過去記事で各パーツ事の個別説明はしたので扱った事がない方
のために大まかに概要を説明しました。
電気室で受電22000V⇒6600V変換⇒105/210V変換した後に
最初に各階で電気を受ける場所をEPSといいここから
各機器に電気が送電されます。
これは貴方の家と同じ単相三線式回路で数が多いだけで中身は
まったく変わる事はありません。
(動力用の分電盤は三相交流なので別にあり)
100V回路は外線と真ん中、200Vは両外線から接続します。
真ん中は中性線で変圧器のとこでアースしてるので0電位
0電位とは触っても感電しないという意味です。
論より証拠で新人さんに素手で触れてもらいました。
一般の人には電流が流れてるのに感電しないなんて不思議?
ただこういう場所に安易に指を近づけてはいけません。
横の充電部に指が触れたら100Vであっても痛いですからね。
非常灯試験SWとは停電した時にだけ点灯する非常灯を
正常状態で点灯させるためSWでこれは電圧を拾って通常は
27というリレーがONしています。
これを手動で切る事で仮想停電状態を作ります。
建築設備点検をする時にこれを使い非常灯を点検させます。
図面で見るとR3の回路から分岐させてる線の事。
これは非常灯の回路で正常時上分岐線に電圧があると右上の
リレーがON状態(点灯してる物)しています。
2個点灯してるのはこのEPSには写真の分電盤が2個あるから!
停電してこのリレーがOFFになるとb接点経由でマグネットの
コイルに通電される事でONとなり下の左右のMCBに通電されます。
結果非常灯が点灯されます。
尚非常灯回路の電源は直流で電気室から専用回路で来ています。
これは100VのMCBで2P1Eの1Eとは過電流素子が1個ある意味
でNと書いてある方に電源のマイナス(白)、もう片方に電源側(黒)を
必ず接続します。(過電流素子に充電側が接続される)
もしこの回路の漏れ電流I0やI0rを計測するなら2線を一緒に
クランプで挟めばいいのです。
通常のI0点検では主幹MCBのとこで月に1回計測します。
上の場合なら主幹MCBの一次側に口径80mmmくらいのクランプ
でいけます。
1か所でも絶縁不良があれば100mAを軽く超えるから異常はわかる!
特にI0rで異常がなければこの回路に絶縁不良はありません。
絶縁管理は毎月行い常に値として変化に気をつけましょう。
これは200VのMCBで2P2Eの2Eとは過電流素子が両極にある意味
200V回路は単相三線式の真ん中を飛ばして両側のバーから
接続されてるので触ったりしたらどちらも感電しますから注意!
いずれにしても2P1Eか2P2Eを見れば100Vか200V回路かわかるのです。
100Vなら2000VAまで200Vなら4000VAまで負荷使用可能
電圧が高いほど同じ電流でも多くの負荷を配給できます。
MCBは表示のアンペア値ではトリップしない
それより大きくなると値に反比例した速度でトリップする反限時特性です。
又必ず末端が元より先に落ちないとたびに元が切れていては運用上
都合が悪いでしょう?こういう考えを保護協調と言います。
飲食や店舗では子にELBは使いますが元にはまずELBは使いません。
一ヶ所の漏電で店内が全停電していては困りますからね。
MCBの背中側の記載で普段あまり見ないでしょうがAMB.TEMP
とは周囲温度の事で40℃の時に20Aを超えるとトリップして
以降10℃上昇する事にトリップ電流が10%下がりこういう物の
周囲温度の限界は60℃です。
通常の人間が我慢できる室温程度でMCBが影響受ける事は
ありません。
時々温度とMCBの関係については質問される事があります。
これは中央監視のフル2線という照明ユニットからの信号
を受けて動作するリモコンリレー(RC)と言います。
奥にTUという文字が見えますが照明ユニットからの信号を
まずTUが受けてこのTUにより4個のRCが制御されます。
緊急時故障でRCが遠隔動作しない場合は黄色の表示で
OFFになってるのを爪でONにさせれば強制ONさせられます。
このRCの取替は私はしますが電気主任技術者はこの程度は
できる様になりましょう。
右側の青と赤端子に接続されてる黄色線が制御で左側が
MCBの二次側と負荷先につながる電源です。
同じ4番の線がすべてのRCにあるのは渡り線でリモコンTR
と接続されています。
もし何かの理由でどれかのRCの制御を止めたい場合は右の
赤端子に接続されてる線を抜けばいいのです。
青を抜くと渡りを外す事になるので以降のRCがすべて動作
しなくなります。
以上の設備は店舗以外の共用部の照明や電源の回路で
店舗は専用のMCBで直接配給されますが店舗内の分電盤
も基本構造はこれとまったく変わる事はありません。
(非常灯試験SWは共用部の分電盤にしかない)
盤の一番下がアースターミルでその階の各店舗内分電盤の
アースなどが接続されています。
もし営業中外しても機械が止まる事はありませんが接地が効か
ないと人間が感電する事でしかELBが動作しないので通常
ここの線を外してはいけません。
尚、同じアースでも警備会社の装置につながるアースは外した
だけで装置エラーになります。
アースには感電防止のFG(フレームアース)と回路の一部となる
SG(シグナールアース)がありSGは解放厳禁!
線に印字してある番号は各店舗や機械を意味していて
理論的には店舗内で漏電があるとこの線に流れ変圧器の
B種接地に戻るのでこの接地線をリーククランプメーター
で計測すれば各店舗の絶縁管理もできるかもしれません。
でも電気はどんな見えない回路導体を通じて流れるか
わからないのでI0やI0rを計測するならここより配給元
の店舗分電盤主幹が一番正確だと思います。
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