電気主任技術者の仕事をYouTuber動画と記事で紹介。ビル電気担当とは保安規定順守
立会だけでなく緊急対応も必須業務。又漏れ電流、絶縁抵抗測定による漏電管理や節電
についても関心があります。私の電気業務の問題意識と工夫が貴方のお役に立てば幸いです。
2017年11月17日金曜日
電気主任技術者 私の絶縁抵抗測定
今夜は4フロアーにおいてかなりの数の電力メーター作業があるのです。
共用部以外のテナント元各電源を切りますが電源送り主幹を切る作業は
電気工事業者はしないのでビル担当つまり私のお仕事です。作業のため
テナント電源送りを止めてくださいという依頼はあるので各テナントがEPS
のどのMCBから給電されてるか電気主任技術者はすべて把握しておかない
といけません。特に事務系テナント(銀行、証券会社、保険会社)ですと知的
財産の損失が発生するとその復旧までの相当な人件費を貴方を雇用する
会社が弁償する事となるので今の時代ビルにおいて電気を無断OR間違え
て一瞬でも止める事はあってはなりません。
同じ停電するならばこれらフロアーだけでも保安規定にある年1のテナン
ト絶縁抵抗測定をする事にしました。(全館停電は来年だけど絶縁測定は
年1作業なのでその日でなくてもいいのです)深夜作業なので私を含めて
3人の若手で行いました。まず各EPSにおいてMCBを切るためテナント室内
は真っ暗です。真っ暗とはこういう事。携帯で撮ってるわけですが実際は
もっと真っ暗!暗い中体が物に当たりそれが床下に落下での破損事故又
このテナントの場合は分電盤にいろんな書類なども貼っていますが紙1枚
も無くすといけないので作業前にこの状況を撮影しておいて終了後に欠け
てる物がないかCHECKもします。こういう状況で測定して測定後のMCB入
れ忘れや測定ミスをしないため細かい神経があり目の衰えのない人を
人選しています。(これは職場リーダー係長の指示)係長は設備の長なの
で電気設備でトラブルがあれば私と同様に会社から責任を追及されるわ
けで上司指示ですから私は指示に従うだけです。でもこれは正解だと思う。
メガは測定前に盤金属部にラインリードを当てアースリードが確実に接続さ
れてるか確認、0Ωなのでヨシ!金属でも塗装部分を挟んで測定し"絶縁異
常なし"では測定してる事になりません。自動電池CHECK機能がないメガは
忘れずに電池CHECKも行います。電池が弱っていては測定値は信用に値
しません。
測定したら絶縁抵抗測定作業の基本として電路放電も行いますが通常
は自動放電機能があると思います。
単相三線式の電灯盤から開始、ここはとても綺麗で問題なし、子回路
はすべて投入状態でメインだけを切り主幹メガ一括で行います。
去年から埃対策としてマスキングテープをこんな感じで貼っています。
1年してまったく埃や汚れがなかったので同じ管理されてる貴方にも
結構お勧めします。こういう部分は規定電流内であれば表面温度は
室内温度とほとんど変わりませんから貼っても大丈夫です。(スマホ
のフラッシュのせいで明るく撮れてますが実際は真っ暗)
よく絶縁抵抗測定はこういう対地電圧100V回路では法定値の0.1MΩで
十分とNETとかで書き込みを見ますが実際に貴方が電気主任として現場
を任されそういう管理をしたらそのツケは貴方に必ず来ます。つまりこうい
う0.17MΩの様な状態を0.1MΩ以上だから合格とするかと言う事です。
もちろんされても法的にはパスです。ですが他回路が20MΩあるのにそこ
だけこの値でおかしいと思えないのか?私の経験上遅くても半年以内に
はELBならトリップかMCBなら地絡となります。これは電気主任1年目でし
た私の失敗でもあり上司から受けた指摘でもありました。結局そのツケ
は設備を利用するテナント様にかかる事になるのです。法定値とは
最低値であるという教訓を得ました。基準ギリの管理はお仕事ではダメ。
1MΩ未満というのは回路上の何かの絶縁劣化進行の途中経過に過ぎない
のです。とにかく今回の電灯盤では主幹一括で20MΩ以上なのですべての
子回路も必ず20MΩあります。こういうメガ測定では100Vメガでこんな20MΩ
付近か1MΩ未満となるか二つに一つという感じが私の経験ではほとんどで
