2015年3月30日月曜日

漏電事故でメガ注意点!

まずは乾燥した通常の事務所テナントでは下の様な主幹でのメガ測定
で100Vメガで20MΩ以上はあたり前なのを知っておいてくださいね。
こういうタイプのテナント分電盤は主幹のみELBのため子回路のどれか
1回路が漏電してもテナント全停電となってしまいます。そうなれば今更
I0測定は意味ないのでメガ測定が可能ですが経験が浅いと起こし易い
ミスについて紹介します。

漏電が発生し難い事務系テナントではコスト削減もありに家と同じ方式
のこのタイプが割りと多いです。(厨房を使う飲食店舗で使用されるとい
うのが一番困ります、店舗全停電でも経験しないとテナントは費用をか
けてまで分電盤グレードアップを提案してもしてもらえないのが実情で
すね)、洋服SHOPで照明器具が漏電して全停電した事が一度だけあり
ました、だから電気主任としてビルを管理する以上はテナント全停電に
対しての対応も頭の隅に常に準備しておきましょう!


全停電となれば非常灯が点灯すると思われるかもしれませんが通常
それは各階EPSが停電して動作する物で個別テナント停電は点灯し
ないので本当に室内は直行すると真っ暗なのです。ですから停電し
たと報告を受けた場合は必ず照明も持参
する事を忘れないでください。
もし主幹トリップで自動点灯させる照明を増設するならどれか子回路
から電圧を出しリレーを常時ONさせて、そのb接点を利用、主幹一次
⇒子MCB増設⇒b接点⇒停電時点灯照明器具と配線すればいけます。
(そんな仕様が盤に最初から組んであるケースもあると思います、ただ
ビル全停電時、非常用発電機では点灯しないから非常灯とは言えない)
今時照明はLEDかFHFですから照明電源は100Vで十分です。この
場合は新設だけど既存照明でも少し変更すれば可能です。主幹切れ
⇒主幹一次側から既存照明回路に即時切替回路を考えてみてね。
この程度なら十分私の行える範囲ですからそういう要望が今後テナ
ントからあれば私も改造してみるつもりです。

時々配線があるのにMCBが切りで使用されてるケースがあります。
たぶんそれは過去漏電か何かで不良となりその回路は修理せずに
放置して負荷が軽いという事で他の健全回路に接続して対応した中
途半端な状態です。当然漏電調査のためすべての子回路を一旦は
切りますが後で戻す時に目印もない場合にどのMCBが切りだったか
わからなくなる事です。切りであったMCBを間違えて投入するとその
時は何事もなく主幹投入できても数日後に絶縁不良となる事が多い
です。そんな時は下の様にして測定すればミスを防げます。こういう
緊急時はテナントもうるさい事を言ってくる
ため冷静に作業ができな
事が多くそんなミスはありえると思ってください。入となってるMCB
だけ操作して問題なければすぐに投入状態に戻し、次回路を調査!

故障回路を発見して主幹メガも完全に正常になったとします。当然
上の場合では飛び出したボタンを押してレバーを上に上げて投入
するのは誰でもご存知のはずです。経験の浅い方の意外な盲点
があります。トリップして中立状態になった状態では一旦下まで
完全に切りとしてからでないと
レバーはカチと投入できないのです。
いくらしてもELBが投入できない、壊れている!_半日テナントを休
業にさせて業者が来て操作したら1回で正常投入できた、笑い事で
は済まないわけでお店なら半日分の営業保障をオーナーがする
必要が発生します。
漏電動作したELBをリセット投入できない話っ
て意外と身近でも時々聞きます。もちろん扱い経験0の人ですけど

単相三線式の線間200V回路は対地間電圧は100Vですから絶縁
抵抗基準は最低0.1MΩ、ですが私の経験上0.1MΩなんて劣化
進行途中ですからそれでヨシとその回路を放置すると半年程度先
に今度はその回路が漏電してまた店舗全停電となる可能性大な
ので少なくとも1MΩあって投入されてください。
短期間に何度も全停電が発生するとオーナーや店主から電気主任
としてどんな管理をしてるのか指摘を受ける、"自分のせいではない"
が本音であっても世の中ってそんな理解度ある人ばかりじゃない

正確な操作で測定できても読み間違いをしては何もなりません。
単相三線式盤でのメガ測定がですから法定0.1MΩという値だけ
は暗記する事、後デジタル指示では小数点の読み忘れをされな
いでくださいね。ところで下の指示は≒0MΩこんな指示に遭遇し
たら必ずどこか不良あり
_修理もするかどうかは前任の電気主任
がどういう対応をしていたかに従う必要があります。貴方が電気
主任になったからと、これまでの対応の程度を下げるのはオー
ナーが絶対に許しません!

