2021年3月26日金曜日

電気主任技術者の仕事・受電シーケンス



受電シーケンスの前に必須の受電基礎知識を説明します。
新年度になれば転職も有利になる時期、新にどこかのビル
電気主任技術者の仕事に着任される方もいらっしゃるでしょう。
ただ初電気主任の方はどこの現場でもあるUVR.OCR.DGR
VT.CTなどの意味と接続のされ方を理解して入社されて
ください。UVR設定変更をする事なし、変圧器を入替え
でもない限りOCR設定も同じです。それらの基本設定の
概略、CT比率の意味、停電作業基本手順は大丈夫かな?
ビルの電気主任技術者として採用されたのなら企業は
当然そういう事は理解してると判断しています。

最低限下程度にある物はすべて理解しておきましょう。
何もわからないでは前任電気主任技術者に叱られます。

今日の記事を最後まで読むにあたりアース付コンセントが
まずこういう受電シーケンスを最初に見る場合は
手動でVCBを入切SWのラインを確認してください。
所内の電気事故でVCBをトリップする配線は手動
切りと同じライン
になっています。30X1と30XR
のa接点とは何なのかこの図面だけではそれがわ
かりません。ここで2枚目の図面に行きます。
VCB内部a接点は中央監視への状態表示や現場盤
の状態ランプ回路に利用されます。接点の前後
の番号はリレーの端子番号、線にある数字が線
番号で実際の現場で扱う場合はこの番号が重要
です。たとえばT03のa接点につながる何かが
VCBは投入なのに反応しない
ならばT0301とNC1
の配線を外して、VCB側の端子をテスターで
導通を確認すればいいのです。ただPC側から
は信号電圧がかかってるので短絡とならない
様に2線を接触しない様に線を抜き、テーピン
グをしておかないといけません。中央監視の
信号はDCで数ボルト、回路切れで電流は流れ
てないから火花とかは抜いても出ません。

各接点にある数字を見ればそれが何の関係なのか
わかります。NETで自動制御器具番号を知らべて
確認、たとえば27なら不足電圧、つまり停電に関
係する、51なら過電流とかです。各異常時動作
a接点は集約されて最初の30X1と30XRを通電させ
ます。つまりはそれらの異常を一括してVCBに知
らせ回路を遮断させる目的のリレーです。
30X1リレーに通電される時は30X11リレーも同時
にONとなりそれのa接点が動作する事で警報回路
を自己保持します。上のPBES押ボタンがb接点
動作なので何もしないと導通状態、故障が解決
したらそれを押す事で通電が切れて30X1リレー
はOFF状態となる。それをしないとVCBは投入で
きない、VCBは切り信号が継続してると入信号
には反応しない
のです。ただここで不明は
52XC接点です、3枚目の図面にGOです。

3枚目は分けて説明します、まず3-1ですが52FX
~52GBXのa接点がすべて動作状態で52XCリレー
はON状態、52FXのa接点は52FXのVCBが投入状態
で動作します。ここで52FTXリレーは52XCと30X
11のa接点が動作する事でONになります。受電
シーケンスに使用されるパーツは限定的。
こういう物はジグソーパズルと解くのと同じ
感覚です。
様は組合せを工夫する事で設計さ
れています。自己保持とインターロック回路
は必ず使用されるので適用方法をよく学びま
しょう。そういう経験が次の現場では有利に
働くのです。

3-2図面、52Gとは発電機VCB関連です。ここでの
52Gと52GBの各aとb接点は発電機VCBの投入状態
により動作する接点です。52GのVCBが投入状態
ならば52GX1と52GXリレーはON、逆にそのVCB
又は52GBのVCBが切れた状態なら52GTXリレーは
ON状態となります。接点が並列になってるので
又はとなる
のです。更にここで52GTXリレーの
a接点が動作、52FTXリレーのb接点が動作して
ない時に52FCXリレーはON状態となります最初
図面ではあえて説明しませんでしたが52FCXの
a接点に気がつかれましたか?このリレーが
ON状態でないと52FXのVCBは投入できません。


接点2個が直列なら2条件が同時に成立した時並列
ならどちらかの条件が成立した時という意味です。
あらかじめ定められた順番に接点は動作するわけ
で途中でどれかのリレーが動作しないと制御がと
まるわけです。滅多に故障しませんが15年したら
一式取替するのが最善と私は思います。途中1個
リレーでもイザその原因を探すのは手間がかかる。

