発電機運転により1階に強制帰着して扉が開放して以後使用
できないシステムになっています。
非常用は火災が発生した場合に消防隊が使用する必要がある
ためそういう自家発管制はされていません。
ただ怖いのは発電機が起動しないと利用者が缶詰状態になります。
ですが電気がないのですからどうし様もありません。

エスカレーターや駐車場は電力からの買電でしか運用できません。
水は高架水槽方式でない圧力送水方式の場合は発電機が使用
できないとその時点でお手上げ状態です。
高架水槽方式なら一定時間なら館内のトイレは使用できます。
停電が発生するとあらゆる利用方法についてビルスタッフから
問合せが集中すので電気主任はすべて把握しておきます。



圧力送水方式は受水水槽までありますがそこからは圧力ポンプ
で圧力制御しながら連続加圧する方式で高架水槽がありません。
そのためポンプを回す電気がないとTHE ENDです。
高架水槽があればそこにある分だけは重力式ですから電気が
なくても使用できるのです。

発電機の法的義務は停電時に消防設備を運用するためです。
しかも停電してから1時間も運転継続できればいいので冷却
システムも冷却水槽からという簡易システムになります。
もし発電機を24H使用する常用という考えで設計するならば
冷却塔という強制冷却システムが必要です。
コージェネ用発電機に冷却塔があるのはそういう理由からです。

ですから発電機をどれだけ長く使用できるかは機械本体性能
ではなくて冷却システムの能力しだいと言えると思います。
よく燃料タンクが15KLで非常用ディーデル発電機の燃料消費量
が最大1時間に70ℓだから約9日間は連続運転できると思ってる
方がいますがその前に冷却水温度上昇で停止するでしょう。
あくまで非常用は非常用で常用とは異なります。

通常のビルの発電機冷却水槽は発電機直下に設置されて槽内
の水が減ったらボールタップや電磁弁で補給するだけで運転が
長くなるほど水温がじわじわと上昇していきます。
温調弁があり温度上昇に応じて排水していくほどの作りがある
現場ならば私には何とも言えません。

工場に勤務してる時はダミー抵抗器というのがありそれを専用水槽内
で放電させて実負荷KWを出して発電機試運転もしていました。
通常発電機試運転とは無負荷運転で起動するかどうかしかできません。
負荷をかけた時のガバナの追従性まではわからないのです。
相当高価な設備なのでここまではビルではまずないでしょう。
(ダミーモードに限り発電機VCBが手動投入できる)

今の時代昼間に停電する事が稀でそういう実経験はない人ばかり
ですからイザではたぶんパニックになるでしょう。
発電機は商業施設、病院、生産工場では生命線ですからイザで使用
できないというのは後で責任追及もされます。
それが嫌なら給料の安い小さな現場で働くしかありません。
私は毎週木曜日に試運転をし稼動するのは確認しています。
発電機は電気主任にとって最重要設備であるのは覚えておいてね。

2016年7月26日火曜日

Practice makes perfect

Practice makes perfect(習うより慣れろ)
これは昔Amazomで購入した水位制御の実験KIT。
ビルにある業務用も基本仕様は同じです。

こういう物には専用電源が必要です、今回は
トランスで12Vに下げました。

基盤で動作する接点でここに制御対象を接続します。
今回はランプ電流にしました。基盤で構成すると昔
のリレー回路とは違いコンパクトにでき、現地での
施工も迅速にできるというのを実感します。

全体回路はこんな感じです。


別売りのフロートSWをここに接続する事で水位制御
ができます。これは単純に接点ON/OFFつまりはポン
プ回路の起動停止に利用できます。ビルに使用され
てる物は満水や減水警報が更に機能として追加され
ています。

