2021年1月31日日曜日

不足電流UC検証、その他用途回路事例



過電流や短絡発生時はTHRやMCB、OCRで回路を停止
させる。でも逆に電流が一定値より低下した場合に回路
を停止させる方法は簡単にはできません。
これまでは盤
屋さんに専用電子回路を組んでもらい一式20万円という
のが実情!今回実際に私が現場でした方法を紹介します。
最後にK8AK-ASという電流リレーの実験について説明。
これ勉強のため楽天で購入したのですが1万円でこの
機能はコスパの点で素晴らしいです。現場で使える
レベルで、これまでの業者価格を揺るがす製品です。

排水槽のフロート、液面リレー故障で水中ポンプが停止しない
事で水がないのにポンプが運転する現象を空転、冷却不能で焼
損します。(排水槽には満水警報はあっても減水警報はない物
が多い)_会社が管理してる他ビルの雑用水槽で空転現象が発生
して結果的にポンプを焼く事故が発生、そこの現場の方から相
談があり私が改造したのはこうしたポンプの排水時間はほぼ一
定なので運転時間が設定以上になったら警報を出す又はポンプ
運転ロックする方式です。空転による電流低下を直に検出でき
ない苦肉の策、最初そのビル出入り業者に相談したけどそうい
う改造はしてないという理由で断られたのでした。オーナーが
絶対に防止対策をしないと来年契約しない強硬な姿勢でしたの
で微力ながらあの時は私も協力しました。ポンプ停止策を2段
階で命令されたら
貴方ならどうされますか?

ポンプが2台なのでマグネットOFFさせるためのb接点は2個必要
L3が空転発生ランプです。_空転時は現場に設備員が来るまで
は運転が再開されてはならない!_ポンプ室に来てる何かの
警報用a接点に外部警報用a接点の配線をパラ接続させる。
以上、必要な動作はすべて満たしています。マグネットが
投入されたらその補助a接点を利用してタイマーに給電する
タイマーa接点で何かの警報のa接点を短絡させたら遠方場所
で何か異常が発生した事を中央監視で知る事ができる。意外
と簡単なので覚えておいてください。こう組めばいいのです。

タイマーとマグネットのコイル電源電圧は同じである点だけ
は注意してください。異常でなくても遠方にある機器の運転
停止を知りたいでも利用できる!ただ中央監視では何かの表
示と重なります。タイマーではなく違うマグネットを接続
したら現場で違う機械の連動起動・停止ができる、職場で
電気ができる人がいたら重宝するね!と言われるのはこう
いう時なんです。業者に依頼したら基盤制御にして基盤だ
からコンバーターもいるので20万円とか請求されます。
業者はお金儲けで働いてるのでそういう事になります。

あるテナントの冷凍機用CTを停電後の復電時に自動起動
させる回路を業者が組んでいました。それも基盤で30
万円くらいかかったそうです。私ならどう組むか考えた
事があります、結果こうなら可能なはずです。負荷は
ランプで考えた、復電時はOFFボタンb⇒X2のb⇒Wリレー
ON⇒ランプ点灯・Wリレーのa接点でX2リレーON⇒自己
保持⇒X2-bは切れる、これが切れないとOFFボタンを押
した時はランプは消灯するが手を放したら点灯してし
まう、停電してない時はX2-bは無関係となる。停電し
てない時とした時の違いはOFFボタンの一次側に電圧
があるか・ないか。停電したらX2リレー自己保持が
消えるのでX2-bはONになり復電の電気を待機する
状態になる、ジグソーパズルと同じ思考です。

実際に机の上で組んで実験してみました。頭の中では
正しいと思っていて実際にそれを組んで実験すると予
想してなかった信号の回り込み回路が発生して変な動
作に遭遇する事もあります。そう事実は何も遠慮がな
い現実を教えてくれます。こういう回路を覚えるなら
遊び気分で組立てKIT練習が一番です。本でだけ勉強
してるだけでは実際形にするには配線の工夫と工具
の扱いが必要、硬い鉄板に穴を開けには?etc自分
でしてみたら教えられなくても気がつきます。
ドリル穴開けでも練習せずにいきなり使用は危ない
です、たくさん学ぶべき事あるんだと気づきます。
凡人とは日々その繰り返し、私は今もそうです。
ところで自作回路に電源を入れる最初の瞬間は
少しドキドキするけど上手くいくと嬉しいです。

電気主任に着任したら現場空調機の回路の勉強をしま
すが自分で少しでも組んだ経験があると理解が全然違
います。逆にここはこう組んだ方がいいのにと思う事
もあります、プロがするのだからたぶん費用的な制約
で簡素化したのでしょう、そういう事を考えながら
現場回路を研究すると面白いです。

