2021年2月9日火曜日

スターデルタ起動回路・モーター絶縁管理

個人的な電気作業動画です。
⇒漏れ電流で分電盤絶縁診断⇒変圧器B種接地電流190mA!
⇒分電盤の各種点検動画⇒マルチメーターMS8212A
⇒漏電とは⇒短絡とは⇒コード断線チェック⇒テスター
⇒コンセント⇒回路探す⇒マグネット⇒単相三線式回路
⇒絶縁と接地の関係実験⇒接地抵抗測定、共立KEW430
⇒コンセントを利用した絶縁抵抗測定⇒朝のルーティン
電気の仕事報告

スターデルタ回路でI0や絶縁抵抗測定する時はこの位置。
時々何でもMCBの二次側で絶縁を測定されてる設備の方が
いますがI0ならともかく、絶縁測定時は電源は切れてる
つまりメインマグネットが切れてるのでモーターの絶縁
測定はできてない。屋内の乾燥したモーターで100MΩ
屋外、受水槽室モーターで50~100MΩ、水中ポンプで
5~50MΩは最低あります。又I0rまでとは言いませんが
150Hz以下ノイズカット漏れ電流測定でも5mA以下です。
モーターは工場出荷時に100MΩあるのを確認してるわ
けでそういう物が基準値ギリ0.2MΩになる事態異常!
絶縁抵抗基準は人が電気を感じるのは1mAとしオームの
法則で逆算し得た人間の安全のための値、その基準で
管理していたらモーター劣化進行に気がつけません。

もし上の測定方法で基準値ギリの0.2MΩなんて値でした
らモーターの端子台のとこで直接モーターの絶縁を確認
してください。屋外設置なら端子台に水が浸入していた
り、途中線路の劣化かもしれません。三菱/日立モーター
の保守点検での絶縁基準は1MΩ以上です。その事から
モーター絶縁は1MΩ以上必要です、I0測定でもいつも
2mA程度なのに急に10mAを超えていたら営業終了後に
電源を切り絶縁抵抗測定、そこで0.2MΩなら端子台で
調査する。★ここまで調査するのは電気主任のお仕事★
端子台で測定する時は線を外してモーター単体で行い
ます。メーカーはあくまで絶縁抵抗で判断を求めてい
るためモーターはI0やI0r値だけでは不足、ただ絶縁
不良を知る手段としてはI0やI0r値は点検では有効。

モーター単体絶縁測定、運転できてたわけですから0MΩ
ではないですが0.15MΩではメーカーに相談してください。
.2と表示されて0.2MΩという見方、すでに法定値以下。
メーカー公表基準でも不合格ですから取替を勧められる
と思います、最終判断は電気主任がしてオーナーに説明
納得されたらなら購入されます。工事費込み100万円!
報告書(故障理由、発見きっかけ、普段の管理)は必要。
フルメンテナンス契約をしてない物が故障するたびに
設備管理会社の管理の質も確認されるので電気設備に
あっては数値のある点検を月に1回はされてください。
日常巡回点検は誰でもできる内容で故障時の資料には
なりません。(○×、盤指示の電流と電圧記録程度)
空調機を途中で3分でも停止できる現場ならI0で
なく絶縁抵抗でも構いません。普通は無理です。
停止して"空調の風が止まった"とかクレームが
発生したらオーナーから苦情を言われますので
だから運転状態での絶縁診断はI0です。ノイズ
カットボタンに指が当たりOFFにならない様に
注意
してください。特にインバーター空調機の
場合は高調波が多いので、ノイズカットがOFF
ですと老朽化してる空調だと50mAとかになり
ますがONにすると2mAとなりその2mAを記録
します。そのためホームセンターで売って
1万円のクランプメーターは使えません!
日常点検では盤電流計で確認すればいいけど月1点検
では直接測定して電流計の誤差確認、盤電流計の値は
スターデルタ起動方式では通常デルタ回路の手前の
値ですから実際にモーターコイルに流れてる電流は
測定しないとわからない。後主幹I0を測定します。
モーター電流値はインバーター制御でなければほぼ
一定値です、その値がいつもより少し低い場合は
Vベルトの緩み、逆に高い場合は軸受けなど駆動系
で抵抗が増加しています。電流を通じて機械系の
異常にも関心を持ってください。グリースアップ
とVベルト取替は一人で作業できる様に習得されて
ください。普段の値より2A下がったら即取替すべ
きです。
電流に係るからVベルト取替は電気主任の
仕事と理解しています。グリースも時々補充しない
とベアリングが壊れます。

