電気主任技術者 テーピング補修

今日は誰でも物さえあればできる簡単な修理方法の紹介です。
テナントトラブルで一番多いのが漏電です。配給側線路ではなく
テナント機器本体の漏電ですからいつそれが発生するかわかり
ません。(重い台車で配線を踏んだ、ネズミ被害や機器内部の
劣化など)貴方に電気主任としてテナントから機器が停止してる
ので点検をしてほしい
と連絡が来たらどう対処されますか?
機器が動かないのは故障ではなく電気が来てないからと思う方
が多いのです。テナント所有物はこちらに修理する義務はありま
せんがそれは建前でまずは現場に直行して可能な範囲で対応
は行う必要があるし実際電気が来てないのかもしれません。
仮にそれが業務用冷凍陳列とします。テナントに行くと店長から
これの電気が止まってると言われます。

最初に確認するのはこの機器にあるELBが動作していないかです。
この15mAが動作してるならこれは機器内部故障でキッパリと自己
所有物なので修理できない事を述べメーカーに連絡する事をアド
バイスします。内部の修理部品はどうせないしこちらが細工修理
したのが原因で発火でもしたらまずいので家電も含めてテナント
所有の機器内部には触れてはいけません。
たいてい機器マニアル
には"メーカー技術者以外は修理禁止"と記載があるはずです。

でも10年以上経過した物ならともかく相応の事は考えて作られて
製作されてるので機器本体が漏電する事はそんなに多くはなくた
いてテナント分電盤内の30mAのELBがトリップしています。
分電盤ELB⇒コンセント⇒プラグ⇒電源コード⇒機器ELB一次側
のどこかで漏電が発生しています。コンセントからプラグを抜いて
から分電盤ELBが正常に投入できるなら機器専用のプラグか電
源コードが漏電の原因です。プラグは床上にありますから電源コ
ードのどこかがダメージを受けています。床の上にある物が漏電
の可能性が一番高いのです。
次は壁コンセントですね。
機器が動かない報告では後で説明するテープとコンセント、道具と
メガ、テスターを持参してテナント対応を行います。

電源コードが完全な破損状態となれば取替が最善ですがこの機器
専用のコードまではこちらもないのでメーカーへの依頼となります。
ですが修理完了まで使用できないので応急対応が必要です。たい
てい表面の被覆が一部めくれてる程度なのでテープングで応急対
応はできます。そうしてる現場も多いと思います。漏電なんて原因
がわかればあっけない物です、分電盤のMCBからのコンセントに
接続していた場合はまったく電気が切れず中央監視室で変圧器
地絡警報となり変圧器⇒幹線⇒EPS⇒テナント分電盤とまずI0で
漏電を追ってこないといけません。こういう風にELB回路での漏電
トリップならこちらも対応が楽です。


左は自己融着型テープで右が電気絶縁用テープです。使用してる
電源コードの色を考えて3種類程度を私は準備しています。
(以下は私が考えた上でしてる事ですからそういうつもりで)

この電気絶縁用テープをよく見てくださいJETという記号があり電源
プラグにも同じ記号がありますがこのテープは文具店や100円SHOP
で売ってるビニールテープではありません。


修理は被覆がめくれた部分を最初に自己融着型テープでテーピング
してその上から電源コードと同じ色でテーピングして完了です。
白い電源コードに黒テープではあまりに素人ぽいので避けたいです。
自己融着型テープは写真の感じで巻いては意味がありません。つまり
巻いた後に簡単にほどける様ではダメです。それは引っ張りながら
1/2重ねで巻いていくのです。
後は自然に締まり一体となって高
い電気絶縁性と防水効果が生まれるのです。このテープは黒ですから
白い電源コードなら上から軽く白の電気絶縁テープで巻いて完了です。

配管の様な太い物なら簡単なのですが電線の様な細い物は意外と引
っ張りながら巻くのが難しく少し練習が必要です。

配線を完全に粉砕されてる状態となれば不良部分を一旦切断してリン
グスリーブなどで応急対応を私はします。ただその時に接続点はこう
いう感じで互いにずらします。手元に電源コードが見当たらないのでい
つもの線で説明すると2線の長さを互いに色違いで短くし合わせたらこ
んな配置にできるのでこの位置でリングスリーブで接続します。同じ接
続点でお団子状態となるとそれが何かに引っかかり力がかかると破れ
る可能を考えてなるべくスマートにしたいからです。後は自己融着型テ
ープ+電気絶縁テープで完了です。テナントには"これは応急処置なの
でメーカーに連絡してコード一式交換をお勧めします"と言葉を残します
がほとんどそのまま使用されてます。自己自己融着型テープによりビニ
ールテープで巻いただけとは比較ならない強度と電気絶縁性が確保さ
れます。"テープを巻くだけなんでしょ"にも拘りを示したいです。
この方法の修理で後からトラブルが再発した事は一度もありません。

