2016年4月29日金曜日

電気主任技術者 電力用コンデンサー

受電力率を100%前後にするのが一番効率が良くこういう設備を
使用して操作する代わりに電力料金の割引をしてもらってるの
でどこの現場(工場やビル)でもしています。
(各需要家が適正に受電力率を管理する事で電力会社も配給
負担を減らせます。)
たとえば下は現在50Kvarほどコンデンサーの投入が必要と
いうのを意味しています。

そこで115Kvarのコンデンサーを切り、172Kvarを投入すると
受電無効電力は0kvarとなりました。こういう操作を力率改善
と言うのです。
コンデンサーは変圧器二次側6600V側ですがここを力率改善
すれば22000V受電側も改善されるのはわかると思います。
遅れ無効電力量計はMOFのとこで積算されてるのでコンデンサー
投入をあまり怠ると当月の基本料金が高くなる
ため会社から
なぜか理由を問われるはめになります。
受電力率が電力量計積算値で99%となると100%の時より請求
基本料金は該当月のみ高くなる(割引率が下がるため)。

わかってると思いますがコンデンサーは無効電力負荷だから
これの入れ過ぎ、不足で電力KWは影響受けません!
又中央監視PCに表示されてる値は10秒に1回更新とかの
ため何かの操作をしても即時更新されずタイムラグあります。

中央監視PCの設定には力率改善制御設定という項目があり通常
はここで設定をすれば自動で投入と遮断がなされます。

これが現場の状態で電源⇒直列リアクトル⇒電力用コンデンサー
の流れで接続されています。
直列リアクトルはコンデンサー投入時の突入電流防止と高調波抑制
が目的でとにかくこれらはセットで使用されます。
現場でも操作できますが通常遠隔操作で中央監視室にて行います。

コンデンサーが中央監視室の遠隔操作で入らないとします。
まず回路に関係する異常警報が出てないか確認
出てるならばヒューズ(PF)、コンデンサー(SC)、リアクトル(SR)が
故障状態でそれを修理しない限りこの回路は使用禁止です。
・コンデンサー異常とはコンデンサーの箱内部の圧力が異常上昇した
時に動作する圧力接点の事です。
・リアクトル異常とはそれの温度が設定より上昇した場合に動作
する温度接点の事です。
・VCBヒューズとは高圧SWのVCS内部にある電力ヒューズが短絡
により切れた場合に動作する接点です。
これら3個のどれかが動作したら回路上の異常があるので
絶対に電圧をかけれない様にするのが安全回路の役目です。

こういう物が動作する場合、内部が焼損してる可能性もありたぶん
機器一式取替となるのではないでしょうか?
尚異常が発生すると現場盤ではこのどれかが点灯します。
すぐ現場のセレクターを自動⇒手動にして中央監視では操作できない
様にロックしてメーカーを呼んでください。

滅多に故障しませんが過去投入操作ができないでリレーを交換
した事はあります。
その程度の物なら電気主任が自分で調べて交換できても全然
普通ですから私の考え方を紹介します。
何の警報も出てなく機器本体が正常であるのを現地確認できた
ならばシーケンス調査を開始します。

手動投入入りを押すとTM1タイマー接点がONならばSR1X、SC1X
LS2XのB接点を経由してMC1がONする事でコンデンサーが投入される。
一方自動回路は遠隔投入接点CX1のa接点がONする事でTM1タイマー
接点がONならば同じくSR1X、SC1X、LS2XのB接点を経由してMC1が
ONするMC1がONすると赤矢印が示すMC1のa接点がONする事で
自己保持回路となる。

まずコンデンサーが投入されないのはMC1がONしないからに
気がつく事

まず手動投入ボタンでコンデンサーが投入できるかできるならば
SR1X、SC1X、LS2Xのリレーは正常そうなると線番74より上の
自動回路に異常があり。

自動回路②下の自動切りb接点TX1を短絡(ジャンパー)した上で
遠隔投入してみます。
これでも一瞬でも入る気配がなければ遠隔投入a接点CX1を
ジャンパーしてみましょう。
最後にTM1タイマー接点をジャンパーします。
必ずどこかで入るはずで上のどれかが不良。

一瞬でもと言ったのはMC1の自己保持回路があるからで
一旦投入されるのにすぐに切れる場合は自己保持回路MC1の
a接点が不良です。(線番74と79が接続されてる部分)
コンデンサーを切ると真ん中上のVCS-1のb接点がONになる事で
線番81より電圧がかかり切りランプのGL1が点等します。
同時にTM1のタイマーに電圧がかかり一定時間後に左上にある
TM1タイマー接点がONします。
そうこのタイマーは投入状態のコンデンサーを切った後での
即時の連続投入を防止するためにあるんです。

電力コンデンサーは電荷を充電しますが前の投入した時の電荷が
残っていると電源電圧に加算される事で定格より高い電圧が印可
される事で過電流となります。
そのため電圧がなくなると内部にある電荷消費用の抵抗かコイル
で放電を行います。

その間はコンデンサーを投入させない安全回路タイマーがあります。
通常5分程度にされていると思います。

故障部品がわかったならそれを注文してプラグインならその場所の
部品と差し代えるだけです。
配線を外す必要がある時はなれない方は自分で外した配線にテープ
に番号を書いて貼り後で組立てる時にどれがどれ?にならない様に
してください。

★その他補足説明

図面右のB、C、Dは遠隔盤に故障信号を送る接点でE、Fは遠隔盤
より信号を受けて現場のコンデンサーを入切するリレーです。
CX1とTX1リレーのとこにパラでダイオードの記号があるけど
あれは何だと思われます?
あれはこのリレーが切れた時に発生する逆起電力を中央監視
回路に出さないための物で電子回路が絡む場合時々見ます。
つまり異常電圧を閉回路内部で消費する事で外部に出さない
ための物でフリーホイールダイオードと言うそうです。

コンデンサーの電流が電圧より1/2rad位相が進む理由
最終式を電圧瞬時式v=Vmsinωtの式と比較した場合
+1/2radがあるのがわかります。


社内で体制が変化して少しお仕事を愚痴ろうと思ったけど止めました。
愚痴を言葉や文字にする事で一瞬の安堵感はあるかもしれませんが
それは私の資質を下げるだけですよね。
それに何もできないくせに愚痴るだけなんて大人として恥ですから!
嫌なら会社を辞めるしかないのですから残るならば積極的に解決策
や改善を頑張るしかありません。
その時正攻法として継続した事も必ずマイナス要素があり今回は
それが問題になりそうです。
会社で何かの専門担当になるというのは大変だと最近思います。