す。当然1MΩ未満ではすべての子回路もメガ測定を行います。それとメータ
ー指示値∞を表示していても∞と書くのではなく20MΩ以上で記載します。
∞(無限大)とは単にそのメガでは測定できない高い絶縁抵抗値という状態
表示で値でありません。公的正式書類では∞記載は通りません。
100回路中99回路が正常RMΩとして1回路だけ0.1MΩとすれば最終式は
分子は0.1のみ、分母は必ず1以上つまり一括抵抗は必ず0.1MΩより低く
なるのです。つまり分電盤では1回路でも法定基準値未満があれば残り99
回路がどれほど高い値でも一括絶縁抵抗値は0.1MΩより低い値となるの
です。現場の方はこんな計算なんかしなくても経験的に誰もが知っていま
す。(99個の抵抗RΩの並列合成抵抗はR/99、それと0.1MΩの並列合成
抵抗が一括メガの理論値となります)
もし主幹一括メガでこんな0.04MΩの値が出たらどこかの子回路にも同程度
の絶縁抵抗値の回路があります。この場合は全回路を測定して不良箇所は
もちろん低下傾向がある回路も調査して記録に残します。必ずしも1回路だ
けが不良とは言えません。すべての子回路がALLパーフェクトの時だけ
100Vメガにて主幹一括測定で20MΩとなるのです。この方法では主幹一括
で20MΩなら子回路も即合格終了ですから悪い回路が全体の数%としても
低圧絶縁抵抗測定の作業時間短縮ができます。又扱うMCB/ELBの数が
少ないほど入れ忘れの可能性も減るわけです。後線間メガはトラブルの
元で私はしないしお勧めはしません。漏電に関係するのは対地間メガです
点検結果が常に∞表示である場合、私は故障を疑います。つまり
使用前の導通テストと違い実際に抵抗部分を測定するわけでその時
は数10Vしか電圧が出なくて∞表示になるというのも考えられます。
新築ならともかく築10年経過してるビルですべてそういう結果という
のは捏造も含めて怪しいです。メガの電圧を検電器にかけて100V以
上のDC電圧が確かに出てるなら明るく点灯します。こういう事はネオン
検電器でした方がいいです。(テスターでメガの電圧は測定したくない
被覆を触って測定できる検電器は蛍光灯ランプ表面に触れただけで
も点灯するタイプがあるのをご存知でしたか?それかDC電圧では動
作しないかも?電気を知るほど電圧の有無をCHECKするなら充電部
以外でした結果は信用したくなりました。私があえて今ネオン式を使
う理由です。
各個別の結果は別に保存しておき最終的な結果は私はこんな一覧表に
して会社に提出しています。その不良回路はどう処置したのか?ただ
"測定しました"ではダメですよ。自分で修理した。修理が難しいため修
理依頼をした。それまでの電源確保はどう処置したのか厳しい上司や
オーナーではそこまで追及されます。点検した結果は報告書の作成が
必要なのです。何も前任者の報告書式でなくても改善してより良い書式
を作成されたらいいのです。進歩は貴方の時代からは始めるべきです。
表紙でいきなり今回の結果と不良箇所報告を行います。取締役まで回覧
ですからいいかげんな対応や内容で報告すると会社員としての評価や昇
進にも影響してきます。こういう手書き指示があったらそれをした方に結果
報告まで必要です。電気主任が自由に作成した物を回りが"ありがとうご
ざいました"とただ見るだけではないのです。それでは企業組織ではあり
ません。保安協会に定年までいて転職してきた様な電気の重鎮ならばそ
れもあり得るかもしれませんが普通の人は無理!点検結果は上司らの
厳しい指摘に合格して点検したと認められます。資格のない者に言われ
たくない?そういう方は会社勤めはできません。
不良箇所の報告で0.1M以上であれば一旦テナント担当に改善指導
を行います。ただ0.01MΩとかヤバイ場合は測定時に切として空いてる
MCBから仮説で電源を引きコンセントを取付けしてその機器を生かしま
す。(機器プラグで済めば交換のみ)測定当日は他テナントも調査しな
くてはいけないため時間の関係で原因調査をしてる余裕はないですが
翌朝からすぐ使えないと営業に支障があるなら対応が必要です。電気
主任として異常を知った瞬間から様子見なんて対応はあってはなりま
