ビルでも工場でも電気主任技術者になれても電気だけしてればいい
わけじゃありません。
他の設備の仲間が行う機械等のメンテナンスはそこで働く日常業務
としてこなせないといけません。
私が電気以外でしてる事を少し述べると
空調Vベルト取替、ドアクローザー交換、水道蛇口交換水漏れ対応
ポンプグランドパッキン交換、圧力計交換、タップでねじ穴を作るなど
設備職としての基本メンテ作業及びテナントに頼まれてのサービス
としての日常大工などです。
コンクリ壁に物を固定したいという要望でドリルを使い穴を開けて
適正なプラグを打ち固定をするなどたまに依頼されますよ。
電気主任技術者は同時に設備部門の責任者の一人ですから
電気以外の上で述べた程度はできないといけません。
先輩に習い電気以外の事もよく勉強、練習されてくださいね。
むしろこちらの方が普段の業務としては多いんです。
その他では特に猛暑期や寒い時に多いのがエアコンのトラブル。
もしビルの電気主任技術者になったのならエアコンの故障対応
は中心的立場でしないといけません。
電気屋の理論的な洞察力は誰より優れてるから頼れるんです。
エアコン室内機
業務用の室内機は単相の200Vが電源です。
電源はテナントの分電盤の単相三線式回路にあるはず。
フィルターがひどく目詰まりしてないか?いろんな不調の原因で
まずはここを見ればここのエアコンの管理状況はわかります。
業者での定期メンテをしていない使うだけのテナントでは故障
原因も多くかなり重症なケースが多いのです。
エアコン室外機
業務用の室外機は三相の200Vが電源です。
盤内を見て三相3本線と単相3本線の違いはわからないので
は現場に行って困りますがその違いを電験を勉強されてきて
気がついておられますか?
店舗の場合では三相電源があるのでここから室外機に電気を
配給されますが、事務所系で三相がない場合は電力量計を
間に入れてまったくの別回路から電気を配給しますがたいてい
その室外機が設置してある階の近くのEPSからです。
ただ室外機内部にも専用のELBがあるので分電盤内が切れて
ないからと安易に室外機異常なしと勘違いしない事!
私の経験で業務用エアコンで多いトラブルはこれらです。
AFは梅雨時期にドレン水が多くなるとよく出ます。
いったんエアコンをOFFして10分後くらいに再度運転すればAF
点滅は消えます。
ですがそれが頻繁なら業者に連絡してドレンパン清掃、ポンプ
点検等が必要で放置しておくとA3となりエアコンが完全停止。
A3となると上で述べた様なメンテが最低必要になります。
きちんとこの事はテナントに伝える事が大切です。
尚このAFは軽故障になるので他の警報の様にエアコンが
強制停止する事はありません。
E3は室外機のよごれが酷い、室外機ファンが運転しないなど
冷媒を冷やす事ができない時に出てエアコンは停止します。
原因がシステム故障でないなら水をかけて室外機の裏の熱交換
を清掃したら直ります。(羽の反対側の面の事)
尚電気室用のエアコン室外機はE3となる前に自分で水をかけて
年に2回程度は定期的に私は洗っています。
E4は冷媒ガスが減っています。
自然になくなる構造ではないのでピンホールの修理も同時に発生。
もう業者でないとなんともできませんが設定を変更して夏なら極力
設定を上げれば業者が来るまでなら運転できる可能性はあります。
U4が出るケースで多いのが室外機の電源ELBが切れる事
説明では通信とあるので制御配線の断線かと最初は思いましたが
私の経験ではいつもU4はこんな感じ!
経験的に多いのが室外機ファンの故障です。
業者が来るまでの応急処置として故障してるファンの回路を室外機
の回路上で切り離し1台運転にします。
これで能力低下はしますが半分程度の能力では冷暖房再開可能。
この方法は業者に教えてもらった方法だけどその会社の技術なので
無断でNETで公開するのは止めました。
E0やE1が表示されてるなら即業者です。
業務用エアコンで最大規模はダイキンです。
貴方が現場に着任したらもっとも遭遇する可能性が高い機種。
詳細な状況はこちらを参照されてくださいね。
⇒ダイキンエアコンエラー説明
つい最近の具体例
飲食店舗から客席のエアコンがすべて停止していると電話。
すぐ現地に行き室内のコントロラー画面を見るとすべてU4が点滅!
