2015年12月6日日曜日

電気主任技術者 変圧器充電操作

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12月18日に12年間休止していた1000KVAの22000V変圧器を今の
22000Vバンクに追加するに当たり高圧機器の操作をしないといけ
ないので今日(12/6)は★新人さんに操作方法を教育しました★
作業予定時間は12/18の23:30以降で負荷側回路(動力、照明)は
すべて事前に切として行います。
22000V⇒6600V用一次変圧器の二次側にある各6600V変圧器
の送電を切るためテナントには停電と同じになります。
NO3変圧器の二次側投入時は無負荷が良いでしょうからね。
大元の受電VCBは今回は切らないため中電とのやり取りはなし
(一応作業の開始と終了だけは配電課に連絡する様指示を受けた)

もちろん当日の耐圧試験に合格しないといけません。
学んでね⇒変圧器絶縁耐力試験

試験電圧=1.25×公称電圧(22000)×1.15/1.1=28750Vの
電圧を10分間かけて漏れ電流が変化せずその他電気的異常がない事。
(※休眠期間が長期であるため行うだけで通常は必要ない)
現在のNO3変圧器状況はDS、VCBは一次側、二次側供開放中。
このNO3だけ専用VCBが一次と二次にある面白い設計ですね。
右が入切SWでランプが点灯してるのは電圧がないためUVRが
動作して不足電圧が点灯しているのです。
(耐圧試験は完全に線路からフリーになってるこの状態で実施)

耐圧試験で異常ないならば受電VCB二次側22000V線路と
NO3変圧器一次側の接続作業
から開始します。
152R3の上のDSをDS棒で投入して152R3のVCBを投入すると
22000Vが変圧器に充電されて二次側電圧6600Vが発生します。
異常時はNO3変圧器が受電より先にトリップする保護協調
が可能か継電器特性表を私も見て確認済(業者任せにしない)
尚DSの入切で問題になるのは電流がない状態で操作する
だけで手で触るわけではないので電圧の有無は関係ないの
(特高室だけは5年前から私と一部の方しかカードで入室できない
セキリティーゾーンのため写真ではお見せできません。)

DSのフック穴にDS棒の先端を引っ掛けてグッと押し込む感じ
きちんとDSのブレードが挿入されてないといけません。
それとDSの操作で注意しないといけないのはただ1点
電流が流れてる状態でDSをDS棒で開放しない、死ぬよ!
生かす時は電流がないからいいけど逆に停電させる時は気をつけて

盤表の電圧計でトランス二次側からの6600Vが来たのを確認したら
同じくDS投入して★次に52R3のVCB投入をします。
この盤の中身はこういう構成になっています。
これは22000V変圧器二次側になる部分で変圧器で変成した6600V
がDS⇒VCBという流れで充電されます。
CTは盤電流計最大目盛の電流が流れた時にCT二次側に5Aが流れる
様な比率のCTが選定されています。
VTは6600Vを110VにしてUVRでの監視と電圧計入力としています。
高圧回路の電圧や電流は直接扱えないのでこの様に変成します。
(ヒューズがあるのがVTでCTは開放厳禁のためヒューズはなし)

変圧器二次側VCB上にあるDSはVCBとインターロックがありVCB
が切れた状態で無いと断路器の操作できない優れ物です。
これなら冒頭で書いた電流がある状態でのDS開放は防げる!
それとこういう操作では必ず"DS投入ヨシ""VCB投入ヨシ"
など声を出して指さし確認をしながら作業をします。

大きな声を出し自分に聞かせる事で操作間違いにも気がつけ
これは受電設備操作ではとても大切な意識なんです。
尚DS投入操作は下の様に専用の投入装置で行います。

VCBがONですと写真のロックピンが出たままとなり
引っ込まないため入から切のレバー操作ができなくなります。
電流が流れてる状態でDS開放をする誤操作を防止します。
下の場合はVCBがOFFだから自由にレバー操作可能!
今回は投入する事でVCBに通電をさせるのです。

DSを投入したら今VCBは引出状態なのでまずは回路に接続
をする必要があります。
引出状態のVCBはロックを上げた状態で押し込めば挿入される。


説明上こういう記載をしましたが作業前日に52R3のVCBを引き出し
位置から回路接続やこのDSは投入しておいても問題にはなりません。
ただ52R3本体のONは禁止、スケルトンを見たら52R3の
二次側は平日6600Vが生きてるからONするとNO3変圧器に逆送電
する事となり、試験前に22000Vが変圧器内部に発生するから厳禁!
もし前日に行うならこういう投入禁止札をしておきます。
一番確実は中をあの様に引き出しておけば絶対投入できない。

話は戻りDSと52R3を回路に接続したならば最後に盤表にある操作
SWを★引いて右に回わせばVCBがONとなりNO3変圧器は
バンクに投入されます。
その後に各負荷側回路を生かすためそれがテナントへの復電
になりますが耐圧試験とかもあるので12/19の02:00頃かな?
これで12年前から先輩達が残していた問題が解決できるはず!

