2015年11月6日金曜日

電気主任技術者 モーター欠相運転

つまりはモーターの3相運転が単相運転になった場合を
意味する言葉でそれを検知し、中央監視PCでもアラームが出たので
すぐに現地に向かいました。
その排気ファンは喫煙室の排気用で1.5KWの小型モーターで稼働。
ビル設置からの物で小さくても電子ユニットで3E検出をしてるのです
MCBは切れてない、モーターの絶縁も異常なし、手動運転して通電
状態のマグネットの各相の二次電圧計測値もアンバランスなし。
ですが最後にマグネットの接点を抜いて確認してみました。

一番確実なのは欠相エラーでは接点の状態を目視する事です。
接点が焼けたりコブの様な突起物が生成されてるとダメ!
こういう欠相感知は完全に相が0Aになってからではなくて他相
と比較して大きく差ができたら動作してモーターを止めるので
完全単相状態になるほどの接点劣化の前で知る事ができます。
ただ実際接点を目視して劣化を見つけたらどう対応するかを怠る
とモーターを焼く事になるので注意しましょう。

これ5年前に何かの理由で交換されていて適度に劣化はあった
けど軽く磨いたらNEWになったので再取付してそのまま様子見!
欠相検出に当たり電子制御ユニットの誤動作の可能性が高いです。
稀にこういう事は他の場合でもあります。
消防ポンプを運転してないのに受信盤に急に運転表示が出た時は
ポンプの動作を受信盤に伝える中継器の誤動作でした。
中身は基盤だから頻発するなら交換するしか解決策はありません。

せっかくだから分解をしてみました。
底のフック式の止め金具を外して上ケースを取ってみました。
ただ実際はフックを外しただけでは簡単には取れないため
真似はしないでください。

真ん中のスプリングで可動部を押し戻し電磁石の力で逆らい
接点を投入するシンプルな構造ですね。
こうしてみるとマグネットは機械的な部分は滅多に壊れないで
これによる故障被害は接点絡みというのがわかるでしょう?

話は戻りこういう小さなマグネットの接点を抜く時は先にネジを
外さないといけません。(邪魔となり工具を真っ直ぐ挿入できない)
ラジオペンチで優しく引き抜きます。
余談だけどビスとは先が尖ってそれ単体で打ち付ける事ができる物
をいいネジは先が尖っていない穴に入れて回す物です。
(ネジの語源は日本語の"ねじる"からだそうです。)

写真で拡大するとよくわかりますが後で取付する時もあの隙間に
確実にいれてください。
外した接点が下の写真です。


爪切りのギザギザの部分で軽く磨けば接点は新品になりました。
一番右は補助接点ですが、わかる様にこの接点では制御回路の様な
わずな電流しか入切できません。ここに回路電流をつなぐと焼けます。
何かを連動しようと主回路に相当する負荷を補助接点に直接接続しては
いけません。
もしするなら補助接点で別置のマグネットを励磁させてそれで違う機器
の主回路を制御させましょうね。


磨いた接点を挿入する場合はペンチの上に置いて少し斜めに
してから挿入します。
小さいマグネットほど隙間が狭いため無理に力で挿入すると
金具が変形したり最悪バネが抜けてしまうので注意しましょう!
糸を針に通せない人は少し苦労するかもしれません。

手で可動部を押してみて確実に接点が投入されバネがねじれて
いないか?何回か動作させて必ず確認してください。
スムーズならいいけど何か引っかかり感があるなら一旦
抜いて最初から慎重に行いましょう。
ま...いいかで通電したらたぶんヤバい事になると思う。

作業2
設備室の入口は4段のSTEPになっていて夜勤者が夜中にここで
転倒してしまいました。それで取付したセンサーライドです。
とても明るくNETで4千円とは思えない機能です。
普通の蛍光灯の明るさでは点灯せずに照明を消した状態で人を
感知したら10秒間点灯します。
1日5回点灯で1年電池が持つので業務用でも十分使えます。
こういうのをお探しの方はお勧めします。
ELPA (朝日電器)電池式3WLEDセンサーライト2灯

上の様にコンクリート取付では専用刃先がなければホームセンター
で購入されてください。(ハンズでも千円で売ってる)
鉄に開ける刃先はねじり込む様に穴を開ける、コンクリ用は振動
+回転でコンクリを粉砕して穴が開く物で普通の刃先ではコンクリ
に穴は開けられません!
ただ振動ドリルまでわざわざ買う必要はなく普通のドリルに買った
のをつけて手で前後に叩く様に振動を加えたら穴は開けられます。
(当たり前ですがドリルはSWを入れて回しながら)

振動ドリルは前後に揺する振動によりコンクリートを割るような力
を生む物でその前後動作を人がすればいいのです。
最初は全然開きませんがリズムをつかめばコツはすぐわかります。
ただ刃先だけはその用途に応じた物でないと無理です。
壁ならいいけど天井のコンクリ穴開けはこの方法は相当キツイ
から正式な振動ドリルをお勧めします。(真上で力が入らない)

コンクリート壁への取付作業はこういうお仕事をしてると時に
あるので説明します。

上で穴を開けたら赤いプラグをコンクリートにハンマーで打ち込み
器具を取付してそこにビスでねじ込んで固定します。
このプラグ1個で約50Kgの荷重に耐えられるため通常は2点で充分。

