2017年3月23日木曜日

電気主任技術者 白熱電球について

新築現場では100%LEDのはずだけどミニクリ、レフランプ、ボール球
など白熱電球型ランプは既存設備では今だ多くで使用されています。
ある店舗で100V型60Wのミニクリを使用していたのでこれを110V型に
したら寿命が長くなると教えてあげたら店主からどの程度かと問い合わ
せがありました。

安定器で点灯する蛍光灯は電源電圧は一定でないといけませんが
白熱電球はあくまで電圧に比例した点灯をする事ができるのです。
白熱電球の寿命Lは電圧のマイナス13.5乗に比例するのです。
具体的にランプ設計電圧の90%で点灯させたらどの程度か私も数値
では認識してなかったので計算してみました。
つまり110Vのランプを100Vで使用すれば寿命は約4倍になります。

下の様なメーカー説明も見ますが上と同じ計算方式で105%で計算
してみると1.05のマイナス13.5乗ですから0.517で確かに寿命は
約半分となりました。(関数電卓が必要ですね)

同じ理屈で機械の表示灯は少し暗くなるけどたとえば正規が12Vの
ランプのとこに24Vのランプを取付したら相当に切れないで長く使
えます。たぶん数年はランプ切れしないでしょうね。

白熱電球の消費電力Wは電圧の1.6乗に比例するのです。
ランプ設計電圧の90%で点灯させたら?つまり電圧の0.9倍の1.6乗
だから消費電力は84.5%となり約15%の節電となります。
又専門サイトでも85%と説明があり嘘ではありません。
光束は電圧の3.6乗に比例するので0.9の3.6乗で0.68だから
約30%暗くなるというのも納得はできます。

明るさは電源が100Vとして100V型60Wで810ℓmに対し110V型です
と690ℓmに低下します。
光束についてはこのランプの場合は30%も低下しておらずこの部分は
メーカーとしても一番研究してる部分でしょうから光束という明るさに
ついては違和感を感じる程は低下しないです。

白熱電球型のランプもモーターと同じ様に電圧がかかった瞬間は高い電流
が流れます。(実はLEDも同じです)
ただモーターよりかは一瞬でこういう場合は起動電流というより突入電流と
いう言い方をします。

そのためタイマー接点では抵抗負荷なら15Aまで接続できるのに白熱
電球ではそれより低い値となるのです。

白熱電球はW数が異なっても口金サイズは同じなのはご存知ですね。
これが思わないトラブルになった例を紹介します。
ある店舗でミニクリを内臓したBOXランプが焦げ臭いと連絡があり
調べたらソケット周辺配線が黒に変色して焦げていたのです。
安定器を使用しない電源電圧で直に点灯するランプなんて通常は
トラブルはありませんから最初は不思議でした。
結局40Wのミニクリランプを装着する物でしたが見た目が同じの
ため店の方は間違えて100Wを購入しそれを取付されていました。
(一般白熱電球がE26、ミニクリがE17、ハロゲンタイプがE11かE12)

器具に指定以上のランプを取付したので内部絶縁物が熱劣化を起こした
のは容易に想像できます。
単純に★電流が倍になれば発熱は二乗に比例するので4倍ですよね★
もう器具配線がかなり焦げているので使用は止めてもらいました。
その時にお店の人がいくらまでのランプが使えるのですか?と私に質問
されましたがソケットに3Aと記載があり少し電気を知ってる人なら100V
だから3A×100V=300Wだから100Wでも大丈夫なんて返答しそうですね?
こういう物はソケットの定格ではなくて器具のどこかに40W専用という記載
があるのでそれが正解です。
私はつけてあるランプW数を見た瞬間にこんな小さな密閉した箱内で100W
ランプなんて?何か違和感をすぐ感じはしました。

時々店舗にある電飾看板・電飾スタンドが点灯しない、焦げ臭いという
報告を受けて点検する事があります。
この場合は正規ランプ装着であってもソケットなどが熱で朽ちている
事例がありました。
多数器具取付なので器具放熱も考えた入れ物の設計が必要のはず。
ですが見た目重視でほとんど電球の放熱まで考えてはいないのです。
点灯中のカバーを開けすぐに非接触式温度計で内部測定して50℃を
超えている様ではまともではない
と思います。
そういう状況では特に蛍光灯で点灯してる物は安定器が3年くらいで
駄目になるとのメーカーから回答もありました。
安定器の標準条件(電源電圧:定格値、★周囲温度:40℃以下★)
点灯しなくなる程度ならいいけど焦げて発火されたら困ります。


LED器具も業務用は裏側に放熱用のヒートシンクがついていますが
取付した天井の放熱性が悪く故障して点灯しなくなる事もあります
どんな照明器具でもそれの取付状況は寿命に大きく影響します。
製品その物の作りが悪いか取付業者の施工ミスのどちらかが原因!

