2016年10月30日日曜日

電気主任技術者 トップランナーモーター

モーター取替~省エネ,トップランナーモーターについて触れました。
ある三相排気ファンの動力回路付属のコンデンサーについてこの前
職場で設備の人に"あれが始動用のコンデンサーですか?"と言われ
電気を知らない人はそれもありかと思いました。
あれは受電設備にある電力用コンデンサーと同じ力率改善をする物
で三相モーターなので何もなくても三相電源をきちんとかけたら回り
ます、電気を納得できる様に誰にも説明するのは難しいです。
理由は前記事を読まれた方はすでにご存知かと思います。

最近力率改善用コンデンサーを意識したのは厨房用11KWの排気用ユニット
の取替工事の時ですね。
ファンと一式交換するのに製作に約30日はかかるので応急で直入起動の
7.5KW工事用仮設排気ユニット用電源
を準備する必要が発生した時です。
11KWのモーターが既存となってるけど実負荷はなぜか7KW程度しか負荷が
ないので今回はこれでいいのです。

スターデルタの切替時間を0秒にしてデルタの3本に接続すれば実はとも
は思いましたが業者の方から何があっても困るのでそういう細工では
なく完全な直入れ電源をとの要望があり今回は対応しました。
これは取替前のスターデルタ回路の状態!

使えるマグネットは在庫にあったので簡単な起動KITを作りました。
いつものTB15601Kは電圧はいけるけどこんな大きな容量の電気開閉
は直接できません。あくまで今回は時間制御用ですね。
既存は中央監視からの発停ですがそこは触りたくないのであくまでこの
タイマーで簡単に1ヶ月間だけ仮設機を運用する事にしました。
それにタイマーがないと朝晩誰かが手動起動停止が必要で職場で文句
を言う中高年の人が絶対発生しますからそういうのは避けます!
(簡単に手動にするならスナップSWを励磁コイル電源の片側に挿入)
使うマグネットは同じ11KWが使える物でないとその7.5KWに合わせ
小さいマグネットを準備すると既存電源ケーブルの丸端子が入らない
ので注意します。(これは昔の私の失敗経験から)

こういう電気パーツに線を接続する時は必ず2本までです
後から主接点の各上下3箇所に電源ケーブルを現地で接続!
尚、電源ケーブルは必ず端子を使用しないと接続できません。

1.パーツ取付と一次側配線接続が完了したら負荷送りを接続前に空の
状態で回路を動作させてマグネット二次側から200Vがすべて出てるか
確認する。(3年前購入の在庫品なので単相がないか確認)
2.この場合だとモーター側の端子盤内部の接続は外した状態で負荷
送りのケーブル3本を絶縁測定をする。(絶縁0の配線に送電できない)
昨日まで稼動していた、パーツは新品だからそんな確認は必要ないと
の判断も間違いとは言わないけどこれは安全作業への私の拘りとある
意味があります。(後半説明)

この時にコンデンサーが既存回路スターデルタのMのマグネット二次
側に接続されてるのは気がつきましたが今回は11KWのマグネットに
7.5KWモーター使用で接点の電流余裕が十分なので使用しません。
もしマグネットが7.5KW程度では業者が持ってくるモーター力率が
不明なので取付した方がいいと思います。
無効電力が少しプラス過剰になってもなくてマイナス過剰の方が
が絶対に多く接点通過電流が規定を少しオーバーする可能性あり。

ビスが硬くて回らない場合はネジ山をつぶすと大変なので硬いと
思えば最初からインパクトドライバーでネジを緩める事!
業者施工のこうした物はキツくまし締めしてるので手力ではネジが回
らないが最低1個はあります。(並の男性の力でも無理)
コツは回転方向を合わせてワンショットで押さえつける様に叩く!

取外したビスなどがあれば1ヶ月後に元に結線を戻さないといけない
のでビニールに入れてこの盤の中に貼っておきます。
変に自分の机の中で保管して無くしてしまう事ってあるのです。
無くすと在庫にありそうでない、大切な物は無くすとイザでなぜかそれ
だけない
、こういう仕事をしてると特にそれって強く感じます。

接続するのは工事用の移動型排気ユニットでそれ自体で保護回路
を持っているはずなのでTHRを買ってまで今回は取付していません。
そうMCBは短絡保護ですから過電流保護にはTHRが必要ですね。

私の盤側の取付が完了したので屋外にいる業者に電話して配線と
モーターの接続指示を出しました。
結線後に運転開始をして負荷電流がマグネットの定格を超えて
いないか、漏電I0値に異常がないか確認してから工事は終了です。
配線の絶縁も最初で測定してるのでもし起動不良が発生しても
すぐに相手が持参した機械が悪いと言えるのです。

実はこれ夜中24時の作業で極力トラブルになる原因は避けたい
と思っていたのが本音です。

今更ですがコンデンサーを設置するとモーター電流が減るのは承知
されてると思いますが接続点から電源側の電流が低減するわけ
でモーター機械その物に流れる電流は何ら変わりません。

