自家用電気工作物を設置する者は事業用電気工作物の工事、維持
及び運用に関する保安の監督をさせるため経済産業省令で定める
ところにより、主任技術者免状の交付を受けている者のうちから
主任技術者を選任しなければならない。...この条文の意味は
電験三種を取得したなら即電気主任技術者ではありません。設置
する者とは建物の所有者の事、自社ビルならそこの社長、管理会
社なら所有者社長と委託管理契約となる、いずれにしても、企業
に就職でき、その企業がその方を電気主任とする選任届を経済産
業省に提出する事で、その現場の電気主任技術者となれるのです。
届出には雇用された会社の保険証や管理契約書コピーetcの添付
と代表取締役の印が必要です。ほとんどの方が目指してる電気
主任技術者とはその企業専属の選任になるという意味です。
個人が電気主任技術者に選任してもらう事はできません。つまり
どの物件の電気主任技術者となるかで、電験という資格に対して
のみに、この身分が与えられるわけではないのです。
これから選任される方には関係ありませんが電気主任として
該当する実務経験がある方は電気管理技術者となり保安協会
の様に企業と契約して電気保守管理業務が可能となります。
電気管理技術者になるには以下書類の記載が必要で最後に勤務
してた会社の社長印が必要となります。この様に電気主任技術
者、電気管理技術者であれ電験という資格は受験・免状所得は
誰でも可能ですが、実際にそれを生かす場合は資格があるだけ
では何もできないのです。かなりの未経験の方が資格があれば
という感じで勘違いされてる様なので説明させて頂きました。
試験は基準点あれば全員が合格ですが企業の求人は原則一人
です。応募者は全員が電験三種以上の所持者ですからそこか
ら選ばれるには更なる付加価値が必要となります。企業は
大切な施設の電気担当をしてもらうのだから資格があれば
程度の安易な気持ちではいません。貴方がもし雇用する側
でも同じだと思います。求人面接では自分のその価値を
プレゼンテーションできないといけません。
若い35歳までの方なら一般設備員としてまずは採用され
現場経験を積んでその現場の電気主任技術者になれる可
能性はあります。中高年の方の場合ですと自分の力で現
場を掌握して電気主任技術者となれる過去の経験値が重
視されます。貴方が雇用する側でもそうするはず。
例外として安い賃金で募集、設備も清掃も同じ作業員程
度の意識しかない企業ならば、何歳でも電気主任になれ
るかもしれませんが、そういう雇用で電気主任をされる
位ならば責任のない普通の仕事をされた方がいいです。
不利と思える状況もよく考えたら微量な価値がある。
前向きに考えて電気主任技術者経験をカウントする目的
で働くだけならば、そんなオワコン会社でも意味がある
かもしれませんね。ただ実際に電気主任技術者をしてい
たという過去事実こそが好条件企業に採用されるために
は必要です。雇用され入社、早ければ二週間程で会社の
方が選任届受理の用紙を現場に持ってきてくださります。
後は保安規定のファイルと一緒に大切に保管、これを手
にしてその現場の電気主任技術者になれたと実感できます。
余談ですが契約電力が500KWまでの物件ならば第一種電気
工事士資格でも電気主任技術者の選任ができます。電験
三種は受電線圧が5万Vまで可能ですから22000Vの電気主
任技術者まで可能、契約電力1万KWまでは22000Vですから
地方では電験三種があれば電気主任技術者の選任条件に
ほぼ該当します。(その手続きをするのは会社)