2021年3月4日木曜日

変圧器B種I0測定は万全ではない!



2月の停電作業の時に行った低圧メガ測定で1か所
不良個所がありました
。過去記事でも説明した様に
私は主幹一括でメガを測定して不良がある場合だけ
個別測定します。一覧で記載して不良個所は別紙に
してオーナーには報告済。業者のした受電設備側の
点検報告書と一緒に3年間の保存義務があります。

実は3日前にL-1A主幹はいつも3mAなのに12mA
でしたから子回路をすべてI0測定した結果9mAの
回路を見つけていました
、絶対0.01MΩだろうと
予想はしていたけど事情で今週は電源がきれなか
ったので3日後の停電作業で確定させるつもり
でした。それが上の結果です、その他は正常なら
主幹一括で20MΩが当たり前です。原因はレジ下
配線で店が雇った業者が配線をした時に鉄プレー
トで線表面を破損させていました。絶縁テープを
巻いて絶縁は20MΩに回復。そこからは店に業者と
本修理について相談してもらいます。前記事で説
明した様にI0測定はリークCUTで測定しないとい
けません。正常なら≒0~0.5mAが1回路のI0値です。
あれ3mAある?リークCUTがOFFになってないか?
まず確認、エアコン.高周波照明、電源装置では
リークCUTなしではそう表示される事があります。

家庭の漏電調査、不在時は漏れ電流測定で保安協会
は済ませている時代です。ビルの電気主任も絶縁管
理に利用しない理由はありません。
家の外ですから
引込部分つまり盤主幹I0測定と同じ行為、主幹で盤
全体の漏電の有無をI0で確認できるという証明です。
私がテナント盤主幹でI0測定してるのも同じ目的!
変圧器B種測定ではかなり劣化しないとわからない

その9mAのI0が流れてる時の配給元の変圧器B種
接地電流は約16mA。ここでは10mAが18mA程度
は通常でもあり私の経験上B種接地電流測定で
は0.01MΩレベルの絶縁不良はわかりません。

各テナント盤主幹I0管理を私が毎月測定してい
る理由です。LGR警報が発生するというのは
0.01MΩよりも更に低下≒0MΩの状態まで悪化
した時です。その時は普通0.3mA程度の末端回
路に100mA以上も流れてしまうわけです。ELB
ならその前に回路が停電します。では何もか
もELBにすれば?安全を強化すると高調波と
か多い場合はそれに反応して切れる場合もあ
ります。病院の様な特殊な機器が多い現場勤
務の方なら意味がわかると思います。

営業中に電源が切れるとはテナントにとって
"管理が悪いんじゃないの?”とか原因が自
らにあるのでは?と考えてくれる人は少ない

ので電気担当は大変なんです。機器が動かな
いと電気が来てないと苦情を言われる方もい
ますがほとんど機器側に問題があります。
正確に調査し相手に現状を説明するのも電気
主任のお仕事です。その時電気主任までわか
らないでは相手の都合の良い様に物事は進み
ますから保守管理する者が利用者より劣る事
はあってはなりません。
お仕事で"思う"は基
本ダメ、逃げを意識したコメントはプロのす
る事じゃない。電気主任は電気のプロ扱い!

電気主任になったばかりの頃は面倒なのでテナ
ント盤主幹I0測定していませんでしたが500mA
を超える漏電を何度も経験しテナントさんの
機器が原因で急に発生する漏電に対応するに
は毎月のI0調査が必要と答えを出しました。
下の様にその不良1回路がなくなる事で変圧器
B種接地電流はわずか3mAになり数字って妥協
のないありのまま状態を示す
と痛感しました。
ただいきなり500mAにはならない、LGR警報を
出してしまうと会社に報告書を提出しないと
いけないし管理方法の確認もされる事があり
ます、だから中央監視装置には警報は出した
くない
のです。

あらゆる異常や警報に対応できたので誇れる
ではなく、そういう異常が頻繁に出る管理を
してるのでは?
という疑問を持たれるので警
報という物は極力減らす管理が必要です。

クランプメーターを購入する場合の注意点
クリップ部分は幹線測定では丸型でもいいけ
ど盤内の子回路測定では扱い難いため先端が
尖った形状の物にしてください。ホームセン
ターで売ってる高くても1万円のは型は良く
てもリークCUTできないので絶縁管理では使
えません。後0.001Aをきちんと測定できる
性能があるか。優れた使用者+性能の合った
測定器、どちらが欠けても満足な電気管理は
できないです。
最近は共立漏れ電流クランプ
メータMODEL2431がとても扱い易いため子回
路I0測定ではこればかり使用しています。
それの50/60HZモードはかなりI0rに近い
指示が可能でB種電流測定にもお勧めです。
物がなく貴方がいくら賢くても電気管理はで
きない
ので会社に買ってもらいましょう。
今貴方の管理してる現場でリークCUTで100mA
を超えてながらLGR設定上げで対応してるし
たらまずいです。リークcut切りでのみ超え
てるならば設定上げはある意味仕方ない面
もあります。リークCUTで35mA、OFFで110mA
という様な状況、私もそうした事あります。
交流を使う以上、対地間静電容量からの高調
波流入が多い場合、漏れ電流の8割が高調波と
いうケースも経験しました。B種接地はI0rで
50mA未満であれば全測定I0では50mA超え
ても問題ありません。
ただ普段10mAしかない
のに49mAになった場合、合格とは私はしない
い、相対的な急変は基準値以内でも何かの
劣化兆候と考えるべきです。