メガの絶縁抵抗値の規定値は対地間電圧基準。そうなると単相三
線式の盤の測定では100V専用メガで構いません。、停電作業時
の低圧メガ後に偶然に機器が故障した事があり、その時"設備の
人が違えて500Vレンジを使用したのでは?"と業者が軽率に指
摘された事がありました。あれから私が勤務する会社ではテナン
トのこの類の盤のメガでは上の100V専用メガを使う事になったの
です。_絶縁抵抗結果報告書には使用機器を記載するので調べた
らどんな仕様のメガか業者でもわかります。

メガ測定をする基本として盤の扉とかにアースリードをクリップする
事なく、必ず盤内下辺にあるアースバーで行ってください。ここは
EPSですが接続されてる配線にある数字はテナント分電盤番号
つまりテナント内アースはすべてこのEPS内のアースバーに接続
されています。

私の住んでるマンションの分電盤ですがこの金属部は接地が
効いていません。ですが何も考えずに最初にここをクリップす
る人は皆無ではありません。そのまま絶縁測定をしたらどん
な絶縁抵抗不良回路も20MΩ以上良好
と指示されます。

前に他ビル何箇所かに年次絶縁抵抗測定の応援に行った事が
あるんだけどやはり盤の扉とか適当な金属部にメガのアース
リードをクリップされてる方がいらっしゃいました。本人は導通
試験をして0だから正常な行為と思われています。(こういう
クリップをする方はLも適当な金属部に必ず当てます)
絶縁抵抗測定は対地間との絶縁抵抗測定をするわけですから
盤内の2点の抵抗を測定して絶縁抵抗測定準備ヨシとは100%
言えません。今の職場でもある店舗でELBトリップでメガをした
ら20MΩあったので様子見とされた、ところが翌日も同じ現象が
発生して私が測定したら0.03MΩしかありませんでした。
確かにたいてい盤の金属部でも接地は効くのですが稀に例外
もあるわけで万全を期するなら接地端子にメガアースリードは
接続しましょう。
こういうメガのアースの取り方を見ただけでそ
の方の今回述べてる、絶縁、接地についての理解度も判断
できます。(私だけでなく電気に詳しい方から見ても)

小さなミニSHOPの分電盤とか時々ガチに小型の時があります。中を
見れば配線がFULLでメガのアースリードを盤に上手くクリップできな
いケース、しかも店内は窓もなく真っ暗ですと大変です。その場合は
単相三線式の中性線でアースクリップされてください。
その他、盤の大きさに関係なく、有効な接地をクリップすべきポイント
が盤内にない場合も同様です。

上写真は主幹二次側の中性線をクリップしていますが今回の様
な漏電発生では主幹ELBの一次側をアースクリップしないと各子
回路の絶縁抵抗測定はできません。ただこの方法は一次側、二
次側でも生きた線路の中性線に接続するわけで他の2線は充電
状態であるのでクリップ時は短絡に注意が必要です。


低圧管理上、100Vか200Vですから検電器+クリップでテスターの
代用もできます。
_この検電器は100Vでランプが1個点灯、200V
で2個点灯します当然この状態は200Vです。バーの左をクリップ
していますがアース端子に接続すると今度は100Vです。アース
端子でなくバーの真中をクリップしても100Vです。盤アース端子
と電源の中性線は電源主幹が投入されてる状態では接続された
状態。
接地-充電線路間で電圧測定すると地絡やELBが動作す
ると思われてる方がいますが測定器を通して流れる電流は非常
にわずかなのでLGRやELBを動作させるには至りません。これが
はっきり理解できてる人は意外と設備現場でも少ないです。

同じ分電盤から配給されるコンセントの接地側を利用して機器の
メガ測定ができます。その機器の使用場所にある電源回路に対
しての絶縁状態を測定しています。メガの試験電流の閉回路が
変圧器B種接地を経由して構成されるのを確認してください。
変圧器回路に流れてる他機器の負荷電流には影響しませんか
ら停電してなくてもこの方法はいつでも使えます。

中性線でメガのアースをクリップして子回路の絶縁抵抗を測定して
るのも同じ理屈です。単相三線式中性線もコンセントの接地側も
同一というのを改めて認識しておきましょう。つまりそれらは変圧
器B種接地を通じてテナント盤のD種接地、つまり前述した盤内
のアースバーと接続されています。ですからここでクリップは盤
アースバーでしたのと同じ意味となるのです。


同じ分電盤から配給されるコンセントの接地側を利用して機器表面
対地電圧を測定する事もできます。(テナントから感電したかも?
報告を受けた場合、メガ測定の前に私はこの測定を行います)
ELBトリップ値に達しない漏電では機器接地がされてるならB種と
D種の各抵抗バランスに比例した電圧が機器表面に出てきます。
通常の乾燥した身体状態で触れた場合は50Vを超えると危険と
の事です。100Vまともにあるならその機器は接地未施工です。

下の様にコンセントの接地が効いているか簡易的に検電器でも
CHECKできる
のもわかると思います。私が今の時代にネオン検
電器をNETで購入してまで使用してるのは意味があります。
このコンセントに電源を配給してる変圧器B種接地電流は10
mAでこの測定をした状態でも変化はありません。LGRが動作
するとはこのB種接地電流が数百mAになるのではないかとい
う懸念から来ていますが私の担当する設備設備では確認され
てません。

余談ですがメガから試験電圧が出てるのか調べる時はメガの
LとEで検電器に試験電圧をかけ検電器が点灯したらOKです。
あまりの良い絶縁抵抗値が続く時は時々私はその方法でメガ
の電圧が出てるかCHECKします。もしリード断線や故障なの
に絶縁異状なしとかしてたら作業の意味がありませんからね。
この検電器ですと500Vレンジまでメガ電圧CHECK可能です。

