電気主任技術者の義務は電気設備保安規定を遵守する事です。でも
実際にそのお仕事をしていてもほとんど読んだ事がない電気主任も
いると私は思っています。それはこれまで幸運にも大きなトラブ
ルがないからそれで済んでるわけだけど、いつ自分がその義務を
問われる事があるかもしれません。ただ現場にいない人には実際
どういう物かわからない点が多いので某現場のケースを紹介しま
す。(現在この建物は存在せずこの保安規定も廃棄されてます)
これは大筋でどこの現場でもある部分とその現場の運営に合わせた
内容で構成されています。誰が保安統括責任者か、どんな点検が
必要か、緊急時の対応責務の3点をまずは調べ暗記してください。
その他詳細は一読する程度でいいです。それら3点が特に重要!
★電気保安規定は電気事業法を基本にしながらも運営については
所有者が作成された物で現場により内容は異なります★
電気主任技術者の職務は工事、維持、運用の保安監督と定義
されますが、私が勤務する現場では電気主任技術者はすべての
権限がある保安総括管理者ではありません。
権限が十分でない事を不満に感じるとしたら私の今回の記事を
最後まで読んで同時に発生する責任の意味を今一度考えてみてください。
私の場合では第5条から担当部長(技術部長)がそれに当たり電気主任
をする上での上司は職場の上司ではなく技術部長となります。
そのため部長は私の意見を尊重して、私も部長を補佐して
保安業務を遂行する義務があります。第6条~第7条
(保安総括管理者が誰なのかは各現場の都合により異なります)
日常業務のすべき事まで部長許可はいりませんが会社にとって重要
な案件は電気主任の独断で顧客等に意見したりせず技術部長に報告
して指示を待つか、部長から直接相手に説明してもらいます。
実際工事に関してほとんどの場合は社長まで承認はしていません。
金額により課長決済、部長決済となり相当に大きな金額の場合
のみ社長の承認が必要になるのが普通の会社の場合!
ただ工事をする場合、業者に丸投げではなく電気主任は保安監督
をして完了した後はきちんとCHECKが必要です。
保守管理については15条で記載された内容について最低限
電気主任技術者は点検して記録を残さないといけません。
(日点検、月点検、年点検に分類され記録は3年間保存)
もちろん負荷設備が多様化する現在では保安規定とは別に自分
で研究してより効果的な点検方法もしていくべきです
16条では業者にさせるにしても、自ら修理するにしても電気主任が
リーダーシップを取り解決まで責任をもってしないといけません。
必要に応じては改造も容認してますがこれを行う場合は技術的
な検証をして実施するかの判断ができるのは電気主任技術者
しかいません。
この保安規定では業者任せというのは一切容認していません。
17条ではトラブルが発生した場合は調査、対応、再発防止処置を
する義務があり"業者に連絡したから後は関係ない"は私が
勤務する現場では許されません。
もちろん重大故障では私の判断で即時業者連絡もしますが
トラブルはのんびり放置できない事が多いので事態のある
程度の収拾をし、再発防止処置をする事が電気主任に
委ねられているのです。
20条にある災害の発生により危険と認められるなら送電を停止できる
という電気主任の権限ですが間違いなく大部分の無関係な顧客から
は後で一旦は激しく非難&責められるでしょう。(元電源がEPSで数
社と共用になってるとそういう場合あり)_生命の危険がある、出火
してる状況ではきっと私もそうしますが、それに至る可能性の段階
では最初に説明した保安総括管理者に連絡して指示を待つべき。
私の場合なら間違いなく技術部長が相手方に説明されます。
電気主任技術者に着任したら保安規定を確認してください。
誰が統括責任者か、何の点検が必要か、緊急時の対応範囲の
3点をまずは知るのが必要です。その存在すら知らない所有
者はいます。知らなくて電気主任技術者が電気設備の全責任
を負うと思われては困ります。_そういう現場は保安規定が
どこにあるかもわからなくなってる可能性すらありますの
でそういう意味でも確認が必要なのです。私はこうして整理
していますが、こういう事が全然できてない現場は仕事の方
も結構手抜きが多いです。_着任したら最初に書類の整理状況
をまず確認してください。仕事をしないから過去を見ない
だから整理整頓なんてされないのです。
業者の点検報告書は用途別に分けて保安しています。ある現場
で保安規定がトイレ器具の説明書と一緒に別倉庫に保管という
か廃棄の様な状態で投げてあった事がありました。私が勤務す
る会社が新規に受注した物件でしたが、それらを正常な状態に
するのに相当に大変だったと聞いています。その話を社長が知
りそこに昔から勤務していた人を一人一人面接して雑な人は受
け入れされなかったです。いくら言葉で博学な事を普段言って
も整理整頓ができない人がいては適正管理はできないです。
私も違う現場に行ったら最初にこうした部分を見ます、入室
して5分でそこの設備管理のレベルはわかります。
この現場では技術部長が保安統括責任者で、電気設備の月次点検
年に1回の絶縁抵抗測定、接地抵抗測定をする、緊急時は業者任せ
にしないで最後まで面倒を見るが電気主任技術者の原則義務です。
ここは上点検は業者委託してないから電気主任が行います。
年次点検は専門業者もいるからそれほど心配はないです。ただ日々
記録を取り何かあれば、業者に電話して終わりではありませんから
注意してください。記録を読んで書くだけなら小学生でもできます。
保安規定では毎年絶縁抵抗と接地抵抗を測定するはわかりますが
絶縁抵抗測定ができない場合はどうしたらいいのか?保安規定に
あっても故障する可能性がわかっていて絶縁測定などできません。
漏れ電流で確認すればいいわけです。整合性を考えたら保安規定
書き換えをすればいいのですが、面倒なので所有者の名義や管理
会社が変更された以外ではされる事はまずない様です。保安規定
に関する作成、変更は電気主任技術者ではなく所有者に義務が
あります。