2016年5月10日火曜日

電気主任技術者 書類整理


電気主任技術者自主点検、業者点検、電気工事など保管すべき
書類はたくさんありますが抜粋して誰が見ても普段の管理状況
がわかる代表的ファイルは必ず別に作りましょう。
つまりいつでも自分の仕事ぶりをを示せる物は大切なんです。
上司から"どういう管理をしてるのか見せてほしい"は時々あるし
書類整理ができてないと管理能力を上司から疑問視されるので
整理整頓はお仕事の基本です。
主任⇒係長⇒課長と昇進する上でも事務処理能力がないと昇進
するための上司の推薦は得られないでしょう。
役職が上がらないとお給料はたいして上がらないのが会社組織です。

これらは★最低基準でこの程度は必要という意味です。
まず私は全体を6パートに分けています。
パート1は保安規定、オーナー会社との契約書、電力会社との
受給契約など契約に関する重要書類です。
これら契約によりお仕事をするのですから電気に係わる項目
について電気主任はすべて暗記しておきましょう。
事故発生で立入検査が発生したら必ず最初に保安規定の内容
を実施し記録としてあるかを調べられるので保安規定の特に
点検義務内容についてはよく確認しておく事!
保安規定など見た事もなく大昔の大先輩が作成した自己流の
自主保安体制でずっと今もしてるとしたらヤバイかもしれません?

パート2は電気主任技術者の選任届、電気関係免状など
その電気主任の雇用のされ方などを示す物となります。
私の様にオーナー会社への出向社員となっている立場では
尚更そういう事が明記してある書面は大切になります。
免状はここにはカラーコピーで構いませんが最初の時だけ
実物を会社に提出します。(偽造など不正の有無確認のため)

パート3は日常点検のdataを使いたとえば月の変圧器の
最高温度の過去1年の変化や電流の変化、デマンドなど
その建物の電気の使われ方を明確にします。
日常点検の数字を他人が見てもつながりがわからない
のでは見せる意味がありません。
ある意味ここが一番その現場の電気主任の考え方や着眼点
の見せ場なのでよく研究されその現場状況に合った資料を
作成します。ただ記録を取るだけなら誰でもできますよ。
更に省エネのきっかけが見える内容なら言う事はありません。
(資料作成のためのエクセルの操作は電気主任なら常識)

前年度の月例点検結果
私が点検して補助者が記録するというスタイルです。
保安規定を遵守して通達を反映した内容ならば電気主任が自由
に変更して新規に作成しても構いません。
私は前任者が退職した時に月、年点検書式などすべて私流に変更
しました。
ただ変更時は直属の上司(係長)に内容を報告をするのは常識です。
上司が知らない方法で無断作業するのは会社組織では許されません。
又事故が起きて立入り検査時はこれも第三者によるCHECK項目と
なるため相応の文章力のある方に不慣れな方は見てもらう事!
けして面倒だから自分の都合で簡素化するという物であっては
いけません。

絶縁測定義務
保安規定に記載されてるのですからI0rの有効性は別にして
原則すべて行わないといけません。
ただどうしても電路を停電することができない場合においては
電技解釈第14条1項において漏洩電流が1mA以下の場合は
絶縁性能が保たれていると判断できます。
停電時に絶縁測定をするのが面倒なので代わりに漏洩電流
で測定すれば保安規定にある絶縁測定義務がすべて免除
されると考えるのは間違いです。

絶縁抵抗値の書き方で∞という書き方をする方がいますがそれは
その測定器で測定不能と言うだけで∞なる抵抗を持つ電線なんて
実際存在しません。(100Vメガならば20MΩが最大有効指示)
今更だけど対地電圧150Vが絶縁基準0.1と0.2MΩの分岐点
だけどその意味を本当に理解できていますか?
単相三線式TRの200Vの対地電圧は100Vなので0.1MΩ以上
でも単相二線式TRの200Vなら対地電圧は200Vで0.2MΩ以上。
私が勤務するビルの三相200V変圧器二次側はデルタS相接地
なので対地電圧S-Eは0VでもR-E、T-Eは200Vのため絶縁抵抗
は0.2MΩ以上となります。
下で三線線間電圧すべて200VでもKさんがS相に限り触れても感電
しないのは対地電圧0Vだから、でも他相は対地電圧200Vで感電します。