★コンデンサーを設置しても機械単体の省エネには寄与しません★
実際R-Lで構成される電気機器の電流変化を検証してみましょう。

ただ受電では電力会社の負担が減るため力率割引をしてくれると
いう点では意味はあるのでどこの需要家にも高圧側に電力用
コンデンサーが設置されています。(特高の場合も高圧側に)
低圧末端機器に力率改善用コンデンサーがあれば幹線負荷が減ら
せますが逆に幹線は相応の電気的余裕があるのでなくてもその
デメリットは問題となる事がないのがほとんどの現場の場合です。
偶然設置した機械の標準仕様として導入されてると思います。
だから低圧末端機器には力率改善用コンデンサーがあるないが
統一されてないのです。もちろんないよりあった方がいいです。

汎用モーターはもうメーカーでは規制により製造してなく在庫のみという
状況です。
★トップランナーモータ規制が2015年4月より★
だから今後モーター更新をする場合はこの新規格モーターについて現場
の電気主任技術者も相応の知識を身につけないといけません。
トップランナーの省エネモーターは汎用モーターより起動電流が増加す
るので既存電源回路の容量アップなどの検証が必要となります。
メーカーの記事にもあえて強調してありませんがひっそりとその事につい
ては触れてはいます。

IE3モーターとはトップランナーの省エネモーターの事です。
MCBでもELBでもトリップの可能性があるというのは過電流要素にかかる
可能性があると言う意味です。当然マグネットも無害とは思えない!
マグネットは過大な電流が流れ電圧降下が顕著になると状態保持が困難
となり励磁が切れてマグネットがOFFとなります。
その対策として電源電圧が60%まで低下しても状態を保持できるマグネット
を開発してるメーカーもありこういう物も検討材料になると思います。
又はマグネットの容量を1サイズ上げるのも選択肢で費用対効果も考慮
の上で現場の電気主任が選択してオーナーに進言もできます。


価格ですが新技術を満載してる以上は汎用モーターより高いのは当然!
選任の電気主任をしていて職場は電気に詳しくない場合はこうした規制など
の情報の孤立化が懸念されますが電気主任は省エネ分野にも興味を
持っていないといけない
と強く思いました。

結局業者も取付したけど起動できないクレームだけは避けたいわけで
そうなら形だけの”検討しましたが"の言葉はあっても必ず電源工事も
無条件で要求してくると思います。
その前に既存にある回路の各パーツの能力で本当に対応できないのか
最低限その程度のSPEC確認は電気主任としてもすべきです。
もちろん電気主任がパーツを購入して取替できるなら最善です。

消防訓練の時に消防ポンプが焼き付いて昨年夏に消防ポンプを一式
交換したのでプレートを見たのですがJIS_C4210規格つまりIE1で
IE3のトップランナーモーターより2世代前のモーターでした。
消防設備は私の担当ではないのでこれ購入のいきさつは存知ません。
ただ電源設備はそのままで省エネモーターより価格も安かったはずです。

消防ポンプの様に緊急時しか使用しない機械にイニシャルコストをかけて
省エネモーターにしても意味がないのはわかります。
去年の段階ではIE1の汎用モーターはこの様に手に入りましたが2016夏
以降現状の市場の状態はわかりません。
(余談ですがモーターというのは50Hzでも60Hzでもこの様に使用できます。
ただ回転数制御する場合はこういうモーターでは低速時に加熱するので
このタイプは停止か定格速度かで使用するモーターです。
汎用モーターをインバーター使用しても使えない事はないでしょうがあの
使用温度寿命10℃半減説からも寿命が著しく低下すると思います。)

これは2016に交換したモーターだけどトップランナーのシールがあります。
屋外の防水タイプでもあるので昔の室内汎用IE1モーターよりかなり高い!
(屋外式のモーターは絶縁階級も屋内式のE種より上なのです)

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2016年10月26日水曜日

三相誘導電動機の単相運転

職場ではリーダーの提案で月に1回、各自が講師になり職場の仲間
に何かを教える勉強会を去年からしています。これは私が担当し
た月に行った内容です。又電気に興味がある人によく質問される
ベスト3のこれが一つ
です。三相モーター1相がマグネットの接
点不良などが原因で欠相した場合電流が√3(1.73)倍になる話は
聞いた事があるでしょう?三相時と単相時の要求負荷が同じなら
√3V3I3=V1I1としてここでV3=V1ならば√3I3=I1つまり、単相時
電流I1は三相時電流I3の√3倍になる..ただ複雑になるのでこれ
は回転数も変化しないとした場合。設備の仲間に質問されたらこ
の答え方でいいと思う、ただ何年かに1回はそれ違うでしょ?とい
う方に出会いますね。

実際は回転数が少し低下するので√3倍にはならないのです。私も
工場勤務中にボイラー給水ポンプが単相運転した事がありそうなら
ないのは経験的に感じていました。以前約2倍になると記事にしま
したがその理由を最後に説明します。これは三相モーターが単相状
態となった場合の3台分の計測した値で確かにどれも値が約2倍に
なっています。(某社発表データーより)(A機でT相が1.83倍、B機
でR相が2.03倍、C機でT相が2.05倍回転の落ち方が微妙に異なるか
らいくらか違いが発生します。

