私が管理する現場は7.5KWまでの三相モーターは直入れ始動ですがそう
いうモーターはマグネットと自己保持回路、押しボタンがあれば簡単に回路
を誰でも組めます。停電が発生⇒復電⇒電気を館内に通電した時に自動
で始動してくれる回路はどうなるかです。中央監視PCのある建物では復電
再起動という機能があれば停電させる前の状態に各機械に再度起動信号
が出ます。今回は身近なパーツでそれができないか検証してみました。
最初にこう考えました...マグネットWとリレーX2に同時に電圧がかかるの
でマグネットWが投入完了するまでX2リレーb接点はOFFとならないでいれ
るか?この点が怪しいのでマグネットWが先に投入完了してからX2リレー
b接点が切れる仕組みでないといけないと判断しました。尚この接点がON
のままだとモーターを停止できないので正常時は切りでないといけません。
(尚実際に組む場合はTHR接点を途中に挿入が必要です)
リレー状態とはX2リレーb接点の動作タイミングです。もし正常時に左
の自己保持回路がないとモーターを手動停止しても押しボタンから手
を離した瞬間に即始動してしまいます。常に運転運用するとしても停止
動作がまったくできないのではダメです。正常時X2リレーb接点はOFF
状態ですから停止押しボタンを押して自己保持が解除されるとマグネット
Wが切れてモーターは停止できます。一旦停電状態となるとX2リレーb
接点はONとなり通電された段階でその接点経由でマグネットWに電圧が
かかりモーターは自動起動されます。そこから手動でモーターを停止し
てもX2リレーは自己保持回路で状態保持してるためX2リレーb接点は
切れたままなのです...言葉にすると難しい事をしてる様に聞こえます
が様は回路図で言えばこれだけの事。電気屋は文字ではなくて回路図
で語りましょう。
上は24時間運転させる様な機械の場合で通常用途では1日の中で固定の
運転時間帯があります。その場合はタイマー接点を入れます。これは通常
の24時間タイマーでたとえば08:00~20:00間のみONとなる設定をしてお
けばそれ以外の時間帯で停電⇒復電してもモーターは起動しない。
TB15601Kならば300時間も停電補償があるので停電間中もタイマー接点
だけは生きています。(違う日に考えたので記号が違ってますが回路は同じ)
通常受電中はb接点は必ず切れてるのでタイマー接点を追加しても手動で
のモーター運転・停止には支障はありません。ただ中央監視で遠隔発停を
させてる機械に応用する場合、状態不一致の監視機能がある中央監視装
置ですといきなり現場サイドで機械が復電起動するため状態不一致の警報
が出ます。(PCから起動させて起動完了信号の確認がないと出る警報)
では実際に回路を組んでみましょう。押しボタンが手元にないので代理
として黒タンブラSWをON押しボタン、白タンブラSWをOFF押しボタン
と見てください。リレーの代わりはマグネットで代用しました。最初に2個
の共通制御線部分を配線しました。左が上図面でいうX2リレーで右が
マグネットWとします。こういう場合まず共通線から行うのがスムーズに
配線する私のコツです。
配線がよれてるのは前の作成で使用した配線を外してそのまま使用し
てるからでその点はご理解ください。
OFF押しボタンSW⇒X2リレーb接点⇒マグネットWの励磁コイルを結線しました。
マグネットW側配線の結線、見え易い様にわざと配線はたるみ状態でして
いますが実際に施工するならばできるだけ配線は余長がない様にされ
てください。綺麗に見せるセンスってどんな場合でも大切です。
電源からX2リレーのa接点経由でX2リレー励磁コイルへ配線しました。
更に上のX2リレーのa接点にマグネットWのa接点を並列接続しました。
これで完成です。30分もあれば組立てできると思います。
マグネットWの主接点に電源RSTとモーター行きのUVWを接続、制御回路電源
に200V用のMCBを接続したら完成です。電源は三相モーター回路のRーS間
に接続しても構いません。当たり前ですがその時はマグネットの一次側です。
三相スターデルタのモーターで同じ事をするならばこうすればいいのです。
つまりまず電圧がかかれば即起動という状態にします。それに制御接点
を入れますが手動でのモーターON/OFFは新しく追加した回路で行う事に
なります。
2a2bのマグネットなのですでにマグネットWに空a接点がない事に気が
ついた方は鋭いですね。でも今回はマグネットWも主回路は担当しない
ので主接点も単なるa接点としてを利用すればいいのです。この2端子
を上のスターデルタのOFFボタン位置に挿入すればいいだけです。
又スターデルタ回路を現場タイマーで制御させたい場合もこの2点に
タイマーを入れますので知っておいてください。