絶縁抵抗測定は万能ではありません★

電気主任技術者になる覚悟ありますか?⇒私の日常業務紹介⇒電験三種B問題解説
⇒電気主任技術者になるとは ⇒電気主任技術者の仕事⇒電気主任技術者 Q and A
⇒冷房運転⇒暖房運転⇒今年度停電作業⇒これが私のビル管理⇒換気扇漏電
⇒モーター温度管理等⇒対地電圧⇒発電機点検⇒区分停電操作⇒絶縁抵抗値見方
変圧器操作・⇒受電設備勉強会_マグネット取替10年1回 ⇒絶縁抵抗測定は万能じゃない★
★全部で300記事程度ありますが一部をTOPに抜粋しました。
⇒特高VCB更新工事⇒不平衡三相交流検証⇒変圧器突入電流 ⇒高圧停電手順
⇒シーケンス制御⇒トップランナーモーター⇒三相単相運転⇒地絡継電器⇒給水制御
⇒デジタル式保護継電器⇒保護継電器基礎⇒絶縁抵抗測定/I0r管理 ⇒電力量計etc
⇒ファンコイル故障⇒冷温水発生機故障⇒マグネットスイッチ取替⇒冷却塔制御
⇒ELBと接地の有効性⇒電気設備保安規定⇒基盤制御検証⇒受電VCB実務レク
⇒漏電対応1⇒漏電対応2⇒漏電対応3⇒漏電対応4⇒漏電対応5⇒コードリール出火
⇒絶縁基礎1⇒絶縁基礎2⇒月漏電点検⇒ビル漏電監視⇒絶縁抵抗計の使い方
⇒人体実験⇒絶縁抵抗計の使い方2⇒キュービクル取扱(1~3)⇒給排水制御説明
⇒変圧器地絡調査⇒電気が切れなくても作業⇒赤外線温度計ES2000⇒共立接地抵抗計
⇒サーモグラフィーFLIR⇒共立クランプ付テスター⇒電力KW測定用クランプメーター
⇒自作スターデルタ始動器⇒スターデルタ始動モーター基礎⇒ポンプ空転防止改造
⇒照明省エネ改造⇒停電時_空調自動再起動改造⇒水漏れで店舗全停電
⇒絶縁抵抗計DG35a⇒水害電気事故⇒変電室月例点検 ⇒配電盤月例点検
⇒丸山式コンセント点検方法⇒モーター特性実験⇒変圧器特性実験
※BLOGは現在更新停止していますが職場で仲間に説明する時に
利用中、何か特別NEWな事があれば追記はするつもりではいます。

最近の猛暑の影響で飲食関係が多数あるビルで10年以上経過す
る物件では機器漏電が多発
してると思います。過去にも載せました
が再度参考までに!500KVA一般電灯2変圧器で地絡警報が発生
しました。今日は絶縁抵抗測定しても不良個所を特定できない事例
を紹介します。時々こういうケースもあるのです。たぶん温度より湿度に
比例して機器漏電が増加する
、夏場は特にそれに該当します。
変圧器の地絡警報調査は電気主任技術者がすべき業務の一つです。

テナント盤内ELBが動作したら変圧器で地絡警報が出る様な漏電は
発生しません、地絡で反応する前に現場で漏電をブロックするから
です。こういう場合は主幹がMCB、子もMCB回路で漏電が発生してい
ます。すべてELB化しMAXな安全を実現するとノイズ誤動作、主幹
ELB動作によるテナント全停電となるのも困るのです。漏電に対し
敏感な状態はリスクと表裏一体、とにかくI0が224mAと変圧器B種
接地管理基準50mAを大きくOVER。
確実にこの変圧器の二次側の
どこかで漏電が発生中。漏電調査は得意なので任せてください。
後、大雑把に言えば地絡と漏電は同じ意味に扱ってもいいです。

変圧器後の絶縁バリアーを撤去してD1~D8回路のI0を測定し
たらD5回路にて335mAを確認、I0は200~350mAで変動して
いました。漏電がない時のI0はほぼ一定値ですが漏電が発生
すると値が変動します。
通常変圧器のB種接地電流は5~30mA
程度で測定時間程度においては一定です。漏電があるとこの値
まで60mA⇒150mA⇒300mA⇒220mAとか変動するケースが
私の経験では多いですね。(ただ正常であっても真夜中と昼間で
は真夜中の方がB種接地電流は少ないです)

