何かの機械運転後、時間経過したら警報を出す、その機械を停止
させる、連動で違う機械を動かす場合の制御タイマーの使い方の
一つ、機械運転用マグネットが投入されるとそれの補助a接点が
閉じるためタイマーに電源が供給されるのです。後はタイマーに
内蔵のa接点とb接点をどう使うかです。(200Vタイマーを使う)
その機械が5分以上運転しては確実に異状という場合、タイマーで
5分を越したら近くにある故障リレーのa接点に接続すればいいの
です。機械室は巡回点検以外では普段は無人ですから異状が発
生しても誰も気がつけない、兼用表示になるけどこれが一番簡単
な方法です。ビル設計者も想像しなかった運用上発生する諸問題
というのは現場で電気主任が解決するしかありません。人が頻繁
に現場を目で確認する方法は労力が増えるわけでそれをスマート
に解決できてこそ職場での貴方の評価は急上昇します。
盤の下か左側を見れば外線接続ターミナルがあり各配線番号の意味
を示す図面があるはずです。故障リレーに接続するのではなくここで
接続作業をした方が通常は簡単(同じ意味)_中央監視からのDCが
かかってるので素手では端子への接続作業はしないでください。これ
は屋外キュービクルのですがどんな動力盤にも外線接続ターミナル
はあります。モーター異状とかTHR関連の端子があるのでその警報
線を兼用するのが一番いいと思います。ただ間違えて中央監視線へ
200Vをかけたら壊れて莫大な損害が発生するのでけして電子工作
をする様な遊び気分ではされないでよく確認をして行う事!
以前こちら⇒ポンプ空転防止回路の記事でマグネットを使用した回路
組立てを説明しましたが今回は代用した回路で実際の稼動をお見
せしたいと思います。実験は手持ちの100Vリレーで行います。
2台の機械のどちらでもタイマー時間以上運転した場合にその機械
を強制停止させて警報を出す回路。水槽排水制御でフロート故障等
による空転防止回路に応用できます。会社が管理する違う現場の雑
排水槽でこの改造を私はした事があります。(排水槽には減水警報
が通常ない)_排水制御では2台ポンプを自動交互リレーで運用する
ため2個のランプ回路で代用しました。排水制御はポンプ運転時間は
正常時一定なので運転時間超過を監視すれば水がないのにポンプ
が空転する事を防止できるのです。下ではL1、L2ランプをポンプとし
て見てください。L3が空転発生ランプです。遠方警報はポンプ室から
監視室に行く何かの警報接点をa接点で短絡すればポンプ室での異
常発生を知らせる事ができます。(ポンプ室は巡回時以外は無人)
ポンプ空転は運転音(空気を吸込む事によるかなり高い音)だけで
なく運転電流でも確認(無負荷に近い)できます。水中ポンプは排水
を冷却媒体としているので水が通過しない状態での空転運転を長時
間すると焼損の原因となります。又電流値で動作する電流リレーを
使えば運転時間ではなく、空転して無負荷電流に近くなったらモータ
ーを停止させる制御もできます。ただCTとかも必要となり高価になる
のと私もパーツを見た事がないので今回はそれには触れません。
ビル排水槽用ポンプの運転電流が一桁になっていたら空転してます。
(こういう物のモーターはどこのビルでも3.7か5.5KW程度)
最初に赤枠範囲の組立です。配線部分を矢印で補足しました。こういう
物はコモン(共通)配線から先に私はします。同じ端子に挿入できる線
は2本までですから図面上3本になってる場合は同じ意味の違う端子
に接続する場合もあります。そういうのは組立てながら考えます。と言うか
図面ではそれは見えないので自分で考えた回路を組む場合はその辺で
最初は戸惑う事があります。無理に3本挿入してネジで締めたらこういう
リレー類では樹脂部分が破損する場合があるし締付も不十分です。
通常の自己保持回路の後に別のリレーのb接点がある点に注意!
