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前回の屋外キュービクルのレクチャーの続きです。
前記事で変圧器の一次電圧を見るメーターはないと言ったけど受電しているか
確認できないわけではないの前面の一番奥の窓のとこを覗くこんなランプ類が
見える。この電源ランプが点灯してれば6600V受電しています。
まずこれが回路図で三相6600Vの2線の電圧をVTで6600V⇒110Vに変換
してその電圧でランプは点灯しています。
更にこれは制御電源にもなっていてこのMCBが切れていたらVCSが動作しない
のでコンデンサーを投入できません。
電源ランプのとこにUVRというリレーがあるけどこれは停電検出で停電してこの
リレーがOFFになると中央監視27の停電警報につながるa接点も切れるので
これで中央監視PCはこの屋外キュービクルが停電した事を知り警報を出すのです。
中央監視PC上でのこの屋外キュービクル表示はこうです。
(高圧コンデンサーと500KVAの変圧器が3台部分)
停電で27、変圧器温度上昇で26、地絡でLGR、高圧ヒューズ切れで37F、ブレーカー
トリップでMCBが点滅して異常を私達に知らせてくれます。
変圧器回路の単線結線図スケルトンです。
低圧側のためVTは必要なし、ただ電流だけはCTという物で比率まで下げます。
(二次側の定格は必ず5A)
たとえば使用される電流計が100Aレンジならば100:5の比率のCTをそこでは
使用します。
二次側配線においてVTつなぐな、CT開くなは父から教わりました。
CT付電流計を触る時は二次側(K-L)を短絡するか完全に停電状態で行いましょう。
A/TDとはトランスデューサーといい遠隔監視の対象にDataを送信する機器で
この様に電流なら電流トランスデューサー、電力送信
なら電力トランスデューサーと言います。入力に対してDC4~20mAで出力します。
ブレーカーは1個でもトリップすると警報接点が感知器の様にパラ接続
なのでトリップ警報が監視盤PCに行きます。
もちろん原因を除去修理しないと再投入してはいけません。
この電源ランプのある盤の裏の扉を開けるとこんなのがありこれを計器用
変圧器VTと言います。
受電状態の確認、制御電源確保がVTの目的でどんな受電設備でも必ず
ある機器の一つと言えます。
VTは一次側電圧は何ボルトでも二次側の電圧は110Vと決まっています。
この110Vは暗記しておいてね。
Standaloneな屋外キュービクルと異なりこれは中央監視の遠隔でも操作
できるので特別な仕掛けがあるの
VCS投入信号がPCから来るとCX1リレーがONして矢印の自動回路側のCX
1のa接点がONとなる。ただその後にTM1というタイマー接点があるでしょう?
VCSを切るとランプGL1が点灯するんだけど同時にタイマーTM1に通電されて
所定の時間経過後に矢印先のタイマー接点が導通状態となるのです。
つまりコンデンサーは停止させたら所定時間経過しないと同じコンデンサーの
再投入をさせない回路。
それは残留電化を持つのですぐに投入すると電源電圧に加算されて過電流
になってしまうからです。
内部の放電抵抗又は放電コイルが放電するまでの時間投入回路を遮断して
いる意味!その時間は5分に昔から設定してありました。
私個人は放電コイルなので1分でもいいと思うんだけど一応はそのままその
時間に従っています。
MC1のマグネットがONの状態でコンデンサーは投入状態VCS投入信号は一瞬
だけなので自己保持回路としてCX1とTM1の接点のとこにMC1のa接点があります。
SR1X、SC1X、LS2Xのb接点は異常が1個でも発生したらMC1マグネットへ通電
させない安全回路です。
CX1やTX1リレーにパラに接続されるダイオードは切れた時に発生する逆起電力
を中央監視側にかけないでリレー内部で消費させるためにあります。(故障防止)
中央監視の遠隔操作でまったく動作しない場合まずは手動で投入できるか確認
する事です。
それが可能ならばCX1、TX1のリレー、TM1のタイマーを交換すれば遠隔操作は
回復するはずです。
その左3個が安全回路のSR1X、SC1X、LS2Xリレーです。
逆に手動でも自動でも無理で実際に機器故障が発生してないならば安全回路の
3個のリレーを全部交換すれば回復すると言えます。
たとえばコンデンサに通電する高圧のSWであるVCSで現地
では投入するのだけど中央監視PCが投入状態にならない
場合これがVCSの投入シーケンスです。VCS2-1番間に常
時AC110Vがかかっていて内部で整流してDCにしてMC1が投入
される事で投入コイルCCがONとなりVCSの投入接点が入ると
読めます。このAC110Vは前記事で説明した受電6600Vを100V
にするVTの制御電源から来ています。
VCSが投入されるとVCS7-8番a接点がONとなり中央監視に
投入を知らせますがそれが認識できないならばこのVCS7-
8番があやしいという事になります。
VCSはラッチ式ではないので投入後も保持電流が必要なタ
イプ、つまりトリップコイルを内蔵してなくてもVCS2-
1番間が無電圧になれば切れます。受電VCBの様に基本停
電作業以外では365日投入を維持する場合はラッチ式で投入
後は機械的に状態を保持して、必要時にトリップコイルで
切らせるのです。そうでないと数年で投入コイルが熱で断
線する可能性があります。
ではそのVCS7-8番を点検するに当たりどこにそれがあるのか
?図面ではこうあるけど実際はVCSの中にあって容易に触れる事
はできないのです。こういう場合はそのVCS7-8番に接続
される線番に注目!120と121の線というのがわかります。
こういう外部配線との接続は一ヶ所のターミナルに並べて別位
置に配置されていてここで点検をするのです。高圧受電外部TB
というターミナルを見て左ターミナルの上から7番目と8番目
がそれに当たります。
実際に現場VCSが投入状態ならここが短絡状態になってい
ます。ここをジャンパー線で短絡すればいいのです。
(絶対に他間を短絡してはいけません、焼くおそれがある)
これで中央監視PCに投入表示があるならばVCS内部のVCS
7-8番のa接点が悪い可能性大です。尚ターミナル上か
ら7番目と8番目とVCS7-8番は偶然の一致でたまたま
です。この状態でVCSのメンテ業者に修理依頼すればいい
のです。もしこれがPC側ならば今度はシステムの方の業者
で電気主任は原因を調査して的確な業者に連絡しないとい
けません。見えてる範囲で追加説明するとR相の電流表示
が中央監視PCに出ない場合、ここは4~20mAの電流なので
ターミナル番号の300,301G11の端子が緩んでないか増し
締めしてください。
地絡警報LGRは現地で動作するのに中央監視PCでLGR警報
がまったく出ない場合これが現場LGRのシーケンスです。
低圧動力で話すとP1とP2が電源、Z1とZ2にB種接地電流の
値を入力設定以上になるとc1とa1が短絡するのです。線番
で言えば800と801になります。
これがターミナル表で800と801があるのでこれも他を短絡
させない様にここをジャンパーで短絡させます。これで中
央監視PCにLGR警報が出るならば現場のLGRが故障してる
可能性大です。そう滅多に壊れる物ではないので経年劣化
時でしょうがたぶんこういう事例ではLGRの交換になるで
しょうね。それとこういうターミルの緩みというのもある
ので増し締めして見る事も忘れないでください。
必ずどこかにこういう外部配線と制御盤を接続するターミ
ナル端子が電気でも空調でもあります。ここを短絡したり
解放して疑似起動又は停止状態を作り異常を見つけていき
ます。