2015年10月10日土曜日

電気主任技術者 仕事:空調ロールフィルター故障

空調機には運転中自動で連動回転するロールフィルター
があるんだけど空調と連動で運転しないトラブルが今日あったの
せっかくだから今回の件はBLOG資料にしたいので解説を書いた。
シーケンス全体の話は次回として今回は私流トラブル回避の
方法を記事にしてみました。

まず今回の不良箇所を拡大してみた。
空調機連動a接点がONになると三相電源のRT間からOUTした
単相200VがAのLINEで流れ自動運転用リレーCR2がON
するとBの様にそのリレーのa接点がONします。
結果端子番号11と12がONする事で自動巻き取り運転を開始。
巻き取り速度を制御してるので必ずこの制御基盤を通して
運転する必要があるの
ヒューズFもあるから最初にこれが切れてないかも確認!

自動運転用リレーのコイル両端の10とT番端子に200Vがある。
これは空調機連動a接点は正常を意味しています。
次に11番と12番端子間にAC24Vがあったので自動運転用リレー
のa接点が動作してないために開放状態となってる事を意味します。
結論は故障原因はこの自動運転用リレーです。
コア回路は200/24Vの変圧器によるAC24Vなので検電器を
当てても完全非接地回路となるため反応しません。
必ずテスターの電圧レンジで行ってくださいね。

ただこれって基盤にハンダ状態のため交換ができないのです。
でメーカーに電話したら導入は11年目だけどその会社として
は15年前の型なのでその基盤はもう生産してないとの事!
つまりこのユニット単位でしか販売しないので何もかも新式
一式交換で工賃込み50万円という話!
特注でもし当時の基盤部分だけ作ってもらうなら三週間待ちで
20万円とか一般の常識とは違う高額な世界なのです。

余談だけど左上のTHRが過電流で動作したら専用モーターの
絶縁測定は左下ターミナルのUVWで行います。
RSTとある端子に電源、UVWにモーター配線、Eがアースと
これだけはどの盤でも共通してるので覚えておいてね。
T1とT2間に空調機回路からのa接点を接続します。

とにかく今は応急処置が必要で自動運転用リレーでON
させるはずだった端子番号11と12をジャンパー線で短絡
させたら運転を開始しました。当然です。
制御運転させるにはとにかくここを短絡させる必要が
あるんだけどこれでは空調機が停止しても停止しません。
老眼の方も職場にはいて夜勤者にこれをさせるのは
無理ぽいからここは短絡のままで制御盤のMCBを朝に投入
夜空調機が停止したら切るしかありません。

ただいつまでもこんな面倒は解決しないといけません!
こういう時こそ自分の価値を職場で見せる時です。
係長、私が改造して修理しますからそんな50万円なんて
必要ありません。と進言しました。
結論としてはこういう感じで回路を組めばいいんです。
故障してる自動運転用リレーCR2の代わりを外に作りそれを
既存回路に接続すれば解決できるのはわかるでしょう。
(リレーではないけどマグネットで動作させても問題なし)

いくつかはネジ止めではなく基盤に直にハンダしてるから
途中の配線上で処理をするしかないよね。
10番端子行き線は自動運転用リレーのCoil電源で切断して
マグネットに接続、もう片方のT盤端子行き線もそうなんだけど
それは別系統への接続があるから切らないで接続のみ。
そうしないと先の電気集塵機の回路が動作しなくなるの
扱い経験が浅いとここに気がつけないかもしれません!
故障してる自動運転用リレーは方線切ってるからそれが
誤動作して以降動作上悪さをする事はありません。

ボックスが小さいから空調用のマグネットでは収まり具合を
心配したらやはり厚みがあり扉に当たり閉まりません。
とにかく一番小さい200Vマグネットが必要ですね。
すぐに電材屋さんにどこのメーカーのでもいいから励磁コイル
が200Vで小さいマグネットを至急持ってきて!と電話しました。
それなら3000円程度、これで後数年は使えるから何も今
業者の言うまま50万円かけて更新する必要もないんです。
実は空調機の順次更新計画があるのでもう余計なコストは
かけたくないのが本音です。

たいてい故障なんてそんな物で業者に丸投げしたら少し古いと
"経年劣化ですからもうダメ!50万円です。"なんて言われて
"はい、そうですか”なんて現場もあると思う。
依頼側が無知なら何でもありですからね。特に電気は
貴方が電気担当なら自分の価値を示すチャンスです。
ただするからにはよけい壊してしまうとマイナス評価になる
から全体シーケンスを研究し現場の接続確認は必要です。


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