ある現場では過負荷なんて滅多にないからMCBに装置
を直結、途中で止めたい時はMCBを切るで復電後自動
起動をさせる改造を電気主任がしていた、昔ある人
から消防ポンプを強制的にMCBで切る事でMCBが火を
噴いた体験談を聞きました、電源直結なんて電気を
知る物がする方法ではありません。発生した事実
を私の幼稚な知識で否定できません、事実はすべて
において正解しか示さない
、他人の事故や失敗経験
も私は行動の参考に常にしています。その時点の自分
の能力で理解できないから事実を否定するのは愚行と
しか言えません。私は今だ勉強不足です。

ここからは電子制御に興味がある方だけ読んでください。

K8AK-AS2はCTを経由させて電流値が過電流又は不足電流に
なった時に接点を入切(C接点1個)させる物です。_設定説明は
実際に購入された方だけが知るべき事と思うので今回細かい事
は省略します。_CTは通電状態で二次側を開放するとCT本体が
焼損します
ので取扱いには注意して。_部品の取付点数が少な
いので施工は最初のリレー、タイマー式より楽ですね。

上の場合は動作した時にa接点がONとなり、その無電圧接点を
利用して遠方で異状を知る手立てとする物です。既存の何かの
警報用a接点にパラ接続すれば中央監視では共通異状表示に
なりますがそこで異状が発生した事を知れます。_尚CTは付属
していませんので運用に適した比率のCTをよく検討され購入さ
れてください。基本は盤の電流計が30Aなら30/5で50Aならば
50/5のCTを買えばいいと思います。ただ電流値の目視監視を
するわけではないので目的動作が可能ならば絶対にそれに拘
る必要もありません。_(30/5で5千円前後です)

ただ警報ではなく実際に機械動作をロックするならば個人的に
はK8AK-AS2の電源は既存制御元電源から給電すべきと思い
ます。(K8AK-AS2消費電力は2Wなので問題なし)_そうでない
とマグネットのコイル電源が切れる事でK8AK-AS2までリセット
されてしまいます。_制御元電源からとするのでK8AK-AS2電
源回路の途中にはリセット用のB押しボタンSW
も取り付けます
K8AK-AS2内のC接点は負荷直接でなく、負荷を入切するマグ
ネットやパワーリレーの制御用として使います。

自動交互運転だから2SETこういう物が必要ではありません。
それでもいいけど費用を抑えるならば、CTを2台ポンプの電源
分岐前に挿入、上の様にb接点ではなくa接点で別取付のリレ
ーを制御します。次にそのリレーのb接点2個で各マグネット
コイル電源をを切る仕組みにすればいいのです。(C接点が
2個あるリレーが1個必要)

自動復帰機能を有効にした場合は復帰設定が必要ですが
排水槽の空転対策では無効にし不足電流動作でポンプを
自動停止させます。_CTの入力範囲でI1~I3があります
が5AレンジのI2を使用しそこに30/5のCTを接続、動作
設定(SV)を30%にすればモーター電流が9Aに低下する
とK8AK-AS2でマグネットの通電を停止させられます。
ポンプが空転すると5A程度になりますがそうなる前には
停止させたいので一桁Aとしました。_後背面のDIPSWは
左から2個目のピンを下にすると自動復帰モード、過電流
か不足電流どちらの機能を使用するかは一番右側です。
その他SWやダイヤルの意味は購入後、説明書を参照。
異常感知目的では自動復帰機能は通常使わないので
省エネ電気制御目的に使える機能と私は判断します。

K8AK-AS2の電源電圧は100V~240Vです。CTなし直接
入力では10A程度が限界なので私の持ってる単相モーター
で実験してみました。(デジタルだからTHRより正確動作)
C接点は抵抗負荷で5A程度なので通常はこの接点に負荷
電流は通さないでください。あくまで今回は5A未満で動作
確認のために行いました。左モニターはUSA製品ですが
電流値、電力だけでなく力率まで測定できる実験には
優れ物です。たぶん日本では店で販売してない!

不足電流制御の確認ですが電流入力をI1にしてここは1A
がMAXなのでSV設定20%で0.2A以下になれば回路を遮断
します。60Wの白熱電球(0.6A)では当然切れません。
今度はSVを70%(0.7A)にすれば当然回路は切れました。
DIPSWは事前に不足電流に切換が必要です)
★自動復帰を使用しない場合は設定SVとDIPSWの切換
だけ考えればいいです★他は既存のままで触らない!
CTを使う場合はI2に入力してCTの比率とSVの%関係
を正確に把握して設定する事が大切です、上手く入切し
ない原因はたいていここが間違えてるはずです。

★自動復帰機能を利用し省エネをしてみましょう★
DIPSWで自動復帰を有効にして過電流制御に切換、接点
を動作させたい電流値をSVで設定、再度接点を初期状態
にしたい電流値をHYSで設定します。_私が個人的に思う
どんなビルでも省エネ効果が確実にでる対策としては照
明器具のLED化、空調機のOA削減対策、不要な照明点
灯削減空調機運転時間の見直しの4点です。

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