電気主任技術者 仕事:CVTケーブル取扱説明

今回は各階のEPS内にあるケーブルラックに敷設してある
構内配線ケーブルのトラブルについて紹介します。
父が電気主任をしてる工場に私が勤務してる時実際にあった
出来事でこのケーブルの1本が各所で固定してる固定具が一斉
に外れて重さで下に30cm脱落したのです。
結果CVTケーブルの一番上の外装がえぐれて露出した状態
実はこの時は変圧器の漏れ電流増加によりあの低圧地絡LGR
も発生しました。
写真は私が勤務してる現場のある階のEPSケーブル風景

通常その系統はI0が25mA程度なのになんと2500mAもの異常な値
父と私が過去記事で紹介してる方法でEPS内の幹線まで
判別させて...ところがその現地EPS幹線でのI0測定では正常。
もしかして負荷先ではなく間のケーブルではないかと。
で結局見つけたのはケーブルが下にずれて1箇所大きく外装
がめくれた状態でした。簡単に言えばこういう事!

すぐにそのケーブル元の電気室の元MCBを切り業者に父は
取替を発注しました。(緊急のためそこの停電はやもえない)
その電線メーカーの人が来たのですが2500mAという話をしたら
そのままでしたらいつ出火してもおかしくないと言われました。
個人的にもこうした縦区画の火災は建物の機能が大きく損失
するのでこの事態が発生するのが一番やばいです。
だから変圧器のとこのB種接地でのI0異常も安易に考えて
いてはいけないですよね。
ケーブル破損、劣化でのI0上昇は相当に大きな値になるのかも?
年に1回はどこの現場でも保安規定により幹線メガ測定され
まずがしょせん年に1回ですからそれで1年中安全とは言えません。

LGR警報というとたいてい負荷先の何かの漏電だけど
時にはこういう途中のケーブルでも有りえる意識を電気主任技術者
は持っておく必要があります。
前述した様に分電盤主幹で漏れ電流が正常値なのにかなりの
I0が変圧器で検出される場合はケーブルが逝ってる

可能性が高いので注意してね。
CVTケーブルは通常の使用では絶対に壊れる物ではなくこういう
何かの原因で大きな外力が加わった時!

この場合横か縦方向になるけど敷設状態から見ても縦方向
つまり上下の何かの変化が一番可能性が高いはず。
それで私は今の現場では同じ高さで各ケーブルに
白の絶縁テープを1本ずつマーキングの意味で巻いています。
そうすれば脱落がどこかで発生しても一目でわかるからね。

EPSのこうした電線貫通部つまり床と天井部分は必ず隙間が
あってはいけませんだから防火処理がしてあるの
もし火災が発生した場合に煙突効果でいっきに火がその上
の階まで進行してしまうからです。
そう建物全体の全焼にも至る危険な状態になります。
古い現場ではEPSの上下が空洞になってる現場があると聞いた
事があるので貴方の現場はいかがですか?

電力の送電にはどこでもCVTケーブルというのが使用されます。
2009年製で低圧用で150というのが線の太さを意味するの
こういう電力の送電ケーブルは3本が1SETの1回路です。
私は見ただけで線の太さがわかるけどそれがわからないと許容電流
がわかりません。(負荷増設時などに質問されます。)
よく使うサイズの許容電流くらい電気主任技術者は覚えておきましょう。
業者との打ち合わせでもさっとそういう話ができるだけで相手の見方
も違うんですよ。


こんな会話はよく業者と現場でいきなりします。
お客さんは三相で22KVAほしいらしいです。(業者)
このケーブルの電流を計ったら45Aですから全然大丈夫です。(私)
まず一目でケーブルサイズがわかる事、そしてその許容電流がわかる。
許容電流から計測電流を差し引いた値に私は0.36を掛けて残容量を判断。
そういう思考プロセスで判断して10秒で答えます。
210Vなので1A当たり1.732×0.21×1≒0.36
単相三線なら両外線の電流を計測し足して0.1を掛けたら負荷KVA
現場で急に質問されると電験を合格した人でも意外と即答できません。
実際に配線に流れるのは皮相分に対してで客先に増設機器容量
を返答してもらう時は必ずKVAで質問
されてください。
よく20キロとか言われますがKWなのかKVAなのかその辺が曖昧な会話
が多いので注意されてね。

