スターデルタ始動方式・起動電流変化説明

昨年から今年入社した設備の方を集めて定期新人教育を
数人でする事となり
私も今回その一人、私はどんなビル
や工場でもある三相モーターのスターデルタ始動方式に
しました。これからの方には市販の本を読んでもピンと
こない点を考え、電流値の変化で各説明する資料を作成
同じ様な方にと思いブログ記事にしました。まずはこれ
の動画も撮ったのでこちらを先にご覧ください。
スターデルタ始動方式動画

メインマグネットとスターマグネットが投入される
事で電源電圧の√3分の1の電圧がかかります。
モータ―二次回路で説明すると停止状態つまりすべ
りS=1のため線路抵抗とリアクタンス分のみ
、その
ため150Aという大きな電流が流れる。普通のMCBでは
耐えられずトリップするので、起動電流を考慮した
モーターブレーカー
が使用されます。直入始動と比較
し起動電流を下げるのがスターデルタ始動方式の目的
ですがトルクは電圧の二乗に比例するため、起動トルク
が1/3になる欠点もあります。空調機等では問題なし。

等価回路で説明すると合成抵抗はr2+R=r2/sとなるのです。
回転数が上昇するとSが小さくなるので合成抵抗が上昇
する事で電流値が低下
、モータートルクと負荷トルクが
同じになった付近で回転数と電流値は一旦落ちつきます。
直入れ起動方式ではこれで完了ですがスターデルタ始動
では続きがあります。ビル設備では5.5KWまでは直入れ
起動で7.5KW以上のモーターではスターデルタ始動。
ただ負荷が軽く電源に余裕があるなら7.5KWでも大丈夫
最近見た工事用の仮設排気ファンは7.5KWで直入れ始動
方式でした。直入れ始動の方が低コストで力が強いの
ですが電源に余裕が必要なのです。
スターデルタ回路

トルクは始動トルクから開始、山形に上昇し下降、最後に
負荷トルクと一致した点で運転中のモーター回転数が決定
します。発生する力と要求する力が一致するポイントで回
転を継続するのがモーター
の基本性質。こうした誘導電動
機の回転数は同期速度未満となる。同期速度Ns=120×周波
数÷極数、同期速度とは回転磁界の回転速度。60HZでP=4な
らNS=1800ですが、実際の回転数は1750rpmとかです。

スターデルタタイマーSDTが動作してスターマグネット
6-1の通電が切れて、デルタマグネット42-1に通電され
る事でモーターはデルタ結線となリ電源電圧で運転継
続されます。CX8のa接点が中央監視からでこれが遠隔
起動・停止をさせます。THRやMCBトリップが発生する
とALX1リレーに通電されてそのa接点が動作する事で
中央監視ではモーター異常を知ります。手動起動で
は自己保持接点がないと起動押しボタンから指を離
した瞬間にモーターは停止します。切替開始タイマ
ー時間は最初の電流変化、UP⇒低下⇒ある値と制定
される時間より早いと大電流によりMCBがトリップ
するのでそれを考慮し、時間設定されています。
普通のビル空調機ならば10秒もあれば十分です。

スターマグネットが切れて一瞬無電流になった瞬間が
0Aです。この時に残留磁気でモーターは発電機となり
その発生した電気に対して、電源電圧がかかるので
その位相等のずれで電流が大きく一瞬スターデルタ
始動では振ります。(突入電流)ですがすぐ50A付近
で安定しこれが通常の運転電流です。起動時に電源
を一瞬開放するのがこの起動方式の特徴
で開放させ
ないで行う高級な起動方式ならこの様な突入電流は
ないです。ただこの程度で故障する様な設計でもな
いしコスト面でも、スターデルタ始動はビル空調で
欠かせない存在です。

同じスターデルタでもスターマグネットS上にある
べきタイマーb接点がメインマグネットMの上にあ
るケース、それではMは切替わった時に投入維持
できない?42-2のデルタマグネットDのa接点で
投入されます。Mを投入したままで切替する回路
とそれまで一瞬ON/OFFする回路がある。この場
合はCX2のa接点が遠隔起動接点ですね。上最初
の回路は遠隔起動接点CX8で直に電圧をMにかけ
ているのです。これは運転信号をMのa接点で取
ってますが、42-2のa接点が理想です。

切替らなくてスター運転で継続しても中央監視
には正常運転表示になります。中央監視は起動
信号を送り機械から投入完了信号がないと状態
不一致として警報を出す
のですが同じ信号を
戻すからMではなくDの投入完了ならばスター
デルタは切替完了した意味になる!

