2015年10月9日金曜日

電気主任技術者 仕事:電力用コンデンサー故障対応

前記事では電気以外を説明したけど電気主任技術者である
以上こうした電気回路についても他の設備の方と違い取扱い
が少しはできないといけません。
最初に回路を読む場合の約束事を説明します。
説明を見ればわかると思いますが実際の回路での配線が右
でそこにシーケンス図で示す番号の線とマグネットの端子番号
があるのです。
業者など詳しい方と話す場合は○の線番がどうこうという話し方
をしますので線番が追えないと何もできません。
NOとはノーマルオープンで通常時OFF動作してONつまりa接点
の事を意味します。逆動作のb接点はNC接点とも言います!

自己保持回路とはどんなシーケンスでもある回路と言っても過言
ではなくたとえば運転ボタンPBでONされるリレーRがあったとして
手を離すとリレーは無電圧になるので切れてしまいます。
この時にそのリレーのa接点で運転ボタンを短絡する様に
すればボタンから手を離してもリレーは切れる事はありません。

リレー端子間に線記号が右又は上に書いてある接点をa接点と
いいリレーが動作してONになる接点です。逆はb接点
私は父の工場でシーケンスを勉強したので昔の図記号で習得
今の会社では半分はこの記載図面で後は新記号だけど回路
の見方は同じなので新記号図面もすぐわかります。

ジャンパーとは配線で端子間を短絡する事で強制的に回路上
を通電状態にする行為でリレーの安全回路で使用されるb接点
ではそれを行う事で安全装置を見かけ上正常状態とできます。
★本体は正常だけど異常を感知するリレーのみが故障中★
ただ本当に故障状態なら禁止行為でエラーが出て
るのにこの行為をした場合は大きな損害を伴う危険性が
あるので注意されてくださいね。
ですから電気主任技術者以外の方は禁止作業です。

自家用電気工作物の現場に必ずある物それは力率改善用の
コンデンサーで今日はその制御回路について説明します。
このシーケンスが理解できるなら違う現場の回路に遭遇して
もまったく意味不明ではないはずです。

コンデンサーが中央監視室の遠隔操作で入らないとします。
まず回路に関係する異常警報が出てないか確認
出てるならばコンデンサー、リアクトル、ヒューズが故障状態で
それを修理しない限りこの回路は使用禁止です。

何の警報も出てなく機器本体が正常であるのを現地確認できた
ならばシーケンス調査を開始します。
手動投入入りを押すとTM1タイマー接点がONならばSR1X、SC1X
LS2XのB接点を経由してMC1がONする事でコンデンサーが投入される。
一方自動回路は遠隔投入接点CX1のa接点がONする事でTM1タイマー
接点がONならば同じくSR1X、SC1X、LS2XのB接点を経由してMC1が
ONするMC1がONすると赤矢印が示すMC1のa接点がONする事で
自己保持回路となる。

まずコンデンサーが投入されないのはMC1がONしないからに
気がつく事

テスターで電圧を追う方法以外で今日は調査してみましょう。
まず手動投入ボタンでコンデンサーが投入できるかできるならば
SR1X、SC1X、LS2Xのリレーは正常そうなると線番74より上の
自動回路に異常があり。

自動回路②下の自動切りb接点TX1を短絡(ジャンパー)した上で
遠隔投入してみます。
これでも一瞬でも入る気配がなければ遠隔投入a接点CX1を
ジャンパーしてみましょう。
最後にTM1タイマー接点をジャンパーします。
必ずどこかで入るはずで上のどれかが不良。

一瞬でもと言ったのはMC1の自己保持回路があるからで
一旦投入されるのにすぐに切れる場合は自己保持回路MC1の
a接点が不良です。(線番74と79が接続されてる部分)
コンデンサーを切ると真ん中上のVCS-1のb接点がONになる事で
線番81より電圧がかかり切りランプのGL1が点等します。
同時にTM1のタイマーに電圧がかかり一定時間後に左上にある
TM1タイマー接点がONします。
そうこのタイマーは投入状態のコンデンサーを切った後での
即時の連続投入を防止するためにあるんです。

電力コンデンサーは電荷を充電しますが前の投入した時の電荷が
残っていると電源電圧に加算される事で定格より高い電圧が印可
される事で過電流となります。
そのため電圧がなくなると内部にある電荷消費用の抵抗かコイル
で放電を行います。

その間はコンデンサーを投入させない安全回路があるのです。

故障部品がわかったならそれを注文してこの程度の物なら私が
取替していつも修理をしています。

プラグインならその場所の部品と差し代えるだけ。
配線を外す必要がある時はなれない方は自分で外した配線にテープ
に番号を書いて貼り後で組立てる時にどれがどれ?にならない様に
してください。
後それが古い物でリレーやMGが互換品になった場合は新しい物と
既存の物の接点番号の役割が同じか必ず確認が必要です。

★その他補足説明

図面右のB、C、Dは遠隔盤に故障信号を送る接点でE、Fは遠隔盤
より信号を受けて現場のコンデンサーを入切するリレーです。

・コンデンサー異常とはコンデンサーの箱内部の圧力が異常上昇した
時に動作する圧力接点の事です。
・リアクトル異常とはそれの温度が設定より上昇した場合に動作
する温度接点の事です。
・VCBヒューズとは高圧SWのVCS内部にある電力ヒューズが短絡
により切れた場合に動作する接点です。
これら3個のどれかが動作したら回路上の異常があるので絶対
に電圧をかけれない様にするのが安全回路の役目です。

CX1とTX1リレーのとこにパラでダイオードの記号があるけど
あれは何だと思われます?
あれはこのリレーが切れた時に発生する逆起電力を中央監視
回路に出さないための物で電子回路が絡む場合時々見ます。
つまり異常電圧を閉回路内部で消費する事で外部に出さない
ための物でフリーホイールダイオードと言うそうです。