せん。メガ測定業務は応急処置対応が必要となる可能性もあるので
最低二人作業。朝テナントから機器が使えない、"絶縁が悪いので切り
ました"という返答をしたら今の時代はビルオーナーに通報されます。
0.01MΩでも漏れ電流は10mAですからELBであっても動作せずそのま
ま朝使えてしまうのです。それでも良いかと使用させるなら電気保安監
督として義務違反です。必ず不良な指示を示す状態を撮り報告書に
は写真付で行うのが重要です。★報告業務は確実に行います★
メガを見た事がない方のために私が使ってるので説明するとクリップの方
を盤D種接地が有効に聞いてる金属部か直接アース端子へ、先の尖った
方を回路に当ててその線路及び接続される機器まで(停電で内部SWが切
れる機器は含めない)の対地間抵抗を測定する機器の事です。
メガの利点は対地間静電容量の影響を受けないで対地間抵抗が測定
できる点ですが停電しないと使用できない点でビルの漏電調査では制
約を生じます。ただ保安規定でメガによる低圧絶縁抵抗測定が1年に
1回義務づけされています。
過負荷、漏電のいずれの要素でも動作しないELBの二次側で焼損事故
しかも配線の端子緩みもないなんて...店が呼んだ電気工事屋さんの
話ですがその後で私もメガをした時のです。これは私も今だ謎なんです。
漏電事故のほとんどが対地電圧100V回路で発生するので実務でメガを
使うのは100Vメガが主役です。単相三線式からの単相200Vは対地電
圧100Vですから間違えなく!三相動力回路での漏電は私の経験上では
発生しないに近い、それはコンセント回路と違い決まった機器しか接続さ
れないからです。後天井にある照明器具の漏電もまずないです。天井内
配管で水漏れでも発生したのなら別ですけどね。コンセント回路又はそこ
に接続される機器が原因です。従い取替用コンセントと場合によっては
テナント分電盤から仮設配線する事もありVA-3Cのケーブルを30m程度
は常に準備しておきます。
対地電圧とは通電状態で盤の接地と配線間の電圧をこんな様に測定され
てみてください。(メガは電圧測定機能もあります)動力なら200V、単相三
線式なら中性線以外は100Vとなります。大雑把な言い方をすれば指1本
で電路に触れた時に感電する電圧と思ってください。だから絶縁抵抗値は
対地電圧を元に値が決められているのです。この測定により変圧器地絡
はありませんがテスターで電圧測定する場合間違えて抵抗や電流レンジ
で電圧を測定すると基本短絡して大変な事となるので気をつけてください。
特に安いテスターで上状況での保護機能がないと100%そうなります。
メガは停電作業の時に通常行いますが復電した時に偶然故障する機器
が稀にあります。工場~ビル勤務をしていて私もいくつか経験があります。
共用部設備ではなくテナント内で発生した場合、こういう時に修理業者が
"設備の人が500Vメガを間違えてかけても故障する"なんて意見を言わ
れた時です。対地電圧100V回路の絶縁抵抗測定で私が100Vメガ専用
機を使用してるのはそれが理由です。そんな知恵を持てばテナントは電
気の理屈より弁償してくださいしか言われません。特に入居して10年は
経過するテナントがいる場合は機器老朽化で停電作業のタイミングで
故障する事がある!というのは頭の隅に覚えておいてください。古いか
ら故障したという証拠はありませんが停電してメガの後に故障したのだ
けは事実です。そういう場合は最初に電気主任がテナントと交渉します。
100Vしか出せないメガですと見せて説明すればクリアーできます。
★深夜絶縁抵抗測定作業の話に戻ります。
同伴の彼に主幹I0を測定してみてください。とあえてさせてみました。
あれ0?停電してるのだから漏れ電流は発生しません。毎月テナント
主幹で漏電調査のためI0を測定するので電気がないこんな時に上手
にクランプメーターを主幹に挟む練習をしてもらいます。された事がない
人は充電状態でここに斜めにして入れるのはできないでしょう。頭がい
くら良くても資格があっても手作業が上手かはまったく無関係です。
経験のない事をさせるのは事故の元です。係長のアドバイスで最近
電気に関し人選してこの二人に私の持てる事(理屈、実技)を伝えて