今更、検電器ですが人体と対地間静電容量を経由させて
変圧器との閉回路を構成、点灯させるのはご存知でしょう。
そのため検電器本体にかかる電圧は電源電圧の一部なの
で50V以下の電圧では検電できないとか制限があるのです。
上の様な場合は人体を経由せず対地電圧100Vが検電器
にかかった状態です。コンセントの接地が効いているかを
正確に判断するなら通常の非接触式ではなくネオンタイプ
で行ってください。非接触式検電器は被覆の上から検電
できるわけですが配線が密集してると誘導を受けて点灯
する場合があるので非接触式検電器を私は使いません。
100%確実に検電できるのはネオン式です。

2015年3月23日月曜日

電気主任技術者 計測器性能差

ここは中央監視操作卓下でUPSから来てる電源回路行き配線
でそこで計測器性能の違いによる差を実験しました。
ノイズカットをわざとOFFした場合で漏れ電流を計測します。
(つまりただ電流を計測するだけのクランプメーターの場合)
100V回路だからこれでは計算上絶縁は0.1MΩ未満になります。
メガの代わりに漏れ電流で判断するなら100V回路なら0.1MΩ以上
の絶縁だから逆算したら1mA未満である必要があります。

次にノイズフィルターをONにすると1.87mAまで低下しました。
まだこれでも判定はNOですよね。

次は高性能な測定機でノイズフィルターをONにて測定すると
0.7mAとなり最初の1/3まで低下しました。
この測定器は単体でI0rも測定できますがそれは0.7mA未満
なのであえて必要ありません。(実際はI0rで0.3mA)
これならば合格となりますがノイズを多く含む場所ではクランプの
性能が悪いと絶縁判定が正確にはできません。
0.3mAが真値なのに2.2mAと判定されてしまう状況ですね!


自動制御回路やこうした精密装置ではメガ禁止と注意すると問題
があるから仕様書には衝撃電圧試験禁止という記載がしてあります。
私はこういう場所では電気を止めてメガ測定は絶対にしません。
もう壊したら高い買い物になるし、その前にオーナーから責任追及
をされるのでやめた方がいいです。
下請け会社の場合でしたら貴方を雇用してる会社にオーナー
が弁償しろ!くらいは言われます。

2015年3月20日金曜日

電気主任技術者 1万5千円でI0r測定可能です。

ケーブルのI0rを直接測定できる大口クランプメーターは定価で
10万円するのでどんな現場でもすぐに購入してもらえる。とは
思いません。(I0rとは抵抗分漏れ電流の事)
その場合少し練習が必要ですがテンパール工業のIor測定
抵抗分漏れ電流測定用ユニットRM-1を使用します。

この価格なら通常は会社での物品購入で難しくはないでしょう。
どうしても会社が買ってくれないなら個人で買う事もできます。


I0r方法は電圧と同相の成分を検出するTrueな値です。
対地間抵抗つまりメガ値により流れる電流がI0r(抵抗分漏れ電流)
電路に流れる漏れ電流には、対地静電容量を通して流れるI0c
と配線や機器の劣化により流れる感電や火災の原因となるI0r
の2種類の漏れ電流が流れています。I0=I0r+jI0c
静電容量リアクタンスは1/2πfcだから高周波はI0c回路を
通過していきます。知りたいのはI0rのみ!

あのエジソンが直流送電をしていた時代と違い交流を扱う場合
停電させて行うメガ測定でしか対地間抵抗の優劣の判断が
できないと考える方は多くいらっしゃいます。
実はピュアにI0rという量を検出できるなら同様の判断が停電
せずとも可能となる便利な方法なんです。

★以下、RM-1でのI0r測定方法を紹介します。
まずケーブルをリーククランプメーターで3本挟みます。
私はMULTI社の口径80mmを使用していますがこれもI0rまでは
測定できないのです。
RM-1単体では高周波カット機能がなくできるだけ誤差を減らす
ためにクランプメーター側で高周波を除去します。
下写真ではFLがその機能でONにして測定しています。
最初にこのテナントへの幹線ケーブルのI0は約10mA(9.7)
なのを確認したらこれを元にRM-1の設定を行います。

次にRM-1からの出力線とそのケーブルを同時に挟む。
後RM-1の電圧クリップを被覆の上から挟み準備完了!
つまりこの回路に発生してる対地間静電容量による漏れ電流
I0cと逆位相の電流を流す事で互いに相殺させI0rのみを値と
してクランプに計測させる
のが原理です。
(電圧を基準ベクトルとするから電圧入力が必要)

RM-1の設定は三相回路ではないので単相を選択します。
レンジは先ほどI0が10mAだったので20mAレンジを選択
ここまでで接続、選択に問題があればエラー表示が
点灯しますから再度最初から設定をしてみます。

