2017年5月17日水曜日

共立接地抵抗計 KEW4300ユーザー・レポート

前の話ですがあるテナントが感電したかもしれないという事で無断で街
の適当な個人の電気屋を呼んで調べさせた事がありました。
その業者からもしかしたらビルの接地が壊れてるんじゃないの?という
適当な意見を言われて私もテナントから呼ばれた事がありました。
自分らも確認できないくせに適当な事を言う電気屋もいるのです。
コンセントで接地が効いてるかは接地と非接地側の口で100Vあれば
確認できますが具体的に今何Ωかを即返答できずサッと相手に去られ
て悔しい思いをしまた。
今壊れてるんじゃないの?という意見ですから相手の前で接地抵抗を
即測定して意見できる物
が前からほしかったのです。
上は結論的には漏電ではなく台の突起に触れた痛みを感電と思われた
だけの事でしたがあの面識のない業者の態度は失礼な人です。

これは共立接地抵抗計KEW4300という製品で思ってた以上に大きくて
ユニフォームの胸ポケットで検電器の様に携行するつもりでしたがそれは
無理でした。ただ作りはしっかりしてるしケースも付属され悪くはないです。

共立接地抵抗計KEW4300はD種接地抵抗値を測定する物です。
300ボルト以下の低圧用の機器の外箱または鉄台の接地をD種
接地といいスマートに測定できるという評判の便利ツールです。

電源をONしただけでは測定器はテスターと同じ状態です。
普通にコンセントの両間で測定すれば300Vまで測定できます。
機能としてはDCとACが測定できて自動的に判別してくれます。
普段はテスターとしてもいろんな作業に使える優れものです。
私の家にある接地付コンセントで説明しますと接地と電圧側極
コンセント口(小さい)に100Vがあれば変圧器B種接地と接続は
されています。(接地抵抗値が正常かまではわかりません)

共立接地抵抗計KEW4300で接地測定を行う場合は充電
状態でも接地抵抗測定は安全に可能です。

共立接地抵抗計KEW4300は試験電流によりELBが動作しない
対策をされています。(試験電流が2mAを超えない制御)
この記事での測定もすべて停電させずに測定を実施しています。
それではコンセントの接地抵抗値を測定してみましょう。
接地と接地側極コンセント口(大きい)で以下の様に当てて測定
ボタンを押せば接地抵抗が表示されます。
(自動ライトも点灯してしまうのでOFF状態で撮ってる)

53.6Ωと表示されました。Hはホールド状態です。

ただこの2点接地抵抗計の表示される値はB種接地とD種接地
の直列抵抗値なのです。

ですから正確にはその変圧器のB種接地抵抗値を指示値から引
かないとJUSTなD種接地値とはなりません。
B種接地抵抗値は年次点検で業者が測定しており私が勤務する
ビルの変圧器B種接地抵抗値はたとえば第1変電室なら4Ωとわ
かっているので引けば実際の職場での使用は問題はないです。
このマンションの変圧器のB種接地抵抗値は私には不明ですが
D種接地抵抗値の合否判定目的だけなら合計値で53.6Ω以下
ならばD種接地抵抗値は当然100Ω以下なので合格ですね。


ただ線路に絶縁劣化があると本来0Vであるはずの上間に電圧が
発生してしまいます。
これを地電圧といいますそれでは正確な測定ができないため
アラームが出ます。その場合は電源を切り測定をする説明あり。
私の勤務してるビルでは今のところそういう状況はありません。

住んでるマンション分電盤のD種接地抵抗値を共立接地抵抗計
KEW4300で測定してみました。
ただ分電盤での測定ではこのクリップに測定先端を変更します。

単相三線式ですから写真の様に接地線をクリップし真ん中の
中性線に当てたら盤のD種接地抵抗値を測定できるのです。
(テスターと同じ感覚でとても簡単に接地抵抗が測定可能)

D種接地抵抗値は53.6Ωとコンセントで測定した値と同じです。
最初と同じ理由で100Ω以下ですから当然合格となります。

詳しい人なら気がついてる思いますがこの製品は3点で接地抵抗を
測定する方法と2点で行う方法の2点で接地抵抗を測定する方法を
基本原理としています。この場合の2点測定法も正確なD種接地値を
知るには前述した様にB種接地抵抗値を引いた値となるのは同じです。
アーステスターがある現場ならばこう配線すればできなくはないけどこ
の製品は最初から2点測定を目的に作られているので扱い易さの点で
優れています。大きさ、持ち易さ、又測定電流が最大で2mAを超えない
様にしてELBが誤動作しない配慮、ダイヤルを合わせなくても当てる
だけで測定ができる点でも俊敏な測定が可能です。

