2015年12月27日日曜日

電気主任技術者 スターデルタ回路改造

★こんな2コンタクト方式のスターデルタ回路があります。
基本ですがよほど古い現場でなければマグネットが3個の
3コンタクト方式なはずです。
又こういう方式は正式にはオープンスター・デルタ起動方式
といい、スターからデルタに切替る時に瞬間無電圧になります。
現場に入り始めてそれを見るとガチャンと思ってたより大きな音
がするのでビックリされるかもしれません。
あの時に一瞬電流が振る突入電流が流れますがもちろん
壊れない様には最初から設計してあります。(ほとんどの現場がこの方式)

押しボタンPB-ONを押す事でこんな電気の流れが発生するの
は私のBlogの読者の方はわかると思うけど軽く復習します。
接点はすべてb接点なのでPB-ONを押す事でモーターは
速やかに減圧起動します。
タイマー時間(仮に10秒)経過すると接点T1が切れてMC-Y
がOFFする事でMC-Y1が入る、同時にすでにT2は入りなの
でMC-△がONとなりデルタ回路でモーターは運転継続します。

黄色部分が今回追加した回路です。
タイマーが10秒経過しても切替らないタイマー故障を
目視で知れる表示回路
を考えてみました。
10秒後切れるべきタイマー接点T1が故障して延長した場合
はタイマーTAが12秒で動作し表示ランプL1を点灯させる。
正常に10秒でT1が切れるならばタイマーTAは動作しません。
L1が点灯したならばタイマーの交換が絶対必要です。

この現象ではデルタ回路に切替りませんからスター回路で
運転したままです。
実は負荷が軽いとスターのままでもいけビル空調ではテナント
からの苦情を考えたらそのまま使うケースもあるでしょうね。
ただ運転電流が逆に増え、巻線温度が上昇するので表面温度
で95~100℃を越すまでにはなんとか修理をされてくださいね。
限界を越すと絶縁が溶け短絡してモーターは逝きます。

表示ランプWLはMC-Yの状態を知れますがそのMC-Yに電圧が
かかってるかを意味していません。

R2リレーはMC-Yに電圧がある時のみONとなるリレーで表示
ランプL2を点灯させる。
最初に押しボタンPB-ONを押してるのにまったくモーター
が起動しない場合は表示ランプL2が点灯するのか?
点灯しないならまずタイマーを交換してみる!(接点T1故障)
点灯するならマグネットMC-Yの交換が必要です。

もうわかると思うけどタイマー時間経過したのにデルタ回路に
ならない場合は表示ランプL3が投入タイミングで点灯するか?
点灯しないならまずタイマーを交換してみる!(接点T2故障)
点灯するならマグネットMC-△の交換が必要です。
前の記事でも書いたけどスターデルタ回路においてタイマーは
全般に影響していて回路不調のかなりがこれの取替で回復
するので現場の方は日頃から準備されるのをお勧めします。

★シーケンスが読めるならば簡単な動作変更は現場電気主任
でも簡単にでき、これは毎年提出する省エネ義務の中で対策と
して考えて15台の空調機全部に私が改造したケースです。
猛暑時期に外気を昼間30分間隔で自動開閉させる改造
(閉めぱなしでCO2が1000ppmを越したらいけないので)
上:ダンパーが全開状態のモーター負荷電流
下:ダンパーが全閉状態のモーター負荷電流
OAが遮断されるとはっきりと空調の空気通過音が変化して
負荷電流も落ちダクト風量を計測しなくてもわかります。
モーターの電力削減はしれてるけど猛暑気35℃の外気の
遮断は冷凍機負荷を大きく減らす事ができるのです。


私が勤務するある空調機1台だけの場合でも空気比熱
0.24(Kcal/Kg℃)、密度1.25(Kg/m3)、ダクトの通過
空気量が15000(m3/h)として省エネ効果を試算。
1時間当たりの空気の質量は15000(m3/h)×1.25(Kg/m3)です
から18750Kgの暑い空気が削減できます。
又この時の空気温度を35℃と想定すれば熱量は
0.24(Kcal/Kg℃)×18750Kg×35℃で157500Kcal
熱量をこのダンパーを1時間閉める事で防ぐ事が可能です。

まずは自動制御図面でダンパー制御の仕組みを確認しました、
FX2というリレーがONになる事で32-31間が通電されてダンパー
が開き、OFFになると33-31が通電されて閉まるのがわかります。
これをタイマー接点でON/OFFするだけの事です。

これがその現地のダンパーで高所位置なので人間が手動で
操作するわけにはいきません!
通常は機器の起動で全開して、停止で全閉するだけで自由に
途中操作をする仕組みがないんです。
最新のビルでは部屋のCO2濃度を検出しながらこれを開閉する
仕組みがある様ですがそういう改造を業者にしてもらうと数百万円。
今回のタイマー設置なら部品代の1万円未満です。
ただCO2濃度を実測しながらどの程度のタイミングで開閉が可能
か検証はしないといけません!
(部屋のCO2濃度は1000ppmをOVERさせない事)

私もエネ管を持ってますがではどうお仕事の役に立て会社に
貢献できてるか?と質問され答えられる人は少ないでしょう。
ただこういう改造を会社設備で行う場合はビル所有者つまり
オーナーの事前の許可とそれによる不具合をすべて背負う
覚悟も同時に必要
となりそれは面倒だからしないのが
普通なのかもしれませんね。
でもそれで電気担当として何ができるというのですか?
責任とは程度により始末書⇒減俸⇒電気主任解任だけど
私はこのお仕事をしてる以上はその覚悟は常にあります。
責任感とはリスクを背負いお仕事をする覚悟です。

今はオーナーの技術部長から自由にしていいと許可を
もらってるから職場の機器改造は私は自由なんです。
ただ座して語るだけでは何の誰からも何も得られません!
でもそれを職場の上司(係長)は嫌に思っていて私に時々嫌味
を言われますが、それ以外の全員が私を応援してくれるから
私だってあのガチ嫌なオジサンには負けません。
でも筋が通る命令だけは私は従いますし、私が間違えたならどんな
罵声も謙虚に受けます。それが大人じゃない?