現場で働いてない人で変圧器を投入した時に励磁突入電流
が流れて過電流トリップするという記事を読んで不安に思ってる方
がいるかもしれませんが父が勤務してる工場で働いてた時から
今の現場においてそういう事は一度もありません。
あれは変圧器を充電した瞬間に一次コイルのみに流れる物
で負荷側は無関係な現象で継電器側で通常対策がしてあるので
それほど心配はありません。(第二高調波抑制)

それと接続を完了したら負荷をかけたいので夜中だけどすべて
の空調や照明を点灯して負荷をかけていく予定です。
本当は夏場MAXの2600KW程度負荷を出したいけどテナントが
負荷消費してないので1000KWも負荷は出ないでしょう。
長年休眠していたので30分単位でdataを取りながらNO3変圧器
の温度上昇具合や電圧、電流の安定状態の確認したいからです。
点検表もエクセルで作ってみたけど比較対象として1500KVAの
NO2変圧器の各相との電流値比率も考えたの
容量分担割合は変化する物ではないから比率は同じ値のはず
NO1はNO2と同じ1500KVAのためこのdata取りでは参加しない

こういうVCBのシーケンスはたいていこんな感じになっています。
これを勉強理解しておけば先で他社のVCBを扱う時でも楽です。

①が手動切の信号、②が不足電圧(停電)でのトリップ
③がOCRからのトリップ信号です。
VCBの5番入力がトリップというのがわかるでしょう。
入り信号から3番入力が投入だけどその前にOCRの51Yのb接点がある
のは過電流が発生した場合は投入させないという意味です。
過電流原因を調査修理が終わったらリセットすれば投入可能となります。

必ず電気を生かす時は電圧の高い側から順番に回路を投入充電
していくのが電気の取扱いの基本!

イレギュラーな行為ができるできないは考えなくていいんです。
高圧部分での操作だけは貴方流はなし、事故を起こしたら電気主任
は終わりだから将来操作される時は気をつけてね。
ですから私はこの操作だけは絶対業者にはさせません!
絶対に失敗したくないなら自分でするのが筋だと父から教えられました。
他人に自分の義務を任せて失敗したら文句を言う奴は卑怯な奴だぞ
と父の男気を一緒に働いてる時は叩き込まれました。
★ある程度現場の電気主任になれてきた人はこういうのも実務で
理解できる様になっておきましょう。
変圧器の分担負荷を検証してみましょう。
私がしては本当なのか?という懸念があるでしょうから計算根拠
は設計事務所の解説を引用しました。
電気主任技術者となった場合、時々業者、オーナーと会議をする
事がありそうした場で自分の作成した資料を発表する場合は
こうしたその根拠になる資料をつけた方がいいです。
それは権威のある者が発表してる物で自分が勉強した知識が
どんな時でも正しいかは微妙に難しいです。
二次試験に合格した正式な技術士ならともかく私たち凡人は常に
完璧な答えを他人に提供できるなんて傲慢は持たない方が
いいです。日々勉強の身なんですから私も含めて!

今回のNO3変圧器はビル設置時に設計事務所が計算して導入した
設備ですから接続に当たり今更心配も必要ありませんが
電流値にしてもなぜそれがそうなるのかを知る好奇心は必要です。
ただ異常なく使えた良かったね!では作業員と変わりません。
父から以前高圧機器の実操作なんて何回かすれば誰でもできるん
だからこれができるからって受電設備が理解できた。と思うな!
と言われた事があります。

%Zって電験勉強中の方は計算されてるでしょうがいきなり業者
から会議でパーセントインピーダンスなんて言葉を投げられと?
となるのは私だけではないはずです。
電験を受験した時は機械的にただ計算してるだけでイザお仕事
では役に立てられない...そこで再度現場機器を見ながら勉強
をして始めてそれがどう現場で適用されてるのか体で知ります。
その時に知識は経験となりエンジニアに一歩近づくと思うよ。