プラグの長さ(3cm程度)開けるので刃先にテープを貼ります。
穴深さが不十分でプラグを打ち長い分をペンチで切ってビス
固定をすると取付強度が大きく低下して場合によっては途中で
器具が落下するので天井固定では特にこの部分の基本は厳守しましょう。
落下してビル内のお客様がケガをして警察に通報されたら事件にも
なるので天井に物を取付する事を安易に考えてはいけません。


壁が空洞の場合はボードアンカーという物で固定します。
ここでの穴開けは普通のドリルの刃先で行い2の専用工具を使う
のも2回程度練習したらすぐにできます。
工具でボードアンカーを挟んで工具のレバーを押さえるとアンカー
が図の様に壁中で傘の様に広がり固定されます。
それにネジで表から固定するのがこの方法でテナントさんが職場
で壁に物を固定するのにお願いされる事があるので割りと使う
頻度が多いですね。

壁の穴開けは壁を叩いてみてコンクリか空洞かで刃先を選び
又上下に器具がないかも確認しないといけません。
壁の中の既存配線や配管にドリル刃先が触れたらショートするし
修理に業者を呼ぶ事にもなります。
壁埋込み照明SWの真上に平気で穴を開けてバチンとショート
させる人って意外といるみたいだけど電気主任がしたら恥です。

作業3
女子トイレの洗面台上の蛍光灯が電球交換しても点灯しないと
職場の仲間から報告を受けたので私一人でさっと交換しました。
FHT32W照明器具で25分で交換完了!
開店前で30分しか時間がなかったので安定器交換では時間が
かかる(FHT32はFDL18より安定器単体交換は面倒)
こういう場合は器具本体をそっくり交換します。

まず既存器具を金具を外して天井から降ろす。

ストッパーが左右にあるので外せば下に器具を降ろせますが
左右に回しながらゆっくり落ち着いて降ろす事!
力づくで下に引き降ろすと天井ボードに亀裂が入り建築屋さんに
貼替え注文が必要となり会社から怒られますから注意してね。
(たった1枚貼替えでも最低3万円はかかるので)
どんな作業でも力一杯になるなら、たいていその方法は間違いで
それをそのまま行い破損させて修理に別にお金がかかるのです。
修理してる人が下手くそをして別に修理を発生させてはダメ!

照明器具には電源と送りがあります。(単相200V)
送りがあるので線を切るとこの器具につながる電球はすべて切れ
ますが元MCBを切ってないので半分の照明は点灯しています。
これだけ明るさがあれば迅速に作業ができます。
安全のため元MCBを切り全体を真っ暗にしての手元ランプの作業
では非常に作業効率が悪いのとこれがテナント室内ならなお更
室内を消灯するのは無理です。

だから照明器具修理、交換は私は電気が生きたまま行います。
電気が生きた状態の活線電気工事は労働安全衛生法では
注意事項はあってもその行為の禁止はされていません。


器具を2台並べて順番に差し替えればいいのです。
★固着してツメを押してもかんで線が抜けない時は根元で切り
被覆を剥き直して新しい器具に接続した方が安全です。★
無理に引っ張り急に抜けた時に金属部に触れるとバチンとショート
つまり短絡するので私はこうします。
又配線同士接続の必要が発生した場合は圧着ペンチの先が器具
金属部に触れない様にするのも同じ理由です。
尚、最初の1本を切った時に1mm程度の極小火花が出るのは送り
で点灯中の照明を止めたせいで短絡ではありません。

10年以上古い線は被覆が心線と固着して剥け難いとかもろくなり
ポキと折れる事があるので私は生きた配線を剥く時はカッター
で行います。VAを剥くならこれが一番いい感じに私はできる!
自分が一番上手にできる方法で行えばいいんです。

電源と送りの4線のChangeが完了したらまずランプを取付して
点灯するか確認します。
更に点灯状態で電源線の漏れ電流I0を計測し0Aを確認
したら組立して取替は終了となります。(漏電CHECK)
AM9:30に開始して終わったのがAM9:55でした。

慣れない内は電気工事より器具の外しと再取付に時間がかかる
★器具が落下してお客様にケガをさせたら大変な事になるので
再取付では注意されてください、これが特に重要です。
最低責任として電気主任技術者は解任でしょうね。


作業4
これは夜間警備員がテナント室内を巡回した時に報告があった物
で翌朝行って見るとこんな酷い状態になっていました。
これはトラッキングではなく何かの短絡を接続部でさせてますね?
その後これでも刺せば使えると平気で使う神経を疑うけど実際
こういう人も稀だけどいます。
照明器具と同じで複数個で1回路のため電源と送りあり。
ただ営業中はPCとか停止するとヤバいのでコンセント交換は無理。
ここに器具を接続してなくても、同回路のコンセントで負荷消費を
してると電流はこの線にも流れます。
特に10A以上流れてる状態で線を抜くと結構スパークして焼く
可能性もありコンセントだけはMCBを切ってから交換しましょう。

テナントで回線が不明の場合、壁から上みたいに抜き出し線電流
が0Aの時に限り活線でコンセント交換は私はします。

5A未満で客がどれが切れても構わないと言うならその位までなら
少し火花が出る程度なので交換はできなくもありません。
活線電気工事とは電流があるかないかで可否を決めます。
電圧は絶縁手袋をして工具を金属部に触れない様にすれば
特に私は不安はありません。