2015年6月24日水曜日

電気主任技術者 実務:高圧スケルトン(単線結線図)

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現場の電気主任技術者になったらできないといけない事
まずは再三ここで私が紹介してる回路シーケンス図面
もう一つ高圧スケルトン別名で単線結線図です。

私が勤務する現場ですはまず22000Vを受電したら3台ある
一次変圧器の内現在は2台使用して6600Vに変圧しそれが
4系統の6600V回路に各通電されています。
下の6600Vスケルトンはその一つで構成は基本すべて同じ
高圧スケルトン図面を見ればどんな現場の受変電設備の性質
もわかりこれが読める様に勉強しておかないといけません。

ここで述べた内容は必ずすべて暗記してください。
ケーブルヘッド(CH)⇒DS⇒VCB⇒各二次変圧器が流れ。
主な点だけを補足するとインターロックとあるのはこの設備は
高圧真空遮断器VCBが投入されているとDSを開放できない
安全装置がある。(最近はたぶんどこもそう)
過電流(OCR)と不足電圧(UVR)によりVCBをトリップさせる。
この盤には電力計、力率計、電圧計、電流計がある。
各トランスデューサーとは簡単に言うと測定した値を
DC信号に変換して遠隔監視のPCなどに送るための装置。

直接回路電流は計測できないためCTで300/5の比率で
電流変換して電流計を指示、同時に盤についてる電流計
の最大指示値は300Aになります。
VTは母線電圧6600Vを110Vに変換して110Vあれば
母線に6660Vあると認識しています。
昔はVTを各継電器の電源としても使用していたらしいけど
それでは停電時に保護回路が完全に機能を失います。
今は別置バッテリーからのDC100Vで動作するので受変電
設備ではこの蓄電池設備が最大重要設備でしょうね。

上VCBには5台の二次変圧器が接続されていて基本すべて
同じ構成に以下なっています。
(二次変圧器とは一次が最初にあるからただそう呼ぶだけ)
LBS(高圧交流負荷開閉器)⇒PF(電力ヒューズ)
⇒変圧器(T)がPower Flowですね。
Tにより6600Vが210Vの低圧の三相電気に変換されます。
ここからが各テナント店舗に動力として接続され実際の
トラブルのほとんどはこの下以降で発生します。

通常は生物被害、過負荷、異常な室内温度さえなければ
高圧側で事故というのはありえません。
だからこういう事さえ知らないでも電気主任を平気でしてる
方もいる様ですが万一発生したらお手上げですよね!

LBSの横にコイルみたいな記号があるけどこれは下のPFが
1本でも溶断するとLBSをトリップさせる。
そうしないと単相状態となり変圧器を焼損してしまいます。
普通PFはLBSと一体だけどこの現場のは別置形なので
こんな書き方になっていますが理屈は同じ。
変圧器の一次側がスター結線なのはコイル電圧がルート
3分の1まで下がるので絶縁を必要以上に強力にする
必要がなくたぶんどこもこうです。
デルタ結線がある事で変圧器励磁電流が含む第3高調波
を外部に出さなくて済みます。

LGRは変圧器の漏れ電流を計測して設定値以上になれば
警報を出す装置です。
この変圧器の二次側系統で漏電があれば警報が出ます。
ただ系統のどこかまではわかりません。
それを調べるのはもちろん電気主任技術者の業務。

デルタ結線の場合、単相3線式の様に中性点がないので
どこに接地してるのか知らない方もいるので説明すると
300V以下の場合に限り低圧側の1端子にこの様に接地します。
一般的にはS相を接地しますが、電気的にはR相でもT相
でも問題はありません。
300Vを超えると混触防止板という変圧器内部の絶縁板に
接地されてるのを父が電気主任をしてる工場に勤務してた
頃に見ました。

夜中に私が呼び出しを受けるのはこの警報が出たまま
つまり設定の許容値を超えたままという状況が多く電話が
自宅に休み、時間関係なくかかってきます。
それを受けたならば電気主任技術者は無条件に夜中
でも出勤しなければいけません。

原因としては店舗の冷蔵庫が製氷機が又はコンセントの
漏電などがほとんどの場合です。
この場合漏電を変圧器から探していくのが最初の行動。
明日朝とか放置して火災にでもなれば電気主任技術者
業務放棄で解任対象になるので注意されてください。

台風時期に落雷が近隣に落ちそれが接地から影響を与え
電気室にあるELBが焼損し投入不能になった事が一度ありました。
(低圧配電盤のMCBやELBがトリップすると警報が出る)
業務用の大サイズのELBは内部に電子回路みたいなのが
ありこれが落雷で壊れる事が稀にあるのは聞いてはいたけど?
それも夜23時に電話が来て緊急出勤して調査、でもやはり
回路が焼損していてまったく投入不能状態でした。
それは店舗冷房電源なのでこのまま翌朝業者連絡で
昼一番に修理では相当な苦情が予想されます。

あの時は違う電気室の盤に収まっていた225AのELBを
外してそこに取付したけど、手の上サイズの物と違い外して
交換するまでは相当に大変でした。
業者がいるからと言っても時間によっても誰も助けが来ない
特に夜中では職人さんを手配できず最短できても朝10時からとか
になるので今私がしないと間に合いません。
もしも225A部品手配の関係から午後からになったら最悪!

変電所より地下ケーブルで入線されてる場合は避雷器を
免除できるのは雷の影響をほとんど受けないからで雷では
受変電設備は楽観視してるけど低圧側機器の接地線から
雷が進入した場合は困り物です。

あるシャッター業者は制御回路の接地を外しているのは
落雷であちこちの現場で誤動作したら対応できないからと
言っていたけど気持はわかります。

接地は感電防止のため外してはいけませんがある重要設備
に関しては台風で落雷が予想される時は退社する時に私も
接地を外す様に今はしています。
もちろん夜中だけの行為でそれに触れる物は誰もいません。
天候の酷さによっては夜中出社できない場合もあるので
やもうえない対策も必要と思います。
ただ接地にはフレームアース(FG)とシグナルアース(SG)の二種類が
ありここで私が外すと言ってるのは盤を接地してるFGの事
で回路から出てる接地線(SG)は絶対に外してはいけません。

上メーカー提供図からも雷は電源からも来るわけでもしその系統
から進入した場合にSGを抜いていると逃げ場がなくなり回路を
焼いてしまうのではという私の自己判断です。
こういう相談を業者にしても知っていてもはっきり答えません!
それは何かあった時にはヤバいからで逃げ腰なんです。
電気主任技術者としてもヤバいから何もしないのか自己責任
で対策をするのかそれは現場に着任してる貴方の判断です。
職場の人もそこまでわからないから電気主任さんがそうまで
言うならお任せします。で終わりです。

すべき根拠があるなら行う、なければしない。
もちろんどんな現場作業もする以上は責任は伴います。
一番いけないのはどうしていいかまったくわからないという状況。
わからないとはすべき事があるかさえわからないのだから
電気主任技術者としてそうならない日々の勉強は大切!
だから業者がいるという考えでは三流だと思います。