漏電から短絡に至る事もあるのを意識されてますか?
THRは過負荷保護、短絡保護をするのはMCB。そうなればTHR以降
二次側配線短絡かモーター焼損で上の様に≒0MΩとなってるでしょう
確認せずTHRを手動リセットしモーター運転再開は厳禁です。_絶縁
が正常ならマグネット接点不良による単相運転、業者に修理してもら
うにしても事故報告書を会社に提出する必要があるので間違えた対
応手順を記載し、業者を通じて上司から指摘されない様に注意が必
要です。会社は電気主任が作成した事故報告書を業者にそのまま
提出します。_対地間で0MΩとは漏電ですが同時に対地間で大電流
が流れるのです。0Ω漏電ではTHRやMCBも動作トリップする。
漏電なのにMCBがトリップする唯一の事例です。
対地間でメガ上は0MΩ表示でも僅か10ΩもあればMCBはトリップしない
ので漏電ではMCBは動作しないと思われてる方が多いでしょうが!
100VコンセントMCB回路でも稀に0Ω漏電は発生しMCBトリップだから
電気の使い過ぎとして、漏電は絶対ないという固定観念を持って
はいけません。(メガ確認せずMCB再投入は厳禁)_事故報告書
で重要なのは確実な原因を発見して書面にする事です。
コンセント回路での漏電、配線損傷による短絡は飲食テナント以外
では滅多に発生しません。でもそんな現場に電気主任として着任
したなら常に漏電・短絡は意識しておきましょう。
高圧~低圧まで負荷電流に対しての安全対策は過負荷と短絡
です。逆に電流が低い場合の安全対策はまず必要ないので電
気を現場で取扱っていても実際ピンと来ません!_盤屋さんに
専用回路を組んでもらい一式20万円というのがこれまでの実
情でした!_今回は前から興味があったオムロンのK8AK-AS2
を購入して机上で組立をしたレポート。勉強のため楽天で購入
したのですが1万円程度でこの機能は前ではあり得なかった優
れ物です。K8AK-AS2は設定より電流値が高い場合と低い場
合で制御、更に自動復帰機能まであるので省エネ対策にも応用
できます。あるがままをただ管理するだけでなく省エネを考える
のも電気主任の業務と最近はなっているので使える奴です。
表面にはK8AK-ASと記載されていますがこれはK8AK-AS2です。
フロート、液面リレー故障で水中ポンプが停止しないと最後は水が
ないのにポンプが運転する現象が空転、冷却不能で焼損します。
会社が管理してる他ビルの雑用水槽で空転現象が発生して結果的
にポンプを焼く事故が発生、そこの現場の方から相談があり私が改
造したのはこうしたポンプは排水時間はほぼ一定なので運転時間が
設定以上になったら警報を出す又はポンプ運転ロックする方式です。
実はこれ工場勤務時代にそこの電気主任がされた方法を適用した
だけです。前記事で机上で回路説明をしましたが再度載せました。
ただ実際こうした事をする場合、盤への取付加工作業が結構面倒
なんです。(部品の点数も多いため)
ポンプが2台なのでマグネットOFFさせるためのb接点は2個必要
L3が空転発生ランプです。_空転時は現場に設備員が来るまで
は運転が再開されてはならない!_ポンプ室に来てる何かの
警報用a接点に外部警報用a接点の配線をパラ接続させる。
以上、必要な動作はすべて満たしています。
私が勤務するビルの中央監視PCでは機械の運転時間警報があ
るのでこれなら10分以上運転したらポンプの異状を知る事がで
きます。小規模現場でこうした機能がない場合又排水槽では通
常減水警報がないので水がないのにポンプが長時間運転して
焼損するという懸念があるのです。_又飲食関係が多数ある
ビルでは油分やパン粉が雑排水槽内で冷えて固まりポンプを
詰まらせ回りぱなしという事例、私が勤務するビルでは時々
発生、至急ポンプを逆転させて除去します。ですがそれに気
がつけないでポンプを焼損させたらオーナーから管理が悪い
と指摘されます。ですから必要な現場は空転対策は必要!