誘導電動機の基礎をまったく知らないでは話が見てこないのでまず
モーター(誘導電動機)の基本的性質を説明します。今のビルでは巻
線形三相誘導電動機を使うターボ冷凍機とかないので、扱う事にな
るのはかご形誘導電動機(空調機、ポンプ)と思ってください。ただ
構成パーツが少し異なるだけでモーターの回転原理は同じなので
その現場で巻線形があってもかご形誘導電動機を理解してる人は
すぐに巻線形誘導電動機も理解できます。下説明はかご形について。

ローターに発生した電圧E2により流れる電流I2との二次側回路の消費
電力を二次側入力P2といいます。ステーター側を一次側、ローター
側は二次側と丸暗記されてください。このローターは太い導線(バー)
をかご形に配置された構造になっていてここからこの方式のモーター
をかご形誘導電動機と言うのです。強い始動トルクを得るために回転
子導体の抵抗を始動時は大きく速度が上昇したら小さくするみごとな
仕組みのかご形誘導電動機もあります。こうする事で大きな始動トル
クを得ます。(比例推移の特性を活用)

R=r2(1-S)/Sの抵抗で消費される電力を機械出力Pmといい皆さん
がよく"これは30KWのモーター"とか言うあの数値となります。
r2の抵抗で消費される電力は二次側銅損Pc2ですね。
最低限以下の関係式だけは電気主任として覚えておきましょう。
P2:Pm:Pc2=1:1-S:Sの重要な関係があり
(Sはすべりといい停止時(1)~定格速度(≒0.03)で変化)

誘導電動機の起動電流が高くなる理由を等価回路上で解釈すると
二次側電流はリアクタンスx2と合成抵抗r2/Sで制限されます。
モーター起動時、つまり回転数0ではS=1でインピーダンスr2+X2
への電圧印加で電流が流れます。この状態が起動電流です。
一般的には運転電流の5倍程度ですがあくまで一瞬の状態であり
回転上昇によりSがどんどん小さくなる事でr2/Sが大きくなるため
インピーダンスが大きくなるわけで当然電流は更に小さくなります。
最終的にはS=3%(0.03)程度の時の電流値で落ち着きその状態
運転電流と言うのです。

下は私の勤務する現場にある屋外モーターですがプレートでSPEC
を確認してすべりを計算してみましたが3%、誘導電動機はどれも
この程度のすべりだと思います。屋外なので文字色は消えてます。
同期電動機は同期速度で回転するためすべりはなし、ただこれは
扱いが難しいのであえてビル設備程度で使う事はないと思います。

モーターの効率的運転は空調機ならばVベルト交換やベアリング
のグリースアップなど機械的な保守管理が絶対に欠かせません。
機械的メンテナンスが満足してるならばモーターが10年以内で
故障する事はないです。軸がロックしたりしてモーターにスト
レスがかかり故障するなどモーターは機械的に連結させる負荷
と運命共同体なのです。モーターの基本的性質がわかったとこ
ろで三相モーターが単相運転した場合を検証してみましょう。
S1が正常時、S2が単相となり回転変化した時として、結果約2
倍になるという答えが得られ冒頭のモーター実験結果を納得で
きます。

三相モーターは単相運転するとその三相電源アンバランスにより
不平衡状態となる事で逆相トルクが発生して回転数が低下します。
(逆相トルクとはモーターを逆転させようとする力)①は逆相電流
による入力減少分を考慮した二次入力の計算式で③式は三相状態
⇒単相状態でも要求負荷は同一なので三相運転時電流Iによる
二次入力と=にして変化後の正相電流I1を逆算しました。
(逆相電流による回転磁界は滑り2-sで回転しています)
尚、1線断線時は正相電流(I1)と逆相電流(I2)は等しくなります。
更にこの正相電流I1を√3倍すれば単相状態の線電流となります。
④ですべりが3%⇒4%に回転数が変化したらどうなるか?を検証!

回転数が低下しないとしてすべりが3%のままでは上の④式に代入
して計算とすると√3×1.007倍のつまり回転数が低下しないとす
るなら単相運転時は√3(1.73)倍の電流とこの計算でも成立します。
一番ヤバイいのは停止状態からマグネットの1相が壊れてる状態
始動トルクが発生しないため三相拘束と同じ状態で定格の7~8倍
大電流が流れてしまう、つまりシャフトが拘束(ロック)された
のと同じ状態です。確かに保護回路は動作しますが相応に大きな
電流は実際流れるので老朽化したモーターでは焼損するかもしれ
ません。ただこれは漏電と違い事前取替という絶対に発生させな
い策があるのです。三相モーターは単相運転防止のため10~15年
経過したマグネットは無条件に交換されるべきです。単相モータ
ーでは1相の電圧がなくなると回路を構成しなくなるので停止す
るだけでこういう問題は発生はしません。

