2015年8月19日水曜日

電気主任技術者 仕事:フル2線伝送ユニット

これは中央監視室PCからの遠隔信号を受けて、各階各所の照明
を点灯させるリモコンリレー(RC)だけどそれも含めて照明点灯方式
の仕組みを今日はレクチャーしてあげる。
尚、小さな店舗内照明ではRCなんかなく直にタンブラSWで照明を
点灯させるか後半で少し触れるけどワンショット方式でRCを
制御させて照明点灯させる場合はあり。

中央監視PCの操作によりフル2線伝送ユニットから現場のRCを点灯
させるための信号送信⇒現場TU(ターミナルユニット)が受ける
⇒そのTUが該当するリモコンリレー(RC)を点灯させる。
こういうのをフル2線方式又は多重伝送方式といいRCをアドレス
指定する事で2本の制御線のみですべての照明用RCの制御が可能。
フル2線伝送ユニットは中央監視室にTUやRCはその照明がある階の
EPS内に普通は設置してあるはずです。

次に現地の分電盤回路だけど△のRがRCを示します。
×記号があるのはMCBの事でその二次側はRCの接点に接続される。
△記号がなければただ配線のみが現地に行ってるという意味!
通常の管理で必要なのはこの図面のみです。

これはRCを現地でON/OFFさせるTUとそこに接続されるRCの接続図
でたとえばTU43はR21~R24までのRC4個の点滅に関係しています。
(RCの片側端子の配線はすべて渡りを取り接続されている)

実際のTUはどこにあるのか?
RCの奥をよく見ると下の写真ではTU38というのが見えています。
照明は通常PC上で各場所時間制御してあり、時間が経過しても
照明が点灯しない、消灯しない場合はまずRCの交換をします。
これは私もよくする作業でほとんどでこれで正常状態になる!
それでもダメな場合はこのTUの交換が必要になります。

私の経験ではたとえば22:00に照明が切れるOFF設定をしてるのに
22:00に消灯したと思ったらすぐ自動点灯する様な場合、つまり設定
してる以外の動作が頻繁に発生する場合では大元の伝送ユニット本体
に不具合があると思います。
(RCは構造的に指令も受けてないのに単独でON/OFFはない)

1個のRCに1個の照明SWという結線方法をワンショット方式
と言いますがそれでは配線がその回線分必要となり施工も管理も大変。
それならば各RCにアドレスを設定してアドレス信号の判別をTUにさせ更
に指定のRCのみをTUで点灯させる。
これならコントローラーからの配線は2本のみでいけるのです。
たとえばこういう照明の一括SWでさぞかし裏の配線は複雑に思われるでしょう?

2本のバーがあるけどそうフル2線方式で配線だけ見たら多重伝送の理屈を
知らない方はどうしてこれで複数の照明回路の制御ができるのか
こういうシステムをわかってないと修理を自分でする又は点灯しない場合の
応急処置でもまったくわからない、特に照明は利用者からすぐに指摘される
のでよく知っておく必要があります。
どこの現場でもメーカーや仕様が異なるだけでこのフル2線方式(多重伝送)
にて照明回路は制御されてるはずです。

たとえば各所のエアコンの一括制御でもこの多重伝送方式となっていて
コントローラーからは2本しか制御線が出てなくても数10台のエアコンの
ON/OFFから設定変更まで1ヶ所で可能となります。
そういうアドレス信号を判別し指定の機器を制御する現地部品をたいてい
TU(ターミナルユニット)といいこの言葉だけでも覚えてくださいね。

⇒私のブログの最新記事へJAMP