違う現場の受電シーケンスですがここは1か所
にまとまりわかり易いので紹介します。過電流
と地絡時のみ手動リセットなしVCBの再投入を
防止、前述の場合は故障はすべてでね。心配さ
れなくても高圧以上回路で継電器が動作するの
は不足電圧27だけと思ってください。

停電時自動切りVCBはUVR27と連動するリレー
a接点でVCBの切り入力にDC100Vをかけます。
もし切れないならばVCBの5盤にDC100Vがかか
るのか測定をします。確かにこのa接点が怪し
い。VCB5番と4.2.6のコモン線間電圧をCHECK。
逆に投入できない場合、3番配線の手間にある
b接点が切れたまま、つまり元リレーが復帰し
てないと言う事。こういう場合は該当リレー
まずは交換します。投入ランプが点灯しない
なら球切れでないなら12番からDC100Vがでて
るのかとか調べ直せる物は自分でするし無理
ならメーカーに連絡して適切な手配をします。

その配線に電圧がかかるか?DC100Vなので検電器
では確認できない
という事、だからテスター2点
測定で行うのですが、どの2点ならそれが可能な
のか?三種を持ってる人ならわかるはずです。
普通P×がDCの+線でN×がDCのー線である図面
が多いです。1点測定の検電器はDC電圧やACで
も途中に電圧変換器(ミニ変圧器等)があると
電源と非接地状態となるので反応しません。
51Yb接点の5番端子にDC100VをかけたらVCBが
故障してなければ100%VCBを投入できます。

停電しても非常用発電機が自動起動しない、電気
主任技術者として早急に適切な対応が必要。冷静と
なり回路を考える、27XR12が52Rトリップ、27XR11
が中央監視へて停電信号、27XR22が発電機起動への
起動命令、中央監視に停電信号があるなら27XR12
のリレーをまず取替してみる、逆に前述3動作が
何もなされないならUVR本体の故障が考えられる。
現場で詳細調査する前にわかってる事実である
程度の検討をつけるのは大切です。業者を呼ぶ
ならUVR側か発電機側かで異なります。UVR側な
のに発電機メンテ業者に連絡してもダメ。電気
主任はこういう故障マネジメントもする必要
があるのです。業者修理時はオーナーには有償
修理になる事を伝え許可をもらい連絡をします。

★ですが病院や工場では最大限発電機を起動させ
る努力が必要、つまり故障部分を除外するのです。
業者に急に連絡しても全員が現場で修理しています
では今日の事にはならない。そうなればオーナーは
電気主任に"なんとか回せないのか"と強く言われま
す。貴方の価値が最大限に試される時です。

27XR22のa接点は発電機回路図面を見れば41-42
につながる、それをターミナルで探せばここ。
この配線を外してこの間がUVR動作時に導通が
あるかで異常が発電機側か受電側かが確実に
わかります。取替リレーなんて早々都合良く
準備してないでしょうからね。41-42間を短絡
すれば発電機は停電したと認識
します。
ただこういう事は受電~発電機回路の連携を
すべて理解してる人以外はしてはいけません。
わからない場合は以下で述べる手動で送電を
する方法が安全です。

発電機は月に1回手動運転をしますが、無負荷運転
です。操作は簡単で自動⇒手動⇒始動と画面をタ
ッチするだけの事、小学生でもできます。通常は
遮断器投入はいかなる時も受電52R又はバイパス
52BのVCBが投入状態ですと52Gは投入できません。
停電してUVRで52Rや52Bが強制切りを確認した上で
手動モードで発電機送電を行うならば発電機を
手動起動し、画面の遮断器投入可表示が有効にな
ったら遮断器を投入できます。
52G投入前発電機
状態が規定の電圧、周波数以上に上昇できないと
遮断器投入可表示は有効になりません。VCB投入で
負荷がかかった後で60Hz、6600V未満なら調整が必
要です。それも以下のパネルで行います。機械的
原因による重故障ならば発電機使用は無理です。
前任者が何もしてないと緊急時対応策はないので
対応策は普段から自分で研究しておく事!
ビル管理の現場ではされてない事が多いですね。

受電シーケンスで忘れてはいけないのは電力コンデ
ンサーSC回路。
5分間の再投入防止回路がある点
後はモーターの自己保持回路を基本としてるだけ
です。VCSはVCBと違い投入状態では常時コイルを
励磁しておかないといけません、下回路で中央監
視から入切できない場合はCX1とTX1のリレーかな
自動でも手動でも不可ならタイマーTM1のa接点が
故障。線番号74に電圧があり77に電圧なしならば
安全装置b接点によりロックがかかっています。
ただOFFして5分以内の再投入はTMのa接点が切れ
ているため不可、それは故障ではありません。
中央監視で自動力率制御してる場合はお任せ状態
電気主任だけは最低限この程度は把握しておきま
しょう。それと少数ですが電力コンデンサーを
すべて投入状態で運用してる現場もあります。
したくてもSCを入切するこういう回路がない!
オーナーは今更改善にお金は出さないですね。