職場の仲間に電気を扱えると思わせるには理屈だけではダメだから
電気主任技術者は取替作業ができる様になってください。語るだけ
なら学生と同じです。
ただビル管理をまじめに3年もしてる方なら十分に可能なので誰
でも練習したらできる程度です、取付ネジが時々硬くて回せない
場合があります。適切な大きさのドライバーで体重をかけてもダ
メならば絶対に無理ですからそのまま継続するとネジ山がつぶれ
てそれこそ面倒な事となります。専用のインパクトドライバーを
即使用されてください、新しい型式ですと念のため補助接点の構
成とか取付ピッチは確認されてから作業を行いましょう。

電気を止めて作業するので素手の方が感覚もあり行い易いのです
が見た通り、端子とか意外と尖り指をケガをする事が往々にして
あります、だから素手ではされない方がいいです。後古い配線は
乱暴に扱うと端子の根元で折れる事もある、余裕があれば端子も
取替されたら最善ではあります。

取替が完了したらそれで終わりではありません。二次側各相間電圧
と各相の電流にばらつきがないか確認、30分運転後に温度の確認を
私はします。1か所だけ高温度があればその取付に問題がある。
見た目では完全な安全確認はできないです。定格電流内の使用で
室温25℃、端子部の温度が40℃もある場合何か問題があります。
許容温度で判断してはいけません、それはあくまでリミット!
余談ですが接点が正常なら一次と二次間の抵抗は0Ωです。前に
電気管理技術者協会の配布小冊子で抵抗を測定してマグネットの
良否を判定するというのを読んだ記憶がある、逆に接点が悪くて
抵抗値が上昇すると、そこには熱が発生するわけだから下の様に
温度を比較して見る事でもわかります。

ネジが回らず外せない、時々設備の先輩とかCRCを噴射させハン
マー+普通ドライバーで叩く人がいるけど、ドライバーが破損し
たら大けがです。叩くならこういう貫通ドライバーを使います。
更にこれ叩くと内部カムが15度緩む方向に回転し硬いネジを回す
のに最高です。10個マグネットを取替したら1個くらいは人力
でネジが回らない事が多いので、こういう道具は準備して作業し
た方がいいです。最悪端子は切断してしまえばいいけど取付ネジ
ですと外せないので取替作業ができないです★正しい工具の使い
方をせずケガをし労災でもなると会社にも迷惑をかける事になる
安易に何でもいいから回せばいい、叩けばいい作業は素人レベル
ですから技術者希望の方は肝に銘じてください。

三菱のマグネットを注文した時はNEWとなり取付ピッチが異なるので
スペーサーが付属していました。すべてのメーカー製品でこういう
サービスはないかも?ない場合は1箇所ネジを入れるネジ溝を盤側
に切らないといけません。個人的には三菱のマグネットをお勧め
します。容量と電圧さえ合えばフジ電機⇒三菱のにしてもまったく
問題はありません。7.5KWのマグネット取替した時に在庫に11KW
しかなく行ったら端子の大きさが異なるので取替は同じ容量の
製品でされた方が余分な作業が発生しません。MCBと違いマグネット
は大は小を兼ねる事はできますが経済的に無駄です。

盤にネジの溝を切るためのタップとはこういうのです。大雑把に
説明するとネジサイズより1mm程度小さな穴を盤にドリルで開け
たらその穴にこれでネジ溝を手で回しながら切っていくツール。
その後はネジを入れて物を固定できます。設備には一人はこうい
う事が好きな先輩はいるはずなのでその方にならってください。
片側は既存ねじ穴を使え、もう片側が合わないわけだから本来開
けるべき作業をしないでマグネットの裏に工業用アクリルテープ
を貼る方法でも全然問題ないレベルで実は固定できます。ただ
正規方法ではない、音を出せない場所が近くにある時に私はこの
方法で固定します。貼るという行為も専用材料はあなどれない!

作業をする前に刃先が丸くなっていないか?切れない刃先では論外。
それとドリルの刃先はまっすぐ当てて回転させないといけません。
こんなケガが発生するのか?という原因は基本作業の無視から起き
ます。そのまま体重をかけ両脇は締め腕力で押すというより自重を
利用します。腕力は刃先の挿入角度とドリル自体がぶれないために
私は使います。
同じドリルを使いながら楽に穴を開けられる人とそ
うでない人の差とはけして腕力があるからという様な事ではありま
せん!穴を開けてくれるのは工具。私は金属面よりコンクリートに
穴を開けるのが得意ですがコンクリートに穴を開ける場合は金属用
ではなくコンクリート専用の刃先+振動ドリルが必要となります。

軍手は布辺を刃先に巻き込んだら指ごと持っていかれ大ケガをするの
で古い軍手は使わないか私はドリル作業では軍手は使わないですね。
後電気作業では軍手は絶対使わないでください。とにかく軍手という
のは私達の様な機械や電気を扱う人が使用する物ではありません。

手のひらに耐久性に優れた天然ゴムをコーティングしてあり、強力な
すべり止め効果と優れたグリップ力を発揮するという評判ですが私は
この類を各作業では使います。ケガは短絡と同じで一瞬に発生します。
あんな単純なミスで...後から聞けばね、だから気をつけましょう。

ホームセンターで500円くらいで買えます、分厚くなるほど指先
の感覚が鈍り精密作業が逆にできなくなる。実はダイソーの.......

