Blogで来年初頭に変圧器1000KVAを廃止して2500KVAに変更する
件は過去記事でお話しましたがその中間打合せを業者としました。
変圧器本体の製作はしてもらってますがそれを使うにあたりただ入れ
替えしただけでは使用できません。
私なりに変更点はわかるのでその辺の計画を業者がきちんとしてる
のかを電気主任として確認するためです。
総額4500万円の工事らしいので私も任せきりにはできません。
ビル照明の8割をLEDにしたのと古い機器は更新するお願いを
テナントにもした成果があり昨年の同じ時期と比較して200KWは
電力が低下しています。(つまり省エネです)
更に大規模拡張工事は今後3年は実施しない事が確定したので
新設2500KVA変圧器1台のみで当面は運用し契約電力も当然
2500KWで来年度から行く事に方針変更もありました。
NO3変圧器回路は1000KVAに合わせた仕様ですから変圧器が
2500KVAという事は22000Vなので最大65.6A流れるため現在
の50/5のCTは使えません。
当然OCR設定も変更となるし盤電流計もCT比率に合う物に変更
となります。
たとえば75/5のCTにするならば電流計は0~75Aとなります。
変圧器二次側においても同様でCTや盤電流計の変更が必要!
VCBやケーブルは既存のままでも十分にいけます。
当然中央監視PCの表示レンジ変更も必要となりますがそれには
変換器(トランスデューサー)交換、画面グラフィック変更が必要
となるのですが違う業者が行うので使用するCT比率が確定したら
新規スケルトン図面をその業者にも提出する様に指示。
今は3台並列運転だけど今度はビル全体の電流が旧NO3変圧器
系統に流れるのでこのままでは実用的ではありません。
どういうセンスで新しい画面を製作してくれるのか楽しみです。
変圧器は二次側を開放しても一次側の充電を止めないと無負荷損
があり、特に合計3000KVA分となると業者の話では年間100万円
以上お金を捨てる事になるとの回答でした。
休止とするので変圧器一次側と二次側のDSは開放、当然VCBも
引き出し位置としますから動作上の問題はありません。
ただそうなると特高変圧器二次側電圧を監視してるUVRが動作し
中央監視PCへ変圧器停電警報が出たままとなるのです。
各特高変圧器二次側はUVRかOCRが動作すると二次VCBトリップ
と中央監視へ故障警報を送る回路構成になっています。
(図面を読めないで電気主任技術者というエンジニアは名乗れ
ないのでこの程度は読める様に勉強しておきましょう)
一番簡単な回避方法はPC側で信号を無効にすればいいけど無用な
現場回路を動作させたままにするのはトラブルの元なのでこの位置
で外す様に業者には指示しました。
やはりこの部分までは業者も考えていませんでした。
こういう配線はターミナルで受けているので直接に27X-R11の1番端子
ではなくそこにつながるターミナルの端子上での作業。(一覧表で確認)
そこから同じ27R12につながるターミナル端子にブランチさせるはず
なので結局27-R1(UVR)からの入力線を1歩本抜けばいいだけです。
非常用発電機は受電UVRからなので変圧器VCBをトリップさせるUVR
が動作しても発電機が稼動する事はありません。
もっともこれは停電時に動作する一連の停電時動作ではあります。
業者から電力に送電停止手続の話があったのですがこの特高回線
は違うビルとの共用なのでこちらの都合で簡単に"止めてください"
はできないのです。
通常の停電作業ではそのビルの電気主任と相談して毎年同じ日に
停電しています。
変圧器工事に当たりメインVCBを切って責任分解点のDSを開放
しておけば変電所の送電まで止めてもらう必要はありません。
(DSは電流さえ0ならば22000Vがあろうが開放させても大スパーク
などの大事故にはなりません)
逆にその事故を起こして亡くなった電気事故報告を読んだ事がある
ので★裸で電流を遮断しない★は電気の基本です。下DS基本操作
私が管理してる現場変圧器の二次側のDSはVCBが切れてないとDS
切れないインターロック式ですがそうでないケースはどこの現場でも
あるのでその場合は特に上の基本手順は意識してください。
ここの責任分解点DSもそうではないためその取替工事では152Rを
切ったら"152R VCB切りよし"と声を出し、指差し確認次は電流計0
を確認してからDS開放をし終了後に電力会社に報告します。
★自分の声を聞く事で自分が今何をしてるか認識できる★集中したい
からと無言無口で起こす行動は私的には間違いの元ですね。
以前過去記事で説明したインターロック式DS操作からの抜粋ですが
VCBがONですと写真のロックピンが出たままとなり引っ込まないため
レバー操作ができないため電流が流れてる状態でDS開放をする誤
操作を防止します。(人の腕力で投入、遮断が可能)
これは3極が同時に投入、遮断されるので1本づつブレード操作する
必要はありません。(LBSと同じ)
写真の場合は切から入操作だけど入から切操作ならこの逆操作です。
撮影の時この盤は停電してたのですが実務は絶縁手袋と電気
ヘルメット着用で作業はします。上DS操作も同じ!
