取扱説明を受けなくてもこの1枚があれば電気主任技術者
ならばシステムはわかるんだよ。
これは私が勤務するビルの旧館の冷暖房システムで
セントラルの現場はどこも基本は同じだと思う。
3台の冷凍機があり負荷に応じて1~3台運転をしているの
(500冷凍トンが2台と250冷凍トンが1台の冷温水発生器)
それらの冷水をHCH-1ヘッダーに集めてから圧力制御
をしてHCH-2ヘッダーに送りそこから館内の空調機
やファンコイルに冷水を送るシステム
一番肝心な制御部分を拡大すると下で圧力検出PEWで
HCH-2ヘッダー圧力を読んで圧力調節器PICの設定に
なる様に自動制御されます(ここでは2.8キロ)
PICからの出力はR/B(レシオバイパス)という装置に
より分割されてポンプ回転数制御とHCH-1とHCH-2の
バイパス量のコントロール制御に入力されます。
レシオバイパスとは比率配分器といい簡単に言えば
信号を分散させる装置です。
どれも熱源の自動制御で出てくる言葉だから
覚えておくと何かのヒントになるかもね?
様は負荷が多くなればポンプの回転数を上げ負荷が
下がればポンプ回転制御を下げて調整する
けどそれでもダメならバイパス量を増やす事で
HCH-2加圧量を減らすという制御をするのです。
発停と書いてあるのはこの冷水ポンプは残念ながら
自動台数制御をしていないという欠点あり。
だから時々人が巡回してPEWの現場指示値を確認して
ポンプを追加運転しないといけません
これがPICつまり圧力指示調節器で設定が2.8になっている。
現在値が1.8だから操作出力は100%になっているでしょ
(Greenのバー表示が操作出力でフル表示)
もうこうなるとポンプの追加運転が必要なの
ただ新館の新しい熱源設備は台数制御が自動ですからそういう
手間はありません。
もっとも古い設備も経験で時期事の運転タイミングはわかって
いるからそれほどじゃないよ。
上の冷水ヘッダーから出た冷水は空調機に入る事で冷たい
空気を出し冷房をします。
え?噴出し温度(SA)が14℃なんて寒いと思われるでしょう
がここは天井が吹き抜けのためこのくらいで室温度が23.5℃
にやっとなるの
空調機に入る水は5キロで10℃くらいですね。
(Mpa単位は初めて聞く方にはわからないのでキロで)
元が2.8キロなのになぜここが5キロかは冷水管が狭いから
RAとは部屋からの戻り空気でこれと外気をMIXさせ
ています。
RAの一部はAEXという全熱交換器に入り外から来る
24℃より熱い外気を30℃から27℃程度に冷やす事で
熱交換をするんだよ。
30℃の空気を入れるより27℃の空気を入れた方が
空調機の冷房負荷が減るわけでこういうのを
全熱交換器と言います。
ただ猛暑時期で外気が35℃を超す場合は熱交換
しても効果ないので逆に停止させた方がいいのです。
私は省エネ対策としてAのダンパーを強制停止
させるタイマー回路増設の改造を以前しました。
24時間タイマーで昼からデマンドが上昇する
13時~15時の時間帯に8月くらいに使えば効果的。
これが閉まるとモーター電流も下がるから熱い
外気が遮断されたのも確認できます。
使うのは定番のパナソニックのTB15601Kです。
これは電源ボルトフリーで何にでもOKなのでダイスキ
私が会社の許可なく自由に買えるのは月に10万円まで
だから買う時は多めに購入する様にしています。
管理するのでもいくらかは自由になるお金が必要だから
いちいち小さな事まで会社の購入許可が必要ではお客様
に対しての対応まで遅れるという理由、それは正解だね。
ただ許可はいらないけど月末に購入報告書の提出はいるよ。
それと会社のお金ですから領収書は絶対になくせません。
FX2リレーをON、OFFさせればいいだけの事。
FX2リレーがONで外気ダンパー全開で通常は
機械が停止した時しか全閉ならず全開したまま!
FX2リレーがOFFするとダクトについてるこのダンパーを
全閉できるんだよ。
閉鎖すれば熱い外気を止める事ができます。
こういうダクトは高所にあるため人間が仮に何かで
ダクトを閉鎖できても危険だし多くの空調機でそれを
人がするのは極めて非効率な作業です。
後炭酸ガス濃度が1000ppmより上がらない事の確認。
30分事に外気ON/OFFとかとにかくずっと閉鎖のまま
だと空気環境衛生の点で問題あり。
実際に計測して可能な閉鎖タイミングは調べましょう。
だからON/OFFできるタイマーが必要なんです。
通常メンテナンス業者にこういう改造をお願いしてもまず
してくれません。
この空調機は既存の使用方法という約束で導入してる
ためにそれをして不具合が起きたら責任問題になるから。
私は現場の電気主任技術者として上司の技術部長から
許可をもらい行っています。
もちろん何の改造にしても壊したりしたら始末書は確実
だから事前にそういう事がないか検討は必要です。
全国的に暑い5月だけど古い設備の旧館の冷房はまだ
500冷凍トン1台で余裕でした。
それは冷却塔の入と出の水温度を見てたらわかるの
この冷凍機がMAXになると冷却塔(CT)の入が37度で
出が32℃になるからまだ余裕ですね。
尚、適正に管理してる冷却塔においてそれは入の水を
5℃に下げる装置で37℃の水を25℃とかには絶対できません。
前に中の補給水の量を増やせばなんて人が職場でいたけど
あれは蒸発した水を補給してるだけで補給水をいくら増やしても
冷えが高まる事は絶対にありません。
冷却塔は水を蒸発させる事で冷却する装置です。
蒸発させるのだから下水道に流さないのでこれを申請すれば
水道局で下水道料金を減額してくれるんです。
もしまだ申請してない現場があるならぜひ申請をお勧めします。
ランニングコスト削減に大きな効果がありもしかしたら貴方だけ
昇給があるかも?
冷凍機の設定温度を何℃にするか?
今の時期はつまり100%負荷状態にならない時期は
出口を7℃にするより10℃の方がいい場合もあるの
7℃だと水が冷え過ぎて冷凍機が停止して水温が
13℃になるまで再起動しないはずです。
その一番水温度が上昇した時にテナントが暑いと
いうクレームを言ってくる場合がある。
10℃なら冷凍機が停止せずに10℃の水温度のまま
継続運転できて逆に館内が涼しい場合もある。
涼しくするために逆に冷凍機の設定を上げると
いうのは不思議に聞こえるけど5~6月時期は
そういう事も考えながらするのがプロの運転管理
冷房の基本は冷凍機の冷やす能力=冷やすべき負荷
にするのが理想的です。
どうして冷凍機の設定は一杯下げてるのに今日は
ビル内が暑いのか?すべてに原因があります。
この場合15℃の冷水が入り20℃になり出ています。
つまりこの流量で5℃分熱交換して空気を冷やした意味。
もしこの温度差がなければ温度計故障か熱交が汚れているか
まずエア抜きから水を出し本当に冷たい水が来てるのか空調
吹き出しが冷えてるか確認して双方OKなら温度計故障でしょう
通常はほとんどそれです。