ビル共用部は完全にLED化を業者で行いましたがテナントにあっては
まだ全然進んでいないので大きなテナントでは無理だけど一度に10
箇所程度ならばテナントサービスの一つで私が一人で蛍光灯ランプ
からLEDに今年から希望テナントのみ取替をしてあげています。
付合いのある電材屋から購入するので普通で買うよりかなり安い価格
で買えるのでテナントには喜ばれています。(器具代のみで取付)
私の独自判断でしてるので他の設備の仲間には手伝いは頼みません。
どうせ中高年の人とか面倒臭いと思うので私が一人でする分は職場
でも文句は言われないです。

又テナントに電気主任として自分の存在をアピールするって難しい博学
の語りではなくこういう日常の事を目の前でして見せる事です。

既存器具を天井から降ろしますが取付金具を外しただけでは天井ボード
に固着してると力で引っ張った時にボードに亀裂が入る事があります。
テナント室内で天井に穴を開けてはヤバイので慎重に少しづつ回しながら
降ろします。

既存安定器に接続されてる線は切断して新規に剥いてからLED電源
に各接続します。
(被覆を剥く長さは電源に記載があるのでその長さだけは必ず)
既存器具にアースを当時の施工業者は取付していませんでしたが
電源の黒白とアース接続の3箇所はあるのできちんと正規に取付を
します。各2本あるのは送り配線になっているからはわかりますよね。
理由は後で書きますが電気を切らないで作業をしてるので剥いた配線
はすぐにテーピングをします。金物に当たりでもしたらバチンとなる!
(もし片切りの200V回路では照明SWを切っても片線には電気が来てる
から器具取替ではどんな場合も作業前に検電は必ず行ってください)

こういう作業ではここが一番大切です
取付金具はきちんと取付してないとこれがもし落下でもしたら大変なケガ
をお客様にさせる事となりますから天井にある機器類を取替する時は特
に注意します。
(ヒートシンクは意外に硬くて重く頭の上に落ちたら出血)
こういうダウンライトの天井への取付は蛍光灯タイプでもLEDでもこの金具
で取付されてる事が多いので覚えておけば役に立つと思います。

慣れたら1個15分か20分もあればLED器具への取替はできます。
トイレのブースなどにある照明器具とかたった1箇所を電気業者に依頼
すると割高ですし、どこかのテナントの店長ではないけど"お前は何のた
めにいるのだ"と同じで理屈でこの程度の取替・修理は電気主任の私が
すべき事と判断して行っています。
又そういう場所は窓がないので電源を落とすと昼間でも真っ暗となりライト
を当てた程度ではとても作業が行い難いのです。
だから電気を切らないで修理作業を安全にするコツを自分なりに考えて行
っていますが今は通常場所でもその方法で行っています。

活線状態での作業をする場合は低圧電気取扱特別教育の講習を受講
していないといけません。(電気工事士の資格があるだけではダメ)


ただ★安定器交換作業はもう辞めLED化で対応する様になり照明器具修理
対応はガチに楽になりました★
ダウンライト以外でFLRやFHFが故障した場合はG13口金のLEDランプを
バイパス工事をしてから取付しますがもうこれなら安定器取替の1/3の時間
で施工が可能です。(もちろんLEDはFHFと同じボルトフリー)

今はもう安定器購入と大差ない状況ですからそれならLEDランプにした
方が以後はランプ交換は不要となり管理も楽になります。
通常直管蛍光灯は全方向放射の光束で有効に床面に生かせるのは7割
程度でLEDの2000ℓmがFLR40Wランプと等価というのはそれが理由です。
事務所用FLR40Wランプの代替なら上のLDG32T・ W/14/20で完璧!
(色温度をきちんと合わせるのと必ずバイパス工事をして取付です。
されないでFLR40W器具にこのランプを装着したら管端部分が破裂します)


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