私も一人でこの位のVベルト取替ならできます。規模
や取付位置で作業が危険な場合は仲間に補助しても
らいます。なぜVベルト交換が必要か?_電流が少ない
と負荷が乗ってないから空調機風量が低下、でも切れ
たベルトを回転部のどこかが巻き込むのが一番怖いの
です。ですから電流が低下したら即取替が正常な管理
と判断します。外観的なベルト交換目安はは横ヒビ
程度ならしばらく大丈夫だけど芯のコアが割れてると
近日に数本の内1本は切れます。最善な管理は1年に
1回の定期交換、半年に1回のグリースアップ
です。
動力盤はMCB二次側辺の電流値をCTで読んで盤表の電流計を
表示させています。そこを実測したこの値が運転状態(デル
タ)のモーターコイルに流れてる電流ではありません。ただ
起動時(スター)は盤電流値はモーターコイルに流れてる電
流値を表示しています。

デルタマグネットのとこで測定した電流値が通常運転中に
モーターコイルに流れてる電流値ですから測定しないと
それはわかりません。モーターコイルに流れてる電流は
この位置で測定するので気をつけてください。
実際設備
現場の方は盤電流計の値がデルタ運転状態の電流と思わ
れてる方がほとんどですが電気主任は正確な測定位置を
把握しておいてください。

ここでは漏電とは絶縁不良による物と定義します。
私の個人的研究では線路電流が高調波を含み歪んで
いても正常ならそのサイクルの繰り返し、漏電が発
生すると数値が安定しない波形となる。以前から漏
電が発生すると通常のI0測定の時と違い値が乱高下
する現象には気がついてはいました。下で1か所跳
ねてますが、それが大きい時にLGRの誤報が発生し
ます、ただその1回だけなのでその瞬間に何の機器
が原因は不明、線路やケーブルの漏電ではこんな変
化は絶対にしません。尚、電流波形グラフと電流値
の時間変化グラフは異なる物です。

I0値は測定中の数10秒か数分程度の範囲では一定値。
それが20⇒25⇒30⇒23とか秒単位で変化する場合は
私の見てきた経験ではほぼ漏電がありました。通常
時にビルでI0がこういう変化をするのは目撃した事
はないです。他人に自信を持って語れるのは本にこ
う書いてあったではなく、自分が経験した結果だけ
です。又測定した値や波形を否定する愚か者は現場
にはいません。理由不明でも実測は100%の正解です。

微妙に少しの変動はありますが、B種接地、幹線I0測定
にしてもI0値の正常時の変化はこんな感じです。ただ
テナント盤では機器や照明がOFFした深夜では≒0mA
接続した機器が可動か停止でI0は大きく変動するので
I0測定は昼間14時頃が一番良いと私は思います。
I0管理の条件は同じ負荷条件で測定比較の事。
絶縁劣化がある場合は深夜になってもI0が下がらな
い点も意識しておきましょう。主幹にELBがあると
店が全停電するので店舗では主幹にない事が多い
年1の絶縁測定がOKでも次の1年後を保障する物
ではなく電気主任はあらゆる変化から絶縁管理を
して普段は絶縁管理します。LGR任せにしない!

LGRが発生、ELBがトリップした、そういう事が重なる
と厳しいオーナーでは管理をしているのかと質問攻め
に合う、警報が出たら対応すれば良いという管理は
満点ではない
、銀行とか証券会社でELBが切れたら
かなり問題視、I0が10mAまでの漏電ならELBが切れる前
に対処可能ですが、30mAのELBなら15mAを超えたら
いきなり切れます。(通常15mAまでは不感帯のため)
0.01MΩの絶縁でも30mAの通常ELBは動作しません。
絶縁不良はLGRやELBだけでは気がつけないケースも
ある、つまりELBが動作して切れる様では相当に絶縁
が悪化して何らかの修理なり取替が必要。それを防ぐ
には月1回テナント盤主幹でI0又はI0r値測定しかない
というのが私の結論です。(測定のための停電は無理)

ここからが今回の本題記事です。
見て頭で理解しただけではイザで扱えません、自分で組んで
みればいいのです。
オプションで運転時間を自動制御する
24Hタイマーを電源に入れました。実際はマグネット主
接点に接続されるモーター側電源配線もあるのですが煩雑
になるためここでは省略しています。現地にてON/OFF運転
してるスターデルタモーターを自動化するならONボタンを
短絡してOFFボタンの代わりにTB15601Kの様な24Hタイマー
接点を入れたら簡単にできます。つまり下の様に配線すれ
ば可能です。今回は紙の上の思考と組立の違いを感じてく
ださい。三相から単相200Vを取る時は1本は三相の接地相
を使います。接地相を各素子のコモン(共通)配線とします。