変圧器で地絡警報が発生するとどこかの回路が3桁のI0mAに
なるのがほとんどです。最初は間欠的に発生、しだいにその値
が大きくなり放置すれば500~1000mAもなり火災の危険性
あるため放置はできません。工場と違いビル設備では対地間
静電容量の影響でI0が漏電でもないのに目立つほど増加す
る事はそうないと思います。仮にそれで変圧器B種接地電流が
50mAを超えるならI0rで測定して50mA未満なら問題なしです。
これは保安協会の方に確認しました。50mAを超えたら即異状
というわけではなくI0cや接続回路が多い関係なのかを調べ
なさい
という意味ですがI0が335mAなんて調べるまでもなく漏電!
自社ビルや工場とか相手(客)がいない現場なら可能かもしれ
ませんがテナントビルは停電できないのでメガでは漏電調査は
できません。今の時代電気を止めるというのは相手に損害補償
も考慮しないといけない
点はこれから電気主任を希望される方
は知っておいてくださいね。(相手が了承した計画停電は除く)
特に金融関係を人の操作でいきなり停電させたら電気主任を
解任させられるでしょう!

ここで図面を見てD5回路の行き先とD5回路に接続されてるエリア
を確認
します。4階にあるこのMCBである事が判明したので今度
は現地のこのMCBでI0測定を実施。手前の22sqはI0が1mAで
問題なし、奥の60sqは358mAもI0が流れていました。この回路
には3店舗お店が絡んでいます。普段から建物の電気系統図面
を見ておく事が大切です。イザとなってどこに図面があるのか図
面のどこを見たらいいのかでは電気主任としてお粗末です。

漏電調査で何の配線かわからないが一番のタイムロスです。
できればノートに勉強のため書き出して一目でわかる自分だけ
の資料を作成しておけば迅速な対応ができます。本来漏電調査
を迅速にできるのは業者ではなくそこの現場の人なのです。私
は手帳にすべての電気系統を書いていつも所持してるのでイザ
では測定器類さえ準備すれば即行動できる様にしています。

各店の分電盤主幹にてI0を測定して漏電テナントの確定をしない
といけません。営業中ですから停電させてメガはできません。
漏電の可能性があるだけで停電させてくれるテナントはまずない
です。逆にその間の売上保障をしてほしいと言われかねないし
私もそれは最初から期待はしていません。I0測定は充電状態
ですから感電、短絡事故、トリップボタンに触れ停電には十分
注意します。
行う事は簡単な事なのですが事故も同じく簡単に
発生してしまう事を意識しましょう。盤が狭く主幹3本で挟めない時
はMCBのここで測定しますが挿入する時にクランプ先端の奥の金
属部が充電部に当たり短絡とならない様に慎重に行います。

正常ならばテナント分電盤主幹ではI0は一桁、各子回路では1回路
1mA未満がI0での判定基準です。(小型の狭い盤主幹では逆に口
径が大きいリーククランプメーターが挟めません)もしI0が10~20
mAとなった場合は電圧もクリップしてI0rで判定
を行います。I0rで
問題がなければ絶縁は大丈夫です。下の場合主幹I0で0.8mAです
から問題はありません。これなら100Vメガで主幹20MΩ以上あります。
対地電圧100Vの単相三線式回路ですから100Vメガで測定、対地
電圧が200Vの三相200V回路ならば250Vメガです。(三相変圧器
二次側は通常デルタ結線のはず)

絶縁判定に必要なのはI0rなのですがI0>I0rですからI0が低い
場合はI0rも低いと判断して特に行いません。乾燥してる事務所関
係テナントでは主幹I0r測定値はたいてい1mA未満です。対地間静
電容量等の影響で主幹I0が数mAになる事もある!着任されたら自
分でメガ値とI0/I0rの程度の関係を確認されてみてください。三相
のI0r測定時、電圧クリップは接地相以外の2相からですが三相は
必ず接地が真中のS相とは限らないので接地相を確認の事。

本題に戻りますが2店舗目で主幹で200mAを検出、3店舗目は主幹ELB
ですから全停電してないという事はそこには漏電はない。100%漏電はこ
こで発生してるので店長に事情を説明するとお店をCLOSEするので調べ
てほしいと協力してくださりました。これは稀な出来事と言えます。盤が
狭いので1回路ずつ通電状態でI0測定はキツイと思っていたので助か
りました。ただ主幹を切り一括メガをしたらなぜか20MΩあるのです。
ですが主幹で200mAのI0がある以上、絶縁測定で問題なくても必ず
ここに絶縁抵抗不良があります。
こういう場合コンセント回路に接続され
る機器の内部漏電です。業務用機器はマグネットがある物が多いので
停電して測定する絶縁測定では絶縁不良がわからない事が多い、又
電子SWタイプでも停電させると回路が切れるため内部の絶縁状態は
わからない。もちろん電源コード不良でこういう感じで≒0MΩとメガで
判明する場合もあります。