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2016年10月20日木曜日

電気主任技術者 シーケンス制御

以前説明と修理記事が別であったので1記事にしたのと読み難い部分は
修正してみました。シーケンス制御は電気計算の難しい理屈よりパズル
を解くセンスが大切だと思います。

このシーケンス制御の今回の機械はロールフィルターという空気の粉塵
を取る装置で空調機と連動し、電気集塵機と回転型フィルターが一体式です。
まずは回路動作説明をしますがこれがEasyに読めるなら受変電回路も見方
の基本は同じ。まず全体図でシーケンス制御を覚えるにはJUSTなボリューム。

市販の教科書ではモーターの主回路と制御回路が同じAC200V電圧とか
ですが現場では制御回路がAC24VやDCであるケースは割とあります。
DCや回路変圧器二次側の制御回路は非接地となりますから検電器は
動作しないためこの制御回路点検で使えるのはテスターのみです。
AC200V電圧部分なら点電圧があるかないかは検電器で確認は可能。

T1-T2間の空調機連動a接点がONになると三相電源のRT間から分岐
した単相200VがAのLINEでかかり自動運転用リレーCR2がONすると
Bの様にCR2リレーのa接点が導通状態となります。
結果端子番号11と12がONする事で自動巻き取り運転を開始します。
変圧器200/24Vがあるので制御回路の電圧はAC24Vとなります。

88は制御回路の運転用マグネットがONになると投入されてモーターが
運転を開始します。(自動巻き取りタイマー運転)
過電流によりTHR(49)が動作するとPINK矢印先のJはb接点のため
切れて本回路が完全停止します。(安全回路)
同時にTHRのWがONになると異常ランプOL1が点灯、同時に故障リレー
RY1がONとなりそのa接点で中央監視PCに故障を知らせます。
電源表示ランプWLが点灯してないならヒューズ切れという意味です。
ただランプ切れの場合もありますがこれにはランプテスト回路がない
ので点灯してない場合はまずAC24Vがかかっているか確認します。

ターミナルのRSTに電源線、UVWがモーター線、Eに接地線が各接続。
T1とT2間には空調機(AHU)のa接点回路を接続されます、つまりこの
装置は空調機と連動起動するわけで仮に空調機側の連動リレーが不良
ならT1とT2間をジャンパーすれば応急対応として機械を強制起動できます。
点検方法としては配線を外してT1-T2間の導通状態をテスターCHECK.
外部連動接点の導通を調べる場合は線をフリーにして行います。
今回以外で相互の機械が極端に離れているとテスターの電圧が吸収
されてしまい結果が出ない事もあるかもしれませんが同一の部屋の
距離なら大丈夫です。
もし導通が反応しないならば片線だけを外してその線に電圧があるか
検電器で確認、相手のa接点がONならば経由して電気は戻ります。

絶縁測定をする場合はUVW端子で行いけして電源MCBの二次側ではしません。
主回路と制御回路が共通電源の場合で電子基盤があるなら無用な故障の
原因になると思うからです。(電源の絶縁はI0の1mA未満で確認)
何でも電源MCBの二次側でメガをする人がいますが私は絶対しません!
(物によっては絶縁測定禁止とすると問題があるのでわざわざ"衝撃電圧
測定試験禁止"なる注意ラベルがある機械もあります。)

下図で端子番号12以降の流れでRSを経由してCのLINEで基盤2と8番に
電圧がかかる、次に基盤5番より電圧が出力されてDの様にモーター用マグネット
88のCoilに電圧がかかりモーターはタイマー制御でON/OFF運転します。
端子番号12以降に電圧がかかった時点で運転ランプRLも通電されて点灯
同時にリレーRY3がONとなりa接点で中央監視PCに運転開始を知らせます。
ただ運転表示はAC24V回路に電圧があるという意味で実際にモーターが
運転してるかどうかを見てるわけではない
事は頭の隅に入れておきます。

もしそれを改善するならRLランプ、RY3リレー電源をA点からB点に変更!
つまり88マグネットが動作してる時だけ運転表示となります。

電気集塵機の回路図、空気中の埃に帯電させる事でロールフィルターに吸着
させ易くするための物で電源入力は200Vでもとても高い電圧を発生するため
に空調機本体点検扉の開閉とも連動しています。
内部異常が発生するとリレーCR1が動作しそのa接点で故障ランプOLが点灯
同時に中央監視PCに故障を知らせます。
故障がなければb接点で運転中ランプRLが点灯する事になります。
異常が発生していないのにRLランプが点灯していない場合、電気集塵機は
停止していますがロールフィルターが正常に回転してるなら空調機扉の
リミットSW不良しかありません。

