2016年5月22日日曜日

非常用発電機故障etc

自家発電機から運転中でもないのにシーケンサ異常という警報
がいきなり出た。
これはいろんな複雑なパーツで構成されてるので現場で修理
できるというのはまず難しいでしょう。
これはメンテナンス契約してるので業者を呼ぶのだけど業者に
電話しても現場で調査しないとわからない

とは言っても私の性格上いじってみたいのでシーケンス上で
この警報の出所をまず回路図で調べたみた。
あここね!とまず確認、シーケンサ異常とあるでしょう
JTB6-3の系統だというのがわかるでしょう?
このつながりをずっと図面上で追っていけばいいの
補足だけどCVVとは制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル
という制御信号用でよく見る記号なので覚えておくといいよ。
下の場合だと10心ケーブル(つまり10本中に線がある)
その中の線の大きさを表すのが0.5(断面積)なんだよ。

これが発電機のコントロール盤で通常は全自動にしておけば停電に
なるとUVR(不足電圧)の動作を起点に発電機が自動運転して
発電機遮断器52Gも投入されるので、何もする事はありません。
どこの現場でも月に1~2回無負荷で試運転(5~10分)をします。
パネル操作で全自動から手動にして起動を押すだけで起動開始。
ただガスエンジンと違いディーゼルはガチに大きな音がします。
周波数や電圧を手動で調整する事はまずないけどこの発電機は
停電後負荷送電時に周波数が58Hz以上にならないと遮断器が
投入されない様になっています。(広島は60Hz地域)

周波数が低い状態で送電するとモーターの回転数まで落ちる。
発電機で送電する場合は電圧が規定値あるだけではダメ!
特に消防用ポンプではモーター回転数低下で水圧が上昇しない
のは防災上にも問題でしょう?
ただモーターは50と60Hz共用のため60Hz地域なら50Hz低下
までならモーターには影響はありません。
又売電受電中は52Rとインターロックになっているので遮断器
52Gは投入しようとしても操作できません。(どこの現場でも)
つまり水抵抗器などの負荷試験機がある現場以外では通常は
無負荷運転を発電機の試運転と言うのです。
長時間無負荷運転はエンジンに好ましくなく10分程度でね!
ディーゼルを1時間も無負荷運転するのは止めましょう。

イザで周波数が55Hzしか出ないというのはエンジン回転数が
規定まで上昇しないわけだからこの程度なら周波数を手動で
増させするとガバナ(エンジンの回転制御する)により回転数
が上昇して周波数が上がります。ただこれは応急処置
私は発電機を運転する時は電圧より周波数をいつも
気にしています。
上の場合なら周波数増をタッチパネルすればいいのです。
(ガバナ故障に至るとそれすら受付けず修理してもらうしかない)

発電機周波数はエンジン回転数と比例してるので周波数が
微妙にぶれてる時はやはりエンジン回転数も同様で機械的な
制御に不調があるのでメンテ業者に連絡しましょう!
起動電圧確立後に30秒間周波数を見ていて周波数が規定値で
一定なら発電機とエンジンの調子はたいてい大丈夫です。
通常こういうエンジン回転数は1800rpmで正常なら5rpmも変動
する事はありません。

エンジンオイルはヒーターが常時ONでいつも適正な粘度で
起動前にレベルゲージで車と同じ用に量だけ確認します。
水は非常用の場合は自家発水槽を循環しているので起動後
に水圧に注意されてください。
尚水源が機械より下にあるため呼水槽というのがあるので
水の起動前の確認としてはこれの水位が正常か?
消防ポンプの呼水槽みたいに低水位警報があるなら優秀。
後最初の電圧確立時にDC電源が必要なので(初期励磁)
発電機盤内にバッテリーからというMCBがあるからそこが
規定値以上の電圧があるか確認すれば起動前確認は万全!
たぶん他現場も電気室のDC100V盤から来てると思います。
発電機試運転時はテスターとウエスを準備

