2019年3月22日金曜日

電気主任技術者の仕事-絶縁抵抗測定

絶縁抵抗測定は保安規定で年に1回は実施しないといけません。
主幹メガを実施、この場合は主幹で20MΩですからすべての
子回路も20MΩはあります。
_絶縁抵抗測定は法定値以上ある
かを検査するのが目的で子回路もすべて20MΩと記載しても構
いません。_22回路分の検査が1測定で終了可能。この方法
は毎年停電作業でお世話になっている電気保安協会の人から
も"その通りです”とありました。_多いミスの一つに試験後の
子回路の1個入忘れでテナントは笑って許してくれません!
YES!_できるだけ絶縁抵抗測定時の回路操作は最小限に
すべきです。


50回路の分電盤があるとして1個だけ0.1MΩであった場合
総合抵抗は必ず0.1MΩより低い値となります。それと上で
20MΩとしたのは100Vメガの有効測定限界のためです。
絶縁抵抗測定は負荷を接続して測定しますが、負荷を切
り離して線路だけで絶縁抵抗測定をすれば100MΩはある
のが普通です、新設の時に工事業者が線路だけを測定し
た報告書があれば確認してください。必ずそういう値で
オーナーには工事完了しています。接続機器の老朽化は
別にしてそういう状態の線路が自然劣化はあるとしても
1MΩに下がるのだって不自然とは思いませんか?一応は
0.1MΩ以上、内線規程では1MΩ以上ならば合格にされて
も構いません。でも0.1MΩは半年以内には変圧器LGR
警報や現場盤ELBトリップの可能性あります。

単相三線式からの単相200Vは対地電圧は100Vのため絶縁法定値
は0.1MΩ以上ですから念のため!三相は二次側が通常デルタ結線
対地電圧200Vだから0.2MΩ。_★対地電圧により基準値が異なる★
単相三線式盤と三相動力盤を一瞬で見極める方法、言われたらあ
たり前ですが電験三種を持ちながら意外と気づけない方もいます。
両方共に主幹配線は3本ですが子回路を見て線が2本の方が単相
三線式盤で、三本が三相動力盤です。

私が勤務する職場では単相三線式盤の絶縁抵抗測定をする時に
間違えて500Vメガをしない様に今回使用してる100V専用メガで
測定するルールになっています。_同時に充電金属部変色、焦げ
異臭なども確認の事_★絶縁抵抗測定は機器を接続状態で実施★

絶縁抵抗測定の結果表は1テナント事に記載してもいいけど主幹
メガ判定でするならば10テナント分を表1枚にしてスマートな管理
も可能です。え?それではまずいのでは、この現場の保安規定には
単に年1回で行う回数しか指定してありません、もしそこに子回路
まで個別に測定する記載があれば別です。小さな現場なら子回路を
測定しても構いませんが膨大にある現場では大変です。絶縁が正常
かどうかを知るだけが目的なのですから無駄な作業はしたくないの
です。場合によっては上の計算を相手にし説明してあげれば問題は
発生しません。とにかく一度は保安規定を確認しましょう。
現場によっては電気室の送りから一括で絶縁抵抗をしてこういう
各盤は一切、触らない、測定しない方式をされてるケースがあり
ます、そういう現場では保安規定の記載とは異なってる可能性が
あるので確認が必要、もちろん電気室からの絶縁測定でも良好な
らそれでもいいんですけど、問題は保安規定の文言に違反してな
いかという点
です。文言を解釈して無駄のない作業をすべきです。

今度は違うテナントの盤で実施、同じ様に主幹のみ切り測定を
しましたが0.45MΩしかありません。子回路としてはこの値より
低い回路はないので法的には合格ではあるのですが1MΩ未満
の回路は更なる劣化で法定値を下回る可能性が将来あるので
私は原因回路の特定だけはしています。_新設時は100Vメガ
で20MΩあるのが常識ですから、その点では法定値をクリアー
してるとは言え、今後のためCHECKは必要と判断します。
この時だけは子回路を触るのは仕方ありません!

