事務系テナントで室内FLR2灯式器具が1台は点灯せず、もう1台は例の
セミが鳴いてる不具合発生、ここは本社の許可をもらわないと同じ物で修
理してもらわないと困ると強く言われるのでLEDバイパス工事ではなく久
ぶりに安定器取替をおこないました。こういう事務所は機密保持で営業
終了後は入室は許可されないので修理は営業中でも構わないという事
でした。
在庫にはFHF安定器しかないのですがLEDでないならいいと言われるので
FHFの安定器で交換しました。FHFの安定器はFLRより軽いけど長さが1.5
倍くらいあるので取付穴をドリルで開けます。それと黄色側のソケット配線が
FLRのパラ接続と違いこんなオープンになっているので結線の変更が必要
です。営業中ですから照明なんて切れませんから電気が生きたままで行い
ました。別にどうってことないけどジョイント時に工具の先が器具ケースに接
触しないのだけを気をつけます。どうせSWを切っても片切200Vですから同じ
事ですしね。電源を切るのは既存安定器の根元、変な電源引込辺で切ると
その器具だけでなく送り配線の電源も切れ照明回路が一列消灯して怒られ
ます。尚、FHFはボルトフリーで電源は問わず、又ランプフリーでFHF.FLR
FLすべての40Wランプが使用できます。理論的にはFLRより少し明るい。
この程度の作業ですとビル管理を3年もしてる人なら楽勝なはずです。
貴方が経験がなく電気主任となった場合、電験がなくても先輩達の方が
電気実務はできるので謙虚な気持ちで学んでください。
共用部WC照明は今はすべてLEDですが飲食店内では洗面場とかでこうした
FL20Wタイプがまだ使用されています。最近お店の方がランプとグローを取
替しても点灯しないと言って来られました。自分なりにこう点検したらグローラ
ンプソケット根元が腐食で断線。コンセントがあったのでハンダで修理完了で
す。こういうのは接続部が腐食したり断線するのです。安定器は状態は悪くて
も断線してないなら下の点検では開放電圧ですから電源電圧がそのままソケ
ット両端に出ます。ですがFL器具の安定器は壊れないと言って良いくらい丈夫
でまず故障しません。蛍光灯の修理程度は何でも任せてください。テスターは
忘れずに!テスターで導通試験というのがあるけどあれは電気屋にとって電
圧測定の次によく使う機能なんです。(高周波点灯するランプの電圧はテスタ
ーでは見れませんからこういうFL器具限定の点検方法です)
面識がない違う県の支店現場担当の方から私に電話があったのです。
"初めましていつも丸山さんのBlogに刺激を受けてる一人です"と言われ
ながらも相談を受ける事になりました。私の勤務するビルでもある飲食関
係の雑排水槽ポンプが異物で詰まる事があり10秒程度逆転させる事が
あるのです。そこも同じ状況で人がマグネット二次側2線をCHANGEしてい
ますがそんな事をせず誰でもできる様に改造をしたと言われました。私は
即マグネットを併設して反転回路を組んだのだと想像しましたがポンプが
回らずブーンという音だけするという報告でした。それって短絡してるので
はないでしょうかと返答しました。起動から回らないで短絡するとモーター
はそういう音がするのです。どういう結線をしたのか聞いたのですがそれ
を再現するとこういう結線です。(本人の許可を得て記事にしています)
その時は異物が詰まった状態で運転電流10A以下、10秒程度しか回せない
からその配線でも大丈夫、運転時は制御電源を切り既存マグネットは自動
では絶対に起動しない、その条件で2P2EのMCBを入れたらモーターを反転
できる...一見らしいけどこの重大な間違いに貴方は気がつかれましたか?
R相の電源だけがかからない停止状態の三相モーターに単相電圧をかけて
るだけなのです。(三相モーターは停止状態で単相状態になるのは運転状態
になる何倍もヤバイ)急いでその結線は外してモーター絶縁とか正転状態で
の運転電流を確認する様に伝えたのですが運良く異状はなかったそうです。
ですが老朽化したモーターでは焼損していたでしょう。会社で始末書と給料
カット手前の事故を起こすところでしたね。こういう場合はマグネット結線だけ
で言えば1個併設してこう配線しないといけません。以前BLog記事のKIT製
作の時のですから配線の色どうこうはここでは無視してください。つまりRとT
相を反転させてるだけです。
もしろんマグネットを起動させるための回路も作成しないといけませんが簡単
に行うならば三相用3P3EのMCBで同じ結線を組めばいいのです。その運転
をする時は制御電源を必ず切り正転用マグネットが投入されない点だけは注
意します。それに逆相を回路的に見てる場合は異状警報も出るので制御電源
は止めておく必要があります。前述した様にその時はわずか10秒の10A未満
状態ですから連続運転には無理だけどVA2.0の配線でも大丈夫です。3P3E
の20AのMCBなんてこんなに安いのですから資材として会社で購入してから
行う事をお勧めしました。余談ですが3P3EのELBを単相200V回路で使用す
る場合は真ん中のS相に配線を接続してはいけません。又三相回路には3P
2Eは使えません。3P3Eを単相三線式回路に使うのはお勧めしません。
私が管理する現場でも排水ポンプに異物が詰まったら年に何回かこうします。
水槽内に排水があるのにポンプは揚水できない、運転電流も無負荷状態。
水がない状態で詰まりがない正常状態ではエアを吸いこむためガーと大きな
音がしますが詰まりがあると無音でこんな電流になります。又電流が定格よ