再度主幹を入れて営業状態にしてもらい主幹にリーククランプ
を挟み1回路づつ切ると白テープのMCBを切ると主幹I0が3mA
に激減しました。
(30mAのELBは15mA以上で動作するのです
から故障原因のあるのはMCB回路です)この時点で停止した
機器を調べ再度不良回路を生かして今度は機器を1個づつ
停止させて故障機器を発見しました。後はメーカーに連絡し
修理手配を店長にお願いしました。絶縁抵抗測定では正常
なのに使用中に漏電する不思議な現象の意味
はご理解頂
けたと思います。


何かの機器を運転状態でI0rを測定する時はこのコンセントに
接続して測定しています。これでメガではわからない内部漏電
を判定できます。この場合ではI0rは1mA未満でないといけま
せん。もちろんI0で1mA未満ならばI0rでも同じとなります。
絶縁不良により流れる電流(I0r)は電源と同じ周波数ですが
リーククランプメーターでは60HZ成分のみの漏れ電流を測定
できないので完全にI0rを測定するならI0rクランプメーター
でないと測定できません。正常時はリーククランプメーターで
I0が1mA未満という点検の仕方でほとんど問題ないです。

周辺状況が正常になった事を確認します。数字は正直で嘘は
つきませんね。
変圧器B種接地電流もわずか4mAとなりました。

絶縁抵抗測定は機器をONの状態で接続して測定しなさい。昔の
家電なら理解できますが最近の家電では通用しない物が多いと
思いませんか?業務用エアコンの電源ELBが漏電トリップした
メガで測定したら正常なぜ?そうモーターの絶縁は電源側から
では見れないのです。だからサービスマンはパネルを開けて中
の回路上で測定するわけです。
ここまでするならI0でなくても
メガで異状点検はできます。ですが貴方がそれをされた場合以後
の故障については全責任を負います。機器内部点検は取説で他
者が触れる事を禁止してるはず
、保安規定に従う絶縁測定で絶縁
不良回路があり原因が顧客機器であったら点検はきっぱりお断り
すべきです。テナントの方は何も考えず無料で点検してくれたら
有難い程度の意識しかなく何かあれば貴方が触ったのだから
責任を持って修理か弁償してほしいと必ずなります。

最後に自分が今日した事の報告書を作成します。1枚は
申し送りノートにもう1枚は会社管理部に提出します。
"漏電が解決しました"報告だけではダメです。
後で何か問題が発生した時は報告だけが自分の正当性を
示す物ですからこういう事こそ一番大切なのです。
スマホで撮影した写真をPCに入れて報告書を作れる程度
はできないと今の時代困るので特に中高年の方は練習さ
れておいてください。仕事しながら写真なんか撮ってら
れないというのが本音であってもそれは別にしてです。


コンセントや配線が悪く接続される機器負荷が軽い場合は
他回路に接続して絶縁不良回路を使わない事を希望され
る事もあります。(費用をかけたくないため)その時は故障
回路二次側の配線は必ず外しておいてください。テナント
財産ですから可能なら使わない選択肢もありです。

(テナント分電盤主幹引込以降の主開閉器からはテナント
が入居時に設置したテナント財産で原則ビル管理側には
修理義務はありません。
)

テナント内での測定作業注意点
1.測定器、工具、絶縁手袋の置き忘れをしない
2.室内を汚さない
3.分電盤内でのI0測定は活線作業ですから指が触れて
正常な回路を切らない、感電、短絡等には注意する。
4.テナント様に暴言や聞かれてない余計な助言はしない
5.費用が発生する事は即答しない(コンセント、SW取替
配線の補修程度で原因解決する程度は無償で行います)

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とにかく単独1回路では通常1mA未満ですからこんな24mAなんて値
では停電させてメガをするまでもなく漏電しています。30mAのELB
なら15mA以上ですからトリップしますがMCBでは切れません。MCB
が漏電でトリップした時は≒0Ωで漏電した時ですから壊滅的に壊れ
てると思って間違いないです。下の様なケースでそれがテナントに
関する回路では必ず相手の許可を求めて電源を止めないと電気
主任だからと無断で電源を切り営業妨害をしたらオーナーに通報
され最低厳重注意ですから気をつけてください。必ず測定器が異
状値を示してるこの状態の写真を撮っておく事!