います。彼らも将来電気主任を目指していますし私が休日の時の電気
対応の点で私も職場も助かる事が増えました。
今度は隣の動力盤での絶縁抵抗測定です。
三相モーターマグネットを検電器で測定すると対地電圧200Vです。これは
父からもらった物ですがこんなシンプルな作りなのに対地電圧が100Vなら
1個点灯、200Vなら200V点灯できるガチな優れ物です。動力盤は必ず
対地電圧が200Vなので単相三線式からの単相200Vより危険なのです。
人が電気を感じるのは1mAで対地電圧200Vですから200を10の-3乗で
割れば2×10の5乗で20万だから0.2MΩですね。絶縁の法定基準値を忘
れたらこう考えてください。又これが絶縁抵抗値の算出根拠です。
最初に使用した100Vメガで対地電圧200Vの三相回路絶縁抵抗測定
をした結果がこれですがこの結果を持って合格でも構いません。"使用
電圧相当が好ましい"は内線規定で存じてますが好ましいは絶対では
ありません。メガの後に接続機器が故障したら実施会社が即弁償です
からすべて100Vメガで絶縁測定をしてる現場があるのも存じています。
絶縁測定実施の案内の後にテナントから"絶対に機械は大丈夫か"と
いう問合せの電話が来る事が私もありそのお気持ちは理解できます。
本やNETで試験電圧と機器種類の表はあるがどれもお勧めとか曖昧
な条件書きがあり機器故障の可能性は皆無ではないため内線規定に
あいても断言できないのです。つまりは現場に応じて一番良い方法を
電気主任が決めて実施しなさいと私は理解しています。絶縁抵抗測定
をする場合、私はその回路の対地電圧相当で行う事にしています。
従い三相回路は250Vメガで測定するのでほとんどで50MΩです。
メガは耐圧試験の様に絶縁破壊を調べてるわけではなく線路対地間
抵抗を知りたいだけですから100Vメガでも20MΩまでなら電気回路の
対地間抵抗を知る事はできます。実際この後に250Vメガを行うと50
MΩ以上が確認でき間違いなく100Vメガでも法定値0.2MΩがあるかと
いう程度はわかります。現場に着任したら貴方も実際に自分の目で
確認してみてください。ただ詳しくない方にはなぜ?と質問されるかも
しれませんね。500Vメガは電気室送りとEPS受けを切って測定する
幹線メガで使用します。重要な部分なので20MΩ以上ではなく100MΩ
以上あるかを知りたいです。法定値は当然で幹線(CVTケーブル)
では100MΩは当たり前です。今夜は00:15から40テナントのメガ測
定を3人で行いました。残りもたくさんあるけど全員目も動きもいいの
で安心して任せられますから朝一で少しつづ分担で測定します。
会社にある上の1000Vまでレンジがある45000円のメガだけどこれ
で幹線メガを測定します。通常500Vメガの有効レンジは100MΩだけ
どこれは同じ500Vメガで2000MΩ(OL表示)まで測定できます。
(電気室送りとEPS受のMCBを切ってStandaloneで測定した場合)
ビルなど屋内のこうした綺麗な敷設のケーブルは高い絶縁抵抗値を
持っています。写真は過去の漏電記事の時の写真を引用してますが
回路をStandaloneにすればMCBの一次側と二次側で絶縁抵抗測定
をして幹線メガを私はします。電気室送りMCBは切りなのでここの一次
側からでも電気室~EPS絶縁抵抗測定が可能なのはわかりますよね?
その時電気室送りMCBには投入禁止の札を必ずしておきます。
幹線メガは全館停電作業の時に行うのが作業上一番安全です。
上のCVケーブルの幹線メガは2000MΩ以上ありますが通常屋内設備
ケーブル単体の絶縁抵抗値はこの程度あります。汎用の500Vメガで
は∞表示(100MΩ以上)となって当然です。年1で行う絶縁抵抗測定は
法定基準以上あるかを調べる試験ですから実際に何MΩあるかはわか
らなくても構いません。法定ギリあるか?はダメなのはわかったと思い
ますが盤なら20M、幹線なら100MΩが私の管理基準です。正常なら
私の経験上そういう状態になるのです。
表示左に◇マークがありますが電圧をかけた結果、測定値が安定した
というマークでこれを確認します。ケーブルは最初充電するので抵抗測
定が安定するのに僅か時間がかかるのです、測定後に放電させるのは
