2021年1月21日木曜日

ビル設備管理 基盤交換位はしています。



空調機などの自動制御盤はどこの現場でも業者契約してます
でも電灯盤や動力盤まではされてないケースが多いと思いま
す。動力盤の中にあるのは運転回路の事であくまでモーター
運転に関する制御です。そういう点で動力盤故障ではその現
場の電気主任にまず故障連絡が来るので適切な対応をしなけ
ればなりません。これが通称BLACK BOXと言うのです。

今回このブログ記事のためBLACk BOX中身を取り出してみました。
回路を見ていてわかったのはこの基板には外部と接続される制御
リレー接点が5個ありました。基板にRYと記載ありそれはすぐわ
かりました、、そこからパターンをたどると端子番号の意味があ
る程度わかります。モーター発停、電流表示、異常トリップ、中
央監視PCとの連絡をこの1枚の基板で行うので全体回路は基板と
マグネットなるシンプルな作り。もし中央PCから遠隔温度設定ま
でできるなら基板がもう1枚以上は増えるのでその辺は現場しだ
いですね。ソケットは使用されずガチ緻密にハンダ処理されたこ
ういう状態の物は修理は困難と言うより無理と私は思いました。

基板上の難解な素子(LSI)の動作なんてわからなくもいいのです。
どうせわかっても何もできないのですから!ただ外部とのつなが
りがわかるとその基板がどういう動作をしてるのか見当がつくの
です。カプラーの正面から見た接続レイアウトですが回路のパタ
ーンを見ていて私なりにわかった内容です。この回路は切替する
事で直入れやスターデルタ起動が自由に選べるマルチユニットな
のです。正常時は緑表示で回路に異常が発生したら赤表示となり
ます。とにかく起動しない、停止しない、自動でも手動でもまっ
たく操作が急に無効となった、停止中なのに異常警報が出るなど
の異常時では本体を無条件で交換すればいいのです。取替後に正
面パネルから異常時のトリップ動作電流値を設定して完了となり
ます。(3Eリレーによるモータ保護設定)

>回路図とカプラー端子番号はこう対応していますがここまで比較
して見るとよくわかると思います。(上カプラーは上段の右からが
1番端子になっています。スターデルタ起動ですが1番がメイン
2番がスター、3番はデルタの各マグネットのコイルをONしてる
のがわかると思います。下の様な回路図だけ勉強してもわかって
る様でわかりませんが実際の基盤回路と対応した知識なら応用も
効くはずです。電気主任技術者を目指す人はこういう電気回路に
興味があると思うので物があるなら中を一度は確認しましょう!

ただシーケンス部分が1枚の基板上で電子的に行われるのだから
故障時に部品がないと致命的と言えます。直入れならマグネット
のコイルに直に200Vをかけて仮起動はできますがスターデルタは
実線がないので何もできません。以上は1個のモーターを運転さ
せるだけの基板だけどこれが水槽の自動交互運転ならNO1ポンプ
NO2ポンプ、電極制御用の3個の基板で1セットとなります。
ただこうしたユニット(基板)の動作に疑問がありメーカーに質問
しても工場の技術者しか詳しい事はわかりません。電話してくる
業者のメンテナンスマンはただ交換という次元で私とそう大差な
いかもしれません?ただ交換してマニアルに従い設定入力するだ
けなら私でもできます。在庫調査したら一番使用されてるKS-1と
いう基盤がないので在庫リストをすべて一覧にして会社に提出し
ました。これをメーカーに送り適当な数を購入しないといけませ
ん。必要な部品の在庫管理は電気主任技術者にとっても大切
なお仕事の一つです。物がなければ誰がしても満足な対応なんて
できないのですから!

もし朝、空調機が動かせない時は電気主任としてどういう対応を
したらいいのか?現場に着任したらそこの作りを研究して対策は
持っておかないといけません。業者に電話すれば?家の家電が壊
れたわけにはいきません。夏場なら利用者から苦情は来るしオー
ナーにも説明も必要で業者が後で来るにしてもそれまで何もでき
ない。というのは技術者として失格だし、資格だけか?と嫌味を
言われても仕方ありません。又何もしてない現場は前任者から何
もされてないでしょうね。ただ設備が老朽化すると自分が電気主
任になったとたんにそうした故障が頻発する事もありえ今まで何
もなかったからこれからも!はヤバイと思います。

私が物の寿命を人に説明する時に使う言葉にバスタブ曲線という
のがあります。これは新品の時は初期故障の可能性が高く、それ
を過ぎると長く安定した期間があり更に時間経過するとある時か
ら寿命となり故障が頻発するという万物の定理です。ですから予
備保全としては後半の曲線が跳ね上がる前に更新すべきで今日大
丈夫だから明日も大丈夫という考えは通用しません。これは知っ
ておくと便利なのでぜひ記憶されておいてね。

今回説明した基板制御の運転回路はその基板の各パーツの何かが
故障すればTHE ENDとなります。こういう表から推測すると最大
で基板制御は15年が限界と私個人は思っています。個人的には昔
のマグネット、リレー、タイマーなど各単品のパーツで構成され
たシーケンス回路が途中小さな部品交換しながらも一番長く使用
できますが築10年以内の現場では基板制御の動力盤がほとんどで
しょう。



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