実際の故障した時の事例を紹介します。
THRが動作せずに運転しないわけでモーター故障ではありません。
ただ盤の異常表示ランプが点灯してなくても念のためTHR本体の
動作ボタンが出てないか一度は確認します。
尚過電流が動作する可能性があるのはベアリンク、軸などのロック
マグネット接点不良による単相運転とかですね。

自動運転用リレー(CR2)のコイル両端の10とT番端子に200Vがあり
これは空調機連動a接点は正常を意味しています。
次に11番と12番端子間にAC24Vがあったので自動運転用リレーの
a接点が動作してないために開放状態となってる事を意味します。
結論は故障原因はこのCR2リレーです。

ただこれって基盤にハンダ状態のため交換ができないのです。
メーカーに電話したら導入は11年目だけどその会社としては15年前の型
なのでその基盤はもう生産してないとの事!
つまりこのユニット単位でしか販売しないので何もかも新式一式交換で工賃
込み50万円という話!

とにかく今は応急処置が必要でCR2リレーでONさせるはずだった端子番号
11と12をジャンパー線で短絡させたら運転を開始しました。
基盤上に強制手動SWがあるけどあれでは時間制御がないのでフィルターを
不要に早く巻いてしい好ましいとは思えませんだからジャンバー!
老眼の方も職場にはいて夜勤者にこれをさせるのは無理ぽいからここは
短絡のままで制御盤のMCBを朝に投入、夜空調機が停止したら切るしか
ありません。

ただいつまでもこんな面倒は解決しないといけません!
結論としてはこういう感じで回路を組めばいいんです。
故障してる自動運転用リレーCR2の代わりを外に作りそれを既存回路に
接続すれば解決できるのはわかるでしょう。
(リレーは在庫にないのでマグネットで動作させても問題なし)
10-T盤間にかかるAC200VでマグネットをONさせてそのa接点でAC24V
回路の10-11番間をONさせています。

いくつかはネジ止めではなく基盤に直にハンダしてるから途中の配線上
で処理をするしかないです。
10番端子行き線は自動運転用リレーのCoil電源で切断してマグネット
のコイル電源へ接続、もう片方のT盤端子行き線もそうなんだけどそれは
先で電気集塵機回路と接続されてるので切断はせずジョイントのみです。

後からメーカー担当より再度連絡があり中古でいいなら割安で基盤を提供
できる。と連絡があったのでそれを購入しました。
確かに一番良い解決策は純正アセンブリ部品を交換する事ですからね。
今回改造をする必要はなかったけど上の方法でも十分いけました。
ただ部品がない又は調達に日数がかかりだからとその機械停止は無理
という状況では応じた改造も必要とは思います。

シーケンス制御を初めて見る方のために基本の基本を説明します。
これはON/OFFボタンでランプを点灯、消灯させる回路ですね。

上下は同じ回路、上がJIS新規格記号で下が旧規格記号です。
現場に入ると新しい機器は新規格で古い機器は旧規格で記載されて
いますが中身の動作、回路の考え方はまったく同じです。
私は入った現場が旧式が主体なので旧規格記号に慣れています。

BS-1はONの押しボタン(押した時だけON)でBS-2はOFFの押しボタン
(押した時だけOFF)、Rの丸いのがリレーでBS-1を押すと赤矢印に電圧
がかかるのでリレーRが動作し接点R-a1とかR-a2がON状態となります。
R-a2がONするとランプが点灯する事となります。
線が右に書いてある場合はa接点といい、何もしない時は切れていて
リレーが動作してONになります。
この逆に線が左にある物をb接点といい何もしない時はON状態で動作
してOFFつまり回路を切ります。

ただBS-1を押してる時はいいけど手を離すとBS-1が切れるので電気が
止まりリレーRは停止すると思えます。
でもR-a1の接点がONになっているためここから電圧がかかっているの
でBS-1の線の電気が切れてもリレーRは動作を継続できるのです。
これを自己保持回路といいシーケンス制御では欠かせない!

よくインターロック回路というのを耳にすると思いますが日本語で言えば
条件回路の事です。
下ではPB-1を押すと機械AがPB-2を押すと機械Bが起動します。
ところが機械Bの方は機械Aが起動中は機械Aのb接点があり回路が強制的
に切れているためPB-2を押しても機械Bは起動しません。
両方の機械の同時起動を防止するならば機械Aの回路に機械bのb接点を
直列に同じ様に挿入したらいいのです。
これは受変電シーケンスにはよく使います、たとえば発電機を運転した場合
に電力側への逆送電を防止するために受電VCBと発電機VCBの投入回路
はインターロック回路で同時投入はできない様に設計します。

★自己保持回路とインターロック回路の見方がわからないとシーケンスは
読み解けないのでこれは必ず覚えておいてくださいね★
上回路は説明には関係ないので各停止させるための停止押しボタンを
省略していますがどこに取付けたらいいか?理解度確認のため考えて
みてください。
現場で将来電気主任を目指すというなら今回の説明だけで内容を理解
できる程度の理解力は資質として必要です。