通常原因は床や壁にある物ですが稀に頭の上にある機器が原因
というケースもあります。照明器具ならばこんな感じで通電した状
態でI0を測定すると≒0mAが普通ですね。高周波点灯する器具
では1mA以上となる場合もありますが100mAの漏電が発生して
るならば程度を見れば3mAでもそこではないと判断できるでしょう。
どうしても確定させるなら電圧を入力してI0rモードで測定します。
安定器本体が絶縁不良で器具アースを通じて絶縁低下してるわ
けですから安定器を取替するかバイパス工事をしてLEDの直管
ランプにするかです。(私はすべてLEDランプに変更しています)
照明回路漏電はリモコンリレーやタンブラSWではほとんどない
はずで末端の器具のどれかです。焦げ臭いとある場合は照明
SWを切りとしても200V片切りでは安定器の給電は片線は止ま
らないので事情を言って照明回路電源を切った方がいいです。
(天井から煙でも出てきたら冗談では済まないですからね)

片切りSWの200V照明器具不良で今日以降に修理する場合は
必ず電源の送りをバイパスして電源から完全に切り離しておき
ます。これで他の残りの照明器具は使えます。ランプだけ撤去
して放置し夜中に火災とかなるとヤバイです。200V回路は両
切りが好ましいとあるだけで禁止事項ではないので結構この
方式はどこのビルでもあります。
普通の人は照明SWを切れば
安全と思われますが電気主任だけはこの事を危惧しましょう。

換気扇が原因という事例も過去ありました。カバーを外し中を掃除
する事はテナント所有ではほとんどないので酷いです。配線とか
中を清掃したら多少回復するかもしれませんがあまり期待は持て
ないです。上階が飲食で厨房からやFCUの配管が漏水したとか
水が入ってが原因ではまずダメでしょう。夏ではエアコンのドレン
配管をネズミが水がほしくて食いやぶり水が器具に落下という事
故も過去ありました。水害は電気機器にとって大敵です。

3個コンセントが接続された回路でどれかのコンセントが内部漏電
してるならばこう調査します。事務系の大人しいビルではまずない
と思うけど飲食関係ではどうしたらこんな焼損する様な事になるの
か疑いたくなります。お店は店長以外はバイトとかSPOTな人がほ
とんどなので荒い扱い方をされる方がいます。又は夜中に清掃
業者が壊したまま放置してるとかそんなのです。

漏電する様なコンセントはたいてい見た目で酷い事になってるので
そこを一式取替すれば治ります。ただ自分なりに調べ方も考えて
おく必要はあると思います。

このコンセント回路はこのコンセントの影響で0.007MΩしかないけど
MCB回路のため切れないのでテナントは平然と使用してるわけです。
毎月テナント分電盤主幹でI0測定をしてるのでそういう時には見つ
けられます。すべての事務所、店舗のコンセントの状態を常時把握
するのは実際不可能ですからテナントの方には異状があれば早急
に連絡する様にオーナーから通知はされてますがこういう状態に気
がつかずに使用されてるケースもあります。火を噴いたらいけませ
んから即取替を電気主任技術者の方でします。


今回の記事で知ってほしいのは絶縁測定を年1で、毎月
テナント盤主幹でI0測定までしていてもそこに接続され
テナント機器の急な故障までは知りえないという事です。
飲食のない事務系ビルでは漏電とか1年に1回あるかない
かという状況ですが飲食店がある業種では10年経過した
厨房機器はこうした故障が多いですね。上司やオーナー
はその辺がわからないので管理が悪いのでは?と言われ
かねませんがその辺をきちんと説明できる様にしましょう
漏電事故を事前に100%予想するのは不可能です
ですが毎月テナント主幹でI0測定をしてる事実があるだけ
でいつ漏電が発生しても電気主任として絶縁管理してる
事実を弁明できるのです。ただ点検して報告書があると
しても今の時代は数値で残さないと説得力はないです。

私は毎月テナントにあっては分電盤主幹でI0をテナント
立会いで測定して最後に相手の確認印をもらっています。

共用部の動力回路も最低月に1回は負荷電流とI0を測定
して前回との変化を確認して記録に残します。こういう乾燥
した場所にある空調機などで漏電が発生する事はまずない
逆に屋外設備や受水槽室などのモーターはI0値には注意
しましょう。I0値が急に増加した場合は営業時間外に絶縁
抵抗を測定しましょう、その時しばらく停止させ冷えた状態
で0.5MΩ、運転後過熱したら50MΩとか変化する兆候
を示す
物はそろそろ取替計画を立てた方がいいです。そういうのは
法定値0.2MΩの最低値以上あってもいつか急に絶縁低下
して漏電事故に至る可能性があるのです。通常乾燥した
場所のモーターは常時100MΩあって当たり前!