次に上で赤矢印の丸いのを回すとクランプの数字が変化
していくので一番低い値になった時の値がこの回路のI0r。
9.7mAが6.1mAと減ったのはそれが理由でI0cとの関係
を複素数表示で表すとI0(9.7mA)=I0r(6.1mA)+jIoc
なるのはこのBlogを見てる方ならわかるでしょう。
(理論的には計算でI0cも求める事はできます)

回して敏感に変化する部分では微調整しながら最低値を求める
事になるため人によっては計測値に違いが出る可能性がある
ので自分で何回かその感触の練習が必要になります。
ただ慣れてきたら数秒でそれができる様になるので大丈夫!
たぶん会社でこれを購入しても電気主任しか使えない専用器具
となるのでその辺の説明は事前に会社に必要かと思います。

予算もあり確実にI0r管理をしたい方はMCL-800IRでキマリ!
ケーブルのI0r測定では今最強ツールです。(9万8千円)
これは単体で直接I0r測定が可能でRM-1はいりません。
私が使ってるのはこれの下位機種のMCL-800Dですがただ
口径が同じ80mmなのでたいていのケーブルが挟めます。
口径が50mm未満だと太い幹線ケーブルが挟めません。

最初から80mm口径のクランプを持ってる現場は少ないで
しょうから私と同じ管理をするならMCL800DとRM-1のセット
で一番低価格で42000+13000=55000円で買えます。
値引率はなぜか新品でも販売店により数千円違います。
ただ下のMCL-800IRはほとんど値引きはありません。
そういう点で前者を選択される方が多いと思います。

保安規定による年1回の絶縁測定では実際管理としては不十分
で違う絶縁管理方法を探してる&安価でというならば今回紹介
したテンパール工業の抵抗分漏れ電流測定用ユニットRM-1
以外では方法がありません。
購入したらエクセルで点検表を作成して毎月管理しましょう。
とにかく目視のみで何もしてないは今の時代は通用しません。
もしテナントで明日電気火災が発生してもこれを毎月してれば
安全管理の努力をしてるが電気主任として主張できます。
尚、RM-1は電源は電池でどこでも携行できます。

電気を止めて測定するメガでは負荷側との接続は通常切れてる
場合が多く、実際の運用状態での負荷も含めた絶縁管理という
点でもI0r管理は優れています。
I0rは負荷を生かした通電状態での絶縁管理ができます。
リーククランプメーターは高周波を除去すると言っても150Hz以上
のみとかで限定的な範囲であくまでI0です。
乱暴な言い方をすれば値は別にして★I0rが測定できる
測定器で測定した結果がどうかが重要なんです★


原理的にそうでなければそれはIorではありません!
電気の詳しい人からI0ではI0c含むから停電して測定した
メガでないとダメじゃないの?なんて言われるかも。
余談ですがI0cは交流を扱う場合に発生する現象ですから
メガは直流電圧で測定するので純粋に対地間抵抗のみを
測定できるのです。
そういう点でメガが低圧回路の絶縁判断の要と今もされる理由
で同様になぜあえてI0rなのか電気主任としてきちんと説明
できないといけません。
このI0rの意味をわからない方は意外に多いのです。

高周波も除去できないクランプメーターで計測した漏れ電流
を絶縁管理として満足してる方もたくさんいます。
昔UPSを更新した時に変圧器B種接地で500mAも出た事があり
フィルター機能をONにすると30mAに低下しました。
あの時電流を計測するだけのクランプは使えないと思いました。
★負荷によっては相当の誤差が発生するから現場管理では
必ず高周波をカットできるクランプメーターを最低限使用
しましょう★
(リーククランプメーターという)
もちろんそれとRM-1を組合わせて管理すれば最善です。
ちなみにその時は入力側に絶縁トランスを入れる事でこの
問題を回避できました。

⇒私のブログの最新記事へJAMP

2015年3月19日木曜日

電気主任技術者 故障事例

⇒私のブログの最新記事へJAMP

年に数回はするのがテナントから照明回路にタイマーを取付して
ほしいという依頼で現場の電気主任技術者になるならこの程度は
楽勝で自分一人でも工事できないといけません。
11/25もSHOPの開店前の朝に早出して取付をしました。

2P2Eの既存照明回路行きの2線を外す。
(100V照明ならば2P1Eとなる)
そこの二次側からタイマー回路S1とS2に接続する。
ON時間のみNO(ノーマルオープン)から200Vが出力されてマグネット
励磁コイルA1-A2に印加されます。
主回路はS1手前でパラ分岐させた200Vを既存照明回路に送電して
点灯する。

パナソニックのTB15601Kタイマーの仕様
ボルトフリーなのでCOIL電源電圧は100V~200Vいけます。
負荷が少ないならばマグネットなしでS2-NOに既存の照明回路を
直接接続しても構いません。
(200Vモーターでも750Wまでなら直接続でON\OFF制御可能)
ただ10Aを越す場合は私はマグネットを入れます。
こういう物って15Aまで制御できると思いがちだけど注意!
蛍光灯だけでなくHIDランプもある場合、入切に必要な電流値
は事前によく調べておきましょう。
尚実売価格はNETで8千円前後で購入できます。