"入から切"が"切から入"より力が少しいるので最初あれ変?とは
思わないでください。でも女の私でもできるので大丈夫です。
前に受電設備の修理をする時に完全に需要家内での作業で責任分解点
上でも電力側にかからないなら許可は必要ない。と言われたので文書で
工事内容をmailで担当者に伝えて作業の前と後で電話報告のみで
行った事があります。今回もそうします。
受電点DSを開放してるので工事期間中の波及事故はありえません。
通常の停電作業では一旦変電所からの電気を止めてからの再送電
なので甲種接地の取付や復電に辺り受電点のDSやVCB投入まで
指示を受けますがこの方法では電力側の操作は発生しません。
ただ需要家としてどうしても電気を止めて作業したいなら申請を出
せば送電停止は可能ですし料金などはかかりません。
その場合は通常の停電作業と同じ様に電力会社から操作表が発行
されるので受電点のDSやVCB操作指揮権はこちらはなくなります。
ただハード面の対策だけでなく絶対に間違えてはいけない操作
は一人の人間だけしかしてはいけない事にします。
工事が終了したら152R二次側でメガを行い接続に辺り問題がないか
確認、DS以外のVCBはOFF状態であるのを確認してから責任分解点
DS投入⇒152R_VCB投入⇒NO3一次側DS投入⇒152R3_VCB投入
⇒NO3二次側DS投入⇒NO3変圧器二次側VCB投入⇒6600Vが各
VCB一次側に受電される⇒順次VCB投入という投入操作をします。
152R3のVCBがあるので事前にNO3変圧器一次二次DSを投入して
おいても問題はありません。
もし将来NO1とNO2変圧器も生かす場合は今回一次側DSを開放
してるのとNO3変圧器の様に一次側にVCBがないので一旦152Rを
切り全停電させてからでないとDS投入してはいけません。
DSはブレードを1本ずつ挿入しますよね?こういう状態になれば
短絡するので全停電が必要となるのです。
上のNO3変圧器充電操作でも152R3_VCBを先に投入してNO3
一次側DS投入を投入したら短絡しますからそれだけは禁止!
VCBはすべての線に同時に電圧がかかるので単相投入はない
最初の設計者はNO3変圧器のみ負荷増加によりいつでも追加
できる様に一次側にVCBを設置したのです。
初めてこの現場に来てスケルトンを見た時になぜNO3変圧器
だけ一次側にVCBがあるのか不思議に思いましたが自分が電源
を投入するのをシュミレーションしたらすぐ答はわかりました。
DSは充電されていても投入には問題はありません。
ですがその二次側は開放状態である事は電気の大原則です。
★それが無理ならば一次側を停電させてから行います★
変圧器上にはLBSがありますが年に数回電気室でDS棒で操作
する事が電気主任になったらあります。
一番多いのがテナントでの業務用エアコン設置により空回路がなく
増設する時には配給元の変圧器を停電させないといけません。
LBSはDSと違い負荷電流状態の遮断ができます。
ですから高圧交流負荷開閉器というわけでそれでも通常はMCB
をすべて切り最後にLBSを遮断してる人がほとんどでしょうね。
操作は女子にも可能な物で1回練習したら誰でもできるでしょう。
これはDSと逆で"入から切"より"切から入"で力が少し必要です。
2m程度の高さに設置してあり30cm位手前から体重を乗せながら
グットと押し込めば投入できます。ただ1回は実技練習は必要です。
物を伝える上で力加減というのは文字では伝えられないから!
下は私が管理する第3電気室にある3φ500KVA変圧器用LBS
このPFは変圧器二次側負荷の影響では溶断しない、変圧器内部
異常~LBS二次側の保護用でつまり変圧器本体異常時に電源
即時遮断が取付目的の高圧機器です。