2019年1月29日火曜日

モーター回路起動不能_応急対応

タッチパネルで制御してるモーターは専用ユニットが故障すると
自動も手動も操作ができなくなります。ではその基盤を取替すれ
ばいいけど物がない、あっても取替したら設定値を入力しないと
動作しません。(物によっては業者が来てPCから入力するケース
もあり)_10年経過すると意外と困り物となる場合があります。
業者を呼ぶにしても夕方でないと来れない場合はそれまでどう対
応するか?
意外と応急対応は簡単です。たいての電気主任技術者
の方も私と同じ様な対応をされているはず。_オーナーにファン
なりポンプが回りません、業者は他で修理をしてるので夕方から
しか来れません!と返答して"そうですか"と済ませてはくれない
でしょう。特にテナントや利用者から苦情が発生していては!

自動制御と違いモーター回路まで業者点検してる現場は稀で
保守メンテナンス契約されてないと即時対応は困難です。この
場合は費用がかかるので業者手配ではオーナーの許可が必
要ですし、なんとか現場電気主任でできないかと思われるの
は最初に問われる事なのです。尚、スターデルタ起動の私流
対応方法は最後に述べます。

モーター電源、制御電源はすべて切りとします。ビル現場回路
ではたいてい運転回路と制御回路電源は別になっています。
制御電源を切り忘れ、回路を触り感電というのは聞いた事ある!
マグネットの既存制御配線を撤去して制御電源から片切で電圧
をかけたら手動運転可能です。
_配線がもしVA3Cしかないなら
それでも構いません、黒と白線だけ使用すればいいです。SWを
間に1個入れこれで現場起動・停止をさせます。_(主接点の
配線も外さないと邪魔となり、マグネットコイルの配線作業が難
しい、無理な作業は破損を招く!)

三相モーターが運転状態で単相状態となると理論的には電流
は≒1.7倍になるが停止状態から単相状態で三相電圧をかけ
ると起動電流に近い値が流れたままとなる、MCBが仮にトリップ
したとしても老朽化したモーターではコイルが焼損するかも?
★マグネットの主配線を触った時は特に気をつけてね★

万能タイマーTB15601Kを使用すれば自動運転も簡単にできます。
様はこの回路を組めばいいだけです。TB15601Kは100Vと200V
の両方が入力できます。ただリレーやマグネットのコイル電圧は
決まっているので100Vコイル電圧使用のマグネットに200Vかけ
たら間違いなく焼損します。

電源S1-S2、NO接点を利用しました。_日常現地で手動で運転して
る物を自動化する場合も同様に配線すればいいのです。
単相200
Vで極性は関係ありませんから電源のどちらかを片切でタイマー
制御にて入切してるだけの事です。_マグネットコイル電圧が100
Vならば非接地側を必ず入切する様にされてくださいね。

タイマーを盤に取付して制御電源を投入、タイマーに正常に電圧
がかかりました。モーター電源はすべて設定が終わり最後に投入
されてください。_タイマーをぶらさげた様な状態で取付すると動作
はしても職場の方に笑われるので気をつけましょう。

起動・停止・現在時刻の3点を設定して使用準備完了ですね。
余談ですが設定時間で逆に停止させたいならばNC接点から
配線をされてください。(通常はあまり使用例はないでしょう)
オーナーによってはこれで永年使用できるならば業者を呼ば
ずにそのままで運営する指示もありえます。オーナーの設備
ですから最終的にどうするかを決定するのは電気主任技術
者ではありません。
_継続的に使用するなら今回のタイプは
CTによる電流測定で過負荷対応してるのでマグネットの下
にTHR追加が理想です。_オーナーの選択に対してリスクが
あれば説明するのも電気主任のお仕事です。これが現実!

モーター電源を投入すると時間的にタイマーNO接点は閉じている
ためマグネットが投入されモーターが運転開始しました。_主接点
を触ったので
運転中の各相の電流値はいつもと変化ないか、各
値にアンバランスはないか、新設タイマー回路のI0測定も行いま
す。I0=0.05mAで絶縁は問題はありません。こういう物はメガで
は確認しない方がいいです。_ただ起動しただけで安全確認を忘
れてはいけません!_尚SWは運転中にモーターを停止させる役
目をしています。TB15601Kの切操作でも停止できますがこの
SWの方が誰にも使えます。

教科書にある様なリレーとタイマーで構成される回路と違い
スターデルタ起動の電子制御ではすべての機能が基盤の
中に電子的にあり、対応が難しいので研究して起動BOXを
自作しました。_スターデルタ専用タイマーで起動させられ
ますが上で使用したTB15601Kも使い自動運転もできる
様にしました。_最初に図面を見て各既存配線が何の役目
をしてるのか調べないといけません。