K8AK-AS2はCTを経由させて電流値が過電流又は不足電流に
なった時に接点を入切(C接点1個)させる物です。_設定説明は
実際に購入された方だけが知るべき事と思うので今回細かい事
は省略します。_CTは通電状態で二次側を開放するとCT本体が
焼損しますので取扱いには注意して。_部品の取付点数が少な
いので施工は最初のリレー、タイマー式より楽ですね。
上の場合は動作した時にa接点がONとなり、その無電圧接点を
利用して遠方で異状を知る手立てとする物です。既存の何かの
警報用a接点にパラ接続すれば中央監視では共通異状表示に
なりますがそこで異状が発生した事を知れます。_尚CTは付属
していませんので運用に適した比率のCTをよく検討され購入さ
れてください。基本は盤の電流計が30Aなら30/5で50Aならば
50/5のCTを買えばいいと思います。ただ電流値の目視監視を
するわけではないので目的動作が可能ならば絶対にそれに拘
る必要もありません。_(30/5で5千円前後です)
ただ警報ではなく実際に機械動作をロックするならば個人的に
はK8AK-AS2の電源は既存制御元電源から給電すべきと思い
ます。(K8AK-AS2消費電力は2Wなので問題なし)_そうでない
とマグネットのコイル電源が切れる事でK8AK-AS2までリセット
されてしまいます。_制御元電源からとするのでK8AK-AS2電
源回路の途中にはリセット用のB押しボタンSWも取り付けます
K8AK-AS2内のC接点は負荷直接でなく、負荷を入切するマグ
ネットやパワーリレーの制御用として使います。
自動交互運転だから2SETこういう物が必要ではありません。
それでもいいけど費用を抑えるならば、CTを2台ポンプの電源
分岐前に挿入、上の様にb接点ではなくa接点で別取付のリレ
ーを制御します。次にそのリレーのb接点2個で各マグネット
コイル電源をを切る仕組みにすればいいのです。(C接点が
2個あるリレーが1個必要)
自動復帰機能を有効にした場合は復帰設定が必要ですが
排水槽の空転対策では無効にし不足電流動作でポンプを
自動停止させます。_CTの入力範囲でI1~I3があります
が5AレンジのI2を使用しそこに30/5のCTを接続、動作
設定(SV)を30%にすればモーター電流が9Aに低下する
とK8AK-AS2でマグネットの通電を停止させられます。
ポンプが空転すると5A程度になりますがそうなる前には
停止させたいので一桁Aとしました。_後背面のDIPSWは
左から2個目のピンを下にすると自動復帰モード、過電流
か不足電流どちらの機能を使用するかは一番右側です。
その他SWやダイヤルの意味は購入後、説明書を参照。
異常感知目的では自動復帰機能は通常使わないので
省エネ電気制御目的に使える機能と私は判断します。
K8AK-AS2の電源電圧は100V~240Vです。CTなし直接
入力では10A程度が限界なので私の持ってる単相モーター
で実験してみました。(デジタルだからTHRより正確動作)
C接点は抵抗負荷で5A程度なので通常はこの接点に負荷
電流は通さないでください。あくまで今回は5A未満で動作
確認のために行いました。
不足電流制御の確認ですが電流入力をI1にしてここは1A
がMAXなのでSV設定20%で0.2A以下になれば回路を遮断
します。60Wの白熱電球(0.6A)では当然切れません。
今度はSVを70%(0.7A)にすれば当然回路は切れました。
(DIPSWは事前に不足電流に切換が必要です)
★自動復帰を使用しない場合は設定SVとDIPSWの切換
だけ考えればいいです★他は既存のままで触らない!
CTを使う場合はI2に入力してCTの比率とSVの%関係
を正確に把握して設定する事が大切です、上手く入切し
ない原因はたいていここが間違えてるはずです。
★自動復帰機能を利用し省エネをしてみましょう★
DIPSWで自動復帰を有効にして過電流制御に切換、接点
を動作させたい電流値をSVで設定、再度接点を初期状態
にしたい電流値をHYSで設定します。_私が個人的に思う
どんなビルでも省エネ効果が確実にでる対策としては照
明器具のLED化、空調機のOA削減対策、不要な照明点
灯削減空調機運転時間の見直しの4点です。
今年から会社が管理する各ビルの省エネ担当総括もする事にな
ったのですがある現場で冷却水ポンプが3台あるが台数制御が
ない、担当した運転員の判断で手動追加運転をされてますがこ
れを自動化して無駄な3台運転を防止する事を考えています。
方法のヒントは上ですがその前に現状調査が必要です。
工場で勤務してた時の冷水制御は冷水流量を4-20mAの信号
に変換してポンプ台数制御をしていましたからポンプの総電流
量でも近い制御ができるのではと思っています。
30℃の水2リットルと70℃の水3リットルを混ぜたら何度か?
30℃の水2リットルを10分で80℃にする電熱器能力は?
代謝2000Kcalの人間を白熱電球にたとえたら約何ワット?
30℃の空気が100㎥/H⇒30℃の空気60㎥/Hに減らしたら
時の削減熱量?_1W=1J/s、1KWH=860Kcal、1cal=0.24J
これらは省エネ試算を考える上で最低限必要な計算力!
1日2000Kcalの代謝の人間とは、1時間で83Kcal、1秒で0.023Kcal
0.023Kcalは0.096KJ=96J、これは秒単位なのでつまり96Wです。
人間は大雑把に言えば100Wの白熱電球なのです。
10万Kcalとは116KWH、そのビルの電力単価が15円/KWH
ならば15円/KWH×116KWH=1740円節電できる_OA削減に
よる省エネ効果試算はこんな感じですね。_直接回路の有効
電力を電力クランプメーターで測定する事もあります。_三相
は2電力計法の理屈から2回測定が必要ですね。_省エネ
効果は最終的に有効電力KWが低下してるかで決まります。
こんなコンセントタップを自作して利用したら家電の消費電力
も測定可能です。写真の0.46は0.46KW(460W)_仕様は
500VAなので性能には問題なし_テナント相手のお仕事をし
てると電力を測定する事ができたら意外と役に立ちます。
普通のクランプメーターで電流値を測定しても消費電力KW
のあくまで目安に過ぎません。
飲食店舗で最近電気代が高いんだけど古くなり電気を凄く
消費してないか調べてほしいという相談、又は機器が正常
に機能してるかの調査、取替のタイミングを提示してあげ
る事ができます。古い機器をなんとか稼動してるから使用
を継続されると、ある日突然漏電して電源が入らないとか
MCB回路だと変圧器で地絡警報が出て結局自分のお仕事
が余分に増える結末となるのです。_10年前の機器なら更
新すれば間違いなく省エネです、がテナントも稼動してる
状態の物を取替をするには本社に理由が必要なのです。