2017年12月30日土曜日

カスタム フレキシブルクランプメーターCFL-02R

フレキシブルクランプメーターCFL-02Rはリーククランプメーターではない
これでI0を日常的に測定管理できません。地絡が継続発生してる状態
は200~300mAのI0が流れたままの状態で0なのかそういう値の電流が
流れているのかを知る目的で今回購入しました。カスタムのフレキシブル
クランプメーターCFL-02Rは余計な機能をすべてなしにして電流測定機
能だけで約2万円で販売しています。(実売16000円)この程度なら私で
も買えます。センサーコイルの計は170mm位あるのでどこでも3本挟む
事が可能。(I0測定ですからすべての配線を挟みます)

片側のセンサーコイルが外れる様になっていてこれを配線に通して測定を
行います。センサーをMCB配線などに通す時は感電に注意されてください。
稼動中の電流を測定する以上は活線の状態であるわけです。

LEDランプが正面にありました。画面バックライト、HD機能も当然あります。
後キャリングケースも標準でついてるので保管・移動も問題ありません。
負荷電流測定に関しては価格面も考慮するとフレキシブルクランプメータ
ーCFL-02Rは最高に良い製品です。


今家で測定する物がなく分電盤主幹1本を測定しましたが3.34Aと少数
第二位まで表示され
I0があるかないか程度ならわかります。又リークク
ランプメーターで150mAがこれで250mAと表示されても問題ありません。
(250mAなら0.25A表示)漏電がないなら回路は通常10~20mA程度で
10mA以下は認識できないため0となるはず。基本クランプで挟めない配
線負荷電流を測定する測定器ですから説明書には配線を2本以上挟ま
ないとあります。ただ複数挟んでは本来の負荷電流が測定できないとい
う事で危険という意味ではありません。漏電がありΣI=0が成立しない場
合は測定可能値ならば値は表示されます。それくらい私もわかります。
ただそうしたノイズカットのないクランプでI0を測定したならどの程度
誤差が出るのかですね。3.34Aの上表示は周波数で40Hzから10KHz
まで測定できるとの事です。

クランプメーターでよく真の実効値TrueRMSに対応しているというのを
見ると思いますが、測定する交流電流に歪があるとこれに対応してないと
測定誤差が出ます。ホームセンターで安いクランプメーターを購入する場
合は確認が必要です。尚TrueRMS機能があるないのとI0/I0rは関係あり
ません。(回路電流に歪があろうが絶縁が正常ならI0は≒0mAです)
仮に歪波のせいでELBが動作したとしたらI0増大ではなく高調波が対地
間静電容量回路を通じて流れELBが誤動作したのです。

変圧器地絡が発生したら絶縁バリアーを撤去して変圧器二次側のどの
回路で漏電が発生しているのか
測定調査が電気主任の最初の行動です。

電気室からEPS送りのケーブルはI0で通常5~20mA程度これがいきなり
300mAも測定された回路のどこかで漏電が発生しています。仮にそれが
R2という回路とします。この時は左が2.9mAで右が419mAとこれほど違
いがあるので誰が見てもわかるでしょう。419mAなら0.4AですからCFL
-02Rでも検出可能な電流値です。逆に2.9mAは測定できず0表示です。
100mA以上もI0が出てる状態は原因究明が急務で200mAも400mAも
私的には違いはありません。電気室以降~店舗主幹までの調査では
I0の値ではなく漏電があるのかないのか的に行います。だから今回
のフレキシブルクランプメーターでも生かせるのです。

R2回路の受側EPSでI0を測定して更に漏電テナントを絞ります。少し角度をつ
けて入れたらこの程度は入ります。隙間があると指示値が異状に上昇するの
で中に入れたクランプ先端に確実に隙間がない事を確認します。