では私が勤務してるビル設備で同じ方法で接地抵抗を測定しました。
結論を先に言うと各階EPS、テナント分電盤、コンセント、モーターどの
D種接地もすべて10Ω以下で家と違いどれも低い値でした。
すべて充電状態での測定ですが一切トラブルは発生していません。
基準の100Ω以下はクリアーしてますがビルではB種接地抵抗値がそも
そも低いため、これが上の家みたいに53.6Ωもあっては漏電した時の
機器金属面の電圧上昇が危険です。
(B種接地抵抗値とD種接地抵抗値に比例し分圧した電圧値になる)

モーターのD種接地の例を紹介しますが単相三線式が接地されてるの
は中性線なのはマンション分電盤のとこで理解されたと思います。
ですが三相動力ではどの相でも接地は構わないのです。R相でもS相
でも。ですから接地されてる相をまず確認しないといけません。
実際私が勤務してる現場ではR相を接地してる動力変圧器もあります。
この測定器はテスター機能があるのでそれを利用して調査!
まず黒測定端子クリップを盤の接地ターミナルに取付しました。

赤測定端子をS相に当てると0VつまりこのモーターはS相接地です。
T相(右)は接地されてないので対地間電圧200Vが検出されます。
ただ偶然真中の線であっただけで三相動力回路は測定してみないと
接地相はわからない点だけは注意されてください。
ネオンタイプでない検電器で感度をMAXにしてる場合誘導を受けて
接地相に当てても点灯する場合があるので対地間電圧を測定して
三相回路の接地相を確認した方が間違いがないと思います。
尚、測定器で対地間電圧をこの様に測定するのは機械が運転中でも
問題ありませんが測定器以外のランプとかで確認をするとランプ電流
が直に変圧器B種接地線に入るので低圧地絡警報が中央監視室に
出ます。先輩や職場の上司に怒られますので気をつけてね!

このS相に赤測定端子を当てた状態で測定ボタンを押せば8Ωと表示
されました。電圧をテスターで測定するのと同じ位に簡単でしょう?
第二変電室のB種接地は3Ωなので8-3=5ΩがこのモーターのD種接
地抵抗値となります。
(各変電室のB種接地抵抗値は停電作業結果報告書参照)
三相変圧器で二次側200Vの場合どこの現場も二次側はデルタ結線
のはず、下の回路図を見ればこれまでの説明は一目瞭然でしょう。

ただ工場で440V回路の場合は変圧器内混色防止板にて接地してる
はずでその場合は共立接地抵抗計KEW4300は使えないです。
それにこの測定器は300V以下の回路しか使えません。
工場では負荷電流が大きな回路は電流値を下げるために440Vを
採用してるケースがあります。

対地電圧0Vという事はそれに接続されるすべての系統の電位が同じ
になり電圧差が発生しないから充電状態で触れても感電しないのです。
(あくまでBlog解説のためで下の様な行為は真似されないでください)

下はR相接地のモーター回路だからR相は触れても感電しません。
(マグネット真中が引っ込んでるから200V通電状態はわかるはず)
上では真中に赤測定端子を当てていますがこのモーターの場合
では左のR相に当ててD種接地抵抗を測定しないといけません。

ですから単相三線式回路と違い★三相三線式回路は接地相の確認
が必要となるのです★

各階の要所に分けてあるEPSですが接地ターミナルは盤内の足元
にあり各1本が各テナントの分電盤に行っていますが番号を見たら
どれがどのテナントの接地かわかるのです。
そしてこれらEPSにある接地ターミナルは電源を配給してる変圧器
のB種接地に接続されてるのです。
こういうのだけはどこのビルや工場に行っても基本はまったく同じです。
漏電も接地も親戚的な内容ですが簡単そうでDEEPな内容です。

教科書的な解説をすればテナントで漏電した分はここに戻り最後は
変圧器B種接地線に流れる、その値が設定を超えると警報を出す
のが変圧器の低圧地絡警報LGRという装置です。
だから変圧器B種接地線電流を監視してるだけでその変圧器が
配給するすべてのどの回路の漏電も検出できるという事ですね。

では漏電が発生し上経路で変圧器B種接地まで戻っている状態
で盤にある接地を外したら非接地状態となり電源にある増加した
I0が低下するのかと言えばおそらくほとんど変化しません。
工場に勤務してた頃にそれを実験的にした事があります。
建物内にある構造的導体を今度は経由して変圧器まで漏電は
戻ったのです。逆に言えば少し怖い状態ですよね。
だから盤の接地は外してはいけないと言えると思います。
漏電は現場で必ず不良個所を修理して止めないとそれ以外の
方法では無理というあくまで私の経験論です。


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