これが変圧器二次側がスター結線なら対地電圧は三相すべて
200÷√3で115Vですから絶縁抵抗は0.1MΩ以上で良い事になります。
ただ上と同じ事をしてS相に触れると対地電圧115Vで感電します。
触れた時の危険度は線間電圧ではなく対地電圧、だから絶縁抵抗
は対地電圧を基準に絶縁値を設定しているのです。
現場での電気安全では対地電圧への注意が必要となります。
又対地電圧は同じ線間電圧でも変圧器二次側結線種類により違うのです。
こういう事は現場に着任しないと気がつけないと思います。

年次点検関係(業者点検)
点検結果報告書に指摘事項がある場合は必ず赤字でどう対応したか
手書きでもいいから記載しておく事。
オーナーに至急報告を行い修理対応が必要ですが報告して終わり
ではなくそれが成されるまでが義務ですよ。
業者が点検したと言っても貴方の代理でしたわけで総合的にそれら
を見ての判断は電気主任技術者の義務です。
必要なら業者と打合せを行い対策を検証しオーナーに提言する事
後でどう対応したのかわからない、そのまま何もしてなくそれで重大
なトラブルでもなれば電気主任技術者の責任を問われてしまいます。
責任とはその会社の就業規則により減給とか最悪は電気主任解任!
年次点検での不良は受変電設備のため重大故障となる可能性が
あるので結果に対しては特に敏感でいてください。


受変電設備のスケルトン図面を完全に理解してないと年次点検
の結果を読んでもどこの何かがまずわかりません。
電気主任として着任したら受変電設備のスケルトン図面をまず
勉強され又現地でもわかる様に現場もよく研究しておきましょう。
図面はわかるが現場がわからないでも困りますから!

以上がパート3の内容です。
パート4とパート5で更に過去2年分の同じ書類を入れます。
パート6には技術資料として貴方の現場において必要と思われる
資料などを入れます。
電気主任が保安規定にもとづき実施した過去の保安教育は
別ファイルにしてもいいけど日時、教育内容は一覧にして
別表にして保存しておくのも忘れてはいけません。

工事関係書類は別ファイルにしておけばいいと思います。
自分でした物、業者がした物を含めていつ問われてもすぐに出せ自分
でも確認できる様にしておくのがお仕事の流儀です。
前述の作成したファイルと並べて保管しておきましょう。
自主保安体制であるためだらしない管理状況でも電気主任として
働けてる現場
は多数あると思いますが貴方だけは三流電気主任
にはならないでね。
何かで立入検査となれば不適合となる現場はきっと相当数あるでしょう。

3年より古い書類は地下倉庫にありますが3年未満の電気に関する
各書類はこうして私は管理しています。
ただどう管理をしてるのか?と急に言われてすべての書類を出す
わけにもいかないため自分が義務として行う内容だけは1個にして
一番左位置に常に置いておけばいいのです。
どこにあるかわからずあちこち散乱させて過去書類を探す様では
実務の方もいいかげん?
と思われても仕方ありません。
会社での人の評価ってそういう物なんです。

現場での実務能力、書類管理能力、お仕事や人への気配りこれらが
電気主任として必要な資質です。
免許資格があってもこれらのどれかが欠けたら職場での満足な信頼
を得る事はできません!(単なる資格マニアではダメです)
難しい電気の理屈なんて電気主任が知っておけばいいだけでその他
の方の評価というのは当たり前の事がきちんとできてるか?です。
万物の法則ですべての物事は時間経過と共に無秩序となる!
だから現状に流されてると容易には修正できなくなるのです。
そうならない様に担当者だけは常にCHECKと改善の意識は必要!
ただ保安規定、オーナー会社との契約で指示されてる事項について
の変更は電気主任技術者であってもできません。