2017年3月30日木曜日

電気主任技術者 抵抗分漏れ電流I0r

あまり見る事がたぶんない、分電盤内にある20AのELB側面を見てください。
一般的に30mA漏電したら切れると思われていますが正確に理解しましょう。
定格不動作電流とはこの場合だと15mAの漏電(I0)までは動作しないのです。
ですが15~30mAの範囲の漏電量(I0)でこのELBは動作します。
(定格感度電流の50~100%動作がELBの一般的な仕様となります)
対地電圧100Vで言えば法定基準限界の0.1MΩの絶縁抵抗値で1mAの漏電
だからその値程度を少し下回った程度ではELBは動作しないのです。
対地電圧100Vで15mA漏電したら約6700Ωだから最低0.01MΩより絶縁対抗
が低下したらELBは動作するという計算になります。
ですからELBがあるから常に絶縁抵抗値が法定基準値以上あるとは言えない
ので★最低年に1回は保安規定に従い絶縁抵抗値測定は必要です★

昨日と2日間で飲食2店と事務系テナントがオープンしたので巡回点検
の途中でその回路に給電する動力と電灯変圧器のI0を確認しました。
テナントが変わると使用機器も違うためI0値が変化しますが前の事務所
で使用していた古い調子の悪い機器をこの現場で使われのも困るので
その辺の確認の意味もあります。
I0値でこれまでの50mA未満に変化がないか確認をします。
(I0で50mA未満ならI0rも50mA未満ですからI0r測定は不要)
そこは屋外にある小型キュービクルで毎月ここも変圧器B種接地の測定
を電気の月例基準に従い行っています。

その中にある1台の動力変圧器500KVAで今回オープンした3店舗はここ
から三相200Vをもらっています。この変圧器で問題発生です。

いつもI0は30mA程度なのに今日は約83mA(83.76)もあるのです。
300mAとかも出てるなら低圧地絡が出てもいますしI0rなんか測定する
より漏電箇所の調査を至急しないといけません。
前のビルから持ってきた機器が原因でテナント営業開始初日に漏電なんて
トラブルを私は何回か経験した事があります。
ただI0で50~100mA程度というのは微妙な値でまずはこの値がすべて
絶縁不良による漏電に関係するの値なのか?電源電圧と同相の漏れ電流
成分I0r(抵抗分漏れ電流)の測定を行います。
私は三和電気計器 リーククランプメーター I0R100を使用しています。
絶縁低下による漏れ電流は電源電圧と同相の漏れ電流成分I0rだけに
あります。
(漏れ電流はI0=I0r+I0c、I0cは交流電源時のみ発生)

三相回路でI0r測定時は接地相以外の2線を電圧クリップする事
単相三線式では真ん中が必ず接地、三相でも下の様にS相接地ならいい
けどR相接地の場合では電圧クリップのとり方が違います。
ビルや工場での高圧⇒低圧用変圧器二次側は通常はデルタと思ってください。
(低圧側の1線接地だから三相ではどの相でも接地施工可能)
三相回路でI0r測定時は検電器で接地相を事前に確認が必要となります。
尚、電圧接続を間違えて表示された値はI0rではなく意味がないです。

単相三線式回路のI0r測定はこうですから間違える事はないでしょう。

尚、CVTケーブルのI0r測定は口径が80mmのリーククランプメーターとRM-1
で私は行います。
RM-1はリーククランプメーターと併用して使用する機器でそれ単体だけでは
I0rの測定はできないので注意されてくださいね。
保安規定や経済産業省通達などでケーブルの漏れ電流を測定する義務は
ありませんが各回路で毎月測定しておくと漏電が発生した場合に停電させ
ないで調査する場合に有効な参考データーとなります。
会社では常に報告義務があり厳しい上司では日常の管理はどうなんだ?
という指摘をされるので貴方が電気主任となったならケーブルの漏れ電流
測定は毎月行うべきです。つまり絶縁管理を毎月行うという意味ですね。

