2015年4月29日水曜日

電気主任技術者 直流電源装置

自家用電気工作物は年に1回全停電させて受変電設備
を点検する必要があります。(保安規定に定めある現場)
各現場に応じて運用方法が異なるので細かい手順の
違いはあるけど、おそらくどこの現場でも気をつけて
いると思うのはDC100V蓄電池を放電させてしまわない事

盤を開けると中には1個2Vの蓄電池が54個あり
これは上段で下段にもこれと同じ27個があります。
5年前に54個すべて取替するのに300万円以上かかった
ので相当高性能な物だとは思います。

それらが直列だから出力電圧は計算上108Vだね。

このDC電圧は受変電設備にあるすべての電気設備の
電源となりこれがないと何も動作しません。
そうDC100VがないとVCBを投入できないため復電操作
ができず各継電器も動作しないのです。

ただこのDC100V電源は同時に館内の非常灯の
電源としても併用されて停電発生により即時点灯。
その後発電機が稼働すればAC送電に自動切替されます。
停電作業の様に自家発は基本運転禁止の時はこの
非常照明は最初から点灯しない様にしておきます。
そう非常照明の長時間点灯によりDC100V蓄電池を
放電させてしまうとガチにやばいから
こういう非常照明への送りの各主幹を切ればいいの

もしもDC100V蓄電池をかなり放電させたらDC100V
蓄電池の充電装置は自家発回路になっているから
発電機が運転できたら充電させる事ができます。
VCBはDC100Vがなくても投入バーで手動強制投入
という方法もあるけど安全回路が生きてないのだから
無理に電気を生かして売電での充電はしたくない

ただ発電機の制御回路電源が完全に独立していれば
いいけど同じこのDC100V蓄電池から給電されて
いた場合は
自家発電機すら起動できません。
発電機が自分の回路用電源を専用盤として別に持つ
のが理想だけどコスト節減でそうでない場合もあるの
蓄電池を完全にDOWNさせた場合どうすればいいのか?
貴方がどこかの現場の電気主任技術者になったなら
こういう緊急事態の対策も考えておかないといけない

非常灯は各階EPSに27リレー(停電検出)があってこれが
無電圧によりOFFするとB接点が短絡し非常灯回路をONにします。
尚E26の口金にそのまま使用可能な蛍光灯にすれば節電
できそうだけど、ここには最初DCが来て発電機が稼動
するとAC切替となるため蛍光灯は使えません。

古いビルでボール球の100Wを非常灯に使ってる様な現場
ではビル全体では相当の電気を消費するため蓄電池消耗
も激しいから特に注意されてね。
最近はKR電球とかミニコンパクトなので消費電力は昔より
かは少ないはずです。
LEDは諸事情からビル非常灯としては未だに認可が下りて
ないと聞いた事があります。