電験三種を勉強されてる方なら上の回路は頭では理解できたかな?
でも1回もされた事がない方では組むのは難しいかもしれません。
頭の上でつながりを考える段階では楽勝だけど実際この工事をすると
なるとたとえばタイマーのS1とS2端子には3本線は入りません。
無理すると破損しますからね!じゃあどうしたら?
S1に接続するのもCOMに接続するのも同じ、A1から主接点一次側
に接続すればS2に3本挿入は不要になるのに気がつけるか?
写真の接続を見ながら上の図回路と動作は等価であるのを目で
追ってくださいね。

これが本で勉強しただけの世界と実際の世界の少しの違いなんです。
自分の頭の中の思考を現場で実現させようとしても仕様の少しの
違いでできない場合はその場で考えながら行うのです。

タイマーのピンの状態をよく見てください。
07:00~22:00の間が倒してありますがこれでこの間のみ
タイマーNO接点はONとなり照明が点灯します。
マグネットでの照明電流の入切は必ず主接点で行い補助a接点
を使用してはなりません。

せっかくだから分解をしてみました。
底のフック式の止め金具を外して上ケースを取ってみました。
ただ実際はフックを外しただけでは簡単には取れないため
真似はしないでください。

真ん中のスプリングで可動部を押し戻し電磁石の力で逆らい
接点を投入するシンプルな構造ですね。
こうしてみるとマグネットは機械的な部分は滅多に壊れないで
これによる故障被害は接点絡みというのがわかるでしょう?

話は戻りこういう小さなマグネットの接点を抜く時は先にネジを
外さないといけません。(邪魔となり工具を真っ直ぐ挿入できない)
ラジオペンチで優しく引き抜きます。
余談だけどビスとは先が尖ってそれ単体で打ち付ける事ができる物
をいいネジは先が尖っていない穴に入れて回す物です。
(ネジの語源は日本語の"ねじる"からだそうです。)

写真で拡大するとよくわかりますが後で取付する時もあの隙間に
確実にいれてください。
外した接点が下の写真です。


爪切りのギザギザの部分で軽く磨けば接点は新品になりました。
一番右は補助接点ですが、わかる様にこの接点では制御回路の様な
わずな電流しか入切できません。ここに回路電流をつなぐと焼けます。
何かを連動しようと主回路に相当する負荷を補助接点に直接接続しては
いけません。
もしするなら補助接点で別置のマグネットを励磁させてそれで違う機器
の主回路を制御させましょうね。


磨いた接点を挿入する場合はペンチの上に置いて少し斜めに
してから挿入します。
小さいマグネットほど隙間が狭いため無理に力で挿入すると
金具が変形したり最悪バネが抜けてしまうので注意しましょう!
糸を針に通せない人は少し苦労するかもしれません。

手で可動部を押してみて確実に接点が投入されバネがねじれて
いないか?何回か動作させて必ず確認してください。
スムーズならいいけど何か引っかかり感があるなら一旦
抜いて最初から慎重に行いましょう。
ま...いいかで通電したらたぶんヤバい事になると思う。

作業2
設備室の入口は4段のSTEPになっていて夜勤者が夜中にここで
転倒してしまいました。それで取付したセンサーライドです。
とても明るくNETで4千円とは思えない機能です。
普通の蛍光灯の明るさでは点灯せずに照明を消した状態で人を
感知したら10秒間点灯します。
1日5回点灯で1年電池が持つので業務用でも十分使えます。
こういうのをお探しの方はお勧めします。
ELPA (朝日電器)電池式3WLEDセンサーライト2灯

上の様にコンクリート取付では専用刃先がなければホームセンター
で購入されてください。(ハンズでも千円で売ってる)
鉄に開ける刃先はねじり込む様に穴を開ける、コンクリ用は振動
+回転でコンクリを粉砕して穴が開く物で普通の刃先ではコンクリ
に穴は開けられません!
ただ振動ドリルまでわざわざ買う必要はなく普通のドリルに買った
のをつけて手で前後に叩く様に振動を加えたら穴は開けられます。
(当たり前ですがドリルはSWを入れて回しながら)

振動ドリルは前後に揺する振動によりコンクリートを割るような力
を生む物でその前後動作を人がすればいいのです。
最初は全然開きませんがリズムをつかめばコツはすぐわかります。
ただ刃先だけはその用途に応じた物でないと無理です。
壁ならいいけど天井のコンクリ穴開けはこの方法は相当キツイ
から正式な振動ドリルをお勧めします。(真上で力が入らない)

コンクリート壁への取付作業はこういうお仕事をしてると時に
あるので説明します。

上で穴を開けたら赤いプラグをコンクリートにハンマーで打ち込み
器具を取付してそこにビスでねじ込んで固定します。
このプラグ1個で約50Kgの荷重に耐えられるため通常は2点で充分。

プラグの長さ(3cm程度)開けるので刃先にテープを貼ります。
穴深さが不十分でプラグを打ち長い分をペンチで切ってビス
固定をすると取付強度が大きく低下して場合によっては途中で
器具が落下するので天井固定では特にこの部分の基本は厳守しましょう。
落下してビル内のお客様がケガをして警察に通報されたら事件にも
なるので天井に物を取付する事を安易に考えてはいけません。