ここはなんとか入れられるけど測定業務をしてる人でないと無理に挿入したら
クランプ先端の樹脂を割る可能性大です。電気室から漏電を追って仮に上か
下のMCB回路のどちらかという時です。ここはまだ80mmのクランプを入れられ
るけど物理的に絶対に無理なポイントがいくつか存在するのです。そういう時
に今回購入したフレキシブルクランプメーターを使用したいのです。測定ポイ
ント店舗数が減らせるだけで漏電調査業務は迅速にできます。下のMCBだと
これは3店舗に電源を配給しています。営業中の店舗に入るのは何かと気が
引けるのでできるだけ最小限にします。漏電が継続して地絡警報が変圧器で
発生した状態の回路は主幹MCB⇒子回路MCB回路
です。ELB回路は30mAで
切れるので地絡警報は変圧器では出ません。私のBlogの読者ならすでにわ
かってるはずです。

翌日会社でリーククランプメーターとの誤差を比較してみたけどI0=0.87mA
に対して0.11Aと結構あります。あれ0Aにはならないのか?指示は0.01A
で測定してる電流は1mA未満だからここは0表示になるべきです。ですがCFL
-02RはI0を測定する測定器ではないのでこの事に問題はありません。
私が
この測定器で想定外の使い方をしてるからです。ただこのポイントはUPS
から中央監視装置に電源を配給してるラインなのでI0とI0rの差が通常
回路より大きいのであえて選んだのです。テナント分電盤20A回路ならば
これほど差はなく子回路でI0は0.1~0.3mA程度でしょう。

念のため電圧クリップして同回路のI0rを測定するとリーククランクメーター
でないCFL-02Rの値を狂わせる要素があるのが判明しました。そうI0c
の影響です。漏電を検証するにはI0rだけに反応させる必要があります。
リーククランプメーターならフィルターである程度抑えられるのですがCFL
-02Rはないのです。それなら漏れ電流の中で60Hz電源周波数の成分
だけにCFL-02Rを反応させたらかなり精度が上がるのではと考えました。

実測でI0とI0rはわかったのでI0c分を求めると0.827mAです。

そうだ!と思いついたのはRM-1を使用して見る事でした。こういう場合
結果がまず優先ですから実験すると値の変動もなくなりRM-1の出力調
整でCFL-02Rを0Aにできました。本体10mA未満のこのポイントでは0A
でないといけないのです。理屈を言えばRM-1からCFL-02Rの指示を狂
わせる逆位相の電流を流してそれを打ち消してあげたのです。0.827mA
がI0cなので注入レンジは2mAを選択しました。この状態は対地間抵抗
による漏れ電流にCFL-02Rは反応しています。ここはI0rが0.3mAで
すからCFL-02Rの指示は0で正解です。
通常のクランプで微小なI0を
測定するとI0cは指示に狂いや誤差を生む原因になるのかもしれないと
いう事を感じました。

俗に言うリーククランプメーターはフィルター機能である程度の高周波を
カットする仕組です。I0cに高周波が乗るのですからI0cと逆位相の電
流-I0cを同じクランプに流せば打消しI0rだけにできる
という頭の良い
方が実用化した商品がRM-1です。手動で出力調整をするので少し練習
して慣れがないと上手く使えません。(コスト下げるため自動化されてない
のだと思います)_RM-1は実売15000円程度です、尚下はすでにWEBで
公開されてる情報なので誰でも閲覧できます。

本当にRM-1によりI0r値となりCFL-02Rが測定できる状態なのか確認
が必要です。実験って結果がすべてですからね、I0r100をI0モードに
してフィルター機能もOFF、この状態でRM-1とカップリングで測定したら
0.36mAですから合格です。測定時間の違い、微妙な値変動はどこでも
ありますがCFL-02Rがこの回路のI0rを読める環境であるというのは
証明されました。ですから上のCFL-02Rの0A表示は正しく動作してい
ると言えます。カスタム フレキシブルクランプメーターCFL-02Rの精度
を上げられるのは市場を見る限りテンパール工業のRM-1しかないと
いう個人的結論に至りました。ただ私の真似を勧めてはいません!
単にモーターの負荷電流を測定するならCFL-02Rはどこでも測定でき
る強力なツールですがI0の様な製品保証外の事をさせるならば指示
を狂わせる要素をできるだけ減らす対策は必要ですね。今回は正常
状態I0での検証ですが地絡して300mA(0.3A)流れた時にどういう
表示になるかです。今年もいずれどこかのMCB回路機器が漏電し地
絡は発生するでしょうがその時のお楽しみ。私はお仕事をこんな感じ
で楽しんでいます。


