2017年7月21日金曜日

共立クランプ付デジタルマルチテスター

前記事で言っていた共立のクランプ付デジタルマルチテスターが家
に届いたので紹介レポートを兼ねて家の分電盤で測定してみました。
単相三線式の分電盤はビル現場ではテナント盤なので特に重要な
設備であり今回述べた事は電気主任としては常識的な内容です。
テスターは電気屋さんの基本なので電験を持ちながらテスター
の取扱いができないは恥ずかしいので習得しておきましょう。


その前に今回はPERFECT電気ビギナーの私の姫に1箇所コンセント
の電圧測定を体験してもらいました。(本人の希望です)

現場電気業務ではAC電圧を測定する事が一番多いのは当然です。
~記号のあるVがAC電圧レンジですからそこにしてまずはコンセント
の電圧が上で次にアースとコンセントの非接地側間の電圧を測定
した物が下でそれぞれこう測定します。間違えてDCレンジで測定
しても壊れはしませんがまともな値が表示されないので注意の事。
下画面の通り電圧レンジにするとまだ何も測定してないのに小さな
値が表示されますが実際に空間にある電界に反応しているのか?
違うテスターと値を比較してみたけどが電圧測定には影響していま
せん。DHというボタンを押すと測定指示値を画面に保存します。

コンセントの口の大きいのと接地極間で何が測定できるのか
ご存知ですか実はここで接地抵抗が測定できるのです。

ですがテスターの抵抗測定機能ではできません、前に記事にしまし
たがこういう接地抵抗計を使えば可能です。
実際この値はB種接地+D種接地の合成抵抗だけど100Ω未満なら
法的にはこのコンセントの接地抵抗も合格という事にはなります。

人間が電気を感じるのは1mAからで100Vとしてオームの法則で
逆算すると0.1MΩ、これが対地電圧100V回路の絶縁抵抗限界
根拠です。対地電圧200Vなら0.2MΩです。漏電が発生した場合
に人が触れて感電する前にELBを動作させるため接地はするの
です。機器のD種接地抵抗値が高いと漏電した場合の接触電圧
は変圧器B種接地対抗値との直列回路においで分圧となるので
50V以上の危険な電圧になる可能性があります、接地とELBは
ペアで施工されないと意味がありません。

漏電という事を調査する場合でもここまでの理解は必要です。
よく聞かれるのはなぜ100V回路は0.1MΩ以上の絶縁抵抗
値が必要か
という根拠ですので覚えておいてくださいね。

でもテスターは基本2点間の電圧を測定する測定器で1点充電部
しか当てるのが難しい場合で電圧があるかないか知りたい場合?
たぶんその場合こそ検電器だけどそれがない時私はこうします。
テスターの黒リードを指でつかみ自分を導体にしてるわけです。
コンセントは100Vで77Vを表示、その他の何かの抵抗もあるから
たぶん私の人体には10V程度はかかってるかもしれません。

この77Vは私ではなくテスターにかかってる電圧で又前述した様に
人体に電気を感じるのが1mAなのでそれより低い状態だから電撃
を感じないのです。感電とは電圧の大きさというよりそれで人体に
流れる電流が危険なのです
、逆に全裸で濡れた状態では数10V
でも感電死するそうです。この場合はテスターの高い内部抵抗が
私を守ってくれていますがもし素手でコンセント口に触ったら人体
に流れる電流が1mAを超えて電撃を受けてしまいます。
コンセントの口の大きい方は素手で触れても対地電圧0Vなので
感電しません。だから検電器が点灯しないのです。

二次側三相デルタ結線200Vで上と同じ測定をしたら139Vでした。
前述したのと同じ理由で200Vにはなりません。直接接地との間
でとならテスター指示値は対地間電圧として200Vになります。
実際は私と線路間の対地間静電容量も関係するのですが今回
は説明には含めていません。

この測定場所とは離れた盤の三相200Vを測定したら161Vでした。
この違いこそ場所による対地間静電容量の差です。
テスター内部抵抗+人体抵抗+対地間静電容量の直列回路で考え
たら理解できると思います。

その161Vを表示した同じ場所に検電器を当ててみました。
対地電圧100Vなら1個、対地電圧200Vなら2個点灯するこの検電器
で検査したら200Vがあるとしか思えません。あくまで検電器ですから

電流測定用のミニクランプならこうしたら方法で機器電流測定が
できるか試したら可能でした。

モーターマグネット電流を測定中(17A)
ただ75AのMCBに接続される様な配線はこの上位機種でないと
クランプ内に配線が入りません。

これは私の住んでるマンションの分電盤です。
私のBlogを読んでる方は過去すべて記事にした内容なのでおわかり
とは思いますが30mAトリップELBを主幹として100V用2P1Eと200V用
の2P2EのMCBが基本構成です。ただ対地間電圧は2P1Eの白線を除き
すべて100Vですから単相三線式の絶縁抵抗値のリミットは0.1MΩ。
30mAのELBならI0が15mAまでは動作せず16~30mAでトリップします。

