私の受変電設備月例点検方法

今の会社が運営してる各現場の電気主任に対し抜打ちで月例
点検を保安協会にレベル確認させるテストが昔あったんです。
ある現場でトラブルがあり社長が"他は大丈夫か?"という話から
こういう特殊なテストが強行されたのです。
尚、会社では停電作業の時に保安協会を使ってるのでその関係での
出来事で月例点検方法を第三者が検査する事はありません。
私は"合格です。これからもこのレベルを維持してください。"
と言われ指摘はありませんでした。
停電作業の時は私が指示する立場ですから正直この時は妙な
気分かつとても緊張しました。

第1変電設備の場合で説明します。(8台変圧器あり)
(その他変電室もまったく同じ作業なのでそれら説明は省略)
使用するのは放射温度計とI0r(抵抗分漏れ電流)測定用の
クランプメーターです。
(当たり前ですが絶縁手袋とヘルメットは着用されてください)
NOW電気主任技術者が計測作業+記録係1名で開始!

1.変圧器B種接地漏れ電流測定
私はI0rで測定するため電圧クリップのため絶縁バリアーを
まず外して以下の様に変圧器B種接地線で測定を行います。
尚バリアー内はCVTケーブルや露出充電部で一杯なので
半そで作業は絶対に厳禁です。

I0rは電圧の基準ベクトルが必要でI0みたいにただ線を
挟むだけでは計測できません。
(その変圧器事の電圧ベクトルですから変圧器を変更したら
電圧クリップも位置変更します)
この現場では変圧器二次側とMCB一次側の間でしか電圧が
取れない、そのため保護回路がない状況ではあるため短絡
させたら一生治らない傷を負う事になる覚悟はしています。
だから十分に注意しながら作業し、私以外はさせません!

変圧器B種接地線は通達で50mA未満が基本ですが1ヶ所100mA
を超えています。でもI0rではこの様に約17mAなので問題なし
(I0=109.7mAでI0r=17.08mAという表示)
この測定はI0でも構いませんが通常のリーククランプメーターでは
100mAを超えるので保安協会の方がもしその値だけを見たら
指摘されてしまいます。
もしそういう現場は必ずI0rで50mA未満を確認しておかないと
いけません。
ただI0が50mA未満ならI0rもそうだからI0rの確認は必要なし

対地間静電容量成分I0cの影響が強い場合リーククランプ
では影響を避ける事はできません!
もし電源周波数と同じ60HZ成分だけ検出可能なリーククランプ
があればI0rが計測可能ですがそういうのはないです。
(絶縁抵抗により対地間抵抗を通じて流れる電流は60Hz成分)

以下他の7台の変圧器はI0rで3~20mAで問題なし
変圧器B種接地は通常この程度がほとんどでもし300mA
でI0rでもそういう状況を警報設定を上げたり切って対処
してる現場があるとしたら相当ヤバイです。
電気火災でも起こして消防車が来る事態となれば後の現場
検証で消防の方から真っ先に直前のそれら状況の記録提出
を求められるという情報を最近聞かされました。
私の地区を担当してる消防には電験の資格を持ってる方も
いるそうで彼らは電気火災でもエキスパートです。

測定するたびに第一動力回路漏れ電流10mA異常なし
とか元気良く声を出して結果を言葉に出します。
それを聞いて記録係が値を記載していくのです。
その他、温度でも○○異常なしと声を出して点検を行います。
SW関係なら指差し確認で異常なし行います!
点検に限らず操作においても声を出すアクションの確認は
まもともな会社なら必ず職場教育で指導されます。

2.変圧器目視、温度計測など
先ほど作業の表側に回り変圧器やLBSなどの点検を行います。

変圧器上のLBSの温度測定を行いますが温度上昇が発生し易い
のは接続部又はその間に接続される何かですからその温度
を放射温度計で計測します。
周辺温度より5℃程度高いかほぼ同じ程度のはずでこの時
は28℃程度でした。