10W3個の白熱ランプ電流なら蛍光灯と違い力率は1ですからI0r=
300mAの漏電と同じ成分です。(地絡が出る漏電成分は私の測定
経験ではI0≒I0rの状態
)地絡は200~400mA程度のI0が継続
して流れますから下の回路でこれをCFL-02Rが読めるなら私が勤
務してるビル漏電では地絡調査に使えると判定できます。ここから
先は実験で検証するしかありません。今は白熱ランプやソケットも
ないのでいずれこの実験をしてみようと思っています。レセクタプル
+20Wと40Wの白熱を買っていずれ!実験結果こそ正確な理屈に
つながる唯一の方法です。電験問題なら初期条件は100%決まっ
ているから答えが出ますが世の中の現象は私が想像できない想
定外を含む場合も多く今でもなぜなのか?と思う事たくさんあり
ます。それを解くヒントこそ実験の結果でとにかく楽しんでます。

追記...10W、20W、40W、レセクタプルをホームセンターで買ってきま
した。余談ですがもし家で白熱電球を交換する時は写真の100V型で
はなく110V型を買ってください。白熱電球の寿命は電圧のマイナス
13.5乗に比例するので持ちが全然違いますから!ビルでは通常電
圧が105Vあるので昔この手は110Vタイプを使用されてたはずです。

つまり110Vのランプを100Vで使用すれば寿命は約4倍になります。

カスタムフレキシブルクランプメーターCFL-02Rはどこでも負荷電流を
測定するのが本来の目的ですからそういう用途がほしい方はお勧めし
ます。カスタムの商品はホームセンターで見た記憶があるのでもしか
したらお近くでも販売されてるかもしれません。NETでも購入可能です。
とにかく余計な機能抜きで電流測定だけならこの商品が一番安いでも
基本機能はしっかりしてるので負荷電流測定には最適です。購入して
良かったと思います。


測定器を自費で購入する事に抵抗がある人もいるでしょうが新しい物は
便利機能があり担当する自分のお仕事が楽になるわけで私は抵抗ない
です。会社で購入となると理由書を書いたりいろいろ手続きが面倒です。
それに基本職場の全員が使えるのが条件でこういうのを100%理解して
職場全員でというのは無理です。測定器の使い方もだけど漏電とは何か
という根本理由を理解してないとどんな測定器も生かせません。
測定機器の操作方法だけ覚えても測定業務はできないとも言えます。
漏電に係わる者は下の様な事も理解しておかないといけません。私の
Blogは職場だけでなく他支店の方も読んでいますが以前技術部長から
遠慮なく他支店に刺激を与えるつもりで書きなさいと言われています。

低圧側で漏電が発生した場合の外箱に発生する電圧はE×R÷(R0+R)
は知ってる通りですがある支店ビルで漏電による感電事故がありすべ
てのビルで接地抵抗を測定しなさいという指示が出たのです。テナント
分電盤のとこなら測定してるけど更に室内で使用してる機器までとなる
と結構大変ですが半年かけてもいいからという技術部長の話なので
来年から頑張ります。でも第二電気室のB種接地(R0)は0.1Ωしかな
いからELBが動作前の軽度の漏電つまり30mAのELBなら15mAまでの
漏電では切れないのでこの時なら私が管理してるビルでも同様な事は
あるし過去何回かありました。Rが法定100Ω以下でもR>>R0の状況が
発生してるとそんなダークゾーンが現実発生します。
つまり接地が正常
でも対地電圧100Vがほとんど機器に発生します。今思う策はそういう
機器回路はできるだけ早急に通電を遮断させためELBを15mAに変更
するとか感度を上げるしかないでしょう。メガ値は停電状態で測定する
から内部のマグネット、電子SWは切れるので機器内部の絶縁までわか
らないので毎月I0を営業中に盤主幹でも測定していますがそれでも
100%予知するのは不可能。漏電は電気屋さんの永遠の課題です。



