⇒排水不良対応
最初は排水制御に不具合があるかの点検方法の紹介です。
つまり電極又はフロートによる自動運転が効いているのか?という
意味で水を排水しないからと給排水の業者を呼んでも彼らでは電気
制御はわかりません。
彼らも電気関係の故障ならば電気屋さんを呼んで修理させるだけ!
相談する前に電気主任技術者として確認すべき事があります。
まず回路図を確認して電極の線番を調べます。
E4が満水警報、E1がポンプ起動,E2がポンプ停止、E3がCOMです。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhXQkjm-UIhq2160EsSU2Yq-7_tFGJ8bpr9uj-KoJXj1pibpmVwQhqOXFXzWhfjoPJCykd0TO3UJLHjwaoCSQItncZLlCJSIIH0x055SDeIZS6b0hhlMA7RlehD_R_6IRxkQ5Ck0BtW5SM/s1600/Image5.jpg)
満水警報が正常に機能しているかの点検
この2点間を短絡させた時のみ正常なら満水警報が出せます。
同時にポンプが2台同時起動となるのも確認が必要となります。
排水ポンプは満水警報でポンプが全台数運転する様にしてある!
(通常は1台の自動交互運転で運用されています)
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgBjSMFRsAmdN127zIsJmpclakCKJRv_5xeC0CDb9fsxxv4Y_YMrzXt_tCM6_oQgHGLJihsOGu-vdPKThHq8rGIv42GTeMjvYHahoG_qRfBq0e_6iCbTS_gKEd1ouztfd8m2jj8_pkSvbo/s1600/a1.jpg)
水が規定位置になると正常にポンプが運転して自動停止されるか
この短絡でポンプが起動して★自動で停止すれば良好です★
つまり水がE1まであるという嘘の感知をさせてポンプを起動させる。
E2レベルまで水が低下してポンプが自動停止する確認をします。
写真では水槽からのE1への接続がありませんか私が改造をしてる
からで実際はE1~E4まですべてあります。(改造は前回記事参照)
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhTFc8LB1xtvxoP0rI9iJiypEehD3zcPB0k6IIsdXs3FJhvdVtTs7xY5i9Y94-OClIuY6k4CSeW9kvV65rdRaGiVpWRES-1pzZbpzO2Josja33nzJC5AXoglvxNfu8NdUo9LUvgjkDI5sk/s1600/b1.jpg)
満水警報が動作しない、ポンプが起動しない場合はこの位置での
短絡なので水位ユニット不良のため交換が必要となります。
私が管理してる現場のそれは特殊なので一般によく使用される
61Fユニットの方式を紹介します、これは相当あちこちの現場
で採用されています。今回程度ならば61F-G2タイプとなります。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjv4urq3ec9fB8HC8ZzOVSXi8fx-5S_V4pWrbnmqXh7eI3GAP_GD01QYz1UIHkwqBtyZXL59Xi4eNSosUjkwt6uBwZtZ0AsI-s-ASwBtZgDzCK_u7razkB_AqzkSUapVPN32tTkoBNxs64/s1600/Image6.jpg)
下実際の61F-G2ユニットでこれを交換すれば正常に復帰できます。
これこそオムロン61F水位ユニットの最大の扱い易さで他社製品
では交換した後にディスプレイを見ながら設定をしないといけないな
ど面倒な操作が必要な場合があるのです。
交換はプラグインですから誰でも簡単に行えますがこういう電子物は
回路の制御電源を止めてから交換は行うべきです。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjG2l3kU-sf5t3GRw5DDHM_rs9LAkBPapwW9Bw7BOwuMr6tRSG4Hv5uewFspUeeTJMvkCQYvkGSpW-tW7-uzD5oSdoRQ2KU0A5lFn5ZnjZcXarXTHbXGiFxNfXAmGnBhxv8fYkK5FqWM9M/s1600/Image8.jpg)
上の写真で言うと左側から電源、U1、U2ユニットとなるのです。
メーカーNET発表の回路図を考察するとU1側のユニットが満水警報
でU2側がポンプ起動・停止に絡むわけですからポンプが運転しない
停止しないならばU2側の61F水位ユニットを交換すればいいわけです。
電極間の電圧はAC8Vで動作電流も1mA以下という僅かな電流で動作
してるので感電しないのです。
電源は変圧器回路を見れば100/200Vのどちらでも使用できます。
なぜ電極電源にACを使うと思いますか?DCを使用すると電気
分解が発生して電食が発生してしまうからです。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgqdDkFDDEh6VvB4NLW3_ro7uKpm8PJKSQizDG2qvjmFVdhVLyyJbPpnEvNqf4WVkQbiXtMu-7VNM9smfkwmQMC4MmQlHtfk0KtMljRZFM7INW4xoD-Y0V90mE1nJWhGWfEJZ-scu1cIdA/s1600/jiiii.jpg)
