空調機などの自動制御盤はどこの現場でも業者契約してますが
電灯盤や動力盤まではされてないケースが多いと思います。
動力盤の中にあるのは運転回路の事であくまでモーター運転
に関する制御です。
そういう点で動力盤故障ではその現場の電気主任にまず故障連絡
が来るので適切な対応をしなければなりません。(休日でも!)
これが通称BLACK BOXと言うのですね。
今回このブログ記事のためBLACk BOX中身を取り出してみました。
回路を見ていてわかったのはこの基板には外部と接続される制御リレー
接点が5個ありました。
基板にRYと記載ありそれはすぐわかりました、、そこからパターン
をたどると端子番号の意味がある程度わかります。
モーター発停、電流表示、異常トリップ、中央監視PCとの連絡をこの
1枚の基板で行うので全体回路は基板とマグネットなるシンプルな作り。
もし中央PCから遠隔温度設定までできるなら基板がもう1枚以上
は増えるのでその辺は現場しだいですね。
ソケットは使用されずガチ緻密にハンダ処理されたこういう状態
の物は修理は困難と言うより無理と私は思いました。
基板上の難解な素子(LSI)の動作なんてわからなくもいいのです。
どうせわかっても何もできないのですから!
ただ外部とのつながりがわかるとその基板がどういう動作をしてる
のか見当がつくのです。
カプラーの正面から見た接続レイアウトですが回路のパターン
を見ていて私なりにわかった内容です。
この回路は切替する事で直入れやスターデルタ起動が自由に
選べるマルチユニットなのです。
正常時は緑表示で回路に異常が発生したら赤表示となります。
とにかく起動しない、停止しない、自動でも手動でもまったく操作
が急に無効となった、停止中なのに異常警報が出るなどの異常時
では本体を無条件で交換すればいいのです。
取替後に正面パネルから異常時のトリップ動作電流値を設定して
完了となります。(3Eリレーによるモータ保護設定)
回路図とカプラー端子番号はこう対応していますがここまで比較
して見るとよくわかると思います。
(上カプラーは上段の右からが1番端子になっています。)
スターデルタ起動ですが1番がメイン、2番がスター、3番はデルタ
の各マグネットのコイルをONしてるのがわかると思います。
下の様な回路図だけ勉強してもわかってる様でわかりませんが
実際の基盤回路と対応した知識なら応用も効くはずです。
電気主任技術者を目指す人はこういう電気回路に興味が
あると思うので物があるなら中を一度は確認しましょう!
ただシーケンス部分が1枚の基板上で電子的に行われるのだから
故障時に部品がないと致命的と言えます。
直入れならマグネットのコイルに直に200Vをかけて仮起動
はできますがスターデルタは実線がないので何もできません。
以上は1個のモーターを運転させるだけの基板だけどこれが
水槽の自動交互運転ならNO1ポンプ、NO2ポンプ、電極制御用
の3個の基板で1セットとなります。
ただこうしたユニット(基板)の動作に疑問がありメーカーに質問
しても工場の技術者しか詳しい事はわかりません。
電話してくる業者のメンテナンスマンはただ交換という次元で私と
そう大差ないかもしれません?
ただ交換してマニアルに従い設定入力するだけなら私でもできます。
在庫調査したら一番使用されてるKS-1という基盤がないので
在庫リストをすべて一覧にして会社に提出しました。
これをメーカーに送り適当な数を購入しないといけません。
必要な部品の在庫管理は電気主任技術者にとっても大切な
お仕事の一つです。
物がなければ誰がしても満足な対応なんてできないのですから!
もし朝、空調機が動かせない時は電気主任としてどういう対応を
したらいいのか?現場に着任したらそこの作りを研究して対策は
持っておかないといけません。
業者に電話すれば?家の家電が壊れたわけにはいきません。
夏場なら利用者から苦情は来るしオーナーにも説明も必要で業者
が後で来るにしてもそれまで何もできない。というのは技術者として
失格だし、資格だけか?と嫌味を言われても仕方ありません。
又何もしてない現場は前任者から何もされてないでしょうね。
ただ設備が老朽化すると自分が電気主任になったとたんにそうした
故障が頻発する事もありえ今まで何もなかったからこれからも!
はヤバイと思います。
私が物の寿命を人に説明する時に使う言葉にバスタブ曲線と
いうのがあります。
これは新品の時は初期故障の可能性が高く、それを過ぎると長く
安定した期間があり更に時間経過するとある時から寿命となり
故障が頻発するという万物の定理です。
ですから予備保全としては後半の曲線が跳ね上がる前に更新
すべきで今日大丈夫だから明日も大丈夫という考えは通用しません。
これは知っておくと便利なのでぜひ記憶されておいてね。
今回説明した基板制御の運転回路はその基板の各パーツの何
かが故障すればTHE ENDとなります。
こういう表から推測すると最大で基板制御は15年が限界
と私個人は思っています。
個人的には昔のマグネット、リレー、タイマーなど各単品のパーツ
で構成されたシーケンス回路が途中小さな部品交換しながらも
一番長く使用できますが築10年以内の現場では基板制御の
動力盤がほとんどでしょう。
私が勤務するビルのテナントから蛍光灯は本当に使えなくなるのか?
と問合せがありました。
照明器具を更新する予定らしいけど蛍光灯器具の方が安いというのが
理由らしいですね。ただメーカーは蛍光灯の各機種事に生産中止を少し
つづ発表しています。
2020年に国が生産も輸入も一切禁止を本当にするかしないかの前に
製造側がどんどんLED化をしていく以上は数年後には入手が困難になる
と見てLEDへの更新計画を進めていくべきです。
ただオーナー側にとっては相応の負担が発生するので今から段階的に
建物照明器具のLED化を進めていく必要があると思います。
最近会社が前に契約していた照明ランプの販売代理店が倒産しました。
つまりは蛍光灯は全体として間違いなく売れなくなっているんです。
私が勤務するビルでも昨年ビルの80%がLED化となり蛍光灯購入が
激減したのは事実ですし、残りも順次LEDに変更中です。
売れない物はなお更製造したくない、販売したくないと考えるのは当然
で製造側、販売側もこの流れに乗れないと倒産、廃業となるケースも
あるので死活問題、もうこれは買う側だけの問題ではないのです。
そして2020年を待たず蛍光灯は市場から姿を消すと私は思っています。
(テレビが好むと好まざるに関係なく一斉に地デジになったのと同じ)
下は広島でのLED導入に関しての補助金制度で全国自治体に応じて
異なる状態ですが会社とかマンションでも管理組合単位です。
個人においての補助金が制度的に難しいならば2020年まではLED
価格を半額とか国の負担でしてほしいですね。
家の中の蛍光灯をすべてLEDにしたら最低数万円はかかります。
ですが蛍光灯撤廃の流れは時代の流れだから個人も企業もLED化
していくしかありません。
現場の電気主任技術者においても今後無関心ではいれません!
ビルでは全体で最低1千万円以上は費用がかかる工事となります。
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