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自動交互運転するポンプのNO1が自動でも手動でも起動
しないと夜勤者から報告があったの
過電流でTHR動作、短絡でMCBが切れたら中央監視へ警報が
来ますが今回は一切そうした故障信号は発生していないのです。
尚NO2ポンプマグネットは接点が劣化して単相運転をしたため
私が以前交換したのですが今回はまったく動作しないので
マグネットもまず関係ないと最初の話を聞いた段階で思いました。
(もし稀な励磁コイル断線ならNO1マグネットも交換が必要)
NO2ポンプマグネットは在庫に既存5.5KWと同じ物がなく大き目
の11KWの負荷まで対応できる物で代用しましたがこういう場合
の注意点を最後に述べます。
まずシーケンスで動作検証をするのが電気主任的な思考です。
昔はリレー、タイマーで組んであったのが基盤で電子化されていて
動作説明として動作イメージ図はあるけど実配線はありません。
ですから昔のタイプの様に回路の一部に細工をできる余地は
この方式ではほとんどありません。
ただ電子制御ユニット方式では基盤かマグネットのどちらかを
交換すれば故障時は対応できます。
つまりここで確認しなければいけないのは基盤からマグネット
の励磁コイルに200Vが印加されるかと言う事です。
手動モードにして運転操作をした時にマグネットの励磁コイル電圧
を測定したところ0Vでした。
つまり今回の故障は基盤が不良なので基盤交換が必要となります。
尚、基盤を開けて修理するのはこれの専門電子技術者でないと
現場では不可能です。
逆に電圧が200Vあるならマグネット取替を行うしかありません。
電圧が励磁コイルに200V印可されてるのに未動作はコイル断線!
マグネットの接点不良で起動時に短絡現象(単相運転)が発生する
場合は一旦投入され即トリップして切れる事となります。
起動前から接点不良で三相が単相状態では短絡となるのでその
場合にマグネット交換せず、再起動させたらモーターを焼きますよ。
焼いたら業者にモーター交換してもらうのに水中ポンプでしたら50万円
は工賃込でかかります。
後で事故報告書を書くのに電気主任の操作でそうなったのが原因
なら始末書は最低覚悟する事となるため注意をする事!
会社は損害を与えたら事故報告書を提出しなければいけません。
だって資格者なのですからそれは当然なのです。
一般の方は故意でなければ責任を問われませんが資格者は
故意でなくても操作間違いがあれば責任を追及されます。
基盤交換は中央監視との接続コネクタを外し、取付ネジを緩める
だけで誰でも交換はできます。
(接続コネクタを外す時は必ず基盤への制御電源を切る)
取替終了、コネクタ接続後に制御電源投入を行います。
思わない大きな逆起電力でも発生してつながる中央監視側に
被害が出る事を懸念するからです。
そういう被害想定の予感を電気を扱う人は感じるセンスが大切!
取付後に正面パネルから過電流時の動作Aの設定を行います。
とにかく基盤となるとメーカーがしても新品交換して終わりです。
こういうのは修理してもらう方が逆に人件費で高くつくわけで
実際点検に来たサービスマン程度では修理不能で工場に送り
そこでの修理という手間な事となります。
又その間はポンプを運転できない事を考えたら基盤は故障したら
即交換するのが一番いいのです。
そのためには事前にメーカーから購入しておく必要があります。
昔のマグネット、リレー、タイマーで構成されるシーケンスの方
が私は好きなのですが最近はほとんどがこういう方式なのです。
この回路は水槽制御を基板を通じておこなうため基盤が必要
だけど排気ファンの様にただ起動さえすればいいだけならば
基盤在庫がない場合マグネットの基盤からの励磁コイルの2線
を外して代わりにMCBの二次側から直に200Vを励磁コイルに
接続させたらMCBの手動投入で起動は応急的にはできます。
停止はMCBを手動で切ればいいのです。
尚、異常信号が中央監視に出たらいけないため基盤の接続
コネクタも外しておきます。
つまり中央監視との接続を切り、手動でマグネットを動かします。
厨房設備では排気ができないと火が使えないのでサーマルが
ないMCBの直接続が問題ないのか?を言ってる余裕はないのです。
気の短い店長とかでは設備室に怒鳴り込んでくるかもしれません。
又営業できないためオーナーが売上げ弁償という問題もでます。
ただ7.5KW以上になるとスターデルタとなりこの方法は無理なので
そうした回路の電子基板ユニットは必ずそろえておきます。
こういう現場の事情は電気主任しかわからないので必要な部品
はリストにして購入願いを事故発生する前に会社に報告しておか
ないとこれは人災だと言われてしまうかもしれません!
これは自動制御の業者範疇では?と思われるかもしれませんが
ビルで業者がする自動制御点検は空調設備、熱源設備のみで
動力盤内部についてはほとんどの現場は電気主任技術者の対応
範囲だと思います。
だから今回程度はどこの現場の電気主任でもされています。
尚、今回対象サイズのマグネット交換程度は必ずできる様に
現場着任したら練習しておきましょう。
基盤が正常でマグネット故障の場合もありますからね。
マグネットはどこのメーカーのでも代替使用は可能だけど
マグネットの容量KWが異なると電線の取付端子サイズが異なります。
5.5KWマグネットの電線取付端子では11KWマグネットの端子ビス
が穴が小さくて通らないのです。
ただ電気的には11KWマグネットを5.5KWマグネットの代用にする事
は問題はありませんから、取付端子取替ができるならそれもありです。
又メーカーが異なると同じ端子配置でもa接点、b接点が逆の
場合もあるのでその辺の確認も必要となります。
後物の大きさが少し違い本体取付穴が合わないために盤に穴開け作業
が発生します。(盤に固定できないと使用できません)
以上の事から
同じメーカー、型番の部品で取替作業するのが最短で作業可能です。
それと基盤は中央監視装置との相性があるので必ず同一製品でないと
いけませし、まず動作しないでしょう。
最後にもう一つ教えてあげるとモーターを交換する場合に
省エネタイプのトップランナーのモーターを選択する場合
これはコイル抵抗を少なくする事で省エネとなるのですが逆に起動電流
が増えます。
既存の一般モーター回路ではモーターだけをそれにする場合マグネット
やMCBに無理がかからないかの検証が必要です。
トップランナーという言葉は最近よく業者との話でも出るので現場電気
主任技術者は知っておきましょう。
テナントさんから休憩室のコンセントが煩雑で綺麗にしてほしい
と要望があったのでサービスで綺麗にしてあげました。
接続機器数が多いため2個のコンセントを使用しました。
こういうコンクリ壁付作業もあるのでドリルの使い方も練習
してできる様にしておかないといけません。
私は22000V~100Vまで扱う電気主任技術者なのですから
身近な相談も受ける義務があるのです。