動作ランプでも確認できます。ここまで確認したなら完璧ですね。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEigpCHpdGXNZJCuFYCSuDGrLlMI1X6x18_8PKyl91Jt1Tsl8_XlwwXpDZV5eTThX1g6HWD_dkF6fqi8ciik5QWuzrnnky_ECnTiN1sOdP6u7xee6EnzwiznD14_PQPjwuXI9jnTppNBMqg/s1600/Image4.jpg)
★受水槽制御では61F-G4ですからこれも10年も経過してるならば
故障する前に全部5個交換をお勧めします。
試験方法は前述と同じですがこれの場合は減水警報があります。
減水警報は短絡ではなくその線を抜けば動作します。
抜くというのはそのレベルの水がないという嘘の情報を出す意味。
警報(満水、減水)が動作するかポンプを起動させたら所定の停止
水位になったら自動で停止するかを確認をします。
受水槽は減水警報が出ると空転によるグランドの焼損防止のため
給水ポンプは動かせなくなります。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhdLDcX4AyQO3FMQn7sX8nziLYR6lUTTmYvQ7ZYMM-qiw0PpCeSGeuajy7zsaoY23A-VfhktPVXE1CC-rKpWAyBtUly4Fiu5vROkWhyNYxd4nJieTrFHM_ubJQR1CrdDZ4pjEfQUl8gAQU/s1600/Image9.jpg)
61F-G4の全体的な動作はこう確認されてください。
私は工場勤務時代にこの方式は経験しました。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhNtNZ0hY1CIk8TORihFC9qflIolUWm6AMoH6NopFJnuylw1aG3kdoUXRV7YSA80-TvkeNvfrxhUn35wVYCIVRXTHwjXzy-8PGxz913o7Cpe6FOIs8UXNlQ07eAUVE5AC2aaJdkOaZOK28/s1600/Image1.jpg)
★下の電極のある設備図ですが左が受水槽で右側が高架水槽、受水槽から
ポンプで高架水槽に給水をします。
受水槽の水面がE3以下にあるとき、受水槽の減水表示ランプがつきます。
水面がE2に達すると(U2動作“ON”)減水ランプが消え、ポンプの運転準備が
整います。
(受水槽に減水警報が出てると高架水槽が要求してもポンプは運転されない)
受水槽水面がE1に達したとき(U3動作“ON”)受水槽の満水ランプがつきます。
高架水槽の水面がE7以下にあるとき、高架水槽の減水ランプがつき、E7に達
すると(U1動作“ON”)消えます。
高架水槽水面が水面がE6を離れると(U5動作“OFF”)ポンプは始動します。
E5に達すると(U5動作“ON”)ポンプは停止し、高架水槽水面がE4に達すると
(U4動作“ON”)満水ランプがつきます。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjGnrceiFStoFWRkxvOdzjztBbAqx5ar_KuEryJaUsELV1wYG6mf26IqWpDbfOLoe3psypPfYfZ0-GvIuHKgJbeo6OAZuFjnfrefkXBxgwX2duyEjFq4wilXjVejcIsNUaD9oFFINmglrE/s1600/Image1.jpg)
★実物を見た事がない方には少し難しいかもしれませんがユニット自体の価格
は安いので制御に異常がある場合は5個すべてを交換するのが一番簡単です★
U5の右横の電源ユニットは滅多に壊れませんがまったく回路が動作しないなら
電源ユニットの交換も必要となります。
この61F-G4方式はビルでも導入例が多いので貴方が着任予定の現場にある
可能性が高いので覚えておく事をお勧めします。
電気主任技術者として着任ならば必ず覚えておきましょう。
更に勉強したい方はこちらも参考にされてください。
たぶん職場の先輩でもここまでわかってる方は少ないと思います。
⇒給水制御について
もし高架水槽に水を揚げるポンプの水源がポンプより下にある場合は
吸込み管先にはフート弁なる物がありますがこれが故障すると揚水
ポンプの空転をしてしまいます。
1回の運転で稼動するポンプの運転時間は必ずほぼ一定なのでそれ
が5分も長く運転してると上以外でも何らかの異常が発生しています。
私が工場勤務時代は現場でこの61F-G4の小改造をされていました。
ポンプが設定時間より長く運転したら満水警報を出す事で中央監視PC
に異常が発生した事を知るのが目的です。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEj7uCCRBajVL7_QcIFcKEHvcwsoCYPvc49pSoAEpQJIvSItIYXP26LHbQOMcV1iRaUivjcznH76mdRtC0VQEsY4-bQLTbtZuc1qoGegNSPGAQP1AQg5n1iVAv4yjVXvMZsxTabyYkArq0o/s1600/Image4.jpg)
実際は自働交互運転だからポンプ2台分なのでタイマー接点2個を
並列にE1-E8間に接続が必要です。
たしか当時その工場では通常20分で水が揚水されていたので25分
ポンプが運転したら満水警報を出す様にしていました。
もしポンプの空転に気がつかないと1時間も通水なしで運転する事で
ポンプのグランドを焼いてしまいます。
休日で水の使用量が少ないと減水警報すら容易には出ないのでそん
な偶然が重なると起きえる事故です。
同じ考え方で排水ポンプの空転防止回路にも応用できます。
夜中夜勤者が仮眠してる間にそれが空転すると朝まで気がつかない