電源コード+プラグも厳密には機器の一部ではあるけどこの程度は
しないと"配線修理もできなくて何が電気技術者か?"と言われます。

2日前の事ですが地下設備点検で汚水槽のポンプ圧力や電流を測定
していたらNO2は正常なのにNO1は3Aと完全に空転状態でした。
マグネットは写真でわかる様に昨年8月に私が取替してるので電気的
な異状ではない自信はありました。でも何事も再確認が原則ですから
今度は私のこのテスターで電流と電圧を測定してみたのです。
異状な値を測定した時は測定器故障もあるので違う測定器で同じ測定
をして比較します。あれ?今度は電流、電圧もこの様にいつもの平常値
でポンプ排水圧力も正常でした。水中ポンプなので直接ポンプ本体は見
えません。でも圧力計は嘘はつかないのでこのケースは両方とも正解で
す。圧力計指示が2回とも同じで測定値が異なるなら話は別ですが!
こういう時に電気主任はどうするか判断をしないといけないのです。

クランプ機能のついたこのテスターは誰にも好評です。テナント分電盤
内で電気の使い過ぎなどを調べる時にこの大きさのクランプがとても
使い易いです。又直入モーター程度の配線ならば電流測定も可能!
尚0.1Aが最低認識値なのでI0の測定には使用できません。

排水ポンプが夜中運転した時に空転が長時間発生した場合
夜勤者が仮眠してるとポンプを焼いてしまうのです。
水位がON位置となり運転要求を常にするがポンプ故障で水位が
減らず回りぱなし、フロート故障で水がないのに同じ現象、特に排
水ポンプには通常減水警報というのがないからでこれは多くの現
場でもありえる事故と言えます。点検は業者に後日させればいい
のですが問題はそれまでの期間です。この現場では中央監視で
機械運転時間が設定時間を越えたら警報を出す事ができます。
このポンプでは通常1回で5分しか運転しないので10分連続運転
したら警報が出る様にしてあります。ポンプの深夜夜間点検は費
用がかかるし偶然発見した1回の状況なので様子を見る事にしま
した。

もし中央監視にその機能がないなら空転防止回路を私は作ります。
こんな感じですね。タイマー電源はモーター回路電源とは別にする
X1-aがNO1ポンプマグネットのa接点、同NO2のa接点がX-2aで
ポンプが運転開始するとタイマーに通電、ポンプが連続10分運転
したらタイマーa接点がONとなりリレーRが動作して2台のポンプマ
グネットのコイル電源に挿入したb接点を切る(ポンプ停止)、警報
は同じRリレーのa接点でモーターのTHRによる遠隔警報接点を短
絡させたら中央監視PCにもポンプ室で異状が発生した事を知らせ
られます。リレーRは自己保持でないとポンプが停止した時点でマ
グネットa接点が切れる事でタイマー通電が止まり、故障原因が
フロート絡みですと再度ポンプが運転をする可能性、つまりポンプ
の起動・停止の繰り返しを懸念したからです。
(この程度の回路追加ならパーツ代は1万円もあれば可能)

実は違う支店が担当する巡回物件で支店担当から空転防止回路を
入れてほしいと1回だけ改造した事があります。常時は人がいないの
で急いでいたのですが分用タイマーが在庫でなかったのです。私が
この会社に転職する時に父からもらったかなり古いタイマーですが
新品があったのでそれを使用しました。タイマー本体横記載を確認
すると2-7間が電源で電圧をかけて設定時間になると8-6間が導通
状態となるNO接点なのがわかります。動作して何か回路を切る逆の
動作をさせたいならば8-5間のNC接点を利用しますが今回は関係
ありません!3-1間は通電したら即動作する単純なa接点です。

ただソケットがないのでこういう場合は端子配列を見てハンダづけで
外線を出せばいいです。では盤への取付固定はどうすれば?となりま
すが状況を見て工夫します。私達がこうしたらいいと思う程度はでき
ない事なんてありません。
こういう基本仕様を変更する改造は何かあ
ったら問題となるので普通業者はしてくれません。どうしてもしたいなら
そういうユニットを一式購入してくださいという話で最低でも50~100
万円もかかる話で前述した様に私はパーツ代1万円で実現させました。
もちろん遊びではないのでするからには責任が発生します、絶対に
間違えて焼損を起こさない自信があったから、と言うより改造は普段
からするので特別な事をしてる意識はありませんでした。

排水ポンプ制御程度なら運転表示でa接点を1個使用しますがたいて
い残り1個のa接点があるのでそれを利用すればいいのです。a接点
とは私が指で示す奥の補助接点間の事です。ポンプが運転したらこ
の接点でタイマーに通電させます。タイマーとリレーRの2個だけは
ないとこの回路は組めません。リレーRは大きさが関係なければ在庫
のマグネットでも構いません。私にはとても楽しいお仕事の時間です。

次回は実際にこの回路を机上で組んでみます。80%完成しています
が上で説明したこのタイマーの接点構成だけ覚えておいてもらえた
ら次回の記事を読むのがスムーズかと思います。

トイレの汚水槽ではフロートがおかしくなる事がありませんが厨房の
雑排水槽では条件によっては夜中に油が塊りフロートに悪さをする
事があります。そうした現場では水槽の中の水位がポンプOFF位置
なのにポンプが運転しまい最後は水がないのに運転したままという
状態となります。水中ポンプは通過水で冷却を兼ねてるため水ない
状態で長時間運転するとポンプを焼損して取替に高額費用がかか
る事となります。排水槽であるが減水警報がもしあるならばいいの
ですが前述した様に排水槽には通常減水警報というのがないので
す。排水させる水槽だから水が少ないのは問題なしという事で満水
警報時に強制2台運転させる安全回路
はどこの現場でもあります。

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