故障したら既存の接続を外してこのBOXに接続するだけで誰で
も応急運転ができます。この状態で業者到着を待てば利用者
やオーナーにも迷惑をかけません。_とにかくどんな方法でも
構わないのでモーターを起動させて正常な運営をさせるとい
うのが現場電気主任技術者に求められるスキルです。そのた
めの方法を故障が発生する前に対策として準備しておく事が
重要です。
基盤は10年経過すると誤動作や急に使用不能と
なる事があるので注意が必要ですね。_10年経過基盤は仮に
業者定期点検していても経年劣化で壊れる時は壊れます。
基盤は多機能、コンパクトではある反面、電気的衝撃や環境条
件で劣化進行が速くマグネット、リレーと比較して寿命が短いです。
たとえば年次メガ測定でも100Vメガだから大丈夫ではなくI0
で絶縁状態を調べたりする様に基盤類は特に意識しています。

通常は遠隔発停をしていて中央監視PCでも操作、運転状態表示
が必要となるのであくまで本修理までの応急運転対策とします。
たとえば修理基盤納品まで一週間必要で現地自動運転が可能な
らば設備の仲間からも感謝されるでしょう。10年経過してると部品
がなく工場にて注文制作となるケースもあります。
下、近くで見ると手作り感はしますが、きちんとスターデルタ起動
して時間制御運転も可能です。パーツは正規部品だから当然!
オムロンのスターデルタタイマーH3CR-G8ELはこれ1個でそれ
の制御がすべて可能で素晴らしいです。

リレーの無電圧接点を利用してるならば、それを組めば中央監視
との制御もできるケースもありますがそれは現場しだいです。
既存では基盤上のa接点で中央監視に運転信号を出してるとすれ
ば図面で接続されてる線を見つけそれをマグネットの補助a接点
に接続すれば運転状態を中央監視PCにて表示できます。中央監
視とのアクセス上、こうのは運転指令はDCと思うのでDCリレーを
使用してそれでマグネットコイルに電圧をかければ既存ユニット
に代わる物はできない事はないと思います。私もあえてそこまで
はしませんけどね。_とにかくモーターさえ絶縁0MΩとか焼損して
いなければ、どんなケースでも起動させる自信はあります。


参考までに、現地起動のスターデルタモーターを自動化するなら
こう配線してください。既存のONボタンはショートさせてOFFボタン
を撤去し代わりにタイマーa接点を挿入したらいいのです。電気
主任技術者はスターデルタ回路は必ず理解しておきましょう。
M、D、Sの各マグネットの投入タイミング説明できますか?
わからない方は下ページで勉強されてくださいね。_机の上で
一度は実際に組立てるのが習得の一番の近道です。紙の上
頭で理解してるだけではイザではほとんど対応できません。
⇒スターデルタ回路組立

貴方が電気主任に着任してたとえば"このスターデルタが起動
しないのですが、電気主任さん?"と仲間から相談されたらどう
しますか、壊れた部位によっては業者でしか直せないですが
まずは調べて何が悪いのか?_自分で修理できるのかORでき
ないのはなぜか、その辺の答えを出した上でオーナーに修理
を手配して良いか許可もらい業者手配します。_前述した通り
こうしたモーター起動回路まで業者保守点検してる現場は少
ないです。
(空調自動制御は業者が保守メンテしてるはず)
スターデルタわかってるかCHECK⇒モーターは線が6本、絶縁
抵抗測定ではどこにメガを当てるのか?_この盤表の電流計
指示は運転中のモーターコイル電流とは異なる事がCTの位
置でわかりますが、それは電流計の何%ですか?_起動時
MSDの3個のマグネットの投入順序?_月1回の動力盤定期
点検ではそういう部分が正常かも私はCHECKします。


点検も重要ですが大雑把に言ってベルトを1年に1回、グリース
アップを半年に1回、マグネットを10年に1回取替さえすれば
まず故障はしません。この3個のメンテナンスが不備だと思わ
いタイミングで故障に遭遇するのでその辺の取替タイミングも
保守管理項目として忘れないでください。
この程度なら私は
一人でも作業できます。_日常点検で電流値がいつもより違
う場合はベルト、軸受けに注目、モーターが異状になる事は
過負荷運転が日常的でなければまずない_モーター能力>
空調要求能力
で選定されてるはずで運転電流は定格電流
の60~85%程度になってるはずです。_運転中I0値の変化
も絶縁管理記録として毎月残しましょう!

遠隔で起動してるので起動時の動きを見る機会がないので月
に1回は起動プロセスを確認、スター起動せず10秒していきな
りデルタ起動で運転していたケースがありました。空調機など
手回しできる様な機械は起動負荷が軽いとこうした現象もあり
える事を知りました。しかも11KWのモーターでしたからね。
制御部分の故障ですがデルタマグネットのa接点で中央監視
PCは運転状態を表示する
ので誰も気がつけなかったです。

もしそれにより費用が発生する修理となった場合、電気主任は
今後の事故対策を会社から提出を求められます。
私ならばこう
するかな?タイマーTのa接点を中央監視に行ってる警報接点
(THRなど)にパラで接続すればモーターマグネットに電圧がか
からない事も中央監視室で知る事ができます。スターデルタの
切替不調はたいてい切替タイマー、次に互いのマグネットb接
点不良の可能性が高いのが回路図からわかります。基盤制御
でない現場なら取替用のタイマーやマグネットが在庫としてあれ
ば電気主任が修理可能、職場での貴方の評価は上がります。
★電験資格があるだけで対応できないでは意味ありません★


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