これは同じくAmazonで購入した温度制御KITです。
取説を見て基盤に設定を入力する、意外とそうい
のが苦手な方いますが電気主任技術者ともなれば
そんな事は言ってられません。電気主任になった
ばかりの頃はこういう事も家でしてました。仕事
と違い縛りがないから自由に遊び気分で学べます。
実はお仕事でイザの時に脳裏に浮かぶのはこんな
時の経験が多いです。
このまま終わっては私の読者の方は物足りないで
しょうから3日前にあった出来事を紹介します。
あるテナントから盤内の照明タイマーの調子が悪
いので相談がありました。同じ物を会社で購入し
て取替するだけですからできると返答、結局1万円
で取替という事となりパナソニツクのTB50の型番
を確認、接続されてるMCBは100Vから結線変更を
し200VになっていてTB50はボルトフリーなんだろ
うと思っていました。

ところがNETで確認したらTB50は定格100Vです。
どうしても納得ができない。翌日理由を言って再
度確認をしました。S1-S2間、L1-L2間やはり200V
がかかっている、しかも製品の化粧パネルを外す
と100Vと記載してある、これで2年も使用できて
いたなんて!普通焼損するのでは?私的にはもし
200Vをかけても安全のため電圧調整機能があると
しか理解できないです。

誰が取付したのか...○○会社、あそこは事情で騒
ぐと面倒な事になるので何事もなかった様に今回
はボルトフリータイマーTB47に変更する事にしま
した、どうせテナントさんには影響ない話です。
100Vのタイマーで200V回路を2年も制御していた
事例を今回初めて体験しました。こういうのは
完全に保証対象外の使用方法で当時これをした
業者は偶然200VをかけてもTB50が使用できるの
を何かのきっかけで知ったのでしょう。ですが
それを客先でするなんて!お店の方が直接発注
される電気工事は安いどこかでされる事も多い
のでこういう欠陥工事がありえるのです。

実はもう1点不良個所がありました。100Vから200V
の結線変更はいいのですがMCBが2P1Eのままでした。
2P1EのMCBに200Vをかけても何事もなく使用できま
す。ただ過電流素子がない側で短絡が発生すると
保護回路がないので必ず主幹が切れて店が全停電
になります。エアコン工事とかお客さんにはわか
らないので結線変更だけして200Vエアコンを取付
する業者も一部いるそうです。

2P2EのMCBで2回路をそれ1個でしてた事例もありま
した、しかも100Vと200Vです。確かに何事もなけれ
ばそれで運営できてしまいます。でも100Vと200Vを
1個のMCBで入切してた作業場、たぶん設備の人がし
たのでしょうがユニーク大賞を贈りたい気分です。
もちろんそんな事はされないでください。後200V
回路に100VのLWランプを2個直列に接続して使用
してる現場、電球交換の時は開放電圧は200Vだか
ら危ないかも?電球交換を素手でする設備の人っ
て凄く多いですからね。10年OVERの先輩に注意
するわけにもいかないし、せめて自分だけはそう
いう事はしない様に気をつけています。スターデ
ルタ回路で切り変わった時にモーターが一瞬反対
に回るとかビル管理の職場はフェイクな話も時々
ある面白い職場ではあります。

2016年7月23日土曜日

電気主任技術者 スターデルタ始動方式

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スターデルタ始動方式の故障の半分は切替タイマー絡みです。
これはどんなビル、工場でも必ずあるモーターの始動方法です。
実際7.5KWを境に直入かスターデルタ始動方式に分かれます。
マグネットの交換方法は私の過去記事で読者の方は理解できたと
思うから故障時に在庫パーツがあるなら交換すればいいです。
又切替用の制御タイマーは通常プラグインでパーツさえあるならば
復旧には10秒で修理完了となります。
各空調機のマグネットの容量はモーターに応じて各所異なるけど
制御用のタイマーはすべて同じ物が通常使用されています。
しかも1個の価格は1万円もしないので1個でも事前に購入して
おけば電気主任技術者の方も緊急対応ができるのです。


内線規定では3.7KW以上のモーターは始動装置を使用する事
になっていますがファンやポンプなどでは現場を見てると製品として
5.5KWまではまず直入れ、7.5KWでは負荷しだいで直入れか
スターデルタ始動というのが実情です。
(内線規定は技術基準を補完する位置付けで絶対ではない)
実際ファンの様な手回しができる始動トルクが低い物なら7.5KW
でも直入れ起動で全然いけます。工事用仮設排気なんかそう!