LBS下の変圧器の点検では温度と油レベルの確認
サーモテープを貼っています又温度が85℃を超えると中央監視
PCへ警報が行きますが一度も超えた事はありません。

変圧器の底も油タンクですから絶縁油漏れの確認を忘れないでね。

3.配電盤点検
MCBやELBの表面温度を放射温度計で計測します。
周辺温度より5℃程度高いかほぼ同じ程度
手の触診でも構いませんがトリップボタンなどに触れない事
人は50℃以上の物体に触れる事はできませんし私の父
みたいに昔の電気技術者は30℃、40℃、50℃の物温度
の違いは触れてかなり正確にわかるそうです。
私などは最初から放射温度計でしか計測しません。

各盤の電圧と電流の確認をメーターで行います。
単相三線式の中相はR=200A、N=5A、T=208Aの様に位相
があるので必ずしも外側線間の単純な値差とはなりません。
抵抗負荷しかないなら値差となりますがそんな現場はない!
又三相動力では電圧のアンバランスがあってはいけません。
各線間電圧の差が5Vもあった現場は私は見た事ないです。
それがあると接続されるモーターでは逆相トルクが発生するため
過熱の原因となり至急変圧器の調査が必要でしょう。

今度は22000V変圧器の二次側6600Vと接続される高圧側の点検です。

高圧配電盤の点検、放射温度計で行いますが透明の絶縁バリアー越し
に測定してはいけません。
上手にバリアー隙間から光のポインターを当てて測定しますが難しい
場合はバリアーをそこだけ外します。
慣れていても6600V部分なので一応は慎重に作業されてください。
それら作業は資格を持つ電気主任技術者以外してはいけません。
同乗者である設備の仲間はあくまで記録係です。

その高圧配電盤の扉にある継電器やリレー類の目視点検
リレーなどは劣化してくるとジーと異音が出ますが普段は
扉を閉めてるのでこういう時でないと気がつけません。
後は焦げた臭いとか跡などを点検します。
築10年以上の設備では最低でも月に1回の月例点検の時に!
もし焼けてここから出火したら最後にいつ確認したかを問われます。
できたら温度計測で値として残しましょう。


盤表にて継電器類の設定変更が可能となります。
ターゲット表示が出ていないか?出たら警報が中央監視に
行きますしVCBがトリップするので出てるわけありませんが
点検項目としては"ターゲット表示なし”と声を出して言います。
ターゲット表示とは今このUVRのとこに表示してる黄マークです。
これは履歴ですからリセットしないと永久に残りますが他の方
に教えるためにここだけいつも残しています。

又UVRのとこに表示されてる数値がVT電圧で通常110V前後。
この値もすべての盤で確認し異常な値、特に低い場合は放置
するとUVRが動作してVCBがトリップする可能性があるので
注意が必要です。

私は各要所の盤表に重要シーケンスの回路図を各貼っています。
イザ緊急時、テナント停電まで至る場合、苦情やプレッシャーが
電気主任一人にかかりますから迅速な調査、対応をするため!
テナント停電とかでは気が短い飲食店の店長とか設備室に怒鳴り
込んで来ると思いますから"今業者を呼んでます”しか言えず
何もわからないでは親にも言われた事ないほど怒られます。
商業用途ビルではそんなヤバい人が最低一人はいると思います。

4.高圧配電系統温度CHECK
これはALの母線の接続部DSですがこういう場所の温度測定
この時は28℃程度でした。

これは22000V回路ですがVTやCTの温度計測を行います。
こういう場所こそ放射温度計がないと何も点検できません。
目視で異常なしは事故発生時に説得性がないのです。
この時は28℃程度でした。
盤電圧計と電流計の関係はこうなります。
ここには記載しませんがトランスデュサーでDC信号に更に変換
されて中央監視PCでも値として表示されます。
ただ異常があればPCではなくダイレクトに値表示される現地
メーターで必ず確認するのが私流です。
(VTとCTは似ていますがヒューズがある方がVT)