下はNETでも公開されてるRM-1のマニアルからですがリーククランプメーター
とRM-1の組合せでも変圧器B種接地でのI0r測定はできます。
ここでもS相接地だからRとT相から電圧検出をしている、この方式は癖がある
ので購入されたなら説明書をよく読んで事前に練習が必要です。

ただ1個が10万円近くするI0rクランプメーターを買う必要がないのが利点!
ただRM-1本体には高周波除去機能はなくあくまでクランプメーター側でそれ
をカットする必要があるのでホームセンターにある1万円程度のクランプメーター
での組合せではダメです。(ただ負荷電流だけを測定するだけの測定器の事)


ご存知の通り変圧器B種接地では漏れ電流50mAが管理基準値です。
ですが建物の地絡検出方式がI0方式では漏電以外の誤報も忘れた頃に発生
するので現実的な運用として私は200mAで設定しています。
I0r方式で地絡検出ができる現場ならば50mA設定でもいけるでしょうね。
省エネ機器、インバータの導入や各種フィルターの設置などにより電路に多くの
高調波の重畳や静電容量分漏電電流(Ioc)の増加が見られます。
こうした影響を受け、電路の絶縁性能とは関係無くI0が大きくなってしまうため
単なるI0地絡検出方式では誤報という現象が発生するのです。

実はこのキュービクル回路は一度も地絡事故がなく各変圧器I0も安定して
いたのでI0rではここは一度も測定した事がなかったのです。
と言うよりI0r測定のための基準電圧検出が写真の様な箱環境で難しく手前
は6600Vだから危険過ぎで私もそれは行えません。
試験用端子VTTは主変圧器ではなくVTで変性した電圧ですからこれは違う。
(Aの変圧器のI0rを測定するのにBの変圧器から電圧を検出するのと同じ)

表のパネルを通電中に外すのは振動でMCBが落ちたらヤバイしMCBやELB
のトリップボタンに作業中に指が触れて停電させても同じです。
テナント営業中に作業ミスで停電を発生させたら始末書と減俸は確定ですよ。
無理かな?と思ったのですがよく見たらパネル上に空間がありそこに変圧器
二次側回路からの主幹バーが見えるのでここから手を入れて電圧クリップが
できました。他の変圧器も同じ位置から電圧を取ればI0rは測定できます。
ただ変圧器二次側~MCB一次側間で保護回路がないので危険注意は必要!

その金属バーから電圧検出できたのでI0rが測定可能となりました。
結果I0=83mA(83.55)でI0r=33mA(33.31)で問題はなく保安協会の方も
I0rで50mA未満なら問題ありません。と以前言われていました。
ですから★I0が50mAを超えたらI0rでもそうなのかまず確認するべきです★
これがI0r=I0=83.55mAと言うならば面倒でもその系統の絶縁抵抗測定を
すべて実施してみる必要があります。
対地間絶縁抵抗値低下が発生してるとI0rとI0はほぼ同値となるのです。

キュービクルでない通常の電気室の配電盤は真ん中が通路になっていてる
ので容易に電圧クリップができます。(下は単相変圧器のI0r測定)
ただI0rは活線状態での作業を伴うので測定には注意されてください。

私が管理する現場の変圧器はどれもI0で50mA未満だけど昔から1台だけ約
110mAがありますがそれもI0rで測定すると約17mAなので問題はありません
し数年その値は変わりません。
(前任者はとりあえず高いけど変化もせず大丈夫みたいという理由で根拠もなく
放置していました)
実はこのI0rクランプメーターを会社で購入してもらったのもこの変圧器の異常
判定をするためでした。
この変圧器は750KVA三相変圧器で回路数も多いせいもあるけど場合によって
は通常の漏れ電流測定I0とI0rでこれほど差が出るのを初めて知りました。
とにかく測定して確認しない事にはI0値が50mAを超えていても変わらないから
安全というのは言えません。

今回の変圧器の漏れ電流測定は今後I0でなくI0rで測定を行う事となります。
測定すれば対地間静電容量を通じた何かか(I0c)か漏電(I0r)かわかります。
ここの地絡検出はI0方式なのでこの値が200mAの設定を超えたら動作するので
そこまでだと運用上面倒でも原因機器を調査が必要ですがたぶんこのままです。
機器は正常でも特性上出てしまうケースもありその場合はある程度はやもえない
のですが変圧器の漏れ電流が50mAを超えたらそれが漏電による物ではないと
いう事を確認しなさい。
というのが管理指針の意味するところなのです。
これは電気主任が★電気の月例点検で必ず確認しないといけない事項です★
面倒ですがすべての変圧器を毎月I0rで測定すれば万全な管理ですね。

★3/31_14:25に一般電灯3変圧器(500KVA)で低圧地絡警報発生!