上で線番号74に電圧があり77に電圧がないとは
74と77間の電圧を測定した時に200Vとなれば
b接点がどれか切れてるという事。つまり開放
電圧が出ます、逆に3個のb接点がすべて閉じ
ていれば開放電圧はないので0Vです。電圧で
接点状態を確認する場合は開放電圧で見ます。

又は77とコモンNC間が0Vなら77はDEAD状態です。

こういう物が見れるなら空調機、給排水、消防に
おいて自分自信のお仕事に自信が持てます。たと
えばこれある現場のインバーター空調機のシーケ
ンスですがトラブルで停止しても商用にはならな
いというそこのベテランの方と意見が相違したの
ですが私は図面でこんな感じで説明したら納得
してくださいました。経験は最重要なのですがそ
れだけで中を知らないとイレギュラー時の対応が
できないのです。
老朽化した物件を担当する場合
はシーケンス理解は電気主任技術者は必須です。
機械の取説はこういう図面の回路説明はなく取扱
ただ完璧に納得するには回路内の信号の流れを
追わないといけません。答え(事実)はそこです。

中央監視の信号で空調機が起動しないのですが
電気主任さん
と言われたらどうしますか?こう
いう事は老朽化した設備ではありえます、こん
な物は仮に業者点検していても壊れる時は急に
そうなります。そうパーツは消耗品なのです。
現場で手動起動しない場合は私の過去記事を読
んでください、手動はOK自動だけがそうなら
CX8の接点が動作するかです。基本として端子
緩みがないか確認してCX8をジャンパー線で短
絡してみてください。
これで無理なら中央監
視になるので即業者に連絡すればいいです。

前にも説明しましたが自分の判断で関係外の業者
に点検依頼しない事、では自動制御の業者?違い
ます。モーターの起動回路は通常業者点検されて
ない現場が多い
のでモーター起動回路は電気主任
の担当になる事が多いです。だから自分で原因を
探して故障してるならマグネットやリレー交換を
行う。下回路程度は扱える位の対応力が電気主任
技術者は必須
なのです。私のBLOGではこういう物
の扱い方も記事にしてるので参考にされてね。

上回路の実装です。この中でどのリレーを交換
すべきか、スターデルタ起動回路故障の半分は
スターデルタタイマーです。不具合が発生した
らまずはこのタイマーを交換してみてください。
老朽化してる現場に着任したら今後はこれまで
とは変化してくるので、交換パーツを購入して
準備しておかないとイザで部品がないでは後か
どうして事前に調べ対応準備をしてないのか
とオーナーからキツく叱られます。それが起動
できない事でビル利用者から苦情が出るのをオ
ーナーは一番危惧されるのです。そういう対応
力ではオーナーは"あの電気主任は替えて"位は
平気で貴方を雇ってる管理会社に命令されます。

雇用は法律で守られてるので少々の事で解雇には
なりません、電気主任という立場とはオーナーが
保安規定における緊急時対応ができない人物と判
断されたら終わり、だから普段の勉強と研究が必
要です。それにオーナーが通常ビルの電気保安統
括者。電気主任はをれを補佐する立場!意外に思
われるでしょうがそうなのです。そうオーナーは
実権まで管理会社には渡さないです。

私は月に1回、排水槽ポンプの動作点検をする
のですがジャンパー線で短絡という行為は間違
えると回路を焼く恐れがあります。線のとこに
4PE2とか番号がありますが図面で線番を確実に
確認して行います。だからシーケンスがわから
ないと電気設備ってスイッチのON/OFFしかでき
ないのです。
それでは電気主任技術者としても
いかがな物でしょうか?