そうは言ってもその切替タイマーがない場合はどうすれば?
私ならこうするで記事にしてみました。
★無理解なオーナーでは購入してくれない現場もあるかもしれません!
まず私の現場の空調機のスターデルタ始動方式で説明します。
(過負荷時はCTで読んだ電流で通電を停止する電子制御のため
この動力盤にはTHRはありません。)
今日1stに私のBlogを閲覧した方のために動作を説明すると
メインマグネット(M)が投入⇒スターマグネット(S)が投入⇒
10秒後にSが切れる⇒デルタマグネット(D)が投入という動作
制御タイマーが自動で行っているのです。
短絡金具がマグネットにあるのがスターマグネットなので貴方の
現場の場合はそれで見分けてね。

この回路は通常のスターデルタ始動動作もすべて基盤でしている
ので専用のタイマーがありません。(基盤で時間制御もする)
基盤制御かタイマーを使用した回路制御かは新しい現場はまず
基盤制御だと思います。
そうした場合でも有効な様に既存のシーケンスが故障してしまい
起動させるべき回路が使用不能な状況を想定しましょう。

まずモーター主電源、制御電源を切りにしたら3個のマグネットコイル
には既存制御回路から接続されてる線があるので撤去してください。

次に線を準備して各マグネットコイル端子にこの様に配線接続をします。
(流れる電流は僅かなので制御線がなければIV1.6でも可能)
当然ながらこういう作業では電気工事士の資格は必要です。

マグネットコイル端子とは過去記事マグネット交換で説明した主接点
の奥にあるここの事です。
ここに電圧をかけるとマグネットは投入されますが通常は回路がその
制御を自動しているのです。
(マグネットは投入すると頭の部分が引っ込むので目視でわかる)
外したここにあった既存線は後で戻すので必ずテーピングしてわかる
様に目印をつけておきます。

各マグネットコイル端子からの配線を以下の様にモーター主電源
MCBの二次側に接続します。
実際赤ー白端子にすべて挿入は無理なので線間で適当に接続。
制御電源MCBは単相の上小さいので6本線挿入はできないと思う。
Mの回路は直、SとDの回路は片側にSWを間に入れます。
SWがないなら通常の20Aの分電盤にある2P2EのMCBでもいいです。
もうおわかりかもしれませんが各マグネットを順番に手動で強制投入
させようと言うのです。(人間が自動制御の代わりをする)
これはとにかく今始動させる必要がある場合の緊急対応です。

SW-1とSW-2は必ずOFF状態でMCBを投入すればすぐにMが投入
まだモーターは始動しません、次にSW-2をONした段階でスター回路
が構成されるのでここでモーターは減圧始動します。
通常のスターデルタ始動方式では10秒もあればいいけど一応既存の
タイマー設定を確認してその秒数間はそのままです。
★次が一番注意されてください。★
必ずSW-2をOFFにしてスターマグネット(S)が切れたのを確認して
すぐにSW-1をONしてください。
尚、この時に一瞬無電圧になるため突入電流が流れガチャンと大きな
音がしますが故障ではありません!
とにかくこれでデルタマグネット(D)が投入されて正常運転となります。

スターからデルタに回路を切替える時、電動機は電源から切り離され再接続
されます。この時、電動機は回転しているので残留電圧を持っています。
残留電圧は、残留磁気のみによって発生されるものではなく、二次巻き線内
の残留電流によって鉄心が励磁されるために発生しています。
この残留電圧は再接続されるときに電源の位相と一致していれば問題はあり
ませんが逆位相の場合は、過電圧で直入れ始動したのに相当し直入始動
電流以上の大きな突入電流を発生させます。


SW-2を切りSW-1を入れるタイミングは自動でなら1秒未満だから手動
でも同じくすぐに、ただ慌ててSW-1とSW-2が一瞬でも同時にONされた
状態になると短絡するので注意が必要です。
モーターを停止させる場合はMCBを切れば停止します。
停止後はSW-1は必ずOFFしておかないといけません。

この間に新品のタイマーの手配をされてください。
家電SHOPでは販売されてないので電材屋さんです。
基盤制御なら専用の基盤が必要となりますがそのメーカーしか
なく納期に時間がかかるので発注を急いでください。
でも機械は動かせてるので苦情が出てない点では安心。