すぐに変圧器B種接地で測定をしましたがI0で約4mAといつもと変わらず!
I0で4mAならI0rはそれより少ないのでI0rは0か1mA程度でしょう。
こういう値で負荷側を停電させて絶縁測定をしても異常は発見できないです。
変圧器B種接地でI0が一桁の値の二次側回路では絶縁不良というのはまず
ないです。
(私の経験談で絶対という意味ではなく私の目安という意味)
一瞬設定を超える何かの電流が流れましたがこの変化のみではまず間違いなく
前述した理由で絶縁不良による漏電ではありません。
(この場合は最低リーククランプメーターでの測定が必要です)

経験により見つけた貴方だけの目安というのは大切にしてください。
貴方の責任の元に管理してる現場なら他人に自分の拘りの真偽を問う必要
なんてないです。だって私もそれしかないのですから!
もちろん目安はあくまで目安で絶対じゃない、報告書に私がいつも必ず
"現時点では..."と必ず前置きするのは絶対は原因に到達するまでありえない

漏電というのはご存知と思いますが改めて言うとたとえば三相回路が下の様に
7回路あるとしてすべての配線をクランプで挟むと理論的には0Aですね。
(この程度の回路ですと6mA(0.006A)位のI0は漏電ではない原因で流れる)
次に単線で8A程度流れてる1本だけを含めないで同じ一括測定をするとその
不足分が漏電値としてクランプメーターでは約8Aとして測定されます。
これは故意にそうしたけど正常回路で電気が漏電しても同じ事になります。
電気屋さんが配線をまとめて測定してるのは漏電しているか見てるのです。
ただ負荷や配線の状況では稀に絶縁は正常なのに割りと高めのI0が出て
しまうのが電気(交流回路)の取扱いの難しいところです。


⇒私のブログの最新記事へJAMP

2017年3月26日日曜日

電気が切れなくても作業しないといけない時

電気が切れない場合でも作業しないといけない時って現場では現実あります。
今回の記事は電気工事いう程ではありませんが活線作業時の取扱について
私が今日した簡単な作業事例で説明をしたいと思います。
200VのELBを撤去して他と同じMCBに取替する必要が発生したのでまずは
ELBを外さないといけません。
(負荷側の配線が短いので同じこの位置で交換が必要と判断)
ご存知と思いますが2P2Eは単相200V用ですが実は100V用の2P1Eでも
煙が出る事もなく単相200Vで使用できてしまうのです。
ですがトリップ素子のない側の配線で0Ω漏電による完全地絡が発生して
も短絡を切る事ができない
ため危険です。だから200V回路は2P2Eです。

夜中以外は停電できない回路ですから①でドライバーが充電部である
金属部に触れない様にネジを回す、(先が磁石になってる物を使用)
②赤線には電圧がかかってるのですぐにテーピング、③単相200Vだから
黒線も電圧がかかっているので短絡しない様に慎重に同じ作業をします。
④は電気は来てませんがすぐに手前に引き出して上のMCBの二次側の
配線に触れない様にする。(もちろん絶縁手袋をしての作業)
もし15A以上も流れてる配線を生で抜いたらスパークで火傷します。
これが2P1Eの単相の100VならばNの線だけは電位0なので感電しませ
んが電流が流れている状態で抜くと同じく危険ですから注意してください。
とにかく種類に関係なく最初に回路を切ってから作業を行います。

MCBは大きな電流が流れた時に回路を切る物ですがほとんど0Ωで漏電
した時に対地間で流れる短絡電流保護も兼務
してるのです。
対地間電圧のある配線はすべて過電流保護がある様に接続が必要です。
単相三線式の真ん中は対地間電圧が0なので2P1Eのトリップ素子のない
極に接続して運用ができる事に気がついてない人は意外と多いです。

