2015年8月2日日曜日

電気主任技術者 実務:分電盤設備取扱

今日も空いてる時間で22才の新人の彼と勉強会をしました。
ベテランの方には今更だけど現場初心者の方にだけ
記事を書きました。
テナントからコンセント電気が切れたと電話があれば
EPSにある20AのMCB(配線用遮断器)やELB(漏電遮断器)
がトリップしたとまずは考えてくださいね。
(VAの切断、コンセント故障とかの原因はここでは除く)

まずこういう場合は後〃を考慮して家でしてるみたいに
いきなり再投入してはいけません。
確認せず再投入して電気的に被害を拡大させたら貴方の責任です。
メガをまずはして再投入に問題がないか確認!
そこで0とかならば原因調査してそれが解消されるまでは
投入禁止です。(必ず100Vメガを使用する)
ELBの漏電ボタンが出てる場合はたぶんメガすると0。
とりあえずそれらが正常なら電気の使い過ぎなので再投入
しなくてはいけませんが下みたいにたくさんあると
どの回路が切れたのか探す必要がありますよね。
(1社でワンフロアー貸のテナントでは最低この程度の
ボリュームはあるはずです。)

まずEPSの基本構成を説明すると上の塊はMCBで下の塊
はリモコンリレー(RC)という物で上のMCBの二次側回路を方切り
又は両切りする事で照明器具を点灯、消灯させます。
RCは遠隔のAC24V信号の極性反転信号でON,OFFされ中央監視室
などのPCからビルや工場では制御されます。
コンセント回路はRCは関係なくそのまま現地に、時々エアコンの
室内機の電源送りにもRCは使用されてるから絶対に照明専用
というわけではない様です。
MCBは壊れて取替はまずありませんが、RCは年に何回か自分で
交換する事があります。
照明が自動で点灯しないという不具合ではまずRCの交換を!

100Vなら2P1E、200Vなら2P2EのMCBを探すします。
トリップでは一般的にレバーがOFFになっているはずで上から
ブレーカーを見ていきましょう。
トリップ状態では中立状態で切れてるのがそれです。
時々外見はすべて投入に見えてどれも切れてないなんて事が
あるけど実は切れていてほんのわずかしかアームが移動して
いないのです。

私は軽くアームを上から下へ触りそれで軽く浮いてるのを発見。
ですが不慣れな人では指で触った時に間違えて正常なMCBや
ELBのトリップボタンやアームに指が当たり正常な回路を
停電させてしまうかもしれません。

そういう方は検電器を使い面倒でも1個づつMCB又はELB
の二次側充電部端子に1個づつ触れてください。
投入に見えるけど点灯しない物は切れています。
下の場合はオレンジに点灯してるので正常回路!
2P1Eの通常の100Vコンセント回路はもうわかりますよね?

なぜ私が今更ネオンタイプの検電器を使うか
これは人体を通して電気の有無を調べる物で100%確実に検電
できるのと対地電圧が100Vと200Vでは点灯の明るさが違うため
なれてくると当てただけで100か200Vまでわかるからです。
被覆の上からも検電できるのは便利だけど常に誘導という事を
考慮してないと思わぬとこで間違いも起きるし私は信用しません。
自分の身を任せるのだから100%信用できる物を使いましょう。
(単相3線式の線間200Vは対地電圧は100Vなので三相200V
と明るさは同じ200Vでも異なる)

MCBで30AF(アンペアフレーム)の20AT(アンペアトリップ)
とあれば構造上は最大30Aまで適用でき20Aでトリップ
という意味です。
ただ20Aではそうならず125%の電流で60分以内で遮断
200%の電流で2分以内で遮断します。
(この125%で遮断した時にアームがわずかしか移動せずに外見で
判別が難しい場合が稀にあります)
この流れる電流が大きいほど早く遮断するこういう特性を反限時
特性といいますがこれが電気トリップの基本動作。

家と違いテナント電源ではそれが重要なPC電源の場合は
誤操作で正常回路を停電させてしまうと大問題になる場合があります。
特にテナントが銀行や証券会社、保険会社とかだとこんな簡単と
思える事でも十分に注意してね。
ごめんなさい。では済まずdataが消えてしまったので回復作業
のための人件費を請求される場合もあり

電気に限らず相手に損害を与えたらお金でしか解決できないんです。

管理がとても良い現場でMCBの回路事にどう配線してあるのか
わかる現場なら最高だけどテナント盤の場合は共用部と違い
テナント財産なのでそこまでは難しい場合もあります。
つまり社内情報として電源の室内レイアウトをビル側にさえ提出
しない意味で、銀行では店舗内の図面さえセキリティー保護のた
め頂けない場合もあるのでそういう現場は管理が大変でしょうね。
テナントがそういう事までビルオーナーに報告する絶対義務は
法的にはありませんが、それでも対応する以上はできません
は言えないので上で書いた方法で探すしかありません。

たぶんほとんどの現場で大なり小なりこういう状況でしょう。
特にMCBを入れるくらい誰でもできるという油断で正常な
MCBを停電させると言い訳できません。

急な停電というのは売電(電力会社)が止まる以外では今の時代
はあってはならない事なんです。
それは電気主任技術者が守るべきもっとも大切な事でしょうね。
資格を主張する以上はすべての仕事の結果に責任を負います。
特に電験3種の試験合格を願う方は企業入社後にそれを持つ
覚悟も忘れてはいけません。