私は以前勤務していた工場では動力に440Vを使用していました。
その場合はモーター回路のMCBから電源を取りマグネットに配線
するとマグネットは焼けてしまいますからこれは三相200Vのモーター
の場合です。
440Vの場合は必ず200V別電源から接続される必要があります。

★スター始動まで完了するがデルタに切り変わらない場合
スターマグネット(S)の投入にはそのb接点が関係しないため一旦モーター
起動できますがタイマー時間10秒後には停止してそのままという故障現象。
タイマー交換しても駄目ならスターマグネットの補助b接点が故障してるの
でスターマグネット(S)の交換が必要です。(基盤制御でも同じ理由)

場所で言えば下の配線につながるこのb接点の事です。
応急でというならここにも前述した様なSW付配線を接続してスター
マグネットが切れたのを確認してすぐONにすれば回路を構成する
ためデルタマグネットは投入できます。
これは工場に勤務してる時、実際に父が行った応急対応です。

★最初からまったく起動しない場合
とりあえずTHRや電源MCBが切れてないかは確認してね。
THR動作やMCBトリップしてる場合はモーター本体劣化の可能性
があるので絶縁測定をまずされてください。
その確認をせずリセットで再起動なんて絶対にダメですよ。
スターデルタのメガをどこでしていいかわからない人が現場では
意外といるので説明するとUVWにつながる充電部です。
MCBの二次側やマグネットの一次側ではモーター要素が入らない

乾燥した場所にあるモーターなら通常50MΩ以上あるはずです。
もし1MΩ未満ならまず違う測定器で再度測定を行いそれでも同じ
ならばモーター交換を私ならオーナーに報告します。
法的0.2MΩ以上あっても近い内に短絡を起こす可能性がある!
★絶縁測定判定値は人の感電の危険性を問う物で機械本体の異常
有無を確証するわけではありません、だから対地電圧が基準なんです★
放置して焼けた後に0.2MΩ以上の0.3MΩありました。という返答は
現場を知らない知識だけの人で電気管理の考え方が間違っています。

後で事故調査を業者がした時にそんな低い値を放置してるのが
発見されたら電気主任の判断ミスを一番に指摘されるでしょう。
人が電気を感じるのは1mAで200Vならばその時の対地間抵抗は
0.2MΩ、絶縁測定判断値の根拠とはそれだけの事なんです。
(動力変圧器二次側は通常デルタ結線なので対地電圧も200V)
対地電圧100Vはだから0.1MΩでよく絶縁測定の根拠を仲間からも
問われるので電気主任レベルは即答できなくてはなりません。

尚、トップランナーの省エネモーターにするなら同じ出力でも
起動電流が増える
のでマグネット交換が必要となる可能性があります。
業者にもその点は検証させてください。
電気屋の営業マンが直に打合せに来た場合は特に注意してね。

上現象ないならばON/OFFはまず故障しないので以下の方法で!
最初からメインマグネットも投入されないならタイマー交換!
メインマグネットは投入されるがスターマグネットが動作しない
という状況ならばメインマグネットかデルタマグネットの補助接点
が破損してるのでどちらかの交換が必要です。
マグネット取替を外注する場合一般の電気工事士ではなく専門の
盤屋さんがするのでパーツ準備と人の手配で一週間は覚悟です。
そうなると今回紹介した様な方法でも応急起動は急務です。

10年以上経過して毎日使用するモーターでは計画的にマグネット
交換が必要すべきと言うのはこういう故障に遭遇しないためです。
盤屋さんの代わりに現場の電気主任が主要な部分だけでも事前
に交換できるならそれが管理上は最善と言えます。
ただタイマーを在庫として1個でも準備してれば故障のかなりを
瞬時に回避できるのでその程度は準備されておくべきです。

★これは2コンタクト方式です。
この場合でもタイマーは制御の中核を構成しているのです。
B2-2がON⇒88RがON⇒タイマーTLRと52Y-MCが同時ON⇒モーター
スター始動完了⇒タイマー時間後⇒TLRのb接点切り、TLRのa接点入⇒
52Y-MCがOFF⇒52Δ-MCがON⇒モーターデルタ始動完了!
(この方式は常時電圧がかかり絶縁低下し易いため3コンタクト始動
が一般的には多いです)