CVとは「架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル」の略称で
CVTケーブルのTはトリプレックスと言い、3本撚った物で撚り合わ施工により
許容電流値を向上させているのです。
この様に3本を一括でまとめた上写真をCVケーブルといい各1本が完全
に独立して撚り合わせた下写真をCVTケーブルと言います。
架橋ポリエチレンは耐衝撃性、耐摩耗性に優れ熱による劣化が少なく
低温度特性においても優れている。耐薬品性に優れている。
電気の配線は何が苦手かというと太陽の紫外線で一番外に
ビニール外装を使用する事で屋外にも使用できます。

通常ケーブル表面の温度は周辺温度と同じか少し暖かい程度です。
この状態の物は計測しなくても許容電流をオーバーしていません。
あくまで私の感覚上である程度サイズの大きなCVTケーブルで
許容電流に近い物は触ると温度も高いしジンジンと水が流れる様に軽い
振動をしているのを前から気がついていました。
まるで水の流れの様なこの現象はとても不思議に思いましたが実際そう
なのです。(ただ絶縁もI0も異常はないのは後で確認)
表面温度は負荷に比例するので時々は主要なポイントの高所の
ケーブル温度を放射温度計で計測する事はあります。

これを会社で買ってもらいましたが今はずいぶんと価格も安いので
どこの現場でも放射温度計が1台あれば何かにつけて便利ですよ。
これからはI0も含めて数値による管理をすべき!
異音、異臭はあるかないかだけど"温度よし"は違う人が見た時
に何度でそう判断したのかわかりません。
限界値は大切だけど、適正範囲であっても前との変化率を意識
する
のが不良の予兆を知るきっかけになると思いませんか?


ビニル絶縁ビニルシースケーブル又はFケーブルやVAケーブルとも
呼ばれる物で電気工事士を練習した事がある方はご存知ですよね。
黒が電源のプラス、白がマイナス、赤が接地で施工されてるので
この程度は必ず知っておいてください。
末端のコンセントを交換する時に赤を間違えて接地ではなくマイナス
に接続すると客が何かの機器を使用したとたんに変圧器で地絡
警報が出るので注意されてね。


これはVAの許容電流で常識として記憶しておきましょう。
この前もあるテナントから単相で約3KVA負荷を使用したいが今
ある20AのMCBのままで可能か?と現地に呼ばれて質問されました。
見たらVAの2.0だったのとMCBが200V用の2P2Eだったので
3000÷200=15Aとなるので大丈夫と即答しました。

もし100V配線でしたら30AになるのでMCBとケーブル交換が必要。
この表で言えばVA2.6で配線変更が必要という事になります。
尚2P1EなるMCBの回路は100Vなので覚えておいてね。
実際接続されるすべての機器が最大状態になる事はなくて
後でこの回路の電流を計測したら10A(2000VA)以下でした。
実際の運用負荷は客任せだから私も事前にはわからない!
とにかく客からの容量UPの相談は電圧をまず確認されて!

間違えて返答して後で追加工事が発生したら最悪その料金を
こちらが負担する事態に今の時代はなるので注意されてください。
とりあえず前述のCVTとこのVAケーブルの2点だけ確実に
頭の中で覚えておけば通常の管理では困る事はない
でしょう。

増設工事がされたなら下の様に系統にタグをつけて誰でも
このケーブルが何の系統なのかきちんと維持管理します。
尚こういう場所で緑の線はアース(接地線)
図面上では何の回線があるのかわかっても現地に何も説明がない
とどれがどの配線はいずれわからなくなり現地管理ができません。
こういうとこを見ただけでその現場の電気主任技術者の管理意識は
わかります。
雑な管理をしてるとイザで調査に時間がかかるし事故の原因!
いくら物知り博士でも肝心の現場管理ができない人、つまり整理整頓
ができない人は電気主任技術者のお仕事には不向きです。

EPSのお掃除とかも面倒かもしれませんが汚い現場で平気でいれる人
はお仕事の心構えがまったくできていません。
私が父の工場で電気を習って最初にさせられたのはEPSや電気室
の清掃をする担当でした。
何のお仕事でもそうでしょうが現場設備の整理整頓とお掃除は
この電気管理においても地味だけど欠かせない意識です。


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