職場で漏電・メガ0ΩでMCBが切れていたのでMCBが壊れてると言って
る方がいましたが漏電や対地間電圧の意味を理解されてません。
MCBはELBと同じ様に漏電で切れる場合もあるのです
もし切れないでそれだけのI0r値が流れたままなら火事になると思います。
だから2P1Eとか2P2Eの選定ミスは事故が起きたなら致命的です。
尚、法定基準の0.1MΩより低い程度ではMCBトリップはないです。

続き作業で本体の引っ掛けからELBの取外しをしました。
今日の作業とは関係ありませんが2P1EのMCBは間違えてNに非接地側
の配線を接続してはいけません。理由は2P2Eで説明したのと同じです。
照明回路故障でリモコンリレーも取替しますがあれは最低でも取替本体
とその上下の計3個のリモコンの電源を切らないと私も作業できません。

ELBを撤去したら今度はMCBを取付して前述の逆手順で配線を接続して
取替作業は完了です。(作業中は必ず投入レバーは切りの状態の事)
最後にMCBを投入して二次側電圧で200Vあるのを確認します。

活線状態での作業をする場合は低圧電気取扱特別教育の講習を受講
していないといけません。(電気工事士の資格があるだけではダメ)


労働安全衛生法では電気が生きた状態の活線作業は禁止ではありません。
こういう作業ではドライバーは金属部分を短絡防止のためテーピングして
専用の低圧絶縁手袋+電気ヘルメット着用にて作業を行います。
ドライバー先が黒色なのは磁石になっているからでこれでないと緩めたネジ
をつかみそこねて下の充電部に落ちでもしたらドキとする事になります。
それと軍手はどんな場合でも電気作業には適しません!
確かに100円SHOPのゴム手袋の方が薄くて作業し易く低圧程度では感電
する事もなくできるのは私も知ってますがそういう作業は自己責任となります。

電圧がかかってるVAを切断する場合は被覆だけをまず取ってから中の単線を
1本づつ電流が0の状態で切断すればスパークする事はありません。
とにかく電流が流れてる状態の生切りだけは絶対にしないでください。
被覆の完全な真ん中は深く、それ以外は短絡しない様に薄皮1枚で切れ目入れ
たら後は真ん中から被覆を爪ではぎ取る感じですね。

部屋の配置変えなどでコンセントが偶然にその位置にない場合など急に1個
取付してほしいと言われる事があります。そんな時にセキリティーの関係で
夜営業後の入室はダメというなら昼間の今しか作業できないです。
お金や金融商品を扱うテナントはほとんどで今の時代はこんな感じですね。
(そういうとこは"修理は昼休みか15時以降にする"様に言われる事が多い)
コンセント増設予定箇所の先に絡む機器の使用を15分だけ止めてもらい既存
VA配線の中間にコンセントを1個増設します。(停電範囲を最低限にする)
この時に上の方法で中間にてVAを切断、配線を剥いて増設コンセントに接続!
このコンセントは線を剥いて端子加工なしで接続できるのでとても便利です。
床がPタイル直でOAフロアーでない場合はワゴンモールとかで収納して配線
すれば相応な出来栄えとなります。(写真のコンセントは東芝DC1292E)

ワゴンモールとはこういうので延長コードなんかで不細工にしたくないから
テナントは電気主任技術者の貴方に相談されているのです。

自分の家で配線するわけではなくお仕事ですからコンセントも含めてある
程度はスマートに施工してあげましょう。仕上げが悪過ぎると笑止されます。

配線はこういう感じで床を横断していけば見た目も綺麗でしょう?
普通の人にとって電験三種の資格があり電気に詳しいというならこういう
コンセント、タンブラSWの増設や修理取替もできて当然と思われてます。
広範囲な工事では業者にお願いしますが1個や2個程度ならば迷わず
してあげられる様に練習しておきましょう。
え?ビルの電気屋さんじゃないのですか?とテナントに言われできないとは
私だって言えません。そう私だって電気担当としてのプライドがあります。