満水警報を出す事でそのポンプに異常が発生してる事を知る事が
できます。たぶんこれが一番簡単にできる安全対策です。
(排水槽には通常仕様では減水警報はありませんから空転しても
わからないのです、本来なら標準であるべきです。)
つまりモーターマグネットと連動で動作するタイマーを追加します。
タイマー接点で設定時間後に満水警報のこの間を短絡させれば
いいのです。(時間はその現場都合による)
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgBjSMFRsAmdN127zIsJmpclakCKJRv_5xeC0CDb9fsxxv4Y_YMrzXt_tCM6_oQgHGLJihsOGu-vdPKThHq8rGIv42GTeMjvYHahoG_qRfBq0e_6iCbTS_gKEd1ouztfd8m2jj8_pkSvbo/s1600/a1.jpg)
そのタイマーにb接点もあるならそれでモーターの制御回路の通電
を切れば直接ポンプ停止もできます。
安易にそれを私は頭の中でこう考えていました。
確かに一定時間以上マグネットが動作すると回路起動条件接点と
回路間に入れたb接点でこのモーター回路はOFFとなります。
一旦回路を切れば起動を要求しないエラーならば下でいけます。
ただフロート式でそれが異物に引っかかり真横になったままだと
常時起動を要求するので回路は一旦切れるけどb接点も復帰する
ため再度マグネットはON状態となってしまいます。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhBbxfgqVUXZYslQLmv9P7HgXRqnVliKh3KgQrh2csVEsM6v7Ff5KBFhSP9vjzDeI8V03hIn6dEltLRTpfBHw5lNzIjD7pDbI3ev_6OjmVzc3d7FsQkMsHqZMMIbt3YAAUkp6R4qR_rF-M/s1600/Image3.jpg)
その場合一旦異常で回路を切ったら何があっても再起動は防止する
事が必要となるのでb接点ではなくa接点のタイマー接点を使用する。
それでリレーX1をONさせてそのb接点で回路電源を切ればいいのです。
ただリレーX1はそのa接点で自己保持状態を作る事とします。
これならタイマーa接点が復帰してもリレーX1はON状態を保てます。
当然それのb接点は切状態を保持でき回路には絶対通電されません。
実際に現場で電気主任技術者をしてると思ってこの不具合解消回路
は貴方が考えてみてください。
故障発生から業者に丸投げするとこんな安い部品交換だけでも調査と人件費込
で高い費用を請求されてしまいます。
頭のとこでネジ止めして取付してあるだけなので簡単に交換できます。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEixUYlewmwM5jsOGtXb1FEoER-4czBkMLYtjWeuk4j6cuoTqcZeyJuZIwCRVwBnTtczSQwlZWgah36Ls7e6MEcx3JMjDALYSkFenGo24RPUcJFYrlwDe25VRzNpkjYqDoN36ARZesXi0Ok/s1600/Image10.jpg)
ただ電極試験で正常ならば今回の排水制御以外の水槽制御において
も電極かフロート不良による誤動作の可能性が高いので給排水業者
に相談されたらいいと思います。(たぶん交換となる)
こういうライフラインに係る設備はおかしければ取替しかないです。
とりあえずは電気的な部分で異常がないかは事前に確認してからで
ないと後でそういう報告をされると電気担当は何をしてたのだ?
という話になるので気をつけてくださいね。
★特に給水関係でトラブルがあると停電したのと同じ程度のダメージ
となるので電気主任技術者は水のシステムを職場の誰より理解して
おきましょう★これはとても重要な意識です。
飲食のあるビルでは当然で事務所ビルでも水が使えないというのは
相当の苦情が出てしまいます。
そのためには交換するためのパーツを事前に購入しておかないと
何もできませんからその辺はオーナーに進言は忘れないでください。
こういう事に限らず★適正な管理をする上で必要なパーツや測定器
など必要な物は会社と交渉して購入してもらわないといけません★
前任者が何もこれまでしてないと今更なぜ?という反論となるのです
が経年劣化は進むばかりですから今のままがこれからもとはなりません。
その辺の会社との交渉術も必要で黙っていては電気トラブルが起きる
たびに電気主任の管理が悪いのでは?という疑念を持たれます。
そういう話を真摯に聞いてもらうには普段のトラブル発生時の対応が
一番目立つわけで信頼って結果論でしか生まれないと思います。
電験二種とか一種とか個人の博学だけではダメです。
なぜなら勉学や資格は理論的能力に優れてる人なら誰でも容易で
そうであっても性格の特異な人、自己中心的な人は信頼に値しません。
信頼とは他人との協調性という性格がない人には無理なんです。
ただ画期的な発明をして後に天才と呼ばれる人はそれでもいいかも?
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiUPzILZXBV6YFSTVyB23dDBFxfGNXadgzWNblTJHUP9LesMa7AXYkEETYBxpNG7s86lkZxup-zhbtOQpBCq7lRYv1HUGyknpGN15i1LePbGtzUWA2DcDhK4CP2CkaF2gOEnzj9OWweUjk/s1600/smale.jpg)
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