初めての方は話がつながらないので前記事を読んでからにしてください。
⇒発電機回路プチ改造
前述した私が管理する現場で52Bが停電時に自動切れとならないならば受電
回路の27流れのリレーが動作していない可能性が高くてVCBのトリップ5番に
電圧がかからないというのは理解して頂いたと思います。
とにかく迅速に発電機の起動・送電を完了させないといけないのでこのVCBを
手動切りで発電機VCBの投入条件を成立させるしかありません。
停電時に連動して切れるべきVCBが自働で切れない場合は原因はともかく
発電機の送電を急ぐ必要あるので手動で切るしかありません。
停電時に電力側へ逆送電してはいけないので関連VCBが切れないと送電
用の発電機のVCBが自働投入されないのです。
逆に発電機VCBだけを投入しようとしても切るべきVCBが投入状態ですと手動
操作でも発電機VCBは投入信号を受付けないシーケンスになってるはずです。
以下、52BのVCBを手動切りすれば最初の発電機VCBのAND投入条件は成立
するので自働投入されます。
ですがこういう何かを切ればではなく、どうしてもその回路を動作させないといけ
ないケースは発生するかもしれません。
つまり上の場合でVCBを手動で切らないで受電回路側のリレーを生かして52B
を切るという対応も電気主任はできないといけません。
これが受電回路にある52Bを切らせるリレーですから端子間をジャンパーさせれ
ば52Bの5盤端子にDC100VをかけられVCBを切る事ができます。
ジャンパーさせる注意点は上みたいに2点間しかないならば間違う事はありません
が下状態の様な結線状態のリレーでは十分な注意が必要です。
違う2点をジャンパーさせてしまうと回路を焼損させる可能性があります。
そこで★今回はジャンパーをしない方法を紹介しました★
まずは故障リレーの端子緩みがないか確認したならばこれらのリレーの中で
今その時点でソケットから外しても問題のない物を外して故障したリレーと
入れ替えるという方法です。(51.27.67関連以外のリレーがbetter)
NETから得たオムロンMY4N-D2リレーのソケット構成です。
ソケット5-9番間を確認して接点動作を確認するとa接点動作ですね。
回路図面がわからない場合で地道にそのリレーの動作を調べるならこうします。
実際はC接点と言われる物ですがリレーに通電させたらa接点動作の接続
はわかると思います。(c接点とはa接点とb接点のどちらでも使える物)
COIL電源がこの様にDC(直流)の場合はAC(交流)は入力できません。
周波数に応じて接点がON・OFFする事になり焼損しますからオリジナル
で改造・取付する場合はその回路の電源には注意してください。
パナソニックのリレー取扱い注意にも"DCコイルには矩形波、ACコイル
には正弦波を印加してください。"とあります。
とにかく電圧値は同じでも指定外の種類の電圧をかけないという意味。
通常こういう回路は同じリレーを使用していますからリレーに記載される型番が
完全に同一である事を確認できたらそれを行います。
59の受電過電圧なんてまずないですからこの関連のリレーと入れ替えたらいい
のです。(どれがいいかはその現場の回路状況を知る電気主任が選択します)
VCB本体は停電作業の時に毎年業者点検、5年に1回はOHをしてるのでこれ
本体が故障する事はまずないと思ってもいいと思います。
ですからこれで発電機VCBが投入できて送電開始となるでしょう。
下は発電機の現場操作関連ですが設備の方にお願いしてる操作に関しては
必ず電気主任技術者として現場盤にも記載をしておかないといけません。
操作間違いをされた時に後で"聞いてないとか"とか言わせないためです。
電気に関する操作については仲間がした失敗でも一応は電気主任の指導不足
というのも言われるため自分だけがわかっていればいいわけではありません。
これは発電機エンジンモニター、写真は停止状態で撮った物ですがそれなのに
シリンダー温度が55℃もあるのは停止中はオイルヒーターを入れて常時エンジン
を加熱してるからです。
運転が開始されると温度は当然上昇しますが毎月のデーターと比較して温度に
異常がある場合は速やかに業者に連絡を行い修理してもらいます。
稼動できてる段階で対応しておかないとエンジン不調で重故障ともなれば今度こそ
は業者でないと対応ができなくなります。
ですが不調の兆候は必ずここにアンバランスとして事前に発生するのでそのため
に毎月試運転を行っているのです。
