以前これは記事にしましたが昨日職場の人に勉強会で説明した
のでここでも再度解説をします。
電気回路を読めない人にシーケンスであれこれ説明しても苦手
意識が出ますから最低限確認すべき事だけを職場の仲間に
電気主任として説明すればいいのです。
まずこの回路は面白い回路で既存はスターデルタなのにその
上からインバーター回路が追加されています。
黒い太いケーブルがその回路だけどスターデルタ起動の場合
はこの回路には通電されません。
スターデルタ起動するとメインMGとスターMGがほぼ同時にON
これで電源電圧をルート3分の1で減圧起動です。
(起動電流を制限するための仕組み)
約10秒後にスターMGが切れて即デルタMGがONとなり電源電圧
100%で運転継続をします。
不調の場合はこのマグネットの進行状況をまず確認!
スターMGは一次側が金具で短絡されてるため配線が一次側に
接続されてないのがそれに当たります。
盤によっては必ずしもこういう配置ではありませんから貴方が着任
した現場の動力盤の状況はよく確認されてね。
本でしかスターデルタ回路を知らない人がいきなり現場動力盤を見て
もまず???ですから上の写真で雰囲気を感じください。
次にインバーター回路で運転する場合は前述したメインMGとスターMG
はOFFのままです。
デルタMGのみがON、右にある入力MGと出力MGがONとなり
インバーター起動及び運転継続となります。
(メインMG一次側⇒入力MG⇒INV盤⇒出力MG⇒UVW)
デルタMGのみONとする事でデルタ回路を構成する事になる!
下の様にモーターのUVWとXYZの接続の関係は電気主任だけは
知っておかないといけません。
デルタMGがONにならないとモーター回路を構成しないためINV盤
で出力してもモーターが起動しないのは理解してください。
インバーター起動が不調な場合でもどのパーツが動作していないか
それをまず目視で知る事が大切です。
え?こんなの業者修理でしょう?と思われるかもしれませんが
こういう空調機本体の起動、運転回路は自動制御業者の保守
点検範囲外である現場が多いのです。
空調機本体の起動、運転回路はこの空調機設置工事の時に付属
した設備でダンパーや冷温水の自動制御回路は後から工事されます
起動、運転回路は自動制御業者の製品ではまずありません。
従い空調機が起動しない時点での初期対応は現場の電気主任
となる現場がほとんどだと思います。
もちろんこの空調機メーカーにいきなり連絡する方法もありますが
年間予算外のため急に費用が発生し会社に許可が必要となります。
(メーカーを契約外で呼ぶと人件費がもの凄く高い)
現場で対応できない理由も含め事務的処理が社内で必要になります。
又そういう対応が続くと電話するだけなら電気主任なんて俺でも
できるとか皮肉を言う方が出て来る可能性もあるのです。
(どこの現場にも思ったままをストレートに言う方一人はいます)
ですから休日なら私に電話が来て状況報告を受けないといけない
のですが"ただ動きません!"では私も指示ができません。
メインMGとスターMGまでONとなるがデルタMGまでSTEPしない
という言い方をされたらある程度の故障対応の判断ができ急行したら
即対応ができるわけです。⇒モーター故障対応
貴方が電気主任として現場着任した場合、ある程度ベテランの方には
回路動作の概略を勉強会で伝えておけばお仕事が自分もスムーズです。
前記事で職場の仲間の協力も必要と記事に書いたのはこんな理由。
お互いに信頼関係があれば気持ち良く職場の方も貴方を助けて
くださいます。
普段から人間関係を粗末にして遺恨まで互いに感じてる相手だと
知っていても"電気はわからない"と返答されて終わりで何かに
つけて現場電気主任技術者としての苦悩は絶えません。
又"わからないのはお前の指導が悪いからだ"。と言われても
新米社員が先輩に反論などできるわけもありません。
せっかく着任できた電気主任を辞めるケースのたいていが
こうした人間関係のストレスに心が折れた時でしょう。
★働く上で一番難しいのは実は人の扱い方なんです。★
私も対人関係では相応の我慢と努力を職場ではしています。