初めてこういう物を扱う場合、回路上では理解していても実際のパーツ
配置でどれがどの線かわからないと何もできません。
通常配線には線番がどこかにあるのでまずそれで確認して図面
と現場の配線配置を日頃からリンクしておきましょう。
職場の先輩なんかに聞いてもここまではわかるはずありません。

たとえば赤い矢印の配線番号(線番)の見方だけど線番001に接続
される配線はすべて線番が001と見るのです。
シーケンスを触る場合はこれで現場の配線が何かを見分けるのです。
逆に接点などにあるのはそれの端子番号と言いますが、この場合だと
加湿センサーHDの3番にR24の電源線が接続されてると読むのです。
私は別に誰かに教わったわけではなくて扱う内に自然に理解しました。
パズルが得意な人ならシーケンスは簡単に習得できると思います。

上の様な温度や圧力制御などの自動制御はどこの会社も業者契約して
いますがスターデルタ始動方式の様な動力盤までは通常されてはいません。
ですから動力盤故障ではすぐ来る義務のある業者はいないのです。
夏場暑い時に冷房ができない、重要な何かが使用できないなんて相当の
苦情が利用者より出てしまいます。
しかもまだ数日となるとオーナーがテナントに対して陳謝に回る必要まで
出て来るのでオーナーから"現状のなぜ?"を質問されるでしょう。

そこでオーナーから電気主任の人に言われるのは電気技師と言う
なら応急でも何とかならないのか?
という話になるのです。
NOならば"なぜできないのか"を弁解までしなくてはいけません!
もっともこんな時こそ自分をアピールする最高のチャンスでもあります。
トラブルこそそう思え、実際に対応できる人はすぐに職場の要として
仲間やオーナーからも技術者として認められ高く評価されます。
電気主任として着任したら必ずいつかそれを試される時が来ます
それに挑戦するか退くかで職場での立場が決まっていくのです。
もちろん成功しないと評価は下がるからプレッシャーは私もあります。
★電気主任なんて点検と巡回だけして、何かあったら業者という意識
でこの職につくと手痛い洗礼を受けてしまいますよ。★

何かトラブルが発生した場合の処置において大丈夫か?という判断
は過去の経験で上手くできた事、できなかった事の蓄積が大切です。
本や当事者でない他人の安易な意見はそれが発生してるその現場
条件まで見てないから、想定外が絡むと失敗や事故に至るのです。
自分が自信を持ち対応できるのは自分が経験したキャリアしかないです。
更にお仕事日記はつけましょう、現場で感じた事や業者など熟練者から
学んだ事はすぐにメモしておく様に私はしています。
(本や資格試験の勉強では学べない事の方が現場では必要な事が多い)

2016年7月21日木曜日

電気主任技術者 マグネット交換

お仕事の空き時間があったので今日は残りの盤マグネット交換
を行いました。
今回発注した三菱製はNEWバージョンとなり大きさが少し小さく
なっているのです。
そのため付属のスペーサー使わないと盤にネジ穴を作成しないと
固定ができません。
(モデルChangeしたばかりだからそれが今は無料だそうです)
又空間が狭いのとこの盤がかなり硬いためネジ穴作成作業はでき
れば避けたいですね。

私はこれまでFuji電機のマグネットしか扱い経験がなく初めて
三菱製で作業しましたがこの会社のマグネットは全面にカバーが
あるのでまずこれを慎重に外します。

今後接点状態を確認するなら更に全面を外せばコンタクト部分
も露出できます。通常これはされないでください。

今日は5.5KWの自動交互運転をする2台のマグネット交換を
行いました。
これはCTで電流を読んで過負荷時は回路を止める電子制御
なのでTHRはありません。
新しい現場の動力盤ではほとんどがそうだと思います。