その電荷で感電する恐れがあるからです。針式メガを使用すると最初
0Ω側に針が振り最後に100MΩとか安定する様子がわかります。デジタ
ル式はこういう挙動が見えずすべて機器任せなので現場作業をする人
には針式メガが好きな人は多いです。私もその一人です。
動力(空調機、熱源関係)の絶縁抵抗測定も保安規定で義務づけあり
対地電圧200V回路ですから250Vメガですがスターデルタの場合は
メインマグネットの二次側Aで三相直入れ機器ではマグネット二次側
Bで行います。250Vメガですから50MΩあって当然です。環境的に水
が絡む又は間欠的にしか運転しない機器は絶縁が低い傾向があり
ますがこれも0.2MΩ合格でも1MΩ以下になったら気をつけましょう。
乾燥した場所にあるモーターは通常100MΩ以上あります。制御回路は
基盤がある様な場合はメガはたとえ100VでもせずにI0で1mA未満で
ある事を確認します。下の場合は0.25mAで合格!(I0は通電中しか
測定できないので絶縁抵抗測定時にはできません)
止まってるモーター回路やリモコンリレーがある照明回路でMCB二次側
でメガをしてるとしたら間違いですからどこにメガのリードを当てたらいい
かよく確認して行いましょう。機器内部にマグネットがあるのにプラグで
メガをして絶縁異状なしとする業者さえいますので電気主任は注意してね
それでは絶縁抵抗測定以外の絶縁不良調査でも原因を発見できません。
たかが絶縁を測定するだけと一般の方は思っていますが絶縁抵抗測定
は電気工事士の資格もない方には無理です。そういう人が測定した絶縁
抵抗測定の値は私も信用できません。私が勤務する職場では電気工事士以上
の資格がない方は絶縁抵抗測定はしてはいけないルールになっています。
100V回路を500Vで試験事故など理屈がわかってない人にはさせられません。
空調機では自動制御回路がありますが電源回路で同じくI0が1mA未満
である事を確認します。もし1mAを超えた場合はI0rモードで正確に抵抗
分漏れ電流I0rが1mA未満かを判定します。I0>I0rだからI0が1mA未満
ならI0rの確認の必要がないのです。0.65mAで合格!昔の方が漏れ電流
はアテにならないというのはノイズカットの性能の悪い測定器を使用していた
時代の話で特にI0rまで測定できるならばメガに匹敵する精度で通電状態
で線路の絶縁状態の判定ができます。
上の電源が配給するのはこの回路で自動制御回路は高価な電子パーツ
もあるので絶対にメガはせずにI0で絶縁状態を確認されてください。こう
いうのは業者が定期メンテしてるのでグレーゾーン的扱いで電気主任と
しては触れない現場もあるかと思います。こういう自動制御の場合絶縁
判定は業者もしないのでまったく何もしてないというのも絶縁不良に係
わる故障が発生した場合に社内での報告で困る事になります。定期的
に上の位置でI0測定される事をお勧めします。
確かに自動制御回路は滅多に絶縁不良は起こしませんが皆無では
ないのです。屋外設備を制御する自動制御回路は注意してください。
この時はI0が30mAもあり原因は冷却塔の濃縮防止装置設備からの
漏電でした。上司から通常はどうなんですか?と質問されましたが測
定記録を見せ0.6⇒0.7⇒0.5⇒0.7と毎月1mA未満でしたと即座に
説明できました。消防関係は独占業務なので年2回の消防点検でそ
れら絶縁抵抗測定をされますが、自動制御は電気主任が絶縁管理
すべき電気設備に含まれます。(自動制御は点検しなくては使えない
法的設備ではないためメーカーの自主基準でしか点検されません)
メガの試験電圧がわからない回路は対地電圧を測定してレンジをその
程度にして絶縁抵抗測定を行うのが私の方法です。ビルの絶縁抵抗
測定に関しては今回説明した要点でどんな現場でも問題なくできると
思います。新人電気主任技術者としてこれから管理計画を立ててる方
の参考になれたら幸いです。現場に応じて一番良い方法を電気主任
が決めて実施してください。それが★自主保安体制の精神です★
でも今夜はこれで終わりではありませんでした。業者がしてる電力メ
ーター交換が終わり、各盤の開閉器はすべて投入状態との報告!