壁が空洞の場合はボードアンカーという物で固定します。
ここでの穴開けは普通のドリルの刃先で行い2の専用工具を使う
のも2回程度練習したらすぐにできます。
工具でボードアンカーを挟んで工具のレバーを押さえるとアンカー
が図の様に壁中で傘の様に広がり固定されます。
それにネジで表から固定するのがこの方法でテナントさんが職場
で壁に物を固定するのにお願いされる事があるので割りと使う
頻度が多いですね。

壁の穴開けは壁を叩いてみてコンクリか空洞かで刃先を選び
又上下に器具がないかも確認しないといけません。
壁の中の既存配線や配管にドリル刃先が触れたらショートするし
修理に業者を呼ぶ事にもなります。
壁埋込み照明SWの真上に平気で穴を開けてバチンとショート
させる人って意外といるみたいだけど電気主任がしたら恥です。

作業3
女子トイレの洗面台上の蛍光灯が電球交換しても点灯しないと
職場の仲間から報告を受けたので私一人でさっと交換しました。
FHT32W照明器具で25分で交換完了!
開店前で30分しか時間がなかったので安定器交換では時間が
かかる(FHT32はFDL18より安定器単体交換は面倒)
こういう場合は器具本体をそっくり交換します。

まず既存器具を金具を外して天井から降ろす。

ストッパーが左右にあるので外せば下に器具を降ろせますが
左右に回しながらゆっくり落ち着いて降ろす事!
力づくで下に引き降ろすと天井ボードに亀裂が入り建築屋さんに
貼替え注文が必要となり会社から怒られますから注意してね。
(たった1枚貼替えでも最低3万円はかかるので)
どんな作業でも力一杯になるなら、たいていその方法は間違いで
それをそのまま行い破損させて修理に別にお金がかかるのです。
修理してる人が下手くそをして別に修理を発生させてはダメ!

照明器具には電源と送りがあります。(単相200V)
送りがあるので線を切るとこの器具につながる電球はすべて切れ
ますが元MCBを切ってないので半分の照明は点灯しています。
これだけ明るさがあれば迅速に作業ができます。
安全のため元MCBを切り全体を真っ暗にしての手元ランプの作業
では非常に作業効率が悪いのとこれがテナント室内ならなお更
室内を消灯するのは無理です。

だから照明器具修理、交換は私は電気が生きたまま行います。
電気が生きた状態の活線電気工事は労働安全衛生法では
注意事項はあってもその行為の禁止はされていません。


器具を2台並べて順番に差し替えればいいのです。
★固着してツメを押してもかんで線が抜けない時は根元で切り
被覆を剥き直して新しい器具に接続した方が安全です。★
無理に引っ張り急に抜けた時に金属部に触れるとバチンとショート
つまり短絡するので私はこうします。
又配線同士接続の必要が発生した場合は圧着ペンチの先が器具
金属部に触れない様にするのも同じ理由です。
尚、最初の1本を切った時に1mm程度の極小火花が出るのは送り
で点灯中の照明を止めたせいで短絡ではありません。

10年以上古い線は被覆が心線と固着して剥け難いとかもろくなり
ポキと折れる事があるので私は生きた配線を剥く時はカッター
で行います。VAを剥くならこれが一番いい感じに私はできる!
自分が一番上手にできる方法で行えばいいんです。

電源と送りの4線のChangeが完了したらまずランプを取付して
点灯するか確認します。
更に点灯状態で電源線の漏れ電流I0を計測し0Aを確認
したら組立して取替は終了となります。(漏電CHECK)
AM9:30に開始して終わったのがAM9:55でした。

慣れない内は電気工事より器具の外しと再取付に時間がかかる
★器具が落下してお客様にケガをさせたら大変な事になるので
再取付では注意されてください、これが特に重要です。
最低責任として電気主任技術者は解任でしょうね。


作業4
これは夜間警備員がテナント室内を巡回した時に報告があった物
で翌朝行って見るとこんな酷い状態になっていました。
これはトラッキングではなく何かの短絡を接続部でさせてますね?
その後これでも刺せば使えると平気で使う神経を疑うけど実際
こういう人も稀だけどいます。
照明器具と同じで複数個で1回路のため電源と送りあり。
ただ営業中はPCとか停止するとヤバいのでコンセント交換は無理。
ここに器具を接続してなくても、同回路のコンセントで負荷消費を
してると電流はこの線にも流れます。
特に10A以上流れてる状態で線を抜くと結構スパークして焼く
可能性もありコンセントだけはMCBを切ってから交換しましょう。

テナントで回線が不明の場合、壁から上みたいに抜き出し線電流
が0Aの時に限り活線でコンセント交換は私はします。

5A未満で客がどれが切れても構わないと言うならその位までなら
少し火花が出る程度なので交換はできなくもありません。
活線電気工事とは電流があるかないかで可否を決めます。
電圧は絶縁手袋をして工具を金属部に触れない様にすれば
特に私は不安はありません。