直接モーター単体でI0を測定すればたいてい1mA未満です。
複数のモーターが絡む主幹では各I0の総括となるので1mA
より大きくなるわけで★主幹I0管理は値を普段から測定して
正常値を知ります★法的には漏れ電流はケーブル最大配給
電流の1/2000ですが私は前者で管理しています。
絶縁不良にて漏電すればこの値が100mAとかなるので誰で
も異状はわかります。朝早く~遅くまで稼動してる機器では
夜中に絶縁測定するしかありませんがI0なら昼間稼動中で
も絶縁管理ができるのです。ただホームセンターで売ってる
1万円のクランプメーターではダメです。余談ですが下回路
で対地電圧200Vだから0.56mAで割れば絶縁抵抗値とは
なりません。なぜか?理解できる様になってくださいね。


刃物の扱いは少し得意です。

食べたつもりになって頂けたら幸いです。

モーター温度管理

モーターの温度管理は重要で過去モーター表面温度が90℃を超えて
取替という事態になった事が一度だけあります。絶縁階級がE種の場
合は許容温度は120℃ですが業者によれば表面で20℃程度低下す
るという意見
があったのでそうなれば100℃を越せば絶縁破壊を起こ
してしまい相間短絡するのは時間の問題でした。これは私が勤務する
現場にある消防ポンプモーターで絶縁階級はB種だから表面温度で
130-20=110℃が限界と判断できます。ですが通常は50~60℃程
度でこういう負荷が固定したモーターが85℃とかに急になれば何か
劣化兆候があると私は考えています。

モーター絶縁階級は乾燥した屋内ではE種、屋外や耐久力を要求さ
れる物はF種やB種を私が勤務するビルでは使用されています。屋外
モーターなんて10年以上雨ざらしなのにまったく故障する事なく夏場
は毎日動いてるのですからガチな耐久力です。でも永久じゃない!

モーターは熱容量や熱放散を考慮すると内部から外部に熱が移動す
るのにある程度の時間がかかり、運転開始の初期には温度変化が
遅れます。
絶縁物の寿命に影響を与えるのは最終上昇温度との事
です。下写真は冷房用の屋外冷却水ポンプ、これで温度変化を検証
してみましょう。この検証は実は10月頃にした物ですが朝方でモータ
ー運転前は周囲温度とほぼ同じ表面温度で26℃でした。運転開始し
てから15分後に表面が43℃、更に15分後に56℃となりました。最終
的には58℃で発熱と放熱のバランスが成立して最終上昇温度となっ
たのです。(屋内設置では放熱低下で屋外型より高くなる)

この15分というのは2回目の15分つまり30分後の温度からそう大きく
ならない。少し勉強して調べてみたらモーター温度というのはR-L直列
回路の電流変化と同じ様な指数関数的な変化をするのですね。つまり
最終値である定常状態と変化途中の過度状態で表す事ができます。
そうなると最初の15分をt1、次の15分をt2としてその時の温度を各
θ1とθ2として最終上昇温度をθ∞と表す事とします。Tとは時定数とい
いθ∞の約63%に達する時間を意味する物でこれが小さいほど早く定
常状態に落ち着きます。

①は最初の15分t1の時の温度を表す式で②が30分目t2の温度を
表す式、次に①式を二乗すると③式となりこれが②式と等価となる事
に気がつきます。

その式にθ1=43℃とθ2=56℃を代入して見ると57.8℃が得られました。
実測は58℃ですから結果と理論値はほぼ一致しました。運転して1分値
と3分値の温度ではy=kxの比例変化ではないので無理ですからどの時
間タイミングで温度測定を行うのかが難しいです。ただ計算値より極端
に最終上昇温度が上昇するならこの熱の流れが停滞し熱が内部に蓄積
するから表面温度が90℃をも超えてしまうのです。最後は熱による絶縁
破壊となり短絡が発生してMCBがトリップしますが当然メガ測定では0Ω

絶縁物の耐熱温度を越せば寿命は著しく低下する検証
電気に係わる人は寿命を判定するモルチゲルの公式と10℃半減説は
聞かれた事があると思います。①がその式です。②は絶縁物が130℃
まで上昇した寿命T1③は10℃半減説を適用して定数βを逆算してみま
した。次にA種絶縁物が定格の105℃まで上昇した時の寿命を示す式
T2が④でそれに②③の結果を代入してみます。定格温度になった時の
寿命T2が資料としてあるならば130℃まで加熱した時の絶縁物の寿命
時間T1は計算できますが今はわからないので適当に1000Hとするなら
ば176Hでこの結果からA種絶縁物を130℃で使用すると寿命は1/5
以下になるのだけはわかります。

解説:指数計算の公式の確認、次に③は10を二乗したら100ですよね。
逆に2は10を底とした100の対数であると同じ考え方で変換すればいい
んです。⑤のεは自然対数の底で2.718それを1.7325乗すれば5.65
が得られます。関係式が判明したのでエクセルで式を組んで105℃を1
とした場合の温度超過による寿命の推移をグラフ化してみましたがあり
えないけど160℃になんかなると一瞬で絶縁破壊してしまうという事。