各EPSのMCBを投入するたびにI0を測定して絶縁不良が発生してな
いか確認をしました。今度は各テナントに入り主幹の入れ忘れ、作業
中に手などが当たり子回路が切りとなっていないか、工具などのおき
忘れ、店内を汚してないか業者責任者と現地確認しました。あるお店
に入ると何か警報音が鳴っているのです???タンク付業務用湯沸
しからの警報でした。最初ガス漏れ感知器かと思いましたが動作ラ
ンプ点灯もしてなく盤内に給湯器というMCBを切ると警報は停止しま
した。お湯が出ないとここはとてもヤバイ!今朝の4時ですから修理
連絡先がわかってもエレベーターとは違い業者は来てはくれません。
電話しても"営業時間中に連絡してください"との自動メッセージだけ
で連絡が業者にはつかないのがたいていです。
偶然の故障でもテナントから言わせたら停電させたから壊れたと言
われても仕方ありません。技術部長にラインで連絡して相談したと
ころそこの責任者はとても難しい人なので責任は部長が取るから
中を開けて調査する指示を受けました。たぶんあの人なら"お前ら
プロのくせに何もわからないのか”と逆ギレしそうな人ですから部長
はそう指示されたのです。通常は"御社の財産なので後はメーカー
に手配願います"が簡単に通用しない方もテナントには極まれにい
らっしゃるのです。それにこちらの動作のタイミングで故障が発生し
てるので今回は強気に言えません。一緒に来た電気業者は"私ら
は他社の製品を触れないので丸山電気主任の指示通り動かせてく
ださい"との返答ですが...気持ちもわかるので理解しました。
ビルの水槽制御の場合と比較して減水、満水とかあるはずです。ただ
液面計がないのとアラーム時の表示が表になく何もエラー表示が確認
できないのです。取説もないのでこんな状況です。満水ならオーバーフ
ローの排水から出てる?出てない。それでも満水電極に少し水が触れ
てるかもしれないので給湯器を運転してお湯を店内各所で出してみま
した。お湯を5分出しても警報は消えない、タンク内部に水の補給が開
始したのでお湯を停止するときちんと最後は水の補給も停止しました。
どう見ても満水ではなく当然減水ではないです。液面リレー故障かも
しれない?
まて...電源を切る回路をDEADにしたら警報は止まるのだからそれで
回路リセットのはず、これは電極ではなくフロートなどの物理的SWがタ
ンク内にありフロート中に水が入り短絡してるか固着で真横になってる
のではないかと感じてきました。取説がなくても回路図があれば原因く
らいつかめるかもしれません。そこでパネルは外してみました。こういう
物はたいていパネル裏に回路図があるのです。
基盤を見たら回路上にブザーをすぐ発見して鳴ってるのを確認、ここ
でしか原因究明はできないと予感しました。図面の配線説明と基盤上
のパーツ構成を比較してみたら警報センサー関係の配線はわかりまし
た。減水で運転するとポンプが焼けたりエアが混入して明らかな異常
な兆候が出ますがそれはないです。(減水警報ではシステムロックを
普通の設計者なら入れるはず)そうなると満水関係が一番怪しいです
タンクの蓋を苦労して外す前にそのセンサーから基盤に来てる配線
プラグを基盤から外すとアラームが停止したのです。警報確認をする
方法あるのでしょうが取説がないから今の私にはこの方法しか確認
ができません。でもこれ絶対に満水センサーの異常です。給水機能
は確実に動作してるのは確認してるのでとりあえず音は出てますが
営業はできます。用途を考えタンクを開放するのは衛生上好ましく
ないので行いませんでしたがそこに99%原因があります。
その警報の意味がわからないととりあえず使用していいかを自信を
持って言えません。店長が来られ事情を知りいろいろ申し訳ないと言
われ納入したメーカーに連絡するで事でこの件から開放されました。
パネルを開けたのでメーカーから点検しないと言われるのを少し心配
しましたが店長がキレ言葉で怒ったら至急向かいますとなったそうです。
お店を任される様な人ってイザとなれば気迫が違うのを感じました。
こういう事が適切かはケースバイケースですが基本はいつも書いてる
様にメーカー私物は触らない方がいいです。ただタンク制御程度なら
原因究明までいける自信はありました。etcで2時間近くもこの現場で
迷走状態でしたので今日は正直疲れました。
今日の件は報告書で会社に提出が必要なので要所の撮影を忘れては
いけません。だから今の時代は点検、作業中いつでも状況を撮れる様に
スマホは常に携帯しています。今回の場合修理費用はどう負担するの
かとか★電気主任技術者は費用負担に絶対意見してはいけません★
お金の支払いももめる点でそれは技術部長がテナントと交渉されます。
工場に勤務してた時に停電作業後に電話交換機が故障して工場内の
電話がすべて使用不能になる事がありましたが復電後の電池急速充
電時に故障が発生したというのを父が言っていたのを思いだしました。
共用部設備を点検してるのと違いテナント対応では常に人の感情が
絡むというのを貴方も電気主任技術者となったら痛感する時が必ず
来ます。電気主任も職場での人間関係、テナントとの交渉の上手さで
働き甲斐が大きく異なります。そう★人間関係は何より大切です★
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