今使用してるコンセントは在庫がまだ30個程度ありますから次に購入する時
は口が使用してない時は穴が塞がるシャッター式にしようと思ってはいます。
何回かコンセントが原因で変圧器地絡警報が出た事があり埃や水分が穴から
侵入して劣化するのが原因と思ってはいます。(トラッキング防止にもなる)
新規入居するテナントについてはオーナーからこうしたコンセントにしてもらう
様にお願いしてもらっています。

市販のタップでもシャッター(又はガードとも言われてます)が標準である製品
が販売されてますが長く安全に使うという点で優れ物だと思います。

照明タンブラSWの交換をする時に完全に奥でネジ固定ならいいけどこうした
押さえ金具上下で壁に挟んで固定してる物は壁の中に金具を落下させたら
取れないですからネジを外してしまわないでください。
テナント室内で増設した間仕切りについてる壁タンブラSWはたいていこんな
感じになっていますから注意してください。
取替する照明SWは電圧がかかっていても切れて電流は流れてないから線を
抜いても火花が出る事はないです。
この時も他回路と1個のMCBで給電だから一次側を停電できなかったです。
(既設線をSW根元で切断し剥いて新しいタンブラSWにプラグインで挿入)
後は最初に取付してあった様にきちんと器具を壁に収納します。

こうした照明タンブラSWの状態を被覆の上から正確に判定するために対地
電圧を被覆の上から表示できる検電器を私は使用しています。
(テスターで測定する線間電圧ではなく接地との間の電圧が対地電圧です)
故障と思われるタンブラSWをONにして二次側でこんな対地電圧があればそこ
じゃないです。でもSWの一次側で電圧なしならば、たぶんMCBトリップも伴ない
飲食店以外では照明器具のどれかが悪い(短絡)かもしれません?
200Vの照明回路なのになぜこれで測定したら100V前後の値となるのか?
なんて言わないで、単相三線式からの単相200Vは対地電圧は100Vです。

MCBがトリップしていて照明SW切りでもそうなるならMCB~SW間の何かで器具
が原因ではありません。照明が1回路すべて点灯しない場合は原因がSWより
前か後かを調べます。照明器具故障ならどの器具が原因で短絡が発生して
いるかを調べます。
1個づつ器具の電源を外してMCBが切れない時の照明器具が悪いのです。
(飲食店では天井内での配線のネズミかじりもありえます)
通常こうした場合は照明SWの二次側の配線かどれかの器具不良です。
1回路が点灯しない故障は頻繁にないけど普段から研究しておかないとイザ
ではテナント担当も一緒に見てるから頭が真っ白となって何もできません。
照明器具が1台だけ点灯しないなら安定器を取替すればまず大丈夫で安定器
取替程度ならば電気担当でなくても設備の人がどこの現場でもされます。

テナントに対しての現場対応のレベルというのは前任の電気主任がどこまで
していたかです。
自分が担当となったからとそのレベルはもう下げれません。
(自分のレベル低のせいで客にお金をかけて業者発注させるわけにはいかない)
とにかく現場によっては"できませんので業者によろしく!"が通るビルもあるかも
しれませんがそれは入社してみないとわからないです。
でも自分が着任する事で今までできなかった事ができてこそ自分の価値が生まれ
て職場の仲間、オーナーも貴方を認めてくださいます。
★楽に染まるのは簡単ですが後の自分の将来展望がないと思います★
理論、理屈をいくら知っていてもそれをどう型として現場で生かすかそれが大切!