写真では主電源のみですが忘れずに制御電源も切る事!
後2本以上の接続グループは各テープでまとめておく。
尖った端子部分で手をケガしないのだけは気をつけます。
ただ今回はすべてのネジがガチ硬くインパクトドライバー
でないと緩める事ができませんでした。
業者によっては施工後に緩んでは嫌だから機械でガチ絞めし
てるケースが稀にありそういうのは手では男性でも無理です。

これがインパクトドライバーという物です。
BACKをハンマーでリズムをつけてカンカンと叩けば硬いネジは
外す事ができるのです。
ゴムハンマーではダメで金属ハンマーでワンショットで強く叩く!
小刻みにではなく押さえつける様にカンカンカンです。
(打撃を回転力に変える仕組みなので一瞬の強い打撃が有効)
その他ではドアクローザを交換する時とかに硬いネジで使います。
ただ方向性があるので回転方向だけは叩く前に確認します。
★緩める時は必ずLの設定になっていますか?

自分の100%で回してもネジが外れない時はすぐにこれを使う事!
更に大きなドライバーとかでなんとしようとしたらたいていネジ頭
がつぶれて取れなくなります。
というのはすでに最初の段階でねじ頭が少しつぶれているケース
が多く大きなドライバーは力は以上かかるけどネジ頭のかかりが
悪いのでそうなると余計に頭がつぶれる可能性があるのです。
何でも力まかせではなく技術者は冷静に考えましょう。

取付時は奥のCOILだけ先に接続して行います。
先に本体固定すると狭いため指が入り難くくそういう無理で指先
をケガするのです。

最後に下配線を接続します。
すべて接続が完了したら自分の100%力で絞めてから配線を
実際に引っ張り緩みや動きがないか確認をします。
手動運転を行い運転状態の電流やマグネット二次側の電圧
が毎月の定期点検の値と比較して異常なければ自動モード
にして作業は終了ですね。
(マグネットの一次側やMCBの二次側で電圧測定は意味ない)

取付のネジ穴を作る手間を惜しまないならばここで必要なのは
補助接点が1個だけなので1a以上のマグネットで5.5KWを扱える
ならばどこのメーカーのでも代替で使用はできます。
(COIL電圧も同じ事)
ただ電気容量の大きなマグネットでは端子まですべて交換が必要
となるので交換はなるべく同一製品で行うのが最善です。

★こういうマグネット交換で注意してほしいのは写真はすべて黄色
の配線で施工されています★
いきなり青とか色の違う配線が接続されてある場合連動する別の
機械の電気回路に接続されてる可能性があります。
(配線がすべて同色なら絶対にその盤単独という保証はない)
それに200Vが来ていて感電事故という意味で事前にシーケンス
図面を見てその辺の接続状況の確認をしてからマグネット交換をする
のが正規手順です。

取替前に図面を見てどこの何が変わるのか頭に入れておく事!

機械Aのマグネットが投入されるとNO(a接点)がONとなり機械B
のマグネットのCoilに電圧がかかり機械Bが連動運転します。
こういう場合機械Aにある主電源、制御電源を切ってもAの
マグネットの赤線下には200Vが常時かかっているのです。
特に空調ではこんなのが多いため注意されてください。
つながりがわかっているなら最初にこの赤配線を抜くのです。
電流が流れてなければ電圧があっても配線を抜く事で短絡
やアークは発生しません。すぐにテーピングをします。
あれもこれも機械を停止、電気停止はできないのでこういう
方法で現場では連動回路を遮断をする事が多いです。

各現場の電気担当の方も10年を経過したマグネットは順次交換
していくべきでこういう物が故障してから取替してる様では遅い。
マグネットは蛍光灯と同じ消耗品ですよ。


経済産業省の年間報告電気事故では200Vでも感電死してる事例も
ある
ので電気主任技術者はそういう危険と隣り合わせのお仕事で
ある事は常に私は意識しています。
又感電以外では誤操作により機器類を短絡等により損傷させてはいけない
という責務も忘れてはいけません。
現場では物知りだけの博学よりそれらは何より大切な心構えです。
悟りの究極は潜在意識レベルで理解してこそでそれには現場で自分
でしてみるしかありません。
読んだだけではわかってる様でイザではできません、それが人間です。