り上がりTHR警報が出た場合はポンプの羽に金物が引っかかっています。
どちらにしても逆転させて異物が取れるのを期待するしかありません。排水
ポンプが過電流でTHR停止した場合、電気主任は瞬時にこの事を意識でき
ないといけません。ポンプより出口以降の配管が詰まるというのはそうない
とは思います。その場合は一度逆止弁を開放されてみてください。経験者
は電流値と運転音である程度は原因の想定はできるのです。
私はMCBのとこでどれか2線をCHANGEします。
操作電源を切り中央監視PCに逆相警報が飛ばない様にします。その状態で
マグネットの正面を押さえたらモーターを反転できます。10秒間というのはポ
ンプ業者に"しても10秒間を3回まで"と教わったからです。モーターは反転
できますがポンプは本来SとDがある機器ですからあまり長い時間これをする
と故障の原因になります。
MCBの配線を正規に戻し操作電源を入れ正規運転をすると運転電流は平常
値となりました。詰まりが解消されたわけです。もしポンプが詰まったと業者を
呼んだ場合、業者も同じ事をまず行います。それでもダメならばポンプを配管
事チェーンブロックを使い床まで上げて点検するとか必要です。費用も15万
円は最低かかります。水槽内は非常に衛生状態が悪いためポンプ業者でも
入るわけにはいきません。
排水槽にはほとんどで減水警報がないのでもしフロートなどの異状で今回
した様な状態が継続すると水がない空転となりポンプを焼いてしまいます。
水を排水するわけで満水警報は必要ですが水が少ないのは必要ないとい
う考えかもしれませんがこういう物こそ減水警報が必要と思うのです。途中
から水槽に減水警報改造をするのは高額な費用が必要です。そのため各
排水ポンプには15分以上運転すると中央監視に警報が出る設定にしてい
ます。こういう物は2台で交互運転してるため私が休みでいない時は単独
運転に切替えて設備の人には対応してもらっています。
配線をCHNGE程度誰でもできる?確かにその通りですが扱い慣れてない方は
配線が緩んだ状態でマグネットを投入するかもしれません。それでは冒頭で
相談があった単相運転と同じでモーターを焼いてしまうかもしれません。電気
主任技術者としてそういうリスクのある指示は出せないのでモーター反転は
私以外はしない事になっています。でも中央監視にそんな機能がない場合
会社が管理する物件で空転焼損事故が発生してそこは小さな現場で簡易
的モニターしかなく中央監視で上の様な監視ができませんでした、ポンプ
業者では現場で警報を出す改造ができないという事で部長から私に相談
があり一度だけ現場にこういう回路を組んだ事があります。これは会社で
その勉強会をした時に作成したKITです。
2台あるポンプのどちらでもタイマー設定時間以上運転したらポンプ停止と
監視室に行く何かの警報を動作させる事にしました。一旦動作したら現場
に行き電源を切るまではこの停止状態を保持します。フロートに原因があ
る場合は自己保持Rを入れてないと運転・停止が連続してしまいます。
どんな簡易モニターでもモーターのTHR警報程度はありますからその警報
が出ればポンプ室で何かあったと気がつけます。何かを参考にしたわけ
ではありませんが私なりの現場経験でこれらが必要と判断したのです。
マグネットの主接点はa接点として利用すればリレー代わりに使えます。
不具合を解消するためにこういう事を考えるのは楽しいです。排水ポンプ
だけでなく地下受水槽からポンプアップで高架水槽に揚水制御する場合
ポンプフート弁が故障して揚水ポンプ空転焼損防止にも応用できます。
ああいうのは1回の揚水時間は固定ですから長く運転してると空転して
る可能性が高いのです。昼間なら水を使うので高架水槽減水警報でい
ずれ異状に気がつけますが夜間では何も警報が出ないで夜勤者も気
がつかない可能性があります。水槽制御ではポンプが指定した時間以
上運転したら知る術を考えておくべきです。
工場に勤務していた時に私の父が改造してた方法が可能なら一番簡単です。
スターデルタの運転ランプがそこは200Vランプでしたのでそこから2線を出し
てタイマーに接続、指定時間以上運転したらそのタイマー接点でMCBトリップ
外部接点間を閉じていたと思います。ただランプがLEDであったり電圧が12
Vとかタイマーと合わないと少し工夫が必要です。設計者が想定した状況と
実際に運用してみて必要になる事は必ずしも一致しません。改造というのは
責任問題が発生するので業者の様な部外者は敬遠される事が多いです。
まさか受電シーケンスや消防回路を改造するわけではないのですから日常
の運用に関する改造程度は電気主任として責任を持ってすべきと思います。
お仕事は電気に関係なくすべて責任が発生するわけで責任を取りたくないか
ら何もしないというのは私とは相互理解できない方ですね。
入社当時と違い係長から電気だけを専属でしてくださいと言われてるので
ビル管理の一般業務は忙しい時以外はしていません。この辺は勤務する
上司の考えですからそれに従うだけです。20才と30才の二人が私の専属
サポートで彼らも将来電気主任技術者を目指しています。たぶんこういう人
を育てて将来は各現場のリーダーとされるのでしょうね。でも私自身まだ修
行中の身で一緒にレベルアップしましょう!というのが本音です。係長が見
てない時はほとんど友達感覚なのでたまに一緒にお酒を飲みに行きます。
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