正常状態ではどの回路も100Vメガで20MΩあって当然でこの程度の
盤では主幹I0も1mA未満のはずです。(I0rならほぼ0mA)
白い配線はもし中性線が断線するとコンセントに接続された機器に
100Vを超える電圧がかかるのでその場合はELBをトリップさせる。
子回路のどれか1個でも漏電した場合は主幹ELBが動作するので家
全体が停電します。(家庭の場合は主幹はELBでないといけない)
これが店舗や事務所ですと好ましくないため主幹はMCBにして必要な
子回路のみ30mAのELBが設置されるケースが多いです。

対地間電圧とは接地極との電圧の事を意味します。
上の盤では隠れていて幹線部分が見えないので会社の分電盤で説明
すると単相三線式回路は3本の主幹があります。
真中は接地極と同電位なので仮に触れても感電しないのです。
新入社員などに接地の説明をする時はまずこういうとこを私が素手で
触れて見せると誰もがビックリしますが、それがなぜなのか説明すると
誰もがよく理解できたと言ってくださいます。私の教え方は理屈は後の
話で理屈を先に言っても電気に興味ない方は理解できないからです。

MCBについて2P1Eは過電流素子がL側にしかないのでこれに線間
200Vを接続してはいけないのはもしそれがないN側で対地間短絡
事故が発生するとトリップできません。そうなると主幹ELBがトリップ
して全停電となります。
線間200Vを2P1Eに接続しても実は何事もなく使用はできてしまう
のですが絶縁不良の末期である対地間短絡が発生するとその
様な事態となるので線間200Vは2P2EのMCBに接続するのです。
意外と設備の先輩でも知らない人が多いので電気主任は一般の
設備員ではないのできちんと理解しておきましょう。
怪しい街の個人電気屋などは200Vエアコン取付で面倒なので
2P1EのMCBを結線変更して200Vを出して工事してしまう噂が本当
なら怖い事ですね。テナントが読んだ電気屋で時々ヤバイのいます
から工事は慣れて上手でも理論を全員が理解してるかは怪しい?

自分の家の分電盤のカバーを外す事は普通ないから埃がMCB
表面にありこの後少し清掃をしました。
たとえばビルにおいても分電盤に同じ様に埃は付着しますが見
えて手の届く範囲はわずかでほとんどの配線敷設部分まで清掃
はまず無理、経年により絶縁抵抗値が少しづつ低下する原因
にケーブルの表面に付着した埃は絶対あります。


ただ新設時は絶縁抵抗値は100MΩ以上あったケーブルが1MΩ未満
になる事は途中で破損でもさせない限り自然経年劣化ではならない
自然経年劣化ならば少しづつ絶縁抵抗値が下がるだけです。
(ただその配線をすでに30年以上も使用してるレアなケースは除く)
もし0.5MΩなんて状態のケーブルがあったら200V回路でもおかしい
です。一般的な絶縁抵抗の法定基準値(0.1や0.2MΩ)になる事態
現場管理をする人は何かあると思わないといけません。

配線に破損がないならそれに接続される何かの機器類が原因です。
これから電験を取り現場で電気管理を目指す方はそういう意識を持
ってください。法定基準値とはあくまで最低値の事なのです。
最低値(法定基準値)程度を放置したら数ヶ月以内にはそれを下回る
と考えてもいいです。こういう事は電験の本には書いてないです。

さっそくこのテスターのクランプ機能で電流を測定しました。
同時に測定するわけではないから必ず白線の電流値が赤と黒の
差にJUSTとはなりません。
電験三種を勉強されてる方、今この分電盤は何KVAの負荷ですか
入社して貴方の程度を知るため先輩がわざとこういう質問をして
きますが意外と急にそう問われるとわからないでしょう?
"分電盤が後どの程度負荷追加できるか"電気主任はテナント
から調べてほしいという依頼が時々来ます。
コンセントに接続される機器のSPEC表示を加算する方法は最大
状態で工場ではないのですべての機器はMAXで稼動しません。
基本日中営業中の電流値測定をして私は判断します。
こういう場合は必ずKVAと単位をしっかり言う必要があります。
単に○キロという返答をするとKWと勘違いされてしまいます。

業者と現場で打合せをしてると時に200V動力回路電流を測定して
55Aだからここは○○KVAくらいですね。と格好良く言うなら電流に
0.35を暗算で掛けてください、(概算なら0.4でもいいです)
単相三線式主幹でも測定して即○KVAと言える様にしておきましょう。
そういうのが自分をプロぽく見せる秘訣です。
頼まれもしないに博学を語る人は"なんだコイツ"と馬鹿にされるだけ
必要な時だけ必要な事を即言え、判断できる人が粋で格好イイのです。
資格とか学歴とかそんな物は人間性や尊敬には値しないです。