⇒私のブログの最新記事へJAMP

2017年3月23日木曜日

電気主任技術者 白熱電球について

新築現場では100%LEDのはずだけどミニクリ、レフランプ、ボール球
など白熱電球型ランプは既存設備では今だ多くで使用されています。
ある店舗で100V型60Wのミニクリを使用していたのでこれを110V型に
したら寿命が長くなると教えてあげたら店主からどの程度かと問い合わ
せがありました。

安定器で点灯する蛍光灯は電源電圧は一定でないといけませんが
白熱電球はあくまで電圧に比例した点灯をする事ができるのです。
白熱電球の寿命Lは電圧のマイナス13.5乗に比例するのです。
具体的にランプ設計電圧の90%で点灯させたらどの程度か私も数値
では認識してなかったので計算してみました。
つまり110Vのランプを100Vで使用すれば寿命は約4倍になります。

下の様なメーカー説明も見ますが上と同じ計算方式で105%で計算
してみると1.05のマイナス13.5乗ですから0.517で確かに寿命は
約半分となりました。(関数電卓が必要ですね)

同じ理屈で機械の表示灯は少し暗くなるけどたとえば正規が12Vの
ランプのとこに24Vのランプを取付したら相当に切れないで長く使
えます。たぶん数年はランプ切れしないでしょうね。

白熱電球の消費電力Wは電圧の1.6乗に比例するのです。
ランプ設計電圧の90%で点灯させたら?つまり電圧の0.9倍の1.6乗
だから消費電力は84.5%となり約15%の節電となります。
又専門サイトでも85%と説明があり嘘ではありません。
光束は電圧の3.6乗に比例するので0.9の3.6乗で0.68だから
約30%暗くなるというのも納得はできます。

明るさは電源が100Vとして100V型60Wで810ℓmに対し110V型です
と690ℓmに低下します。
光束についてはこのランプの場合は30%も低下しておらずこの部分は
メーカーとしても一番研究してる部分でしょうから光束という明るさに
ついては違和感を感じる程は低下しないです。

白熱電球型のランプもモーターと同じ様に電圧がかかった瞬間は高い電流
が流れます。(実はLEDも同じです)
ただモーターよりかは一瞬でこういう場合は起動電流というより突入電流と
いう言い方をします。

そのためタイマー接点では抵抗負荷なら15Aまで接続できるのに白熱
電球ではそれより低い値となるのです。

白熱電球はW数が異なっても口金サイズは同じなのはご存知ですね。
これが思わないトラブルになった例を紹介します。
ある店舗でミニクリを内臓したBOXランプが焦げ臭いと連絡があり
調べたらソケット周辺配線が黒に変色して焦げていたのです。
安定器を使用しない電源電圧で直に点灯するランプなんて通常は
トラブルはありませんから最初は不思議でした。
結局40Wのミニクリランプを装着する物でしたが見た目が同じの
ため店の方は間違えて100Wを購入しそれを取付されていました。
(一般白熱電球がE26、ミニクリがE17、ハロゲンタイプがE11かE12)

器具に指定以上のランプを取付したので内部絶縁物が熱劣化を起こした
のは容易に想像できます。
単純に★電流が倍になれば発熱は二乗に比例するので4倍ですよね★
もう器具配線がかなり焦げているので使用は止めてもらいました。
その時にお店の人がいくらまでのランプが使えるのですか?と私に質問
されましたがソケットに3Aと記載があり少し電気を知ってる人なら100V
だから3A×100V=300Wだから100Wでも大丈夫なんて返答しそうですね?
こういう物はソケットの定格ではなくて器具のどこかに40W専用という記載
があるのでそれが正解です。
私はつけてあるランプW数を見た瞬間にこんな小さな密閉した箱内で100W
ランプなんて?何か違和感をすぐ感じはしました。

時々店舗にある電飾看板・電飾スタンドが点灯しない、焦げ臭いという
報告を受けて点検する事があります。
この場合は正規ランプ装着であってもソケットなどが熱で朽ちている
事例がありました。
多数器具取付なので器具放熱も考えた入れ物の設計が必要のはず。
ですが見た目重視でほとんど電球の放熱まで考えてはいないのです。
点灯中のカバーを開けすぐに非接触式温度計で内部測定して50℃を
超えている様ではまともではない
と思います。
そういう状況では特に蛍光灯で点灯してる物は安定器が3年くらいで
駄目になるとのメーカーから回答もありました。
安定器の標準条件(電源電圧:定格値、★周囲温度:40℃以下★)
点灯しなくなる程度ならいいけど焦げて発火されたら困ります。


LED器具も業務用は裏側に放熱用のヒートシンクがついていますが
取付した天井の放熱性が悪く故障して点灯しなくなる事もあります
どんな照明器具でもそれの取付状況は寿命に大きく影響します。
製品その物の作りが悪いか取付業者の施工ミスのどちらかが原因!