お客様分電盤を見たいのでどちらですか?と私は質問しました。
さあわからない???こんなテナントもたまにあります。
分電盤は部屋の隅にある事が多いので四方向を見ると扉に
なってる部分があるので開けたらやはりここ
分電盤内の室内機、室外機のELBは切れていませんでした。
ここの室外機はたしか4階にあるので行くと現地の室外機ELBが
やはり切れていました。
漏電表示ボタンが出てれば漏電が原因です。
下の場合は30mAの漏電でトリップしますが幹線ではなく機器
単体で30mAも漏電しては完全なる絶縁不良です。
(高周波で誤動作する場合もELBはまれにあり)
機械が停止すると内部マグネットが切れるのでその時の測定
ではメガは正常ですが実は漏電が機械内部で発生しています。
電気を止めた状態でのメガ測定では機械の奥まで絶縁測定
を通常計測できないので注意されてください。
漏電表示はありましたがメガは正常でしたから電源を入れて
運転されてみてください。なんて誰か客に言いそうですね。
けしてリセットしてとりあえず運転をしてはいけません
そのよけいな行為で故障が酷くなったと言う業者もいます。
電気を扱う者として故障原因を修理してからでないとELBの
再投入しないのが常識だからそれを言われたら業者に返す
言葉もないし、店主から弁償してくれ!なんて言われる可能性
もあります。
ELBやMCBが切れるというのは何かの異常があるから動作
してるわけで再投入をいきなり投入する行為を電気主任技術者
がしたのなら資質を問われます
お客様、室外機が漏電して切れていますのでこのままの状態
で至急業者に連絡されてください。又その間は送風のみで運転
されてください。と私はアドバイスしました。
中には客の方からとりあえずELBを投入してみてくれ!
なんて言う方がいますがキッパリと丁重に断りましょう。
断るというよりなぜ投入できないか理由を丁重に説明します。
言葉というのは言い方しだいで善にも悪にもなるのは大人
の貴方ならわかるはずです。
ですからエアコンの基本原理もビルの電気主任技術者になるなら
勉強をされておいてくださいね。
上の絵で言えばエバポレーターが蒸発工程でコンプレッサー
が圧縮工程、コンデンサーが凝縮工程、エキスパンション
バルブが膨張行程、レシーバーで水分や不純物が取り除かれます。
冷房と暖房では各熱交換機の動作が逆転します。
冷房中は中の熱を外に排出し、暖房中は外の熱を中に排出します。
冬に室外機の裏に立つと寒いのはそういう理由!
冬より夏の方がエアコンのトラブルが多い
特に台風時期の風が強い時に室外機に回転と逆方向の風が吹き込む
とファンが過電流になる事が多いですね。
これはその室外機の設置条件によるのでない現場は全然ないし
頻繁にそれでU4が出る現場があると思います。
これまでは電気のエアコンについて述べましたが中には私の勤務
現場と同じ様にコンプレッサーをガスエンジンで稼働させる
GHPというエアコンがあります。
様は車のエンジンがあるタイプで不具合が発生するとプラグ交換
冷却水補給、ベルト交換、IGコイル交換までが現場の私達の
お仕事でそれでダメなら業者を呼びます。
この程度の事は一人でもできる様にならないと現場で働く事
はできません。
できない事はそのまま仲間の負担が増えるわけでそれでいて
電気主任技術者だ。なんて言っても誰も認めてくれません。
その現場にある作業をすべてこなせない内はまだ半人前!
電気主任技術者はまず電気の後の技術者という言葉に合う
人間になれてこそ皆さんが電気主任を認めてくださいます。
現場技術者とはそこのすべての現場作業をできるのが条件です。