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家でじっくり勉強するのに私が個人的に購入した日立のモーターは
絶縁階級はE種ですが汎用式モーターではこのクラスが多いです。
能力内で普通に使うならモーターは15年は壊れないです。
特に業務用は家電内モーターと違い絶縁だけでなく内部部品も耐
久性があるパーツが使用されています。ただ静寂性には欠けるた
めこういうモーターを裸で室内使用には向いていません。

こういうモーターが故障するのは起動、停止の繰り返し、マグネット単相
運転による短絡など設計思想とは異なる使い型、メンテ不足を扱う側が
したのが主原因。もちろん運用は正しくても機械物ですからいつか故障
は絶対します!「振動がひどくなった場合」「以前より熱く感じるようにな
った場合」「回転が遅くなった場合」「錆がひどくなった場合」「動作時の
音が大きくなった場合」「電力の消費が大きくなった場合」などを確認し
た場合は症状が軽い内に業者による点検が必要との事。モーターは
15年が期待寿命ですから
それを経過した物は順次取替計画を電気
主任としてオーナーに提案しましょう。15年を経過した機械をOH(オー
バーホール)してまで使うのは私的にはお勧めしません。古い機械の
点検依頼を業者にすると断られるケースがありますが今日点検して
明日故障する可能性のある物は誰も触れたくないからです。OHは
あくまで期待寿命を考慮し残りを確実に使い切るための特別作業
と考えるのが妥当ですね。(期待残寿命=15年ー使用経過年数)

水害と電気事故

ビルでの故障、事故原因なんてたいてい高度な知識が必要とする事
はありませんが大切なのはいかに迅速に事態を収めるかです。特に
水を原因とする電気事故は被害が拡大します。ビルで電気主任をさ
れる場合はこういう事も急に対応を必要とする事があります。難しい
電気理論を知っていても結果として事態を解決できなければ意味な
いです。最近の過去記事から2例ほど要点のみ記事にしてみました。
被害がある場合、相手の動揺と時に怒りが絡むのでそれに負けない
強い心と次にすべき事が見える普段の研究心が必要かなと思います。

17:15に"〇〇が店舗全停電したと連絡あり"でもそこは水気もないショップ
系のテナントでこの5年間一度も漏電事故はありませんでした。ただ割と広
い売場でお客様の一番多い時間帯に全停電ですからヤバいです。現地に
行くと事務所の支店長、課長から店舗の方とかたくさんの方が不安な気持
で私の到着を待っていました。又事務所にいた社員の方も"手伝うので早
く復旧してください"とまで言われたのでとにかく急ぎ調査です。まずこうい
う場合は深呼吸して自分が落ちつかないといけません。テナント分電盤
各子回路が投入状態で主幹で絶縁抵抗を測定すると0.02MΩしかなし。
ここは子回路すべてMCBですから1箇所でも漏電すると主幹50mAのELB
がトリップするのです。(ELBの動作領域は表示の50%からなので今回の
場合はI0が26mA以上で動作しました)

主幹で0.02MΩという事は同じ程度の絶縁抵抗が低い子回路が必ずある
のでその回路の確定をしなければなりません。50回路近くもある場合は1
個づつ測定していては無駄に時間がかかり測定間違いもありえます。こう
いう時は背中でたくさんのギャラリーが多いので慣れてないと結構なプレッ
シャーもあるのです。私はこういう方法でおこないます。まず下の例で言え
ばA側の子回路をすべて切り主幹メガ測定、これで改善しないならば原因
はB側回路なので次はDから右側を切り主幹メガ測定、これでも改善しない
ならば原因はCから左のどれかに必ずあるので今度は1回路づつ切り主幹
メガをすれば原因は確定できます。原因が確定したらその回路を切り残り
をすべて投入して主幹メガで問題ない事を確認します。正常なら主幹では
必ずと言えるほど絶縁抵抗値は20MΩあります。
0.1~0.5MΩ程度でも法
定値以上なので合格としてもいいですが?もしELBが動作し再度店舗停電
となると信用を失う
ので私の経験上、絶縁が1MΩ未満では合格にはしない
方がいいです。★新築の時はどこでも20MΩ以上はあったはずなのです★
0.1や0.2MΩは絶縁値の最低基準でその値で放置すれば半年以内には
規定値を下回る、逆に言えばそんな基準ギリとは劣化進行の途中経過で
あると意識しましょう。放置のツケは電気主任に後から来ますよ。

回路は5番回路のベース照明とあるので売場を確認するとある列の照明器具
7台が点灯していませんでした。子回路配線からこれら照明器具のどれかに
原因があるのです。店舗の方はそこ以外は電気が生きたので営業開始でき
ました。ただ原因調査は営業終了後21時からとなりました。

まず分電盤から器具の接続までで絶縁を調査したが問題なし、そうなると7
台の照明器具のどれかだけどO君が床に水滴があるのを発見して見れば
器具からなのでこの器具が怪しいです。この器具の電源と送りをバイパス
して分電盤でメガをしたら原因は確定できる
と判断しました。停電して
しまったので普段してるI0測定どうこは今回は関係ありません。どちらにし
ろこの水の原因も見つけないといけないので照明器具を天井から撤去しな
いといけません。水ですか...上が飲食階ですから見つかればいいけど?