シーケンスは紙の上で習得できても不足です。
実際の現場でどの位置にそれらのパーツがあ
るか確認する事、一応はそこで図面の配線を
目で追って確認作業が必要です。それでこそ
イザで必要な確認や対応ができるのです。
ビルの電気主任が受電設備の保守点検を専門
にしてる人と異なるのはその現場設備にある
各設備も中身を知っておかないといけないと
いう点です。受電設備の月例点検や年次絶縁
抵抗測定、巡回、立会もありますがそれは当
たり前で+αも取得しないといけません。
初着任ではキツかったけど現場経験が増える事
で違う現場で電気主任をしても楽にできます。

ただ会社でいきなりシーケンスを扱ってはいけ
ません。短絡事故でも発生さえたら管理会社が
オーナーに弁償では済まないです。家でパーツ
を購入して自分で回路を自作して練習してくだ
さい。タイマー、リレー、マグネット、SSRなど
今はAmazonで購入できます。私はこれで基礎を
覚えました。電気工事士で練習したのとは少し
異なるスキルです。でも楽しみながら習得でき
ますから電気主任を目指す方にはいつかされて
ほしい経験です。お仕事でガチに役立ちます。
PID制御も知りたくてコントローラーを購入しま
した。勉強した事を即組立て実験です。

このPIDコントローラーは1万円以下でしたので
玩具程度しか期待してなかったのですが凄い性
能でした、設定まで某有名メーカーとほぼ同じ
です。これはとても勉強になりました。暖房
モードで設定SVが27℃、現在温度PVが24℃だ
から出力が発生します。冷房モードなら特製
は逆になります。自分で自由に触れるのが勉
強になるのです
、会社ではそれはできません。
温度急変に対してどういう出力をするのかが
特に興味がありました。本で読んで考えるよ
り目の前での実験が確実です。

まったくのビギナーならこういう本を購入して
本の中にある回路をパーツを購入して自作練習
されてください。見て頭で理解しただけと実際
に取扱う事の違い
がよくわかります★賢くなる
ための自己投資を惜しんではいけません★
後、自作して電源を入れる時は一応ヒューズを
通してからにしてください。配線間違いで短絡
して家のブレーカーがトリップするのを防止す
るためです。実際に正常に動くのを確認して始
めてその回路を習得できたのです。それか15A
のMCBでもいいです。20A未満の事!練習なので
線はより線でも貴方が扱い易い物でOK、負荷は
何かのランプで代用してください。家の机での
作業のためパーツはコイル100V仕様を購入の事。

ビルでされてるシーケンス動作はほとんど机の
上で再現できます。スターデルタとかも自分
でマグネットを3個購入して配線は何でもい
いから組んでみればバッチリ取得できます。
三相は家では電源がないので単相シーケンス
なら実際に通電して動作させてみます。簡単
な事でもきちんど動作したら結構感動です。
スターデルタモーターがどうして6本線が必要か
スター・デルタ起動意味、配線練習で納得です。

スターデルタ起動を現場で24時間自動運転するには
紙の上ではなく実際に同じ物を机に配線して私は考
えます。形にはしてないけど切替ができない時に異
常ランプを点灯できないかとか一般仕様にない面白
い回路を考えたりもしました、自分で手で作成する
と紙の上より発想力は3倍にもなります。配線、解
体、配線を3回したらスターデルタは楽勝ですね。
得意を増やす事で不安要素は減る、電気主任を今よ
り楽にする唯一のコツです。

いくつかキツい現実も記載しましたが扱える様
にさえなれば貴方には関係ない事、自信を持ち
自らの電気保守管理をすればいいんです。対応
できない不具合があればなぜか?と上司やオー
ナーからガンガン追及されます、お仕事とは結
果論。それに負けない様に努力が日々欠かせな
いのが電気主任技術者というお仕事です。


以前に紹介した自作のスターデルタ起動BOX
スターデルタ設定+24時間タイマー+手動起動も
家で自作してたから、ない物は自分で作ろうと
思ったのです。もし何かあったら?それはない
そんな下手はしてないから。既存基盤制御の起
動回路が故障した時に本修理までこれで代行運
転が目的、既存の接続口を基盤から剥ぎ取り使
用する事で誰でも使える様にしたのです。大変
ではなく、とても楽しめたお仕事でした。

見栄えは盤屋さんみたいにできませんがこの程度
なら自信じゃなく、100%同じ動作の回路を私は作
れます。誰でも興味を持てるならできるんです。
お仕事でどうせするなら家の趣味感覚でまず練習
して★お仕事では楽しく生かしましょう★
私の人生すべての事始めは遊びが基本ですね。
それとこの図面で使用されてる記号の意味を覚え
てください。
自動制御記号で検索して記号の形と
意味、実際の現場では新記号と旧記号の図面があ
るので両方覚えおくのが理想です。私は最初工場
にて旧式記号で覚えましたが、新しい機械はすべ
て新記号です。旧式の方がシンプルでわかり易い。
この回路を勉強したい方は下URLからJAMPしてね。

その内容を理解してればどこのビル管理設備に就
職しても空調機基礎で恥をかく事はないです。
たぶん設備の先輩も全部は知らないと思います。
⇒空調設備点検の基礎