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2017年12月24日日曜日

sanwa絶縁抵抗計 DG35aハイブリッドテスター

sanwa絶縁抵抗計DG35aハイブリッドテスター使用レポートです。
私はいつでも絶縁抵抗、電圧、電流測定が可能なスマートな仕事
スタイルに前からしたかったのです。それには胸ポケットに入れら
れた上にすべてが1個で測定可能
である必要がありました。興味
を持たれた方は参考にされてくださいね。実売は25000円程度(定価
3万円)と少し高めですがそれだけはあります。その事と絡めてこれか
らビル管理をされる方のために今更の絶縁抵抗測定について記事に
しました。

sanwa絶縁抵抗計DG35aハイブリッドテスターの大きさは市場で人気の
高い共立のクランプメーター付KEW2000(右)とほぼ同じで携帯性は抜
群です。ポケットに入るメガという点では合格です。

通常は電圧測定するテスターのリード線状態なので絶縁抵抗測定を
する時は黒側先端をsanwa絶縁抵抗計DG35aハイブリッドテスター
付属のクリップタイプに変更して使用します。

まず電流測定(100Aまで可能)、肝心のクランプは背面に収納されていて
使用時はこの様に起こします。面白いアイデアですね。特に扱い難い感は
ありませんでした。100Aまでいけるからビルの空調機ではほとんど間に合
うと思います。(AC/DC両方測定可能)、その他で電圧測定は特に説明は
いらないと思うので省略します。


最後に肝心の絶縁抵抗測定ですが通常のメガ測定ではメガの電流は
機器内の対地間抵抗(絶縁抵抗)を通じてこんな閉回路を構成しその
微小な電流値でデジタルか針式で絶縁抵抗値を指示しています。当然
MCBはすべて切りで行います。ですからこの閉回路を確実に構成でき
てる確認がこの試験では特に重要
です。でないとする意味がない!

こんな感じで接地ターミナルがきちんとしてればいいけど接地の取り
難い小型の盤、樹脂製盤もあり年1しかメガをしない人では適当な
金属部にメガのアースをしてしまいます。導通試験を適当な金属間
で行い0Ω指示でも本当にアース端子に接続されてないかも知れま
せん。金属導体にメガのアースクリップをするなら金属部と接地ター
ミナル間の導通で確認しないといけません。上のメガ回路を構成し
ない状態で得られた絶縁抵抗値の結果は単にメガを開放状態で
測定した偽の絶縁抵抗表示です。

保安協会の方にこの方法を教えて頂いたのですがMCB一次側の接地相
にメガのアースリードを取付する事で確実にアースが取れます。
たとえば
三相の場合ですが接地相がわからないので最初に検電器で調べます。
偶然今回はS相の真中でした。R相が接地の場合もあります。

それか電圧モードにして黒を指で持ち赤を当てて≒0Vになったとこが
接地相です。対地間静電容量分が入るため電圧相では対地電圧の
200Vが140V程度で表示されますが電圧があるかないかの判断だ
けならこの方法でも可能です。表示されてる電圧はメガにかかるだけ
で後対地間静電容量にかかり残る人間には10Vも電圧はかかってな
いはずです。盤のアースターミナルに対してなら人と対地間静電容量
はなくなるので下の状態で200Vの対地電圧が表示されます。