タイマー時間後にこのb接点でランプ回路をロックします。その後は
押しボタンを押してもランプは点灯できません。(このb接点元のリ
レーCは自己保持させて手動リセット操作をしないと復帰できない
様にしました。)
次にONの押しボタンSWを接続しました。これで50%完成です。
端子台を使う事で3本の接続点を発生させない様配慮しました。
一旦作業は止めここまでの配線に間違いがないか確認の意味で
電圧をかけランプが各押しボタンで点灯するか、最後まで組立て
た後に動作しないのを調べるのは大変です。問題なしです。
各ランプ回路のa接点を並列に接続してタイマー電源としています。
これで1個のタイマーで2個の回路の制御ができる、又今日はあく
まで実験のため10秒で設定しました。現場で使う場合は分式を
必ず購入の事、ソリッドステート・タイマー(無接点半導体式)
リレーX分のソケットがないため今回はリレー端子に直にハンダをし
配線を出しました。ソケットなしでどうしても使用する場合はこういう
方法で使用できます。どうせ押しボタンのハンダ作業もあったので
一度に済ませます。コテに電源を入れたまま放置するとうっかり触
れて焼けどしますからね。
タイマーに電圧がかかり今回は10秒後にタイマーa接点が動作して
リレーCとリレーXに電圧をかけます。リレーCが動作すると最初に配
線した各ランプ回路にあるリレーCのb接点が切れるために点灯して
るランプは消灯します。もちろんタイマー電源もなくなりますが下回路
図を見るとリレーXは自己保持してるのでリレーCとリレーXへの通電
は遮断されません。回路の組み方として異状が発生して機械動作を
強制停止させた場合は特殊な事情以外では自動復帰は行いません。
消防設備では自動動作手動復帰が原則ですがどんな回路でもそれ
は安全動作の基本です。
リレーXの残り配線はジャンパー線で接続して完成、早速に電圧をかけ
て実験をしましたが以下の様にきちんと動作しました。今回はこれまで
で一番ボリュームがあり90分程度配線に時間がかかりました。回路で
の理解は容易ですが自分で組んでみると意外と接続間違いに途中で
気がついて修正を何回かしました。結果的に完成できたのでヨシとさ
せてください。NO2ランプ回路でも問題なし!
実際に現場で組む場合はマグネッの補助a接点からスタートです。
リレーCのb接点はマグネットのコイル電源の間に入れたら強制運転
ロックができます。ポンプは自動交互運転2台あるので両方に行いま
す。その場合のパーツは通常AC200V用ですが制御回路だけDCとか
AC24とかの可能性が0ではないので制御回路電圧の確認はします。
主回路三相RSTから単相200Vを出して回路を作るならばAC200V用
で決める事はできます。(この程度で電圧は不平衡にはなりません)
尚、タイマー設定時間は正常運転時間が5分なら7分程度で。
(フロート、電極でポンプ起動・停止するため運転時間は常に一定)
今家で1個しかマグネットがないので片側だけで配線するとこうなり
ます。よく考えたら故障表示ランプ、リレーCとリレーXは同調するの
で共通電源で可能です。リレーXのC接点が1組開いてるのでこれを
a接点と利用して機械のある現場から中央監視室に行ってる何かの
警報接点をそのa接点で短絡させたらポンプ室とかで何か異状事態
は発生したのを知る事ができます。尚、OFFボタンSWは自己保持して
る回路のリセットSWです。制御電源MCBは通常他機械の制御電源も
兼ねているのでその回路専用のリセット機能は必要となります。配線
パーツ代は1万円もかからないか高くても1万円程度です。会社で買
う場合に適切かわかりませんがパーツはamazonですべて購入可能
です。(NETの方が代理店直販より価格は安い)
私が管理してる現場の例で説明するとこの回路は各MCBのAL接点を
すべて並列に接続してどれが1個でもトリップしたら中央監視室では
MCB異状と表示/警報が出ます。この接点に接続したら同じ様に警報
が出せます。この事で違う回路が実際にトリップする事はありません。
この類でなくてもその現場で一番都合の良い警報接点を利用します。
巡回時以外は無人の場所の新しい異状発生を経費をかけず監視室
で知るには既存警報回路を兼用すればいいのです。その他の揚水
動作では水源がGLレベルより下にある給水ポンプではフート弁老朽
化故障によりポンプ空転が発生します。その対策にも利用可能。
厳しい現場では故障が発生すると電気担当は今後の防止対策を
会社に報告して実施する必要があります。頻繁にポンプ空転は発
生するわけではありませんがどこの現場でも起こりえる事なのです。
私が勤務する会社の他現場でも過去それでポンプが焼損した事が
ありました。業務用設備ですから取替には高額な費用がかかりビル
オーナーにも原因と今後の防止対策まで必要となり大変だったそう
です。実はその対策の時に私がお手伝いをしたのです。改造になる
と業者は何かあったら困るので逃げます。現場責任者、技術部長と
私で話をして部長指示で私が行いました。外部の人ではこういう事例
は対応が逆に難しいので自社で実施した対策。ただどんな故障でも
基本仕様変更や改造を電気主任が独断でされないでください。
いつもメカニカルリレーを使用していますが前から気になって
いた半導体式無接点のソリッドステートリレーを勉強のため
amazonで買ってみました。知識だけで実際に扱えないと意味
ないから実験してみるしかありません。いつか記事にします。
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