ポンプ点検から帰ってきた職場の人から飲食店舗からの調理後の排水
が流れてくる雑用水槽ポンプNO2が排水してないと私に報告があったの
(手動運転した時の盤電流計が通常16Aが4Aくらしか表示されない)
丸山さんいつものアレをお願いします。とお願いされました。
まずこれがそのポンプが吸い上げた汚水が上がってくる配管です。
様するにこの雑用水槽の底にある水中ポンプに異物がつまり水を吸わ
ないから負荷電流が上がらないのです。
まさかこの不衛生な中に入るわけにはいきません。
ウンチがたまる汚水槽より厨房の排水がたまる槽の方が数倍も不潔
で逆に言えば健康上危険な環境なのでもしこの内部の作業
が必要なら、★それなりの準備をした専門業者でないとできません★
(栄養価の高い排水のため雑菌が異常に増殖してる環境)

これがそのポンプ制御盤です。(自動交互運転)
5.5KWが2台の直入方式で何も特殊な事はありません。

MCBの二次側でNO2電流を手動運転で計測すると約5A(4.7A)で
間違いなく何かが詰まっています。たぶん油カスの固まりか何かでしょう。
尚水中ポンプはその流水で冷却も兼ねてるため水がない状態の
空運転を仮に1時間もしたら焼けてしまいますから注意!
実はこの槽はそれが発生するのでフロート制御からインターバルタイマー
で起動を行い、停止は電流制御でさせる改造をしています。(後で説明)
だから電流の低い状態が発生したら自動で停止します。
自動交互運転なので今はNO1ポンプだけが機能してる状態です。

正常状態の結線からNO2ポンプ用MCBの赤と白を外しそれを逆に
わざと接続します。
そうポンプを逆転させてその異物を取るのです。逆転させて底に
落とせば時間が経過すればその塊は溶けて小さくなります。
★三相電源のどれか2本を入れ替えたらモーターを逆転できます★
ただモーターは逆転は問題ないけどポンプの逆転を長時間行うと
故障の原因になる
ので1回10秒運転を3回のみ行い再度正規配線
にして運転しました。
ポンプは圧力方向が一方向のため逆にするとビスなどが緩んだり組立
その物に歪が出てしまうそうです。(メーカー見解)

でもここで一工夫が必要になります。
この制御盤は過電流以外に逆相と欠相も見てるので逆配線のまま
手動運転をしたら警報が出て運転は強制停止となるのでこのまま
では逆転できません。
(THRはなくすべてCTで読んだ電流値でトリップ制御を基盤で行う)
そこで制御電源を切り制御を停止させます。
その上でNO2ポンプマグネットのここを指で押さて強制的にマグネット
をON状態にさせればモーターに通電されるためポンプの逆転が
できるんです。

★電流は16.8Aと回復して詰まりは解消されました★
ただ揚水ポンプを運転した時に無音に近いと何か詰まっていますが
エアーを吸込みガーと底のポンプから音がする場合は実際に水がない
のでその確認は忘れてはいけません。
機械を扱う場合はそういう常識も知っておかないと電気だけの知識
では故障拡大や場合によってはケガにもなります。

もしそれをしたらポンプが壊れるので違う解決策をするならば
ポンプをいったん上まで上げないといけません。
と言うか業者を呼ぶ時点で最短で今晩の作業となります。
上の配管のつなぎを外してチェーンブロックで吸込み配管をポンプ
ごと上に引き上げる作業となりそれは大変な作業になります。
同時にそれまで飲食全店舗の営業停止を意味して被害額は
数百万円にもなり大変な事にもなります。
通常のテナントビルの汚水槽では考えられませんが飲食関係
があるこういう槽は定期的に業者が清掃をしていても
時々異物が詰まる事があるのです。

逆相運転をやもうえず行う場合に注意しないといけない
のは一旦線を外すので線の接続は確実に行う事。
緩んでいて停止状態から三相であるべきとこを単相運転をしたら
モーターを焼く可能性があるからです。
モーターが停止してる状態からの単相運転はガチに危険です。
ですからこんな簡単な事でも他の設備の人にさせてはいけません。
後は1回10秒程度でそれは3回程度を限度とします。

フロート制御ではこういう感じでフロートの体勢が異物のせいで変わ
らないと水がなくてもあるという事になりポンプは回り続け最後は
空転して熱で焼損します。
電極式は受水槽の様なキレイな水を扱う環境しか使えません。
油の塊かパン粉の塊か?とにかく異物が発生し汚い
この状況では電極式もフロート式も適さないと私は判断しました。
だから業者も私に係わりたくない、貴方なら電気担当としてどうされますか?


★私がこの現場に着任して一番苦労したのがこの水槽制御の改造★
でこれは"⇒電気主任技術者・私"のPageにも載せていますが再度
紹介したいと思います。
上の様に詰まりはあの作業でエスケープできますが夜中飲食からの
排水が止まり槽内の温度が下がる事で油が一部固まります。
それに制御フロートが引っかかる事で夜中に偶然運転したポンプが
朝までずっと運転して焼いてしまった
事故が発生しました。
(フロートが塊に刺さったまま水が減っても完全に縦にならない)
パン屋さんもいてパン粉という説もあるけど原因はよくわかりません。
とにかくここでは通常のフロート制御は無理なんです。
電極式もダメですからもうまったく違う発想が必要になりました。

業者に相談してもフロート以外の方法で行うのは責任が取れない
という理由で一切相談にも乗ってもらえませんでした。
それにポンプ交換に60万円もかかってるので二度はありません。
こうなれば電気主任技術者歴22年の父しか頼る人はいませんでした。
二人で考えた末に出した結論はタイマーで営業時間中に起動を
毎時間起動をかけて停止は運転電流が設定より低下したら自動
停止させる電流制御
を行うという方法です。
もしその時に吸い上げる必要がないなら電流制御で即時停止!