スターデルタタイマー、これソケットにプラグイン
なので子供でも交換可能。ただ制御の中枢です。
電源がかると指定時間で切れる7番がスターマグネット
逆に入りとなる6番がデルタマグネットに接続されます。
9番は電源がかかったと同時に動作するa接点。部品点
数を減らすため自己保持回路として使用する回路の組
み方の場合は起動関係不能も関係してくるので更なる
重要な存在となります。とにかくこの起動方式で不具
合が発生したら調査してる時間があるなら、最初に即
取替してみるべきです。

盤表電流計は普通MCBの二次側当たりの電流を表示
しています。スター起動時は盤電流指示=モータ―
コイルに流れる電流ですがデルタ回路となれば盤
電流指示値はモーターコイル電流値ではありませ
ん。実測するならばMマグネットの二次側で測定
してください。
月に1回は動力盤の点検をするはずなので、その時に
停止して手動起動にてこれらのマグネット投入状態を
確認します。
メインマグネットM投入⇒スターマグネ
ットS投入⇒モーター起動⇒タイマー動作⇒S切れ⇒
デルタマグネットD投入⇒モーターデルタ結線運転と
なっているはずです。ですがモーター起動完了をDの
補助接点でしてない回路の組み方の現場では、S投入
状態のままで運転継続、又は7.5KW程度の空調機では
いきなりデルタでも実は何事もなく起動。つまり中
央監視で異常に気がつけない!その点でも月に1回
は現場で起動が正常にされてるか確認は必要です。

右青⇒の様に金具で一方を短絡してるのがスターマグ
ネット、マグネットは動作したら緑⇒の部分が中に入
るので外観で動作はわかる。これでマグネットが順番
通りに動作するか確認するのです。又スターデルタ
モーターはUVWがモーターコイルの一次側でXYZが二次
側、XYZを切替える事でスターやデルタに結線変更を
しています。つまりモーターから6本線が出ています。

モーター電流は±0.5A程度以内程度で脈動しますが1A
以上変動してるなら要注意。こういう場合はVベルト
など機械的原因がほとんどです。又、電源電圧がアン
バランスですと逆相トルクが発生し振動、加熱、パワ
ー低下となります。逆相トルクとはモーターを反対に
回そうという力
の事です。それと時々"電流のバラ
ンスが悪いと漏電する"と言う方がいますが、絶縁と
三相回路の電気的なバランスはまったく無関係です。
三相回路のすべての電流のΣIは漏れ電流の微量分を
除けば原則0Aです。たとえば10.15.20Ωのスター回路
の電流のΣIは中性点電位をV0として求めると0です。
単相三線式の3線のΣIも0A!アンバランスは漏電の
原因にはなりません。


絶縁が正常なら漏れ電流は対地間静電容量回路
からなので通常の回路計算には含めません。これ
がインバーター空調機で老朽化し内部の電圧波形
に問題がある場合ですと100mAとか漏れ電流は流れ
て変圧器LGRが動作する事が結構あります。昔から
のスターデルタ始動のモーターが管理は楽です。
それなら1年に1回Vベルト交換、半年に1回グリース
アップ、10年に1回マグネット交換と消耗品取替さ
えしておけば10~15年は故障しないです。
逆にそ
ういうメンテをされてない現場は注意です。ただ
点検、測定だけでは老朽化するとスターデルタ
起動空調機でも故障は必ずします。
メンテナンスと
は今発生してる不具合を見つける作業とそれを事前
に防止する前作業でなされるのです。消耗品はいく
ら点検しようが壊れる時は壊れます。そう寿命!

マグネット接点不良、停止状態で単相状態、それ
を三相起動大電流、MCBはトリップしたが老朽化
してるモーターのため絶縁を測定したところ0と
なり工賃込みで取替費100万円、業者から事情を
知りオーナーに管理が悪いと言われない様にし
ましょう。管理会社を変えらる事だってあります。

MCBトリップまでいかなくてもモーター起動時に
THRが動作
して空調機が停止する様な状況が1回
でも発生したならモーター本体不良よりマグ
ネットを真っ先に疑うべきです。放置すれば
モーターご臨終に至る可能性が高い!そんな
時にモーター絶縁を測定しても意味ない!
又屋内設置モーター単体が過電流や短絡に至る
故障原因を持つのは考え難いです。

一度でもTHRやMCBトリップ発生、運よくそれ
でもモーターは無事、もう1回電源投入運転だ
けはしない、それで今度は本当に使用不能に
された事例が社内でもありました。原因調査
して完全に修理完了するまではモーター運転
は禁止としてください。故障発生で原因調査
なしに再起動破壊はされた人の責任です。
こういう指導を電気主任は職場の仲間にも
されないといけません。
電気に詳しくない人
はリセットだけして再起動を何の疑問持たな
いでされます。リセットは修理じゃないんです。