ビル共用部は完全にLED化を業者で行いましたがテナントにあっては
まだ全然進んでいないので大きなテナントでは無理だけど一度に10
箇所程度ならばテナントサービスの一つで私が一人で蛍光灯ランプ
からLEDに今年から希望テナントのみ取替をしてあげています。
付合いのある電材屋から購入するので普通で買うよりかなり安い価格
で買えるのでテナントには喜ばれています。(器具代のみで取付)
私の独自判断でしてるので他の設備の仲間には手伝いは頼みません。
どうせ中高年の人とか面倒臭いと思うので私が一人でする分は職場
でも文句は言われないです。

又テナントに電気主任として自分の存在をアピールするって難しい博学
の語りではなくこういう日常の事を目の前でして見せる事です。

既存器具を天井から降ろしますが取付金具を外しただけでは天井ボード
に固着してると力で引っ張った時にボードに亀裂が入る事があります。
テナント室内で天井に穴を開けてはヤバイので慎重に少しづつ回しながら
降ろします。

既存安定器に接続されてる線は切断して新規に剥いてからLED電源
に各接続します。
(被覆を剥く長さは電源に記載があるのでその長さだけは必ず)
既存器具にアースを当時の施工業者は取付していませんでしたが
電源の黒白とアース接続の3箇所はあるのできちんと正規に取付を
します。各2本あるのは送り配線になっているからはわかりますよね。
理由は後で書きますが電気を切らないで作業をしてるので剥いた配線
はすぐにテーピングをします。金物に当たりでもしたらバチンとなる!
(もし片切りの200V回路では照明SWを切っても片線には電気が来てる
から器具取替ではどんな場合も作業前に検電は必ず行ってください)

こういう作業ではここが一番大切です
取付金具はきちんと取付してないとこれがもし落下でもしたら大変なケガ
をお客様にさせる事となりますから天井にある機器類を取替する時は特
に注意します。
(ヒートシンクは意外に硬くて重く頭の上に落ちたら出血)
こういうダウンライトの天井への取付は蛍光灯タイプでもLEDでもこの金具
で取付されてる事が多いので覚えておけば役に立つと思います。

慣れたら1個15分か20分もあればLED器具への取替はできます。
トイレのブースなどにある照明器具とかたった1箇所を電気業者に依頼
すると割高ですし、どこかのテナントの店長ではないけど"お前は何のた
めにいるのだ"と同じで理屈でこの程度の取替・修理は電気主任の私が
すべき事と判断して行っています。
又そういう場所は窓がないので電源を落とすと昼間でも真っ暗となりライト
を当てた程度ではとても作業が行い難いのです。
だから電気を切らないで修理作業を安全にするコツを自分なりに考えて行
っていますが今は通常場所でもその方法で行っています。

活線状態での作業をする場合は低圧電気取扱特別教育の講習を受講
していないといけません。(電気工事士の資格があるだけではダメ)


ただ★安定器交換作業はもう辞めLED化で対応する様になり照明器具修理
対応はガチに楽になりました★
ダウンライト以外でFLRやFHFが故障した場合はG13口金のLEDランプを
バイパス工事をしてから取付しますがもうこれなら安定器取替の1/3の時間
で施工が可能です。(もちろんLEDはFHFと同じボルトフリー)

今はもう安定器購入と大差ない状況ですからそれならLEDランプにした
方が以後はランプ交換は不要となり管理も楽になります。
通常直管蛍光灯は全方向放射の光束で有効に床面に生かせるのは7割
程度でLEDの2000ℓmがFLR40Wランプと等価というのはそれが理由です。
事務所用FLR40Wランプの代替なら上のLDG32T・ W/14/20で完璧!
(色温度をきちんと合わせるのと必ずバイパス工事をして取付です。
されないでFLR40W器具にこのランプを装着したら管端部分が破裂します)


⇒私のブログの最新記事へJAMP