冷蔵庫のあるキッチン周辺回路の電流を測定したら1.5A程度です。
普段冷蔵庫は150W程度しか消費してないのですね、
扉を頻繁に開けたり保温不良となるとコンプレッサーが起動するので
当然その間はMCB電流値は上昇しますが冷蔵庫はほとんどがこの
程度の負荷状態で待機してると言えます。

ウサギが生きていた頃はあの子のためにリビングでいつもエアコン
をかけて生活していましたが今は光熱費を下げるため食事以外は
6畳の部屋で姫と二人でエアコンをかけて生活しています。
100Vで一番大きなエアコンなのでどの程度電力を消費するのか
前から気になっていたのですが運転して5分もしたら部屋は快適
となりその時点で部屋MCBで3Aも流れてないのでビックリしました。
メンテとしては室内機と室外機に洗浄スプレーを定期的に噴射
する程度ですね、でも300Wもこの大きさで消費してないのは意外
でした、何でもそうだけど経験のない本だけの知識で物事を判断
してはいけないと改めて思いました。
疑問点はまずはありのままの現状を調べる事って大切です

一番電気を消費してた部屋はパソコンのある部屋であそこは
室外機がおけない中部屋でウインドエアコンにしたのです。
ウインドエアコンってCOP又はAPFという簡単に言えば電気の
効率が壁掛けエアコンより悪いのです。エアコンとしての冷房
能力は低いのにウインドエアコンの方が電気消費していました。
この部屋の子MCBは9Aだから900W程度を消費しています。
(ノートPCとLEDシーリングライトは合計100W程度)
子回路の電流測定をしてその部屋で使用してる機器を検討
するとどういう機器が電気をよく使うのかわかりました。

力率はわかりませんからそれは1より大きくはならないので9A
ならば9A×100V=900VAで≒900Wと考えればいいのです。
機器のSPEC値通り電気消費するのは冬の電気ヒーターですね。
あれは無慈悲にいくらでも電気を使うので私の家では冬には
エアコンしか使用しません、ヒーターはすべて廃棄しました。
だって今のエアコンは5000Wのヒーターが発熱する熱量をその
1/5の電力で同じ熱量を外気から得る事ができるのです。
この状態がCOP5で大雑把に言ってCOPとはそういう値です。
家電の世界は今はAPF比較だけど大型の冷凍機ではCOPと
いう値を扱うので私は仕事柄COPの方が理解し易いです。

周波数の測定はこの様に行います。

共立クランプ付デジタルマルチテスターは私の手のリーチ
と比較したらこの程度、テナント分電盤において電圧と電流
がこれ1台で測定できるこれらのスマートさが気になって私
は購入したのです。

通常のテスターにない余分なクランプ部分はスマートに側面
収納できるデザインになっています。
Colorもイケてるしこれは共立の60周年メモリアルに製作
された商品です。楽天で実売は7千円程度が最安値かな?
このクランブでの測定電流能力により価格は3段階あります
がテナント分電盤や直入モーター盤での使用のみに限定
するならば私が今回購入したので十分です。
NET販売で見た目まったく同じなのに15000円してるのは
クランプで測定できる電流が私の機種の倍120Aまで測定
できるタイプです。業者の人はたぶん15000円を買われる。

AC.DCの電圧、電流、周波数、抵抗、導通試験が可能です。
この中で業務に絶対必要なのがAC電圧.電流_DC電圧
導通試験です。それにこのテスターを持ってる人はそう多く
はないのでぜひお勧めします。プロぽくて私は好きです。

私の中のテスターの基本作業です。

"配線が切れているかどうか"とか”配線が短絡してないか"では導通
CHECK機能がとても便利でこれは時々私も使用する事があります。
"配線おかしい"と時々テナントの方から依頼が来る場合がありますの
でこれらテスターでの点検方法は必ず覚えておいてくださいね。
配線がおかしいではこの両方に合格しないといけません。

線間メガは回路に弱電回路があると思わない故障原因となるので
私は通常の対地間メガしか行いません。


抵抗測定レンジや電流測定レンジで電圧測定してはいけません。
低抵抗な状態で電圧間をジャンパーさせるのと同じ行為になります!
★必ずテスターを使用する時はレンジの位置を確認する事です★

テスターだからと操作を間違えても大丈夫なんて考えてはいけません。
このケースはレンジは電圧にしてますが電流測定用の接続口に接続
したため短絡事故を起こした事例です。この人はどうなったか存知ない
けど顔の前で大スパークして顔面に重度の焼けどは負ったでしょう
いずれにしても短絡事故を起こすと当人のケガ+設備破損による修理
+勤務中事故のため労災関係の会社への立入検査など会社も大きな
ダメージを受けます。その方は職種を強制的に配置転換か退職するし
かありません。その会社ではもう将来は望めないです。
メガなら絶縁抵抗、クランプなら電流ですがテスターは電圧、電流
抵抗、周波数etcいろんな測定機能がある反面事故リスクが増え
るわけでテスターが一番気をつけないといけない測定器なんです。




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