器具のランプを抜いてカバーを外しボルトを2か所抜けば器具は下せます
意外と重いのでこういう作業は真下に人がいない事を確認して二人作業で
行います。その器具の真上から30秒に1回水滴を確認しました。フロアー
担当の男性が僕が天井に入って応急処置します。と言われましたが私で
ないとスペース的に無理、ここ点検口ではないので入るのが難しいかった
ですが下から男性二人のPUSHもありなんとか侵入できました。電気担当
してるので天井内で足をかけるポイントはわかっています。0君に自己融
着テープを持って来てと頼みましたが普通の防水テープしかない報告。
配管に巻いてなんとか水漏れは停止したのでしばらくは持つはずです。
ですが配管屋さんで配管取替が必要です。

圧着でもいいけどこういうコネクタを使うの方が作業性はいいです。この状態で
分電盤で絶縁抵抗を測定したら20MΩ以上でした。漏電の原因はこの照明器
具で確定しました。
飲食店の排水管からの微量水漏れが清水ならここまでなら
なかったのでしょうが汚れた水が器具内に侵入してしまったのです。安定器から
配線まですべて取替が必要です。今回の事故は老朽化やテナントの運用の問題
ではなく事故を誘発した者は何らかの謝罪か金銭的弁償が発生するはずです。

これは水害ではありませんが、この時私がどういう調査をしたのか?練習問題と
して想定されてみてください。I0で原因箇所調査、テナント主幹すべてでI0が
正常というならば敷設ケーブルの異状
を疑う必要があります。低圧幹線メガは
500Vレンジで行いますが幹線ならば100MΩ以上は普通です。幹線となればこの
段階まで電気主任が行い、後は業者を呼んで詳細調査・修理を実施します。
ですがI0測定時点で1000mAもありテナントでないならばその幹線は使用禁止
と判断、オーナーを通じて電気の配給停止を各テナントに通達が必要です。
法的には電気主任の判断で電気を止めてもいいのでしょうが現実問題として
後々の事を考えるとテナントと賃貸契約をしてるオーナーに間に入ってもら
ってからすべきです。
世の中は結果論ですから独断実施は避けるべき!
ただ同時に出火してる事態ならば無条件に即電源は停止させてください。

昔、照明器具が出火、回路を探す暇もなく5秒で電気を止めるために配線を
スパーク覚悟でハンカチをかぶせてペンチで切断した事があります、電気
火災はとにかく電気をどういう方法でも止めるしかありません。消火器を
使うと一体が使用不能となるのでなるべくそれは避けました。

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★事例2
夜中00:15に会社から電話があり会社が最近管理を始めたある物件
で水を原因とする電気事故が発生、ビル内に給水できないらしいです。
その件でそこを担当する電気主任の方が相談に来られてると夜勤の方
からの電話でした。それは今日ビル営業ができない可能性もあり相当
ヤバイ状況というのは私も容易に想像できました。すぐ技術部長から
も担当される方は事故経験がなく困ってるので悪いが丸山君応援して
くれないか?という電話がありました。とにかく状況を聞かないと何もわ
からないので夜中出勤をしました。つまり給水ポンプ制御盤上にある水
配管からの漏水が制御盤に進入してその後インバーター漏電表示でポ
ンプが回らないとの事です。尚こんな夜中では24H対応してる製品以外
では業者に連絡しても連絡つかない
ので電気設備にあっては電気主任
技術者が現場で応急対応するしかありません。朝まで無策はダメ!