発電機故障には機械的要因もあり試運転というのはエンジンに関する調子を見る
のが主目的と思ってください。
気になる点があるなら写真の様にテープを貼ってその値が出た状態を撮って
メーカー担当に送り意見を求めます。
スマフォをせっかく持ってるのなら有効にその機能を利用しましょう。
とにかく異常が発生したらその数値状態を残すというのが間違いのない対応
をする唯一の方法です。(★すべての設備機器点検に言えます★)
このエンジンはディーゼルの様な圧縮空気起動ではなくてセルモーターで起動します
が起動音はディーゼルエンジンの1/3程度かと思います。(燃料は13Aのガス)
もちろん初期励磁は必要ですから蓄電池がないと最初の電圧が起こせない理屈は
ディーゼル発電機とまったく同じです。
余談ですが小さな発電機の場合はPMG方式といい永久磁石を使うので起動時には
初期励磁用の直流電源は必要ありません。
(ここでの発電機は出力500KWが2台、用途は消防、飲食冷蔵、重要機器電源)
私の経験上、起動して5分間回転ぶれもなく安定して運転できるならば大丈夫。
調子が悪いと回転数が上がらずに周波数も60Hzとなりません。
それでは消防機器の回転数が下がるため消火能力低下となるのは聞かなくて
もわかります。この地域ならば無負荷なら60.5Hzくらいになるはずです。
電力受電においても電圧は若干変動がありますが周波数だけはまったく
変動しないのは周波数が変化すると産業機器に多大な影響が出ます。
非常用発電機の最大の目的は消防設備だから★発電機の発生周波数を私は
いつも注意しています★
一般的なエア起動のディーゼル発電機の制御は工場に勤務してた時に勉強
しました。
1.停電発生⇒受電27動作⇒エアバルブ開放⇒エンジン起動⇒速度継電器ON
⇒初期励磁開始⇒電圧確立⇒初期励磁停止⇒発電機VCB投入⇒送電開始
電圧を自身で発生できれば以後は整流して電磁石を継続するから初期励磁
は必要なくなるのです。
この直流電源配給は受変電設備制御電源用のDC100V直流電源ユニットから
なので本当ビルにおいてはDC100V直流電源ユニットが壊滅したら終わり
ですから電池の管理というのがとても重要となります。
とにかく業務用発電機は回せば電気が発生するのではなく最初だけ直流電源
が必要な点だけは電気主任技術者として頭に入れておきましょう!
これは私が管理してるDC100V直流電源ユニットですが毎日13時にモニター
CHECKはする様にはしています。
蓄電池は触媒を5年に1回交換すれば液が減る事はありませんが月に1回
だけ6時間均等充電をしています。
電気物は汚れ、埃は大敵だけど特に電池管理では清掃が大切です。
後この設備のある部屋の温度は夏場でも28℃以下の方がいいと思います。
比重測定もいいけど混ざり物が混入する可能性があるから私はしないです。
(5個おきに監視用センサーが蓄電池にありモニターで温度、比重が見れる)
これはH28年に広島駅前にオープンした52F作りの高層ビルです。
店舗、ホテル、高級マンションの複合ビルですが契約電力は1万KWはないため
私が勤務する22000V受電と同じですから電験三種資格があるならばこの規模
でも電気主任技術者となれるのです。
前にここだろうと思われる求人をNETで拝見しましたがすべての管理を担当される
様ですからこういうビルの電気主任技術者となり停電して発電機が起動しないとか
送電できないなんて笑い話では許してはもらえません。
私でさえ何かあれば自宅に指示の電話がかかってきますからこういう現場の電気
主任技術者になるのは相当の覚悟・スキル・社交性が必要でしょうね。
就職先だけでなく★ビルを利用される多くの方に自分の無力が原因で迷惑を
かける事は人として許されない★のは実際物件を見れば感じると思います。
同時に待遇面、将来性、スキルなど得られる物は十分にあります。
最低でも入社時に年収500万円、正社員位の条件は用意されてるでしょうね。
それにここは駅前という今注目度NO1物件だからもし私が今求職してたならば
将来性も考えて応募していたと思います。
倍率は50~100倍程度でどういう現場の管理経験があるかが最終選考に残れ
るスキルの証明になると思います。できる方ばかりが応募するんじゃない?
電験資格だけあっても現場経験がないと書類選考で切られるから貴方も現場
を経験を積めたらぜひこういう現場の電気主任を目指してください。
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