引きこみ22000V部分ですが接続点を基本に温度計測をします。
毎年停電作業の時に責任分解点であるこの位置のDSを開放と投入を
私が行います。
切る時はいいけど投入する時にDSのブレードの入りが甘く接触不良
でもあれば、接触抵抗×通過電流の二乗の熱がDS部分で発生します。
接続部分で熱が発生するというのは何がしかの理由で接触抵抗が
発生するからなんです。
高圧受電現場のDSでも基本は同じですよ。

私の様に特高現場では特高変圧器の点検もしますが基本は高圧
と同じ様に点検を行います。
変圧器は人間の肝臓みたいな物で丈夫で過負荷とかしなければ
これが運用中で使用不能になった話は周辺で聞いた事ないです。
まず壊れないとも言える設備ですが点検を省略してはいけません!
特高電気室は28℃で夏場冷房を入れてますがこの変圧器で上がって
も57℃程度です。(85℃で警報)

電気室は室温度は35℃未満の事、あまり下げて結露(水滴)を
発生させたくないので私は電気室は28℃で冷房させています。
屋外キュービクルにエアコンがないのも同じ理由!電気に水滴は敵
現実変圧器は室温度を30℃であっても負荷がMAXでないなら
全然大丈夫だけど同じ電気室に蓄電池設備がある場合もあり
何度?と聞かれたら25~28℃でいいと私は思います。
時々20℃以下にガチ低温にしてる現場もある様ですが結露とか
どこかで発生していませんか?
熱いと冷たいが合流する場所に結露は発生するのです。

変圧器二次側周波数は一次側にリンクするのだから
実際の二次側でのCHECKは電圧だけですね!
それが終わったら変圧器給電系統の温度測定を行います。
とにかくここも接続部を重点的に計測を行うのは同じですよ。
この時は28℃程度でした。

5.蓄電池設備
受変電設備の継電器やVCBはすべてこの電池のDC電源で稼動
してるのでこれがダウンしたら大変な事になります。
54個あるのでライトで照らして内部の外観点検をします。
年1で業者が総合点検していますがせめて途中に数個ある
点検用のバッテリーで値の状態確認をしています。
電圧はテスターで行います。各端子電圧2.0~2.1V
(こうした物の目安として比重+0.85=端子電圧なら正常)
下はそれの浮動充電装置で値も記載しておきましょう。

電池の比重ばらつきが発生したら高めの電圧をかける均等充電
というのも定期的に行います。
電池温度は25~28℃になる様に、越してる場合はエアコン
の設定を少しだけ下げます。(8~9月の猛暑時期のみ注意)
電池は温度が高過ぎると化学変化が活発になり寿命が短くなる
水は触媒付なので減る事はないです。(期限切れの触媒は除く)
この程度知っておけば通常の管理では困らないでしょう。

これも蓄電池設備みたいな物で緊急時に動作しないとヤバイ
せめて電気主任だけは常に気を止めておきましょう
5年程度経過すると内部蓄電池交換の警報が出ます!
こういうUPS用の電池は使用温度範囲が割りと狭いためメーカー
に確認してこれを設置する電気室はその温度にエアコン設定を
合わせましょう。たいてい25~26℃なら大丈夫。

ここまで点検すると90分程度はかかります。
その他第2と第3変電室、屋外キュービクルは違う日に行いますが
点検方法は以上述べた方法と同じです。

自主保安体制ですから管理の質と程度はその現場の電気主任しだい。
後点検も大切ですが保安規定、過去3年分の点検書類は業者
電気主任点検も一緒に整理して1冊に収めておきましょう。