MCBのS相の端子が狭いためsanwa絶縁抵抗計DG35aハイブリッドテスタ
ー付属クリップでは入らないのでいつも私が使うミニクリップで接地相S相と
アースリードを接続しました。クリップが難しい場合もあるので補助として
ミニクリップも準備しておきます。

後はsanwa絶縁抵抗計DG35aハイブリッドテスターのラインリードを当て
て普通のメガと同じ様に測定します。メガラインリード⇒モーター⇒D種接
地⇒対地⇒B種接地⇒主幹S相⇒クリップしたMCB一次側⇒メガのアース
リード
という電流の流れで絶縁抵抗を測定しています。B種+D種の抵抗
値はビルでは50Ωもないので測定値には影響しません。DG35aではメガ
測定時に流れる電流は数10μA程度で変圧器低圧地絡LGRやELBの動
作に影響は与えず動作させません。空調機は運転中なのでその全熱交
換機を止めモーターの絶縁抵抗を測定、対地電圧200V回路のためメガ
は250Vレンジを使用します。(500Vメガは幹線メガのみ)

sanwa絶縁抵抗計DG35aハイブリッドテスター側の操作はこうです。
3レンジ共に有効は40MΩまで。ですが年1の絶縁抵抗測定で法定値あ
るか検査では問題ありません。通常の漏電はビルではほとんどが対地
電圧100V回路で発生するので125Vレンジが一番使う事になります。
いつも記事にしていますが絶縁は正常ならば20MΩ以上あるのが常識
で40MΩあれば十分です。同じ形状で400MΩまで測定できるDG34aもあ
りますが0.1MΩまでしか測定できないので絶縁不良をテナントに報告
する場合に何MΩで不良か伝える事を考えたら0.01MΩまで測定できる
今回のDG35aが良いと思います。
逆に新築現場ばかりを扱うお仕事な
らDG34aの方が100MΩ以上測定できるので向いてるはずです。その他
バックライトやDH機能もあるので使い感に問題はなく、こんな小さなパッ
ケージの中にメガ一般機能をすべて追加できた点はsanwaの技術力は
素晴らしいです。sanwa絶縁抵抗計DG35aハイブリッドテスター


接地相による方法で単相三線式も測定してみましょう。モデルは私の住
んでる家の分電盤です。基本、盤一式測定なら主幹一次側真中N相で
子回路ならMCB一次側の白線(接地側)にDG35aのアースリードを接続
します。20AのMCBではミニクリップでも挟むのが難しいため一番クリップ
し易いのは主幹MCB二次側のN相根元です。欠線保護の線があるからす
ぐわかりますがここは触れても対地電圧0Vなので感電しません。外、外
は対地電圧100Vと決まってるので今更、検電器などを突っ込まないで
ください。検電器先端が接地の効いた金属部にも触れると短絡します。
特にこういう小型の狭い盤では必要な検電はする、不要な検電はしない
でお願いします。短絡事故は不注意や余計な作業で発生します。
お仕事でテナント盤を焼いたら会社がテナントに弁償と当人も始末書と
給料カットは最低覚悟しないといけません。

ここをsanwa絶縁抵抗計DG35aハイブリッドテスターのアースリードで
クリップします。子回路の絶縁測定ですからここでも構いません。子回
路のMCB一次側の白線とここは同じ意味ですからね。単相三線式で
子回路絶縁測定をする時は中性線でもメガのアースが取れる
のは知
っておいてください。

この盤ですが金属部分をクリップしてもこの様に接地が効いていないのです。
うっかりして導通テストを忘れてメガ測定をして異状なしが表示されてもそれ
は単に開放状態でメガを動作しただけで回路の絶縁抵抗測定ではありません。
こういう事があるから盤金属部だから接地が効いてるとは断言できないです。
アース端子との導通テストは絶対に必要です。前述しましたが盤の金属部で
アースクリップして盤の違う金属にラインリードを当て0Ωだから接地が効いて
るという結構の人が現場でされてる方法は正しいとは言えません。それと
下写真では見えないけど緑線にはメガのラインリードが接続されています。