私がいつも胸のポケットに入れてる物を見せてあげる。

①検電器
今時こんなネオンタイプのなんてと思われますか?
もちろん職場には非接触式の被覆の上から検電できる物は
あるけどあれは単線の電圧チェックには有効だけど混雑した
配線部分では誘導を拾う可能性がある。
感度0にして使うならネオンタイプの方が直に電圧をかけて
検電するのだから確実に自分の安全を知れるでしょ?
後これは電圧によって明るさが微妙に変化するから慣れて
くると100Vか200Vの違いまでわかるの
前モーターがおかしい時にMG二次側のS相だけ少し暗いのを
発見してすぐテスターで計測したら200Vあるはずが140Vしか
なく結局そのモーターはMG不良で不平衡運転をしていました。

テスターと違い1点に触れるだけでわかるのがいいよね?
ただAC制御回路でもトランスで電圧変換してる回路は非接地
になるため検電器は使えないので注意してね。
当たり前だけどDC回路にも検電器は反応しません!
電気を知ってる貴方ならわかってると思うけど....

②先の細いドライバー
MG取替、電気工事をする以外ではこの大きさの物が電気だけ
でなく設備管理には一番重宝するんだよ。
特にマイナスは物を開けたり、細工をする時に欠かせません。
テープを巻いてるのはたまに活線で触りたい時があるから
その時に金属部分が他の充電部に触れないため。
教科書的にはいけないんだけど装置を停止させるのは基本
できないからあくまで私の自己責任でしています。

③非接触式温度計
実はこれ彩音が料理に使うのに買っていた物でモーターや
電気機器の温度を計測するのにもとても便利。
職場にあるレーザー式のだと常時携帯するのは大き過ぎ!
価格はたぶん3000円程度でぜひ貴方にもお勧めです。
10℃半減説というのを聞いた事ある?
電気機器というのは使用温度が10°上昇すると寿命が半減
するという話で私は父から教わりました。
だから今の温度を知るというのは電気主任技術者にとっても
大切な事なんだよ。

あれ?いつもよりこのモーター熱いのでは?と思う時はなんとなく
大丈夫ではなくデーターで判定しましょう。
どんなに熱くても貴方が我慢してでも触れていれるなら50℃
その程度ではモーターとか絶対に壊れません。
屋外にあるモーターなら表面温度は40℃程度、屋内なら50~60℃
少し熱いので80℃のがまれにある....だいたいどこの現場も
こんな感じでしょうね。

熱過ぎるモーターでは絶縁種別をプレートで確認しましょう。
Y、A、E、B、F、H、Cのどれかが書いてあります。
この値は現場電気主任技術者の常識知識です。

たとえばEなら120℃が限界だからモーター表面では少し下がる。
業者に聞いたら20℃位下がると教えてくれたのでそれなら100℃が限界
前にある空調モーターが95℃まで上昇して交換を手配したんだけど
納期までに3日かかるという状況!
私もここまで温度が上がったモーターを見たのは初めてでSTOP
させたいのが本音だけどでもテナントに迷惑がかかる。
電気主任技術者の私が判断しないといけません。
係長に結局は"大丈夫だから3日間は運転しましょう"と進言!
当然その根拠を質問されますからこう説明しました。
こういう限界状態では業者はもしもの時に責任を追及されるので
そうですね!程度しかアドバイスはくれませんが気持はわかるよ。
結局はどうするのかの判断は電気主任技術者に委ねられます。

一応清掃の人に大型扇風機を借りてきて24時間風を当てたりし
3日間温度が100℃を超える事ありませんでした。
ただこのモーターの絶縁種別がAだったらヤバいと思う。
105-20=85℃だから95℃では限界を超えてるから絶縁が焼けて
モーターがじきに短絡するでしょう!
モーターはオーバーホール(OH)しても新品を購入しても驚くほど
に価格差はないんです。
15年以上経過してる物は整備より即交換がいいと思う。
OHしても絶対に新品の様に性能は向上はしません!(人間と同じ)
それにOHは取外し後工場に移送して整備後に再取付となるので
その設備の使用停止期間が長くなるのが客商売では無理!

私の経験上、空調機などではEタイプのモーターが多いので
ビルにあるモーターでは理論上は表面で100℃が限界で85℃
は経過観察、95℃に近くなるなら取替等を検討が私の判断方法。
後スポットクラーなどで冷た過ぎる空気を当てるのはやめましょう。
あの結露が発生する可能性があると思う。
冷えてもモーター内部に水滴が発生してしまうとよけいにヤバいよ。