本来デルタマグネットの方がスターマグネットより少し容量
が大きいのですが都合デルタマグネットにこれを使用してる
だけです。切替タイマーも代替表示としますがスターデルタ
切替タイマーとはスターからデルタに切替わる時に一瞬0.2
5か0.5秒の時間ずれする機能もある秒タイマーでTB15601K
タイマーとはまったく異なります。

運転時間を自動制御するタイマー配線です。このタイマーは
電気工事業者も手軽によく使い現場に入れば見る機会がある
と思うので結線を覚えておく事をお勧めします。テナントか
ら部屋照明を自動化したい相談があれば分電盤のとこでこん
な処置で簡単に可能です。このタイマーは100V/200Vでも使
用できますがマグネットのコイル電圧は200Vなので今回は
単相200V電源をタイマーに入力します。なるべく端子
と配線の接続部で線の充電部(Cu部分)が見えない様にしま
しょう。

まず各素子のコモン(共通)配線からこういう場合は行います。
実際に配線する時は線長を考えなるべく綺麗に配線しますが
今回は見え易い様にあえて弛ませています。


スター回路a接点経由でメインマグネットのコイル電源に接続

これはメインマグネット自己保持回路ですがこれはほとんど
の機械受電シーケンスなどに使われるので接続の方法を目で
必ず追って理解しましょう。たとえば手動運転可能として電
源側に押しボタンを取付する場合はONボタンと並列に自己保
持回路をつけます。そうでないとONボタンから指を離したら
通電が止まり回路が停止してしまいます。

タイマー電源S1を接続しました。

実際は青線の様にタイマー接点に接続してこの場合では
デルタマグネットb接点まで配線が必要です。起動信号
が出てもまったく回路起動しないという場合はこのラ
インに注目です。マグネットコイル断線の頻度はそう
ないのでタイマー交換してもダメならデルタマグネッ
トb接点が不良でスターマグネットのコイルに電圧が
かからないのです。

タイマーa接点⇒スターマグネットb接点経由でデルタマグ
ネットのコイル電源に接続で完成です。MCBやELBは電源側
と負荷側がありますがマグネット接点は下から入れて上に
抜いても構いません。あくまでレイアウトの関係で自分の
都合の良い方向で配線します。

全体はこんな感じ!思ってたより簡単なのが組んでみると感じます。

以上はスターデルターの制御回路でモーター側の結線がないと
使用できません。
このスターデルタモーターの3個のコイルに
は一次と二次側があり各UVWやXYZという記号があります。
スターデルタ結線のモーターは電源が6本あります。

スターデルタモーターの配線を接続する端子台の接続も当然
6箇所となります。

下はスター結線なので片極を短絡していますが現場ではこう
いう配線ではなく短絡金具というのが使用されます。こうい
うスターデルタ回路を見る時は最初にどれがスター用のマグ
ネットか確認してそこから全体のつながりを目で追えば構成
と配置を容易に把握できます。


次がデルタ回路についてですがこの部分が少し理解し難い方が多い
と思うのでこういう配置で私は説明してみました。

モーター側結線においてデルタ回路はU⇒X⇒V⇒Y⇒W⇒Z
⇒Uの閉回路を結線します。つまり3個のコイルを直列
で接続してuで閉じるという意味です。

U⇒X⇒Vまでの接続がこうです。

V⇒Y⇒Wまでの接続

W⇒Z⇒Uまでの接続、これで1個の閉ループ回路ができデルタ
回路となります。Uから出た配線は最後もUで完結してないとそ
れはデルタの閉回路となってないのでどこか間違っています。


かなりスターデルタ回路について詳しくなれたと信じています。
スターからデルタに切替わる時に0.5秒程度の時間差をあえて
もうけています。モーター回路が遮断されますがその瞬間は
モーターが発電機となります。電源電圧が0.5秒後に給電され
た時は両者の位相ずれが原因でガチャンという大きな音が発
生するのです。初めてスターデルタ起動を現場で目撃した時
はそういう理由でけして故障してるわけではありません。

今回と前記事を把握されたなら設備に転職してもモーター
回路の事では職場で一番詳しい人になれるでしょう。でも
電気主任ならば当然の事で自慢する事でもありません。
入社早々あれは違うこれは違うと先生気取りをしてる
と職場で孤立するはめとなるので注意してください。
普段は無口で必要な時だけ自己主張するのが大人の
対応です。

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