前回の続きでせっかくBlog記事にしたので私も父と同じ様にスター
デルタ起動を応急でする装置を作成してみました。
検索した結果今回とても便利な商品を見つけたので紹介します。
これはオムロンのH3CR-G8ELというタイマーでこれ1個でスター
デルタ起動機能をすべて内蔵する優れ物です。
(通常のタイマー、リレーで回路を組立てる面倒が必要なし!)
特に基盤制御で稼動するスターデルタ回路故障時の応急対応には
役に立つと思いました。
まず前記事でも説明したけど左が基盤制御の配線でそれに接続する
ために考えた右がタイマーへの結線です。
スナップSWをONすると8番⇒7番に電圧がかかるため11番の線を経由
してメインマグネットに即電圧がかかる。
タイマーb接点出力5番の電圧が12番の線にかかる事でスター回路の
マグネットに電圧がかかる。結果モーターはスター起動する。
タイマー時間経過するとタイマーb接点はOFFとなりタイマーa接点
がONとなるので出力6番の電圧が13番の線にかかる事でデルタ起動
を完了する。
同時投入となり短絡の懸念はスターとデルタのマグネットは同時
投入されない様に互いの補助b接点経由でコイルへ給電してるため
大丈夫です。
(このH3CR-G8ELというタイマーはスターデルタ起動専用パーツ)
これがそのタイマーのソケット台の構成です。
上の説明を見ながら考えてもらったら理解できると思います。
スナップSWはAC200Vが使用できる物ならどれでもいいですし場合に
よってはMCBで代用しても構いません。
後はこのタイマー配線と既存配線の接続の方法だけど既存基盤の
雌コネクター部分を基盤から撤去してそれにハンダづけで配線して
接続口を作成しておけば以後は雄コネクタのつけかえだけで誰でも
使用する事ができます。
たびにこうした場所の配線を切ったり接続するのは普通の設備の方
では無理です。
後はこういう金属BOXに工業用アクリルテープで固定します。
こういう接着面の条件が良いと後で取れなく場合あるので通常の
両面テープと同じに考えないでください。
この空いたスペースにそのタイマーが入るのだけど通常使うリレー
などがないので意外と省スペースな大きさです。
オムロンのH3CR-G8Eで正式なスターデルタ回路を組むなら機械
の運転停止を自動化しないといけません。
(毎日現地で手動運転なんて職場の仲間からブーイング物です)
それなら基本こういうタイマー接点をスナップSWからの電源線の間
に入れたらいいのです。(当然スナップSWは常にONのままで使用)
夜OFFとなるとタイマーへの給電がなくなるので次の起動ができないと
思えますがこのTB15601Kの停電保障時間はなんと300時間で
すから毎朝問題なく機械を起動できます。
それかこの配線ならTB15601Kの電源S2をCOMからバイパスすれば
常にタイマー電源を確保できますが改めて考えるとその方がいいです。
H3CR-G8Eの7と8番端子には各2本線がすでに挿入されてるので3
本は入らず直接どれかの配線に接続する作業が発生するからです。
(TB15601Kの端子構成は左からS1.S2.COM.NO.NCです)
TB15601Kの設定において一般的なピンを倒した区間を運転時間
とする場合は接点の接続はNO(ノーマルオープン)を使用する事。
もし土日は機械を動かさないのならばこうした24H式ではなく一週間
用デジタルタイマーを使用します。
途中工事で機械を増設した場合は中央監視で制御可能にするには
100万円は費用がかかるのでこうした現地で直接制御を組むのが
普通です。
(エレベーターの制御にも一週間タイマーはよく見かけますね)
私のBlogを今日初めて読んだ方のために以前マグネット交換記事
での説明をすると上の補助b接点とはマグネットのこの部分です。
仮にこれがスターのマグネットならばこのNC接点経由でデルタ
マグネットのコイルに電圧をかけるという意味です。
(NCとはノーマルクローズと読みます。)
つまり互いに相手の動作に制限を入れるインターロックを組む!
尚★マグネット新規取付をするなら富士電機の製品が扱い易いので
お勧めします★
ちなみにこのマグネットは排水ポンプでNOに線があるという事はこれが
投入されると連動してONになる接点で一番使うのは中央監視PCへの
運転表示、運転表示が出なくなった時はまずこれをジャンパーさせます。
いきなり中央監視業者を呼んでこんな所が故障では電気主任は何を
しているのか?という目で業者から心の中で見られますよ。
マグネット交換程度は選任電気主任の日常業務ですからね!
何でもパーツを交換したら必ずテプラーで日付を貼っておきましょう。
電気では閉じる=クローズ=回路を導通状態にする意味ですから
初心者の方は間違わないでくださいね。
閉じる、クローズと聞くと普通の方は切る、OFFと思いそうです。
下は私が勤務するビルにある高圧発電機の操作パネルです。
停止中ですからVCBは切れていてだから"開いています。"
停電し27が動作すると発電機が自動起動して電圧確立と連絡
VCB切替完了の2AND回路成立後にVCBは投入されます。
つまり"閉じて"ビル内部に電気が送られるという言い方です。
後一般工場では緑ランプ表示を動作状態、赤を停止状態と
してる様ですが電気盤では赤が動作状態、緑が停止状態
ですからそういう現場から転職される方もONとOFFを間違う
事がない様に注意されてください。
もし重要な装置でONとOFF指示を間違えたら生産工場では笑い
話では済みませんから基本中の基本として覚えておきましょう。
電気主任がもし現場で間違えたら大恥かきますよ。
比較的新しい中規模以上のビルや工場ではほとんどが基盤制御の
モーター運転回路となっています。
本で貴方が今勉強したリレーやタイマーがないので基盤一式交換しか
こういうケースでは対応できないのです。(基盤は修理不可能)
もし故障時にそれがない場合には特にスターデルタでは対応は無理。
事前にそれに変わる何かを準備しておくか基盤を在庫で購入するか?
ただ基盤は取替しただけでは動作しないので結局は電気主任しか
対処できないのが実情でしょう。
問題は電気主任が休日の時にそれが発生した場合で設備の仲間が
誰でも即使用できる物でないといけません。
難しいお願いをしてもどうせできないから無理は言えないのです。
こういう基盤制御でマグネットは正常なのに過電流、欠相警報が出た
りする事が稀に私の管理する現場でも最近発生しています。
異常警報が出るとモーターは一旦緊急停止するのはどこも同じ!
ただそれはその瞬間だけでリセットすると何事もなく運転できますが
完全に基盤経年劣化の初期症状ですから私が取替、設定をします。
一番懸念するのはまったく動作不能が将来発生する可能性!
そういう事態も今後は対策を考えておかないといけません。
通常自動制御盤以外のこうした動力盤まで業者保守契約をしてない
現場が多いのですが仮にそのメーカーを呼んで修理してもらうのでも
早くて明日ですからその間どうするかというのが問題となります。
(保守メンテ契約をしてないと修理順番は優先される事はありません)
業者に連絡してます。では選任の電気主任は今何をしてるのか?と
いう話になるのです。
たとえばこれが飲食の厨房排気ファンの回路だったりしたら火が
使えないので店舗は丸1日営業停止となるのです。
そうなったら短気な店長だとメチャガチに怒るから気の弱い電気主任
だと完全に心が折れますよ。。。"電気屋ならどうでもいから何とかしろ"
テナントにとっては業者も電気主任も同じ、だからこそ.......
★けして趣味の電子工作として私はしてるわけではありません★
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