これが今回クリップしたポイントなら100%絶対にアースは効いています。なぜ
ならアースその物に接続してると言ってもいいからです。ここで接地を取るなら
導通テストなしでも可能です。
この方法もメガラインリード⇒機器⇒D種接地⇒
対地⇒B種接地⇒電源回路N相主幹⇒この盤N相⇒メガアースリードなる回路
構成で微小電流を流して絶縁抵抗を測定します。又下の確認で0Ωでないとし
たらその盤の接地配線は飾りだけでされてないので施工業者に大至急連絡
された方がいいです。でも通常の盤アースで絶縁測定した場合は導通試験も
正常0Ω、メガ値も∞表示を示し異状なしで見過ごしてしますでしょう。保安協会
の方がこの方法が確実と言われたのは接地相でアースを取り絶縁測定すれ
機器絶縁と同時に接地とのつながりもCHECKできるからと後で感じました。

上の場合はこういう流れでメガの電圧はかかったのです。接地抵抗の値は
家ではビルより高いでしょうがMΩの単位から見たら0Ω表示になります。
MCB二次側からならば線路の対地間抵抗を通じてこの回路を構成するため
絶縁抵抗が測定できます。盤接地でのメガ測定では盤と配線間で変圧器ま
での回路は構成しません。どちらもメガの電圧は対地間抵抗を経由するか
ら絶縁抵抗を測定できるわけで問題はありません。今回は触れませんが
アーステスターの2点測定方法も下回路の流れでB種接地抵抗+D種接地
抵抗を測定します。ただアーステスターは充電状態で測定するとELBが動
作する可能性があるとの事で下の方法はメガ測定に限定する方法です。

測定する子回路を切り、家はすべて対地電圧は100Vですから125Vメガ
レンジにして実施!40MΩ以上で絶縁は良好でした。この様に接地相で
メガのアースを取っても今のメガならそれでELBがトリップしたりはない
です。保安協会の方が言う様にここなら確実に接地が取れるというの
がとてもいいですね。


主幹一括で絶縁測定をするならばこういう感じでMCB一次側にアースリード
をクリップしてMCBを切り、MCB二次側でメガを測定すればいいのです。メガ
による電流経路は同じくメガのラインリード⇒線路⇒D種接地⇒対地⇒B種
接地⇒主幹中性線(N相)⇒MCB主幹N相⇒メガのアースリードという流れ。
こういう広い盤ではアースターミナルを容易にクリップできるので従来のア
ースリードを盤アースに接続して測定しても構いませんがそれは線路とD
種接地間の対地間抵抗で漏電が発生した場合のB種接地までの流れま
では確認できません。結論的には接地相でメガのアースを取る方法が
最善と私は思います。ただ停電作業以外では充電部が隣接してるので
電気工事士以上の資格がある方のみがすべきです。
素人作業禁止!

ちなみに電流を測定するならこうですね。100Vタイプで一番大きい2.8KW
タイプのエアコンでは室温度が一定化したらこの様に3A程度しか消費しま
ん、つまり暖房器具で一番効率がいいのは間違いなくエアコンです。家の
回路の電流を測定してみると意外な省エネの発見がありました。

電源コード断線CHECK方法を意外と知らない人がいます。(時々テナント
の人とか見てほしいと持って来られますから電気主任がわからないでは
恥をかきます)正常なら雌側を短絡させて100Vメガすれば当然0Ωです。
このメガなら完全断線で40MΩ、それより良い数MΩでももう使用しない方
がいいです。外観で異状ないならたぶん線の途中にキンクを発生させて
いませんか?