これは時間制御をする場合で丸いT1とあるのがタイマーでこれに通電
すると設定時間になると右の三角頭記号の接点が動作します。
この三角頭記号が右にあるのはa接点タイプでその時間になるとON
してランプを点灯させます。
逆に言えばその時間になるまではこの接点は切れているという意味。

では仕事が可能なシーケンスを考えてみましょう
9時~20時のみ、1時間に1回XX:00~XX:10の10分だけポンプを運転
する場合どうなるでしょうか?ある程度はもうおわかりかと思います。
条件には直列(AとB両方が成立する)と並列(A又はBが成立する)が
あってそれらを意識して論理的に考えるのがコツです。
この場合は9時~20時、1時間に1回10分という条件が重なった時に
だけしかポンプを運転させてはいけません!

私が実際に行った事で店舗から照明と連動させ排気ファンを運転したい
と要望があったのですが、電灯盤と動力盤配置が互いに隣で作業も
容易でしたから改造した事例です。
リモコンから200Vを2本出してマグネットのCOILに直結、このa接点と
スターデルタ側のOFF押しボタンを取替(ONボタンはジャンパー)。
これで排気ファンは店舗照明と連動して自動起動、停止します。
つまりスターデルタ回路を常時ON状態にして電気をかけたら即起動
電気を止めたら停止という方法で単独のスターデルタ回路をタイマー
運転する場合でもこの方法で可能です。

ではもうワンランク条件を追加して営業日の特定の時間のみという運転
ならこう改造すればいいのです。
タイマーだけでは店が休み(照明が点灯していない)時まで運転します
からリモコンリレーにより動作するマグネットa接点とタイマーのa接点
は直列に接続してスターデルタ回路に接続します。
この場合途中で手動停止させる場合はタイマーについてるSWを切りに
すれば停止できます。
2個の条件を同時に満たす場合は各接点を直列接続すればいいのです。

では更に上の条件を満たした上に必要ならいつでも照明を点灯させたら
タイマー時間外でも排気ファンを運転可能にするには? 
運転可能時間内の照明点灯では1の流れで回路は構成され、時間外
のタイマーが切れている時は2の流れで運転はできるはず!
こういう感じで2個の条件のどちらでも構わないなら並列接続すればいい


朝6時に排気ファンを運転し、タイマーが朝8時にONになるとどうなる?
つまり2の流れ⇒1の流れに回路が自動で切り替わる場合.....
マグネットの構造を考えるとコイルに電圧がかかり中の可動接点が移動
先にb接点側が切れて瞬時にa接点側が入るので排気ファンが一瞬停止
するでしょう。もちろん2の流れにより自動で即再起動はします。
倉庫や部屋の排気ならばこれでもいいいかもしれませんが厨房設備は
排気連動なので火が消えてしまい苦情が出ます。

でも考えてみたらこういう相談が来るとしたら排気ファンのOFF忘れを防止
するためですから一番良いのは最初のリモコンを受けてマグネット1個で
排気ファンを連動制御する単純な方法です。(照明連動起動停止)
頭の中では面白い工夫はいくらでもできますし私も好きですが実用化する
ならなるべくシンプルであるべきです。

この件に限定せずテナントさんの相談は話をよく聞いて目的に沿う
アドバイスをしてあげるのも電気主任技術者のお仕事です。

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2016年10月18日火曜日

電気主任技術者 方向性地絡継電器DGR(67)

電気室にある各配電盤にはいくつかの種類の保護継電器が取付して
ありますがその中で地絡の故障表示ランプがある盤は少しだけ他と
構成が違うのです。

地絡表示ランプがある盤には方向性地絡継電器DGR(67)がいて
通常は線路電流計測用のCTのみだけど零相電流を検出するため
の零相変流器ZCTというパーツがついています。
簡単にいうと地絡が発生した場合にZCTに発生する電流を零相
電流といい、私のBlog記事で良く目にするあのI0の事です。

漏電調査で私がクランプで挟んでいるのを何回も見たでしょうが
あれと同じ事をZCTもしてI0を検出するのです。
(余談ですがこの透明バリケードを外していいのは私だけです)

ただ方向性と記載がある様に自回路の地絡以外では動作しない様に
零相電圧V0という値も必要なのです。(もらい事故防止)
V0検出に使用されるのがこの盤ではコンデンサ形地絡検出ZPDです。

地絡事故が発生するとZPDに発生する零相電圧VoとZCTで検出された
零相電流Ioの方向は自己回線では事故電流が電源側から負荷側に
向かって流れます。(ZPDとは零相電圧検出装置)
一方、他回線では事故電流が負荷側から電源側に向かって流れます。
この違いを利用して、事故の発生した回線のみを選択しゃ断します。
設定項目としてはIo、Vo、動作時間の3個でVoに対して特定範囲
のIoの時にのみDGRが動作してVCBをトリップさせるのです。