書類がでたらめでは点検もでたらめと信用度を損ないます。

保安協会の方の話では書類関係の不備の現場が多いそうです。
酷いケースになると保安規定も見た事がなく忙しいなど理由で
何年も低圧絶縁測定をしてない現場もあったそうです。
自主保安体制のもっとも悪い事例でもし大きな事故があったら
立入り検査で改善されるまで電気配給が停止されるなどオーナー
も含めて大きなリスクが発生する事になります。
もっともそういう無関心なオーナーの元で働くビル管理会社が雇用
する電気主任だからしれてます。
この様に周りの人が無関心な現場では電気主任の思うままに適当
でもいけます、つまりこのお仕事はいくらでも堕落できるのです。

補足ですが電気室には電圧種別で色分けして基本的な注意事項
を作成して掲示しておきましょう。
緊急時には周りの人からいろんなプレッシャーがかかるので冷静に
対応するためともし自分以外の設備員が操作ミスをした場合に普段
からの電気主任としての職員への指導が悪いと言われないため
実際まじめに教えてるのにそうでないと言わたら嫌ですよね。
保安教育を仮にしていても現場でもそれがわかる様にしておく!

誰でも読んで理解できる様に電気の専門用語はここでは禁止。
自分でこういうの勉強してまでという人は若い人しかいないから
読んで苦痛にならない程度にお願いをします。
特に受変電設備でOCR(過電流)やDGR(地絡)でVCBが切れた
場合は間違えても原因調査、修理なしにリセットして再投入
だけはさせない様に徹底
させておかないといけません。
家でブレーカーが切れてとりあえず入れてみるか?程度しか
普通の設備員の方は認識がないと思っていた方がいいです。

電気主任技術者だけができるだけではダメなんです。
こういう操作SWの取扱い程度は誰もができる様に誰もが間違いを
起こさない様にしておかないといけません。
電気主任も休むのですから緊急時には電気担当以外でも最低限
の電気操作はしなくてはなりません。
対策がない現場ではいつか誰かが間違いをして事故やビルの
利用者に多大な迷惑をかける事になるでしょう。
今何もなくてもそれは偶然それが発生していないだけです。


★操作をする場合、声を出しできれば指差し確認も!
○○回路、○○のため投入します。ヨシ、投入完了ヨシ、電圧異常なしヨシ
と今からの行動理由と目的を語リ自分で納得できたらアクション実行!
たびにヨシというのは確認をするためです。
現場未経験の方には言葉なんてどうでも良いと思うかもしれませんが
まともな現場ではこういう風に作業を行います。
KYTとかしてる現場(会社)なら100%そうです。
経験のある電気主任技術者とは電気知識だけでなく安全対策も
現場で行える人で自分一人だけでは現場の完璧な電気管理は
できない事は誰よりわかっていらっしゃいます。
だから仲間の安全とレベルアップに誰より前向きなのです。

電験二種が一種がではなく三種しかなくてもこういう当たり前の事
を面倒がらずできて、夜中でも異常があれば笑顔で出勤してくれる
方が会社がもっとも求める電気主任技術者の人材なのです。
誰でもいいという適当な現場なら意外と入社できるかもしれませんが
そんな会社では電気主任として入社しても粗末に扱われるでしょう。
会社からいいように利用されてる?だからお給料をもらってるのです。
だからあまりにも安いお給料など雇用条件の悪い会社はパスです!

最低でも手取りで毎月25万円ないとやってられないでしょう?
もちろん正社員でないと意味ないです。ボランティアではありません。
スキルがあるなら必ず貴方だけを好条件で受入れてくれる会社ある!
今回私がこのページで紹介した内容程度は余裕でないといけません。
ただ着任した現場にもすでに既存の手法がありたとえ間違いでも
変更する場合は職場の方から反感を受けない様慎重にされてね。
"新米のくせ偉そうに!"、職場歴10年以上の先輩を見方にできず
敵に回すとガチ辛い職場となる、特に相手がこちらのスキルを
心底認めてない内からビッグ‐マウスは控えるべきです。
私も人間関係が一番難しいと思う。