その電源コードを使用するとMCBがトリップするという様な場合正常なら
雌側を開放してメガをすればこのメガなら40MΩです。上と同じ0Ωとなる
なら配線の中で短絡しています。メガを扱う場合で一番ヤバイのはSW
がONの状態の機器を接続して線間メガを行う事です。流れる電流は制
限されるので火花が出て短絡はないけど電子回路が故障する可能性
が高いのです。
それさえ気をつければメガでテスターの導通試験の代
用もできます。 DG35aは電圧と電流も測定できるのでテスターは不要。
ビル管理で18Ωとか抵抗値を知りたいシーンってまずないです。

さっそくお仕事でDG35aを使用しました。
そこは小さな飲食店ですが製氷機が最近時々切れて分電盤のELB
を投入すると何日か使用できるという相談でした。DG35aで絶縁を
測定したら0.05MΩと悪いです。ただ前に物があり製氷機も移動さ
せないと電源やコンセントが見れないので今夜業者を呼んでいる
との話でした。手で触れる場所に電源コード又はコンセントがある
なら私が修理、取替する時もあります。私の見解では機器内部15
mAのELBが動作してないのだから電源コードかそれのコンセント
不良の可能性が高いです。漫画を描いて店長が説明してほしい
と言うのでこんな感じで書いてこれを業者に渡してくださいとお願
いしました。

製氷機表面は検電器でも点灯せず=50Vはない、更に私が素手で
触り電気が来てないのを確認したのと今夜の修理という事で継続
使用としました。テナントへの損害は最小にしたいのです。近くに
コンセントがあればこう測定すれば確実に確認できます。人が電
気を感じ始めるという1mAつまり絶縁0.1MΩではELBは切れない
軽度の漏電ではELBが切れる事ができず感電する可能性あり!
この製氷機タイプだと15mAのELB内蔵だから7.5mA以上漏電
しないと自動トリップしません。だからELBがあっても感電という
のがまったく皆無というわけではないんです。
接地をしていても
対地電圧をB種接地とD種接地の値配分で分圧したD種接地分
の電圧が機器表面に発生してそれに触れるのが感電です。

漏れ電流(I0r)に対しての絶縁抵抗値です。計算上は0.0067MΩ
つまり針式ならほとんど0Ωでも30mAのELBは動作しないのです。
そのELBが切れる状態というのはメガ的にはかなり悪いという事。
この4個の数値程度は暗記しておきましょう。通常ELBはトリップ値
の半分の値から動作します。

大雑把に言ってこういう理屈で漏電が継続したままの機器表面電圧
を測定するのです。当たり前ですが同じ変圧器回路内である事。隣
の動力コンセントの接地を利用して100Vコンセントで配給される機器
表面電圧は測定できません。同じ変圧器ですからコンセントも機器も
マイナスは共通なのです。だから機器表面に電圧があれば測定可能
という単純な理屈です。接地がこの回路においてどういう位置づけに
あるのかよく理解されてくださいね。


sanwa絶縁抵抗計DG35aハイブリッドテスターは小さくテスター感覚
で扱えるので使用感がいいです。実際はこれを胸ポケットに片手には
リーククランプメーターというのが点検スタイルですが機動性は大きく
向上しました。貴方も機会があればぜひ購入されたら貴方の電気保
守業務に貢献する事になります。
業務命令でテナント各機器、コンセントまで接地抵抗を測定する指示が
出ましたが共立接地抵抗計 KEW4300という定電流インバーター方式
なる試験電流が2mA程度の通電中でも測定できる2点アーステスター
で行います。

仮眠室のベッドの下コンセントの接地抵抗ですがKEW4300使うとこんな
に簡単に測定できます。(停電不要)コンセントの接地側とアース間のB種
+D種の値で第1電気室のB種接地は2Ωなのでその差の4Ωがこのコンセ
ントの接地抵抗となります。本当はD種はB種より低い方が好ましいです。
法定値の100Ω以下は満足してるので合格です。ここは乾燥してるので特
に問題なしとします。来年は飲食関係すべてで機器やコンセントにて接地
抵抗測定を行う予定です。


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