VCBの横に見えてる赤いのが零相電圧V0を検出するためのコンデンサ形
地絡検出装置(ZPD)で初めてこういう配電盤管理する人が一番見つけ難
いパーツかと思います。

ZPD+DGRなる方向性地絡は私が管理する現場では一次変圧器の二次側
つまり6600V回路の各幹線に使用されています。
(青線は発電機回路だけど今の説明には関係なし)
6600V⇒低圧用変圧器の二次側には各B種接地にLGRなる低圧地絡を見
てる物があるけど、DGRは動作するとVCBを強制トリップさせますがLGRは
警報のみです。
(いずれも動作すると白文字が赤フリッカする)
テナントのたった1個の漏電でVCBをトリップなんかさせたら多数のテナント
に影響を与えるからLGRは警報のみなんです。
ただLGRが動作したら私のお仕事でテナントの漏電箇所調査をStart!

上の一部を拡大しましたが67(DGR)の記載が見えますね!
初めてみる方は三角マークのあるのが動力用変圧器で他は単相三線式
LGRが出るのは単相三線式用変圧器が95%で動力回路はほとんどが
専用回路&固定設備なので意外とトラブルはないです。
単相三線式回路はコンセント劣化、接続される機器劣化など劣化に至る
要素が多く3ヶ月に1回平均でどれかの変圧器LGRが発報します。
そのため嫌でも漏電調査のコツは覚えてしまいました。

★初めて電気主任として現場に着任した人の最初の試練はLGR警報★
着任したばかりで回線やテナントの使用状況もわからずしかも間欠的
なら発見が難しいです。職場の人もそうは電気に詳しくないです。
ただ慣れてくるとそういう事が発生するのは特定のテナントばかりです。
67とか高圧の漏電ばかりを語ってきましたが実際対応を求められるのは
低圧側の漏電により発生する低圧地絡
だと思ってください。
テナント内漏電が原因でLGR発報ならELBのないMCB回路不良です。
特に飲食店舗がある場合は100%いずれ遭遇する事になりますから。

通常B種接地で20mA程度が漏電でいきなり300mAとか出てしまいますが
劣化進行中は間欠的もありえ、それを放置し劣化進行で500~1000mA
が出たままになると火災に至る危険性が高くLGR警報の対応は大切です。
こういう類の漏電は年1実施のメガ測定程度では防ぐ事はできません。
(ネズミ線かじり、客のいきなり機器故障、台車で線を踏み破損など)
だからシステムとして低圧LGR警報が各変圧器にあるのです。
高圧側は人や生物が絡まないので67のDGR動作なんてまずないです。
ただだからってDGRとか知らなくてもいいという意味ではありません。

特高側22000V回路では同じVOを検出するために接地用変圧器GPT
なるパーツが使用されています。

ここだけでなく特高機器場所は手前にバリケードがあってこの中に入る鍵
は私と職場係長しか持っていません。
たとえ見学目的でも普通の設備の人は立ち入り禁止にしています。
(一般の方はどこに電気があるなしの電圧マップが頭にないのですから)

この設備のGPTは一次側コイルに22000Vが充電されて開放したデルタ
回路の総和電圧を見る事でV0を検出する事ができるのです。
この値が継電器に入力されI0と所定の条件に至るとVCBを遮断します。
ただ実際は地絡でなくても三相回路の対地静電容量は完全に平衡して
ないために残留電圧がV0として僅か常に発生するそうです。
つまり誤動作しない程度以上にDGRのV0設定が必要となりますがその
残留電圧の2倍以上との事で10Vとかの設定をよく見ます。

GPTの全体回路図、電圧計がありますが初めて見た時13000Vと表示
されていたので22000Vを√3分の1にした値と瞬時に気がつきました。
図面をみたら二次側スター回路の各コイル電圧を測定してるだけで
これは零相電圧V0とは無関係です。(だから√3分の1となる)
(電圧計指示13000Vでも実際にかかってる電圧は110/√3ボルト)

本体の下には配線ターミナルがありこういう接続になっています。
GPTに限らずこういう接続ターミナルの配線構成を理解しておくと
故障調査、不良回路切り離しなどで役に立つ
ので覚えておきます。
簡単な事で言えば上の電圧計が急に指示しなくなったなら配給元の
この端子台で送り電圧の測定をすれば原因はすぐにわかります。
V015かV016のどちらかを抜けば継電器動作のロックができます。

DGRを完全理解するのは難しいと思いますしそこまで勉強しても専門
に点検業務をしてる人でもない限り必要になる事は選任の電気主任
ではそう多くないと思います。
保護継電器などまったくわからないで電気主任をしてる人もいます。
こうした保護継電器が建物を壊すまで結局1回も動作しなかった現場
もあって当たり前だからそれでも電気主任ができてしまうのです。
ただ自分の場合も絶対にそうかの保障はありませんからできる事は
電気主任として普段から研究しておくべきと私は思います。

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