考えたのはたぶん乾かしたりケーブルを外したりが必要な可能性が
あるので300Wランプとソケットレンチも持参しました。作業ランプは
どこでもあるでしょうが60WやLEDでは熱が弱く乾燥には使えません。
又ケーブル端子を外す場合でもドライバーでは無理ですからね。

運転制御盤上部の冷却ファンから水が入り中でかなり飛散したのが
原因でした。上の配管水漏れは防水テープか何かで応急に止められ
たとの事ですが水漏れは電気設備に多大な影響を与えます。
夏場でこのファンが回っていれば水の侵入を少しは防いだかもしれ
ませんが今は冬でファンが停止していた点も被害拡大に至りました。

電気室送りのELBからのメガは0.05MΩしかないのでとにかく給電を
停止。制御盤内の濡れたケーブルの清掃が必要なので安全のため
元電源を切ります。
清掃をした後に持参した300Wランプを当て乾燥
を開始しました。0.05MΩではELBは動作しません。私のブログ読者
は何mA漏電するか計算できるはずです。三相200V回路


2時間乾燥させて電気室のELBからのメガも5MΩまで回復しました。
電気室の裏に回り二次側で測定します。下写真は私が管理してる
現場ですが消防や給水関係の回路はどこでも日本語で明記してる
のでその現場でもすぐわかりました。制御盤主幹を切りを再確認し
てからここ電気室送りを投入して制御盤主幹を投入する、送電の
基本はこんな小さなエリアでも守ります。もし誰か制御盤内で作業
していたら労災事故です。それでは一度その給水インバーター制御
盤を運転してもらいました。そうここの給水方式は常時ポンプが運転
する圧力式なのでポンプが回らないと飲食、トイレetc使えません。

運転できたので安心しましたが5分したら2個あるインバーターの
NO1側がインバーター漏電トリップシステム停止。それのパネル
を開けて見たらやはり水と錆まで確認したのでこれたぶんダメで
す。故障側のインバーター出力は取外しをしました。水は給水で
もその水がパネルや排気ファンを通過する時に埃や錆まで回路
中に持込んでしまったのです。まさかそこから水が入るとは設計
者も想定してないでしょうからね。

それと後で各マグネット、配線の絶縁測定をしたかったのでインバ
ーターの入力側のELBは切れたけど出力側の配線は一旦は左右
共に外して絶対にメガの電圧がインバーターにかからない点に注
意しました。インバータ漏電トリップと表示が出てるからと直接それ
にメガをかけない方がいいです。こういう物はメーカーしか点検は
できないと思ってください。
ですからソケットレンチを持参して正解
最終的に故障した部分だけ切り離しておくしかできません★これ
が故障が発生した時に電気主任技術者のすべき応急対応です。
つまり不良箇所を除去して残された機能を生かすという意味!

私もいきなりでこの制御はわからないんだけど3個のポンプを
ロータリー運転とかしてるのでしょう。写真とは別の主制御盤
モニターで運転切替を確認したらインバーターの単独運転モ
ードがあり選択してみました。普通こういうのは自動で切替わ
るはずですが今はそういう事は後にして残るインバーター盤
でポンプが運転できるかの確認が最優先。
聞けば普段は常
時運転してるので細かい操作はわからないとの事だけどこう
いう重要設備については普段から対応方法はよく研究してお
かないといけません。とりあえず予想通りインバーター1台で
ポンプは稼動できました。夏場と違いこの時期は冷却塔も使
用してないので2台なくてもいけるはずです。後でメーカーを
呼んで修理してもらう必要があるけどインバーター1台一式
取替で作業費込で100万円はかかると思います。

今回の水漏れの影響はないけどモーターの絶縁も気になったの
で一旦システムを停止させて測定したらNO2モーターの絶縁が
低いのです。感電という観点では法定0.2MΩありますが私が知
三菱のマニアルではモーターの絶縁は1MΩ未満では使用しな
いとある
のです。それなら問題ないと言えるかですがこういうモ
ーターというのは正常ならば50MΩはあって当たり前です。写真
のメガは40MΩ以上表示できないので正常なNO3は40MΩと表示
されてるだけです。同じ仕様の3台が1台だけ≒2MΩというのも
明らかに劣化途中
でこのまま継続使用していたらそう遠くない
時期にELB漏電トリップの可能性が高い!こういう場所のモーター
は運転後、絶縁抵抗値が上がるのは存じてますがそれにしても
一桁のMΩは老朽化した水中ポンプではないのです。(同じ能力
使用状態の物が3個あり1個だけ値が10倍も違うなら異変あり
)

最終的にこのビルオーナーはインバーターとメガ値の低いモーター
の取替をされましたが正解です。その時に必要なのがこういう状況
写真なのです。
言葉でどうこう言っても迅速な解決には至りません。
もし夜間で業者に連絡つかないだけの理由で放置、翌日のビル運営に
多大な被害を与えたら管理会社自体の契約を切られるかもしれません。
もちろん重大な故障が発生したら夜中であっても迅速にオーナーに
連絡をしておく事も必要です。オーナーが常に求めるのは思うという
意見ではなく確実にできる、大丈夫という解決策なのです。

本音を言えばオーナーにとってメガ値がどうこうなんてどうでもいい
わけでとにかく故障が再発しない事だけ、特にこういうライフライン
に関しては★疑わしいは様子見はなく全取替が最善です★


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