今回はCTを使用して一部電子的な動作をさせるので組んだ後で
相性問題等で正常な動きをしない事が心配でした。
更に父が後輩の某メーカー設計の方に相談したら助言を頂ける事
となりその結果回路が完成できたんです。
改造計画を会社の技術部長に提出したら"素晴らしいじゃないか
ここまで考えてくれたならたとえ失敗しても責めないからしてみろ
僕もこれで上手くできるのか見てみたい"と応援してくださったんです。
でも施工はすべて私の責任で行う義務があるので頑張りました

今回の助言に当たりその方は個人的立場でしか応援してもらえない
のでパーツ購入はいつもの電財屋さんからのルート
で購入しましたがパーツ代も10万円では全然不足でした。
(改造というのは責任が発生するのでご迷惑はかけれません)

プロの盤屋さんみたいにスマート配線にはできません仮設ではない
ので線番号表示も今回はつけました。
改造した場合は後の方が誰でも管理できる様に回路図面を残さない
といけないのでJW-CADで作成して製作者に私の名前を入れて
この職場の正式図面として保存もしました。

既存の配線は満水警報とC以外は槽内の接続はすべて切ります。
(満水フロートはかなり上なので油の塊の影響は受けない)
タイマーで毎時間フロート制御のC(コモン)とポンプ起動(ON)を
自動で一瞬短絡させる⇒1ショット信号の出力が可能なタイマーを使用。
普通はこのまま放置しておけば水位が下りフロートも所定の状態と
なり自動停止するけどそれもあてにならない....だから
運転電流16Aから空転の手前まで行くと10Aに急に落ちるので
ここで回路を自動で切りモーターを停止
させます。
(ポンプOFFの既存線を電流制御で切れる様にすればいいのです)

今写真を見たら写ってませんが右側に電流計測用CTもあります。
この空転の手間で1段階落ちる電流値を正確に現地で調べて
おかないと空転電流5Aで設定すると長時間使用で故障の可能性
もあると思います。
ただこれ単独では自動交互運転の機能はないので既存回路と
組合せる事も必要でした。
電験で勉強した事なんてここでは何の役にも立ちません!

★この新しい方式の運転状態はこうなりました★
起動時間はタイマーなのでJUSTとなります。
TIMEの赤がポンプ起動時間、青が停止時間、もしも異物を吸込み
揚水してないと運転時間15時と17時の様に運転時間が0分になり
中央監視のPCでこの運転時間の差を時々見てればわかります。
ポンプが起動しても運転電流が4A程度なので即時停止するから!
今までの様にフロートでポンプを停止させる方式では空転のまま
となり日中でも多忙で気がつかないと焼損させる可能性がありました。

実際に槽内の水がない場合でもいったん起動はしますが電流値が
低いため即時停止(電流検知時間1秒)するため毎時間起動を
かける事による焼損もありえません。
下の場合NO2ポンプにつまりがあるので前述のポンプ逆転操作で
対処すれば問題なく以降は運用できます。
私的にはこの改造は満足する結果にできたと思っています。

ついでに記事にするとNO1の逆止弁が不良でNO2を運転した時にすべて
ショートカットして運転電電流はあるのに水が下水配管に上がらないという
面白い現象が過去一度ありました。
誰もそういう事を想像してませんでしたが故障というのは常に想定外
と背中合わせ
で"こうなんだ"が一番いけません。
運転してない方の逆止弁は必ず閉まってないとこうなるのです。
開放したらあのボールが少し横に固着して隙間が開いてたのですが
丸い球だから絶対に故障、不調にならないという固定観念のミス!

話しは戻りますが
3ヶ月後に業者がこの内部の清掃に来られました。
開放して見るなりすぐ設備室に来られて最近違う業者に清掃させた
のか質問に来られました。
今は電流制御で空転の手前まで揚水をしてるためかフロート制御の
様に底に残る量が少ないので内部が凄くキレイでびっくりされた
そうです。そう底での汚物の濃縮を防ぐ効果もあったんです。
これは後でわかった良い誤算でした。
別件で水道、配管工事に来られた業者の部長が見せてほしいなんて!
あの私の作品を見て"30年この仕事してるけど現場の人でこういう
物を自作したのを見たのは始めて"という感想をもらいました。

業者も相談に乗ってくれない、もちろん職場の誰もわからない
ただ故障要因だけがどうしようもなく残ってる状況、私の会社での
評価がMAXに上がったのはこれを完成させた事だと思う。
今の宿題はあるテナントの冷凍機の冷却塔用冷却水ポンプを
停電後復電した時に自動起動するシーケンス改造で検討中です。
スキルとは何をどれだけ知ってるかじゃなく、それで何をしたか
又は何を残せたかそういう結果じゃない?