上は対数表示の目盛りになっています。

左列をすべて切った時に主幹メガが20MΩ以上ですから必ず
原因は左列の子回路のどれかです。
_子回路を1個づつ測定し
たりしなくてもグループ単位で測定していけばいいのです。

あっという間に6回路に絞れました。

原因は左列上から6番目の回路でした。5分もあれば原因の特定が
できます。_念のため単独で絶縁を測定しましたが0.5MΩで理屈と
も合います。この様に盤主幹で20MΩが達成できないのは絶縁の
低い回路が必ずあるのです。
_それがなければこの盤は100Vメガ
にて盤主幹で20MΩ以上あります。

こういう≒0MΩとかではどこかの電源配線などが破損しています。
メガはMΩ(100万Ω)単位なので小さな値は指示できませんが
通常は対地間との絶縁抵抗が完全0Ωにはならないです。もし
そうなら対地間と短絡してMCBでも即切れてしまいます。です
からこんな低い値でもMCB回路ならば投入状態で使用できて
しまうのがほとんどなのです。_0.1MΩとは10万Ω、僅か100Ω
しかもしなくても対地間では1Aしか流れないためMCBでは切れ
ない、もちろんそうなる前に変圧器LGR警報が動作します。

これから現場実務を目指す方にアドバイスするとこんな目安になる
のは覚えておいてね。メガ測定は最低基準値さえあれば理屈では
合格だけど問題はその後の劣化変化?_新設時から0.1MΩなん
て回路はないのです。
自然経年劣化のみで20MΩから0.1MΩまで
絶縁抵抗値が低下する事は絶対にありません!0.1MΩになった
には自然劣化以外の原因があります。★私は内線規定の"1MΩ以上
が好ましい"を支持します
★_出入の電気工事業者さんも"1MΩを割
ってると法定値までいつまでか?という感じになります"と言われて
いました。

気をつけてほしいのは電源装置や制御機器が絡む回路については
メガによる絶縁抵抗測定を私はしません。後で不具合が発生した場
合はそれが保安規定上必要な行為であったとしてもその事でテナン
トが納得するわけありません。基本貴方を雇用する会社が弁償です。
他人様の機器に測定電圧をかける以上はただ測定すれば良いとい
う意識ではダメ!
_事前にMCBにマークを入れておき、その回路だけ
は活線状態でI0を測定して1mA未満である事を確認します。_0.1
~0.5mA程度ですからその値を記録用紙には記載しておきます。

家庭で定期的に業者が訪問して実施される漏電調査でも、メガ測定
が困難な場合はI0測定法をされる
ので間違いではありません。
某証券会社本社システム課から電話があり"当社の支店において
絶縁測定をされるならもし故障した場合は全額弁償保障する承諾書
に同意しなければ作業は許可しない"と申し出があり、I0測定方法
で行う以外はないです。_経済産業省の電力課みたいなとこに相談
したとこで自主保安体制の性格上、そちらで上手くしてください。と
言われるだけ、完全に"面倒な話に巻き込むな"と逃げですからね。
保安規定上、絶縁抵抗測定は原則必要なのですが、何でもお構い
なしにメガをされるというのは現実一考すべきです。

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メガの電圧を検電器にかけて点灯しない時はメガが壊れています。
ずっと測定結果が∞表示では、電池CHECK~操作間違いなしでも
故障していないか?私は疑います。_正規電圧が出てるかどうか
?は通常メガでは自動確認していない_現場で簡易的に確認する
時に私はこうしています。_今回テスターで実際にメガ電圧を測定
してみましたがこの方法でも確認可能(メガの示す10MΩとはテス
ターの電圧レンジでの内部抵抗)_メガ測定結果が30連続∞表示
としたら故障して単に針が振れてないんじゃないの?
デジタルメガでも出力電圧位は確認した方が良いのでは?
絶縁抵抗をする場合は機器故障以外でも電気の事を全然わか
らない人にさせるのはこうした意識0なのでしてほしくないです。

絶縁抵抗測定の試験電流の流れ程度は電気主任技術者として
仲間に説明できる様にしておかないといけません。_絶縁抵抗が
20MΩとは緑破線回路の電気抵抗が20MΩという意味なんです。
ただきちんと接地と接続されてない状態でメガ値が∞表示を示し
てもそれでは試験回路を構成してないわけです。_盤の接地
機器接地、変圧器のB種接地らはすべて接続されている
理解
も大丈夫ですか?_"接地が効いている"とはそれらの回路と接
続されているという意味です。


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